秋冬のファッションアイテムとして、あるいは大人の嗜みとして、ハンチング帽が気になっているという人は多いのではないでしょうか。
クラシックで渋い魅力がある一方で、ネットで検索してみると ハンチング ダサい という予測変換が出てきてドキッとした経験があるかもしれません。せっかくおしゃれを楽しもうとしているのに、周りから ダサい と思われるのは避けたいところですよね。
そこで本記事では、ハンチング帽がなぜ ダサい と言われてしまうのか、その理由をSNSの声やファッションの歴史的背景から徹底的に深掘りしていきます。また、どんな人なら似合うのか、逆におすすめできないのはどんな人なのかも正直に解説します。
ハンチングが欲しいけれど、もしかして失敗するかも と不安を感じている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。選び方のコツさえ掴めば、あなたのスタイルを格上げする強力な武器になるはずですよ。
ハンチング帽とは?
そもそもハンチング帽とはどんな帽子なのか、少しだけ歴史を振り返ってみましょう。
ハンチングは、19世紀半ばのイギリスで生まれた帽子です。当時はシルクハットが主流でしたが、乗馬や狩猟といったアクティブなシーンではズレやすくて不便だったため、激しい動きでもフィットするように作られたのが始まりだと言われています。
名前の通り ハンティング(狩猟) 用として広まりましたが、その後は貴族だけでなく、一般の労働者階級の人たちにも愛用されるようになりました。日本でも明治の終わりから大正にかけて流行し、商人が好んで被っていたという歴史があります。
つまり、ハンチングはもともと スポーツや労働のための機能的な帽子 であり、そこから クラシックなファッションアイテム へと進化した由緒正しい帽子なのです。
ハンチング帽がダサいと言われている理由
歴史あるハンチング帽ですが、なぜ現代の日本においては ダサい という評価を受けてしまうことがあるのでしょうか。
SNSやYouTubeでの意見をリサーチしてみると、単に デザインが悪い ということではなく、日本特有のイメージや着こなしの難しさが関係していることが見えてきました。ここでは、特に多かった3つの理由を深掘りしてみます。
昭和のおじさん という固定観念が強すぎる
ハンチングがダサいと言われる最大の理由は、どうしても おじさんっぽい というイメージが拭えない点にあります。
テレビドラマの刑事や、昭和の映画監督、あるいは休日のゴルフ場にいるお父さんたち。彼らが愛用してきたことで、ハンチングには 古い権威 や 頑固そう といったイメージが定着してしまいました。
特にSNS上の声を見てみると、若い世代からは おじいちゃんが被るもの という認識を持たれていることが多く、10代や20代が被ると 年齢不相応でコスプレっぽく見える という辛辣な意見も見られます。ベージュのチノパンにベージュのハンチングを合わせたような、いわゆる 休日のお父さんスタイル が、若者にとっては 枯れたファッション に見えてしまうのかもしれません。
顔の大きさが強調されてしまう骨格的な問題
日本人がハンチングを被ると、顔が大きく見えてしまうという悩みも多く聞かれます。
実はこれ、日本人の骨格が大きく関係しています。欧米人は頭の形が前後に長い 長頭型 が多いのに対し、日本人はハチが張っていて後頭部が平らな 短頭型 が多い傾向にあります。
ハンチングは基本的に頭の形にフィットする作りになっているため、ハチが張っていると帽子が横に広がってしまい、キノコのようなシルエットになりがちです。さらに、ツバが短くて顔の面積が隠れないため、顔の大きさがダイレクトに強調されてしまいます。
SNSでも 顔デカに見えるから封印した という悲痛な声や、被ってみたら水泳帽みたいになった という失敗談が散見されます。この 似合わせの難しさ が、結果的に ダサい着こなし を生み出してしまう大きな要因となっているようです。
時代遅れの探偵コスプレに見えてしまう
柄物のハンチング、特にチェック柄などを選んだ場合に起こりがちなのが、探偵のコスプレに見える という現象です。
トレンチコートにチェックのハンチングを合わせると、どうしてもシャーロック・ホームズや金田一耕助のような キャラクター感 が出てしまいます。ファッションとして楽しんでいるつもりでも、周囲からは 張り切りすぎている とか 街中で浮いている と見られてしまうリスクがあります。
特に、全身をクラシックにしすぎると、現代のカジュアルな街並みの中では違和感が強くなります。この TPOに合っていない感じ が、空気が読めない=ダサい という評価に繋がっているのでしょう。
ハンチング帽の評判・口コミ
では、実際にハンチングに対する世間の評価はどのようなものなのでしょうか。SNSや掲示板などの一次情報をリサーチし、良い意見と悪い意見をそれぞれ整理しました。
良い口コミ
まずはおしゃれに被りこなしている人たちや、肯定的な意見からです。
- ハンチングを被るだけで、いつもの服装がグッと渋くて大人っぽい雰囲気になります。
- ベースボールキャップだと子供っぽくなるけれど、ハンチングなら落ち着いた印象が出せるので30代以上にはぴったりです。
- KANGOLなどのストリートブランドのハンチングなら、古着MIXやカジュアルな服装にも合わせやすくてカッコいいです。
- 風が強い日でも飛ばされにくいので、自転車に乗る時やアウトドアの時に実用性が高くて重宝しています。
- ツイードやレザーなど素材感のあるものを選ぶと、秋冬のコーディネートの主役になって季節感が出せます。
悪い口コミ
一方で、ネガティブな評価も無視できません。購入を検討している人は、こうした意見があることも知っておくべきでしょう。
- どうしても ハゲ隠し で被っているように見えてしまいます。特に室内でも脱がない人は余計に怪しまれます。
- デートにハンチングで来られると、ちょっと引いてしまいます。ナルシストっぽいというか、こだわりが強そうな面倒くさい人の印象があります。
- 顔が面長なので似合うと言われますが、老けて見られることが多くて複雑な気分になります。
- サイズ選びを間違えると、頭に乗っけているだけ感がすごくて見ていて恥ずかしいです。
- ゴルフ場以外で被っている人を見ると、服装とのバランスが悪くて違和感を感じることが多いです。
ハンチング帽がおすすめな人
ここまでの内容を踏まえて、ハンチング帽はどんな人におすすめできるのかを解説します。難易度は高いですが、条件が合えば最高の相棒になりますよ。
面長でシャープな顔立ちの人
骨格的な視点で言うと、ハンチングが最も似合うのは 面長の人 です。
ハンチングは高さが出にくい帽子なので、丸顔の人が被ると顔の丸さが強調されてしまいますが、面長の人なら縦のラインをうまく中和してバランス良く見せることができます。また、顎のラインがシャープな人も、ハンチングのすっきりとしたシルエットと相性が抜群です。
自分の顔は少し縦長かな と思う人は、キャップよりもハンチングの方がしっくりくる可能性が高いですよ。
クラシックやトラッドなスタイルが好きな人
流行のオーバーサイズやストリート系よりも、ジャケットスタイルや革靴などの クラシックなファッション が好きな人には強くおすすめします。
ツイードのジャケットやステンカラーコート、あるいは無骨なレザージャケット。こうしたアイテムとハンチングの親和性は非常に高いです。英国紳士のような上品さや、大人の渋さを演出したいなら、ハンチングは欠かせないピースになるでしょう。
人とは違う個性を出したい人
街を見渡せば、ほとんどの男性がベースボールキャップやニット帽を被っています。そんな中でハンチングを選ぶということは、それだけで 他の人とは違う個性 をアピールすることになります。
流行に流されず、自分のスタイルを持っているという意思表示にもなります。 周りと同じ量産型のファッションは嫌だ と感じている人にとって、ハンチングは差別化を図るための有効なツールです。
ハンチング帽がおすすめできない人
残念ながら、ハンチング帽をおすすめしにくい人もいます。買ってから後悔しないためにも、以下の点に当てはまるかチェックしてみてください。
とにかく 無難 におしゃれに見られたい人
もしあなたが、 周りから浮きたくない とか とりあえず無難におしゃれに見えたい と考えているなら、ハンチングはやめておいた方が賢明です。
これまで解説してきた通り、ハンチングは 難易度が高い アイテムです。何も考えずに被ると事故る確率が高く、おしゃれに見せるには全体のバランス計算が必要です。手軽さを求めるなら、シンプルなベースボールキャップやバケットハットの方が失敗は少ないでしょう。
頭のハチが張っている、または顔の大きさが気になる人
骨格的に ハチ張り や 丸顔 の人が、一般的な細身のハンチングを被ると、どうしても顔の大きさが目立ってしまいます。
もちろん、ボリュームのある キャスケットタイプ のハンチングを選ぶなどの解決策はありますが、通常のフラットなハンチングだと似合わせるのが非常に困難です。試着してみて 何か違うな と感じたら、無理にハンチングにこだわらない方が良いかもしれません。
老けて見られるのが嫌な人
ハンチングにはどうしても 年齢層が高い というイメージがついて回ります。
20代や30代で、できるだけ若々しく見られたいと思っている場合、ハンチングを被ることで 実年齢プラス5歳以上 に見られてしまうリスクがあります。 落ち着いて見える とポジティブに捉えられるなら良いのですが、 おじさんっぽい と言われるのが嫌な人は避けた方が無難です。
ハンチング帽のおすすめポイント
ネガティブな要素ばかりではありません。ハンチングには他の帽子にはない素晴らしいメリットもたくさんあります。ここではその魅力を3つ紹介します。
被るだけで 大人の品格 が手に入る
Tシャツにジーンズというラフなスタイルでも、頭にハンチングを乗せるだけで、一気に 大人の休日スタイル に格上げされます。
キャップのような子供っぽさがなく、ハットほどキザにならない。この絶妙なバランスこそがハンチングの最大の魅力です。カジュアルな服装を引き締め、品格をプラスしてくれる魔法のアイテムとも言えます。
風に強く、機能性が高い
ハンチングの形状は、風の抵抗を受けにくく、頭にしっかりフィットするように作られています。
もともとオープンカーでのドライブや狩猟に使われていたことからも分かるように、風が強い日でも飛ばされにくいのが特徴です。自転車通勤の人や、風の強い海辺などで過ごす際にも、ストレスなく被っていられます。実用性を重視する男性にとっては嬉しいポイントですよね。
小顔効果のある キャスケットハンチング も選べる
最近では、一般的なハンチングとキャスケットの中間のような デザイン性が高いハンチング も増えています。
トップにボリュームがあるタイプや、8枚はぎでふっくらとしたシルエットのものを選べば、視線が上にいくので小顔効果も期待できます。 似合わない と諦めていた人でも、形選び次第で劇的に似合うようになるのがハンチングの奥深いところです。
ハンチング帽のおすすめアイテム
最後に、 ダサい と言わせない、間違いのないおすすめブランドとアイテムを紹介します。
KANGOL(カンゴール)504 / 507
若者から大人まで、絶対に外さない鉄板といえばカンゴールです。
特に 504 というモデルは、ハンチングの代名詞とも言える名作です。後ろにロゴが入っていて、あえてロゴを前にして被る バック・トゥ・フロント という被り方がストリートファッションで人気です。古臭さを感じさせず、今っぽい雰囲気で被れるので、ハンチング初心者には特におすすめです。
もう少し深めに被りたい人には507というモデルも人気があります。
LACOSTE(ラコステ)ベーシックコットンハンチング
シンプルで清潔感のあるスタイルが好きなら、ラコステがおすすめです。
サイドのワニのロゴが程よいアクセントになり、スポーティーさと上品さを兼ね備えています。コットン素材のものなら通年使えますし、ゴルフなどのスポーツシーンから街使いまで幅広く対応できます。爽やかな大人の男性を演出するのにぴったりです。
James Lock(ジェームスロック)
本物を知る大人の男性におすすめしたいのが、世界最古の帽子店と言われるイギリスのジェームスロックです。
値段は張りますが、そのシルエットの美しさと素材の良さは別格です。安っぽいハンチングはどうしてもおじさん臭くなりますが、ジェームスロックのハンチングには圧倒的なオーラがあります。 一生モノとして、良いものを長く使いたい人には最高の選択肢になるでしょう。
まとめ
ハンチング帽が ダサい と言われる背景には、昭和のおじさんイメージや、骨格的な似合わせの難しさがありました。
しかし、自分の顔の形に合ったものを選び、全身のバランスを整えれば、これほど男の色気を引き出してくれる帽子はありません。
- 面長の人やクラシックスタイルが好きな人には特におすすめ
- サイズ感と素材選びには徹底的にこだわる
- 最初はKANGOLなどの定番ブランドから入るのが安心
周りの声を気にしすぎて、おしゃれの選択肢を狭めてしまうのはもったいないことです。 ダサい と思われるリスクを理解した上で、あえてハンチングを選びこなす。そんな余裕のあるスタイルこそが、本当の意味での かっこいい大人 なのかもしれませんね。
ぜひ、あなたにぴったりのハンチングを見つけて、秋冬のファッションを楽しんでください。



