イタリア生まれのレザーブランド、イルビゾンテ。
職人が手作りする上質な革製品は、使い込むほどに味が出ることで長く愛されています。
しかし、一部ではイルビゾンテはダサいという声も。
この記事では、なぜダサいと言われるのか、その理由から実際の評判、どんな人におすすめできるのかを解説します。
イルビゾンテが欲しいけど、もしかして時代遅れ?と不安な人は、ぜひ参考にしてください。
イルビゾンテとは?
イルビゾンテは、1970年にイタリアのフィレンツェで生まれた革製品ブランドです 。
ブランドの象徴であるバッファローのマークは、力強く誇り高いイメージから採用され、ブランド名はイタリア語で野牛を意味します 。
このブランドが大切にしているのは、製品が持ち主と共に時間を過ごすことで変化し、持ち主だけの特別なアイテムに育っていくという考え方です 。
そのために使われているのが、植物由来のタンニンでなめされた特別なレザー 。
自然な風合いと温かみを持ち、使うほどに色艶が深まり、柔らかく手に馴染んでいくのが特徴です。
イルビゾンテは単なる革製品ではなく、持ち主と共に時を刻むパートナーのような存在なのです。
イルビゾンテがダサいと言われている理由
多くのファンを持つイルビゾンテですが、一部でダサいイメージがあるのはなぜでしょうか?
その背景には、ブランドならではの個性や特徴が関係しているようです。
経年変化が汚れて見えるから
イルビゾンテの魅力である経年変化は、時として悪い印象を与えてしまうこともあるようです。
革を育てる楽しみは、手入れをしないと革が劣化していくことと表裏一体。
例えば、手入れをせずに財布をズボンのポケットに入れっぱなしにしていると、美しい飴色ではなく、汗や皮脂で黒ずんでしまい、清潔感のない見た目になることがあります 。
また、ヌメ革は水に非常に弱く、雨に濡れるとすぐにシミになってしまいます 。
ブランド側はシミも味と捉えていますが、革製品に慣れていない人から見れば、ただの汚れに見えてしまうのです。
この味と汚れの感じ方の違いが、ダサいという評価につながってしまうのかもしれません。
ナチュラルなデザインが野暮ったいから
イルビゾンテのデザインは、革本来の風合いを活かした、シンプルで素朴なものが中心です。
製品によっては、革の裁断面をあえて処理しない、切りっぱなしという仕上げも多く見られます 。
この作りは温かみがあって魅力的ですが、洗練されたデザインを好む人からは野暮ったい、垢抜けないと思われてしまうことがあります。
特に、光沢のある仕上げが特徴の高級ブランドと比べると、イルビゾンテのカジュアルな雰囲気が、安っぽく見えてしまうこともあるようです 。
丸みを帯びたデザインも多いため、フォーマルでかっちりした印象を求める人には、物足りなく感じられるかもしれません 。
一昔前に流行ったブランドで時代遅れの印象があるから
イルビゾンテは、かつて学生や若い世代の間で大流行した時期がありました 。
そのため、当時のイメージが強く残っている人にとっては、懐かしいブランド、今さら持つのは少し気恥ずかしい、という印象を与えてしまうことがあります。
インターネットでイルビゾンテと検索するとダサいと表示されるのも、こうした過去の流行を知る人が今でも大丈夫かな?と不安に思って調べているからかもしれません 。
しかし、今のファッションは多様化しており、流行が完全に廃れることは少なくなりました。
イルビゾンテは流行とは関係なく、品質の良い定番アイテムとして評価され続けています 。
手入れが必須で扱いがデリケートすぎるから
イルビゾンテの魅力を最大限に引き出すには、こまめな手入れが欠かせません。
特にヌメ革の場合、購入後すぐに使い始めるのではなく、まず数日間日光浴をさせて、革の表面に保護膜を作るという下準備が推奨されています 。
さらに、週に一度は防水スプレーをかけ、定期的に専用クリームで油分を補給する必要もあります 。
雨の日はもちろん、カバンの中のペットボトルの水滴にも気をつけなければなりません 。
こうした手間を革を育てる楽しみと捉えられる人にはぴったりですが、忙しい人にとっては大きな負担に感じることも。
傷やシミを気にせずタフに使いたい人にとって、この手入れの面倒さが使いにくいという評価につながり、センスがないと思われる原因になっているようです。
イルビゾンテの評判・口コミ
実際に使っている人はどう感じているのでしょうか。
良い口コミと悪い口コミを見てみましょう。
良い口コミ
- 革の質感がしっとりと柔らかく、手に吸い付くような触り心地が最高
- 使い込むほどに色艶が深まっていく経年変化を見るのが楽しく、自分だけのアイテムに育っていく実感がある
- デザインがシンプルで飽きがこないので、年齢や性別を問わず長く愛用できる
- 定番のヌメ革以外にも、赤や緑など綺麗なカラーバリエーションが豊富で、選ぶのが楽しい
- 革が柔らかいので、最初から手に馴染み、カードなどの出し入れもしやすい
悪い口コミ
- 雨に濡れたら一瞬でシミになってしまい、元に戻らなくてショックだった
- 財布のカード入れ部分が想像以上にきつく、カードの出し入れにストレスを感じる
- 革が柔らかすぎて、中身をあまり入れていなくても形が崩れやすく、頼りなく感じる
- 一部の財布は海外サイズなのか、日本の一万円札を入れると端が数ミリはみ出してしまうことがある
- がま口やボックス型の小銭入れは、開けた拍子に小銭がこぼれ落ちることがある
イルビゾンテがおすすめな人
では、イルビゾンテはどんな人に向いているのでしょうか。
ブランドの特性と相性が良い人の特徴を3つ紹介します。
革を育てるのを楽しめる人
イルビゾンテの最大の魅力は、なんといっても経年変化です。
新品の状態から、使い込むことで自分だけの風合いに育てていく。
その過程そのものを楽しめる人にとって、これほど愛着が湧くブランドはないでしょう。
傷やシミさえも自分だけの歴史として受け入れられる、そんな人にこそイルビゾンテは最高のパートナーになります 。
流行に左右されないナチュラルなデザインが好きな人
イルビゾンテのデザインは、派手な装飾がなく、素材の良さを最大限に引き出しています。
流行り廃りのないシンプルなデザインは、どんなファッションにも自然と馴染みます 。
ブランドロゴを主張するのではなく、モノ自体の質の良さで自分のスタイルを表現したい人や、温かみのある雰囲気を好む人には、イルビゾンテの素朴な美しさが心地よく感じられるはずです。
一つのものを手入れしながら長く使いたい人
良いものを手入れしながら、長く使い続けたいという価値観を持つ人なら、きっと満足できるはずです。
定期的なメンテナンスは必要ですが、その分、革は丈夫で長持ちします 。
手間をかけることでモノへの愛着は深まり、数年後にはお金では買えない価値を持つ一品になるでしょう 。
次々と新しいものを消費するのではなく、一つのアイテムとじっくり向き合いたいという人におすすめです。
イルビゾンテがおすすめできない人
一方で、イルビゾンテの特性が合わない人もいます。
購入してから後悔しないために、どんな人におすすめできないのかも見ていきましょう。
傷やシミを気にせず気軽に革製品を使いたい人
革製品を日常の道具として、天候などを気にせずガシガシ使いたいという人には、イルビゾンテのヌメ革はあまり向いていません。
特に淡い色の製品は、水濡れや汚れが非常に目立ちやすく、常に気を遣う必要があります 。
ほんの少しの水滴でもシミになる可能性があり、そのデリケートさがストレスに感じてしまうかもしれません。
かっちりした硬めの革や高級感のあるデザインが好きな人
イルビゾンテの魅力である柔らかさやナチュラルな風合いは、硬くて光沢のある革を好む人にとっては、物足りなく感じられるかもしれません 。
ビジネスシーンでも使えるような、よりフォーマルでかっちりとしたデザインを求めている人には、イルビゾンテのカジュアルな雰囲気はマッチしにくい可能性があります。
機能性や収納力を最優先する人
イルビゾンテの製品は、デザイン性を重視するあまり、実用面で少し不便な点が見られることがあります。
口コミにもあったように、モデルによってはカード入れが窮屈だったり、日本のお札のサイズに合っていなかったりすることも 。
収納するカードの枚数が多かったり、お札や小銭の出し入れのしやすさを最優先に考えたりする人にとっては、日々の使い勝手に不満を感じるかもしれません。
イルビゾンテのおすすめポイント
イルビゾンテが長く愛され続けるのには、確かな理由があります。
ブランドが持つ特に魅力的なポイントを3つ紹介します。
自分だけの味が出る、唯一無二の経年変化
イルビゾンテの最大の魅力は、やはり経年変化です。
持ち主の使い方や手入れの頻度によって、革の色や艶は変化していきます。
つまり、同じ製品を買ったとしても、数年後には全く違う表情を見せる、世界に一つだけのアイテムになるのです 。
この自分だけのモノを育てるという感覚は、他のブランドではなかなか味わえない特別な体験です。
温かみのあるイタリアンレザーと職人の手仕事
製品はすべて、革工芸の中心地であるイタリア・フィレンツェで、熟練の職人たちの手によって作られています 。
植物のタンニンで丁寧になめされた革は、自然な香りと温かみのある手触りが特徴です 。
大量生産品にはない、手仕事ならではのぬくもりと、使い込むほどに増す革の味わいは、日々の生活を豊かにしてくれます。
豊富なカラーバリエーションとシンプルなデザイン
イルビゾンテは、経年変化が楽しめるナチュラルなヌメ革が有名ですが、実はカラーバリエーションが非常に豊富なことも魅力です。
定番の黒や茶系はもちろん、コーディネートの差し色になる赤や緑、シーズンごとの限定カラーなど、選ぶ楽しさがあります 。
デザインがシンプルだからこそ、色で個性を表現しやすく、自分のスタイルに合った一品を見つけやすいのも嬉しいポイントです。
イルビゾンテのおすすめアイテム
これからイルビゾンテを試してみたい方へ、特におすすめの定番アイテムを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。
ブランドの顔ともいえる二つ折り財布
イルビゾンテの入門アイテムとして、最も人気が高いのが二つ折り財布です 。
コンパクトながら、お札、小銭、カードをしっかり収納できる実用性を備えています。
ポケットにも収まりやすいサイズ感で、日常使いにぴったり。
まずはこのアイテムから、イルビゾンテの革の質感や経年変化の楽しさを体験してみるのがおすすめです 。
レトロな魅力が光るがま口財布
どこか懐かしく、可愛らしい雰囲気が魅力のがま口財布も、イルビゾンテの定番人気アイテムです 。
パチンと開ける感触が心地よく、口が大きく開くため小銭の出し入れがしやすいというメリットも。
上質なレザーとレトロな金具の組み合わせは、上品な印象を与え、デザイン性を重視する人から特に支持されています 。
ギフトにも最適なキーケース・カードケース
財布やバッグは少しハードルが高いと感じる方には、キーケースやカードケースといった革小物がおすすめです 。
比較的手に取りやすい価格でありながら、イルビゾンテならではの上質な革の魅力を十分に味わうことができます。
毎日手にするものだからこそ、経年変化も実感しやすいアイテムです。
シンプルで質の良いデザインは、大切な人へのプレゼントとしても喜ばれるでしょう 。
まとめ
イルビゾンテがダサいと言われるのは、その最大の魅力である経年変化やナチュラルなデザインが、人によっては悪い印象に映ってしまうことがあるからのようです。
手入れの手間がかかり、扱いもデリケートなため、使いやすさを最優先する人には向かない側面もあります。
しかし、手間をかけて自分だけのアイテムを育てるという特別な体験は、多くの人を魅了してやみません。
流行に左右されないデザインと、職人の手仕事が感じられる温かみは、モノを長く大切に使いたいと考える人にとって、かけがえのない価値となるでしょう。
最終的に、イルビゾンテがあなたにとってダサいのか、それとも最高のパートナーになるのかは、あなた自身の価値観で判断することが大切です。
この記事が、後悔のない選択をするための一つの参考になれば幸いです。