アディダスとカニエ・ウェスト(現在のYe)がタッグを組んで生まれたイージーブーストは、かつてスニーカー界の頂点に君臨していました。新作が出るたびに即完売し、プレミア価格で取引されるのが当たり前だったこの靴も、最近ではネット上でダサいとかオワコンといった厳しい言葉を見かけることが増えています。
本当に時代遅れになってしまったのでしょうか。それとも、まだ履く価値はあるのでしょうか。この記事では、イージーブーストがなぜ今ダサいと言われてしまうのか、その理由を徹底的に掘り下げます。SNSやYouTubeなどのリアルな口コミを分析し、どんな人にはおすすめできて、どんな人にはおすすめできないのかを解説します。イージーブーストを買おうか迷っているけど、周りの目が気になるという人はぜひ参考にしてください。
イージーブーストとは?
イージーブースト(YEEZY BOOST)は、2015年にアディダスとラッパーのYeが共同開発して誕生したスニーカーラインです。最大の特徴は、アディダスが誇る衝撃吸収テクノロジーであるブーストフォームを搭載していることと、Yeによる独創的で前衛的なデザインです。
特に有名なモデルである350 V2は、足を包み込むようなニット素材と独特な形状のソールで世界的な大ブームを巻き起こしました。単なるスポーツシューズの枠を超え、ハイブランドとストリートファッションを融合させたアイコンとして、ファッション史にその名を刻んでいます。しかし、2022年のパートナーシップ解消を経て、ブランドを取り巻く環境は大きく変わりました。
イージーブーストがダサいと言われている理由
かつては憧れの的だったイージーブーストが、なぜ今ダサいと言われるようになってしまったのでしょうか。その背景には、単なるデザインの好みだけでなく、市場の変化やブランドの事情が複雑に絡み合っています。ここでは、特に大きな要因となっている5つの理由を解説します。
供給過多による希少性の喪失
昔は欲しくても買えないのがイージーブーストでした。抽選に外れ続け、定価の倍以上の値段で買うのがステータスだったのです。しかし、アディダスはYeとの契約終了に伴い、倉庫に残っていた大量の在庫をすべて売り切る方針をとりました。
2024年から2025年にかけて大規模な再販が行われ、アウトレットやオンラインストアにはかつての名作が定価以下で並ぶ事態となりました。誰もが簡単に手に入れられるようになったことで、特別感が薄れ、ありふれた量産型スニーカーというイメージが定着してしまったのです。希少性がファッションの価値を左右するストリートシーンにおいて、この大衆化はダサいと感じさせる大きな要因となりました。
独特すぎるデザインとトレンドの乖離
イージーブーストのデザインは非常に個性的です。特にソールが波打っている形状や、全体的に丸みを帯びたボリューム感のあるシルエットは、好き嫌いがはっきりと分かれます。
最近のファッショントレンドは、アディダスのサンバやスペツィアルのような、薄底でレトロなローテクスニーカーに移行しています。また、テック系やゴープコアといった機能的でシャープなデザインも人気です。そんな中で、2010年代後半に流行したボリュームたっぷりのイージーブーストは、今の服装に合わせると少し野暮ったく見えてしまうことがあります。特に、スキニーパンツにイージーブーストを合わせるスタイルは一昔前の流行と捉えられがちで、それがダサいという評価に繋がっています。
偽物の氾濫とブランドイメージの低下
人気ブランドの宿命とも言えますが、イージーブーストは世界で最も偽物が出回ったスニーカーのひとつです。精巧なコピー品から、明らかに安っぽい偽物まで、街中には本物かどうかわからないイージーが溢れかえりました。
特にサンダルタイプのYEEZY SLIDEやFoam Runnerは、形状がシンプルであるため、ホームセンターやファストファッションブランドで似たような模倣品が大量に販売されています。その結果、本物を履いていても、周りからは安物のゴムサンダルに見られてしまうという悲しい現象が起きています。本物の価値が薄まり、チープなイメージがついてしまったことも、ファッション感度の高い層が離れていった理由です。
Ye(カニエ・ウェスト)の言動による影響
デザイナーであるYe本人の度重なる問題発言や騒動も、ブランドイメージに暗い影を落としました。特に2022年の反ユダヤ主義的な発言は決定的な亀裂を生み、アディダスとの契約解除に至りました。
ファッションは自分のアイデンティティを表現する手段でもあります。そのため、彼がデザインした靴を履くことが、彼の一連の言動を支持していると誤解されるのを恐れる人もいます。海外の掲示板などでは、公共の場で履くことに後ろめたさを感じるという声も上がっており、純粋にファッションとして楽しめない空気が生まれてしまいました。
転売価格の暴落と資産価値の消失
かつては履く株券とも呼ばれ、投資対象としても見られていたイージーブーストですが、現在はその資産価値が暴落しています。多くのモデルが定価割れを起こしており、転売目的で購入していた層が一斉に手を引きました。
値段が下がること自体は、純粋に靴が欲しい人にとっては嬉しいことです。しかし、高値がついている=カッコいいという価値観を持っていた層からは、値段が下がった途端に価値のないもの、つまりダサいものとして扱われるようになってしまいました。市場価値の低下が、そのままブランドの魅力の低下として受け取られている側面があります。
イージーブーストの評判・口コミ
では、実際に今イージーブーストを履いている人たちはどう感じているのでしょうか。ネット上の声を調べてみると、ネガティブな意見だけでなく、実用性を絶賛する声も多く見られました。ここでは、リアルな評判を包み隠さず紹介します。
良い口コミ
実際のユーザーからは、その履き心地の良さを評価する声が圧倒的です。
- ブーストフォームのクッション性がすごくて、一日中歩いても全然疲れない。旅行やテーマパークに行くときはこれ一択です。
- 足の幅が広い自分でも、ニット素材が優しく包んでくれるので痛くなりません。長時間履けるスニーカーとしては最高傑作だと思います。
- 値段が下がって買いやすくなったのが嬉しい。昔は高すぎて手が出なかったけど、今は普段履きとしてガシガシ使える。
- フォームランナーは見た目が奇抜だけど、夏場は通気性が良くて涼しい。サンダル感覚で履けるのに走れるのが便利。
- もう新作が出ないと思うと、逆にコレクションしたくなる。スニーカーの歴史を変えた一足として大事に履いています。
悪い口コミ
一方で、デザインの難しさや世間の目に対する不安の声も目立ちます。
- サイズ選びが難しすぎる。普段のサイズで買ったら爪先がきつくて履けなかった。モデルによってサイズ感が全然違うのは困る。
- フォームランナーを履いていたら、家族にエイリアンの靴とか洗濯カゴって笑われた。一般受けはやっぱり悪いみたい。
- 今さらイージーを履いていると、流行に乗り遅れた人だと思われそうで恥ずかしい。周りの視線が気になって最近は出番が減りました。
- スライドを素足で履いたら靴擦れがひどかった。素材が肌に張り付く感じで、夏場は蒸れることもある。
- 白いソールがすぐに黄ばんでくる。汚れが目立つし、手入れが面倒くさいので綺麗な状態を保つのが大変。
イージーブーストがおすすめな人
いろいろな意見がありますが、イージーブーストは決して悪い靴ではありません。むしろ、目的や好みによっては今こそ最高の相棒になり得ます。
疲れにくさを最優先したい人
立ち仕事が多い人や、よく歩く人には心からおすすめできます。ブーストフォームの衝撃吸収性は、他のスニーカーとは比べ物にならないほど優秀です。ファッション性よりも、とにかく足が疲れない靴を探しているなら、これ以上の選択肢はなかなかないでしょう。
人と被らない個性を出したい人
今のトレンドはシンプルでレトロなスニーカーですが、あえてそこに乗らず、自分のスタイルを貫きたい人にはぴったりです。イージーブーストの構築的なデザインは、モードな服装やテックウェアとの相性が抜群です。流行に流されず、自分自身の感性でファッションを楽しめる人には、今も色褪せない魅力があります。
コスパよく高機能スニーカーを履きたい人
以前はプレ値で数万円から十数万円していたモデルが、今は定価以下、場合によってはセール価格で手に入ります。アディダスの最高峰の技術が詰まった靴を、手頃な価格で体験できるチャンスです。ブランドの背景を気にせず、純粋にモノの良さを重視する人にとっては、今は絶好の買い時と言えます。
イージーブーストがおすすめできない人
逆に、以下のような考えを持っているなら、購入は慎重になったほうがいいかもしれません。
トレンドの最先端を追いかけたい人
もしあなたが、今一番イケてると思われたい、SNSで自慢したいという動機で靴を探しているなら、イージーブーストは避けるべきです。ファッション感度の高いコミュニティでは、すでに過去の流行として扱われているのが現実です。今っぽさを求めるなら、アディダスのサンバや、アシックス、ニューバランスなどの旬なモデルを選んだほうが幸せになれます。
周囲の評価や視線が気になる人
ダサいと思われるのが怖い、Yeの騒動について突っ込まれるのが嫌だ、という不安が少しでもあるならやめておきましょう。ファッションは自信を持って身につけることが大切です。足元を見るたびにネガティブな感情が湧いてしまうなら、精神衛生上よくありません。誰もが知っている有名な靴だけに、良くも悪くも注目されてしまうリスクがあります。
転売目的や資産価値を期待する人
将来値上がりするかも、と期待して買うのはおすすめしません。市場には十分な量が供給されており、今後価格が暴騰する可能性は極めて低いです。投資としてではなく、あくまで自分が履いて楽しむための実用品として割り切れる人だけが買うべきです。
イージーブーストのおすすめポイント
厳しい意見もありますが、それでもイージーブーストには愛されるだけの理由があります。
圧倒的な履き心地の良さ
やはり最大のおすすめポイントは、その履き心地です。雲の上を歩いているようと表現されるブーストソールの感触は、一度味わうと病みつきになります。デザイン云々を抜きにしても、快適なウォーキングシューズとしての実力は世界トップクラスです。
唯一無二のデザイン性
好き嫌いは分かれますが、ここまで独創的でインパクトのあるデザインは他にはありません。スニーカーというよりは、現代アートや建築物のような美しさがあります。足元にボリュームを持ってくるスタイルが好きな人にとっては、替えの利かない存在です。シンプルになりがちなコーディネートのアクセントとして、これほど強力なアイテムはありません。
今なら手に入れやすい
かつての争奪戦が嘘のように、今は好きなモデルをじっくり選んで買えます。サイズ欠けも少なく、自分の足に合ったものを適正価格で手に入れられる環境は、ユーザーにとってはメリットしかありません。転売屋から高値で買う必要がなくなり、本当に欲しい人が買えるようになったのは健全な状態と言えます。
イージーブーストのおすすめアイテム
最後に、今から履くならこれというおすすめのモデルを紹介します。ダサいと言われないための選び方も合わせて解説します。
YEEZY BOOST 350 V2
イージーといえばこれ、という代表作です。 おすすめは、派手な柄が入っていないシンプルな単色カラーです。特に黒(Onyx)や白(Bone)、グレー(Slate)などのソリッドな色は、どんな服装にも馴染みやすく、悪目立ちしません。逆に、ゼブラ柄や蛍光色が入った初期のモデルは、どうしても一昔前の印象を与えてしまうので、コーディネートの難易度が高くなります。
YEEZY SLIDE
極厚のソールが特徴のサンダルです。 ちょっとした外出や、リカバリーサンダルとして非常に優秀です。ポイントはサイズ選び。作りがかなり小さいので、普段のスニーカーより1cm〜2cm大きめを選ぶのが鉄則です。また、素足で履くよりも、肉厚な無地のソックスと合わせると、今っぽいシティボーイ風のスタイルに仕上がります。
YEEZY FOAM RUNNER
藻類を配合したフォーム素材で作られた、エイリアンのような靴です。 見た目のインパクトは最強ですが、実は通気性が抜群で夏場に大活躍します。これを履くときは、全身をルーズにしすぎず、綺麗なスラックスやデザイナーズの服と合わせるなど、あえて外しアイテムとして使うとおしゃれに見えます。近所のコンビニに行くだけに見えないよう、服装全体でバランスを取ることが大切です。
YEEZY BOOST 700 V1 / V2
ダッドスニーカーブームの火付け役となったモデルです。 今のトレンドであるテック系ファッションや、太めのパンツとの相性が一番良いのはこのモデルかもしれません。特に700 V2のスタティックやバンタといったカラーは、リフレクター素材が使われていて夜道で光るのがかっこいいです。重厚感がありながらも履き心地はしっかりしており、大人が履いても様になる一足です。
まとめ
イージーブーストがダサいと言われる理由は、流行りすぎて希少性がなくなったことや、トレンドの変化、そしてブランドを取り巻く複雑な事情が原因でした。
しかし、スニーカーとしての機能性や、デザインが持つパワーが消えてしまったわけではありません。流行を追うためのアイテムとしての役目は終わったかもしれませんが、快適で個性的な実用靴としての価値は今も健在です。
周りの声に惑わされず、自分が本当に履きたいかどうかで判断してみてください。プレ値がつかなくなった今こそ、純粋にこの靴を楽しめる最高のタイミングかもしれません。


