ティートンブロスは、本格的なアウトドア愛好家から絶大な信頼を得ている日本のアウトドアブランドです 。
プロの山岳ガイドやアスリートも愛用するほどの高い機能性が魅力ですが、一部ではダサい、野暮ったいという声も聞かれます。
そこでこの記事では、ティートンブロスがダサいと言われる理由を掘り下げ、口コミや評判を交えながら、どんな人におすすめで、どんな人には合わないのかを解説します。
ティートンブロスの購入を考えているけれど、世間の評価が気になって一歩踏み出せない、という人はぜひ参考にしてください。
ティートンブロスとは?
ティートンブロスは、2007年にアウトドア愛好家の鈴木紀行氏が立ち上げた、日本生まれのブランドです 。
ブランド名は、鈴木氏が感銘を受けたアメリカのアウトドアの聖地、グランド・ティートン国立公園が由来になっています 。
ティートンブロスのものづくりの中心にあるのは、機能性を追求すれば、自ずと美しいデザインになるという考え方です 。
流行を追うのではなく、創業者自身やプロのガイドなど、実際に過酷な自然環境で活動する人たちが、本当に必要とするものだけを作るという姿勢を貫いています 。
そのため、製品は机の上だけでなく、実際のフィールドで何年もかけて徹底的にテストされ、改良が重ねられます 。
この現場主義こそが、ティートンブロスの製品が持つ高い信頼性と、他にない独特なデザインの源泉なのです。
ティートンブロスがダサいと言われている理由
ティートンブロスのウェアが一部でダサいと言われるのは、一般的なファッションとは少し違う、独自のこだわりが理由のようです。
ブランド特有の理由を3つのポイントから見ていきましょう。
独特すぎる斜めジッパーのデザインが受け入れられない
ティートンブロスを代表するツルギジャケット。その一番の特徴は、なんといっても大きく斜めに入ったジッパーです 。
普通のウェアは左右対称のデザインがほとんどなので、この作りは少し変わっていると感じるかもしれません。
この独特な見た目が、ダサいと言われる理由の一つになっているようです。
しかし、このデザインは見た目の奇抜さを狙ったものではなく、実は非常に機能的です。
ジッパーを大きく開けることで、脇の下にある一般的な換気機能(ピットジップ)よりも効率よくウェア内の熱を逃がすことができます 。
また、ザックを背負ったままでも中の服のポケットに手が届きやすいといった、実用的なメリットもあります 。
ただ、その良さを理解する前の第一印象が、センスがないという評価に繋がってしまうのかもしれません。
カラーリングが地味で野暮ったいと感じられる
海外のアウトドアブランドといえば、パッと目を引く明るい色のウェアが多いですよね。
それに比べると、ティートンブロスのカラーは少し地味に感じるかもしれません 。
実際に、お店からももっと明るい色が欲しいと言われることもあるそうです 。
しかし、この落ち着いた色合いは、日本の自然の風景に馴染むように計算されたものです 。
インスピレーションの源は、日本の着物や昔ながらの色彩感覚にあり、派手さよりも調和を大切にしています 。
この独特の美意識が、他のブランドにはない渋い魅力を生んでいます。
ただ、こうした背景を知らないと、単に地味で時代遅れな色だと感じてしまうのも無理はないでしょう。
街着としてはシルエットが本格的すぎる
ティートンブロスのウェアは、登山やスキーといったアウトドア活動で最高のパフォーマンスを発揮できるように作られています。
そのため、腕や膝の動きを邪魔しない立体的な作りになっていたり、重ね着を想定して少しゆとりのあるサイズ感だったりします 。
袖や着丈が少し長めに作られているのも、腕を上げたときに裾がずり上がってこないようにするためです。
こうした工夫は山の中では非常に役立ちますが、街で着るには少し大げさに見えることがあります。
普段から細身のすっきりした服を着ている人にとっては、そのシルエットが野暮ったく感じられる可能性があります 。
もちろん、中には街でも着やすいデザインのアイテムもありますが 、基本的にはフィールドでの使いやすさを最優先しているブランドです。
ティートンブロスの評判・口コミ
実際にティートンブロスを使っている人はどう感じているのでしょうか。SNSなどから良い口コミと悪い口コミを集めてみました。
良い口コミ
- とにかく蒸れないのが最高。激しく動いても汗でベタつかず、休憩中の汗冷えも気にならない。ハードシェルなのに着心地が柔らかいのも良い 。
- 腕を上げ下げしても裾が上がってこない。計算された作りで、クライミングやスキーの動きを全く邪魔しない 。
- 斜めジッパーの換気性能は想像以上。グローブをしたままでも操作しやすい袖口など、細かい部分までよく考えられている 。
- 他の人と被らないデザインと色が気に入っている。機能性を知ると、このデザインしかないと思える 。
- 驚くほど軽くてコンパクトになる。山だけでなく、普段使いや旅行にも便利で手放せない 。
悪い口コミ
- ツルギジャケットは見た目のインパクトが強く、慣れるまで着るのが少し恥ずかしかった。着脱も少し面倒 。
- 色が地味。もう少し明るくて、ゲレンデで映えるようなカラーが欲しい 。
- こだわっているだけあって、値段が高い。簡単には手が出せない 。
- アイテムによっては袖が長めに感じる。試着しないとサイズ選びが難しい 。
- 街で着るには機能が本格的すぎる。もっとシンプルなデザインで十分。
ティートンブロスがおすすめな人
ティートンブロスのウェアは、その特徴から、特に次のような人におすすめです。
機能性を最優先し、本質的な価値を求める人
見た目のおしゃれさや流行よりも、ウェア本来の性能を重視する人には、ティートンブロスがぴったりです。
一つ一つのデザインに隠された機能的な意味を理解し、そこに価値を感じられる人なら、きっと満足できるはずです 。
流行に左右されない、玄人好みのスタイルを好む人
みんなが持っている定番ブランドではなく、知る人ぞ知る良いものを選びたい、というこだわり派の人にもおすすめです。
ティートンブロスの独特なデザインとカラーは、ありきたりなアウトドアファッションとは一味違った、自分だけのスタイルを表現してくれます 。
バックカントリーなど過酷な環境で活動するアスリート
厳しい自然環境の中で活動する人にとって、ティートンブロスのウェアは最高のパフォーマンスを引き出すための強力なツールになります。
汗による体の冷えを極限まで防ぐ透湿性や、ストレスのない動きやすさは、まさにプロの現場で求められる性能そのものです 。
ティートンブロスがおすすめできない人
一方で、ティートンブロスのウェアが合わない人もいます。具体的に見ていきましょう。
アウトドアファッションのトレンドを重視する人
人気ブランドのロゴが入った服や、流行の色やデザインの服を着たい人には、ティートンブロスは少し物足りないかもしれません。
このブランドはトレンドを追いかけるのではなく、長く使える普遍的な機能性を追求しているため、ファッション的な期待には応えにくい部分があります 。
鮮やかでポップなカラーのウェアが欲しい人
スキー場やフェスなどで、明るく目立つ色のウェアを着たい人には、好みの色が見つからない可能性が高いです。
ティートンブロスのカラーは、日本の自然に溶け込むような、落ち着いたアースカラーなどが中心です 。
主に街での着用を考え、スリムなフィット感を求める人
アウトドアウェアを街着として、スタイリッシュに着こなしたい人にも注意が必要です。
ティートンブロスのウェアの多くは、重ね着を前提とした動きやすいシルエットで作られています。
そのため、ファッションブランドが作るような体にフィットする服とは違い、人によっては野暮ったいと感じてしまうかもしれません 。
ティートンブロスのおすすめポイント
ティートンブロスが持つ、他にはない魅力を3つのポイントで紹介します。
独自開発素材による圧倒的な「蒸れにくさ」
ティートンブロスが日本の繊維メーカー東レと共同開発した独自素材「Täsmä(タズマ)」は、ブランドの技術力の象徴です 。
高い防水性を持ちながら、他の素材とは比べ物にならないほどの通気性を実現しています 。
これにより、激しく動いて汗をかいてもウェアの中が蒸れにくく、汗冷えのリスクを大幅に減らしてくれます。
この快適さは、一度体験すると手放せなくなります。
動きを妨げない、計算され尽くした立体裁断
アイスクライミングのような大きな動きを想定して作られた独自の型紙は、肩周りの動きを全く邪魔しません 。
実際に着て腕を上げてみても、裾が一緒に引っ張られて上がってくるようなことがなく、ストレスを感じさせません。
この動きやすさが、長時間の活動での疲れを軽減してくれます。
日本の自然と調和する、唯一無二のカラーリング
地味だと言われることもある色使いですが、これは日本の四季や風景に美しく溶け込むように考え抜かれた色です。
着物の色合わせからヒントを得たという絶妙な色合いは、日本人の肌にも自然に馴染み、静かながらも確かな存在感を放ちます 。
流行に流されない、大人のためのカラーリングと言えるでしょう。
ティートンブロスのおすすめアイテム
数ある製品の中から、ティートンブロスらしさが詰まった、特におすすめの3つのアイテムを紹介します。
ブランドの象徴「Tsurugi Jacket」
世界的な賞を受賞し、ティートンブロスの名前を世界に広めた代表作です 。
特徴的な斜めジッパーは、見た目のインパクトだけでなく、圧倒的な換気機能という実用性を備えています。
無駄を削ぎ落とし、機能性を突き詰めたデザインは、まさにブランドの哲学そのもの。
ティートンブロスを知るなら、まずこの一着から始めるのがおすすめです 。
進化を続けるフラッグシップ「TB Jacket」
ブランド設立当初から存在する、バックカントリー向けのジャケットです 。
毎シーズン、プロからの意見を反映して改良が加えられており、ブランドの進化を体現するモデルと言えます 。
耐久性、透湿性、動きやすさなど、雪山で活動するために必要な全ての要素が、高いレベルでバランスされています。
山から街まで使える万能シェル「Wind River Hoody」
本格的なジャケットはまだ早いかな、という人にもおすすめなのが、この超軽量ウィンドシェルです 。
Mサイズで約100gと驚くほど軽いのに、風や多少の雨を防ぎ、汗をかいても肌に張り付きにくい快適な着心地です 。
すっきりしたシルエットで街でも着やすく、ティートンブロスの機能性を気軽に体験できる、非常に使い勝手の良い一枚です 。
まとめ
ティートンブロスがダサいと言われるのは、ファッションの流行を追うのではなく、あくまでもフィールドでの機能性を最優先し、日本の自然に合う独自の美意識を貫いているからです。
一見すると変わったデザインや地味な色合いも、すべては快適性と安全性を追求した結果生まれた、意味のある形なのです。
このブランドがあなたにとって魅力的かどうかは、あなたがウェアに何を求めるか次第です。
もし、機能の本質を理解し、流行に左右されない自分だけの道具を求めるなら、ティートンブロスはきっと最高のパートナーになってくれるでしょう。