アディダスのスタンスミスといえば、世界で一番売れたスニーカーとしてギネスにも載っているほどの超定番モデルです。 1971年の登場から50年以上が経った今でも、街を歩けば必ずと言っていいほど見かけますよね 。
シンプルでどんな服にも合わせやすい万能な一足ですが、その一方で、ネットやSNSではスタンスミスはダサい、時代遅れでもう終わった、なんて厳しい声も聞こえてきます。 特にファッション好きの間では、あまりにも普及しすぎたことや、近年の素材変更による質感の変化を理由に、履くのが恥ずかしいと感じる人もいるようです。
この記事では、スタンスミスがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を一次情報に基づいて徹底的に深掘りします。 あわせて、今あえてスタンスミスを選ぶならどのモデルが良いのか、おすすめできる人とできない人の特徴も詳しく解説します。 購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
スタンスミスとは?
スタンスミスは、もともとは1960年代に活躍したテニスプレーヤーの名前を冠した競技用シューズでした。 最大の特徴は、アディダスの象徴である3本線をパンチングの穴で表現している点です 。 このおかげで他のスニーカーよりも見た目がすっきりしていて、カジュアルすぎず上品な印象を与えてくれます。
2021年からは大きな変化があり、ブランドの環境保護活動の一環として、すべてのスタンスミスが天然皮革からリサイクル素材の合成皮革に切り替わりました 。 プライムグリーンと呼ばれるこの新素材は、見た目はレザーに近いですが、お手入れが簡単で雨にも強いという特徴があります 。
バリエーションも非常に豊富で、ABCマートなどで手に入る手頃なモデルから、高級感のあるラックス、防水仕様のゴアテックスまで、自分の用途に合わせて選べるのが魅力です 。
スタンスミスがダサいと言われている理由
スタンスミスがダサいという評価を受けるのには、いくつかの具体的な原因があります。 単なる好き嫌いではなく、製品の作りや流行のサイクルが関係しているようです。
ABCマート版の安っぽさとテカテカした質感
多くの人がダサいと感じる最大の理由は、通称ABCマート版と呼ばれる廉価モデルの質感にあります。 このモデルは大量生産されており、アッパーの合成皮革に強い光沢コーティングが施されているのが特徴です 。
この質感が、人によってはビニールっぽくて安っぽい、中学生や高校生が履く通学靴みたいで野暮ったいと感じさせてしまいます 。 特に30代や40代の大人がおしゃれとして履くには、このテカテカした質感がコーディネートを安っぽく見せてしまうため、避けたほうがいいという意見が多いです。 また、通常モデルに比べてシュータンが厚く作られているため、足元がずんぐりして見え、スタンスミス本来のシャープな美しさが損なわれている点も不評の理由です 。
街中に溢れすぎて個性がなく終わった感がある
スタンスミスはあまりにも有名になりすぎた結果、どこに行っても誰かと被るという現象が起きています。 一時期の爆発的なブームを経験した世代からすると、みんなが同じ靴を履いている状態は新鮮味がなく、思考停止して選んでいるようで恥ずかしいという感覚になるようです 。
SNSでも、電車で向かいの席の人が同じ色を履いていた、職場の同僚と被って気まずかったという声がよく見られます。 個性を出したい人にとっては、あまりの普及率に、もうスタンスミスのトレンドは終わった、時代遅れだと感じてしまうのも無理はありません 。 おしゃれ上級者ほど、定番すぎて面白みがないという理由でスタンスミスを敬遠する傾向にあります。
合成皮革への変更で経年変化を楽しめなくなった
2021年の素材変更は、古くからのファンにとって非常に残念な出来事でした。 かつての天然皮革モデルは、履き込むほどに自分の足に馴染み、シワや色艶の変化を味わうことができました。
しかし、今のリサイクル合皮モデルは、どれだけ履いても味が出にくいのが弱点です 。 味が出るどころか、不自然な深いシワが入ったり表面が剥げたりして、ただ単に汚く劣化していくように見えてしまいます。 このボロく見える経年変化が、清潔感を重視する白スニーカーにおいて、不潔でダサいという印象を与えてしまう要因になっています。
歩くたびにギュッギュッという異音が鳴って恥ずかしい
最近の合成皮革モデルで特に問題になっているのが、歩く時に発生する軋み音です。 シュータンと紐を通す部分が擦れることで、ギュッギュッ、キュッキュッという結構大きな音が鳴ってしまいます 。
静かなオフィスやお店の中で歩くたびに音が響くと、周りの視線が気になって本当に恥ずかしいという切実な悩みが多く報告されています 。 どれだけ服装をバッチリ決めていても、足元からチープな異音が聞こえてくるようでは、一気にセンスがないと思われてしまうかもしれません。 この音の問題は、今のスタンスミスを敬遠する大きな理由の一つになっています 。
スタンスミスの評判・口コミ
実際にスタンスミスを履いている人や、検討している人の声をまとめました。 良い面と悪い面がはっきり分かれているのが特徴です。
良い口コミ
- デザインが究極にシンプルなので、デニムでもスラックスでも何にでも合うのがやっぱり最高
- 合皮になってから汚れがつきにくくなったし、雨の日でも浸水を気にせず履けるのが本当に助かる
- 白スニーカーの代名詞なので、一足持っていれば清潔感を出せるし、どんなシーンでも失敗がない安心感がある
- ラックスモデルなら本革の高級感があって、大人でも恥ずかしくなく履きこなせるし、足馴染みもいい
- ディズニーやマリメッコなどのコラボモデルが豊富で、自分らしいお気に入りの一足が見つかるのが楽しい
悪い口コミ
- 歩くたびにギュッギュッという音が鳴ってしまい、静かな場所では周囲に申し訳なくなるし自分も恥ずかしい
- 安い方のモデルを買ったら、想像以上にテカテカしていて学生靴みたいで、結局あまり履かなくなってしまった
- 合皮のシワの入り方が不自然で、半年も履くとボロボロでみすぼらしく見えるのが不満
- 街を歩けば右も左もスタンスミス。一日に何人も被っている人を見かけて、自分のセンスのなさに落ち込むことがある
- シュータンが長くて足首に当たって痛い。馴染むまで時間がかかるし、快適とは言い難い部分もある
スタンスミスがおすすめな人
いろいろな意見があるスタンスミスですが、以下のような人にとっては今でも最適な選択肢になります。
コーディネートで失敗したくないファッション初心者
服装に自信がない、何を選べばいいかわからないという人にとって、スタンスミスは最も安全な答えです。 その普遍的なデザインは、どんな流行の服とも喧嘩せず、全体のバランスを整えてくれます。
ダサいと言われるのを防ぐには、なるべく綺麗な状態を保ち、少し予算を足してラックスモデルなど質の良いものを選ぶのがコツです 。 下手に奇抜なスニーカーを買って失敗するよりも、王道のスタンスミスを正しく履くほうが、周囲に好印象を与えられます。
靴のメンテナンスが面倒で実用性を重視する人
天然皮革の靴は本来、こまめな手入れが必要ですが、今のリサイクル合皮モデルはその必要がほとんどありません。 汚れがついても水拭きでサッと落ちますし、合皮なので雨の日も多少なら気にせずガシガシ履けます 。
忙しい毎日の中で、靴の手入れに時間をかけたくないけれど、常に清潔な足元でいたいという合理的な人には、今の仕様はむしろメリットが多いです 。 機能性と見た目を両立させたい人にとって、非常にコストパフォーマンスの良い一足と言えます。
サステナビリティに関心があり環境に配慮したい人
アディダスのスタンスミスは、今や環境問題への取り組みを象徴するプロダクトです。 動物性の素材を一切使わず、リサイクル素材を積極的に活用している点は、現代の価値観に非常にマッチしています 。
単におしゃれだからという理由だけでなく、その背景にある企業の姿勢に共感して選ぶことは、非常に知的な消費と言えます。 自分の履いているものが地球環境に貢献しているという満足感は、他のスニーカーではなかなか得られない特別なものです。
スタンスミスがおすすめできない人
一方で、特定のこだわりがある人には、スタンスミスは物足りない、あるいは後悔する買い物になるかもしれません。
本革のエイジングや育てがいを求める本格派の人
使い込むほどに足に馴染み、色気が出てくるような天然皮革の質感を愛する人にとって、合皮のスタンスミスはただのビニール靴にしか見えないでしょう。 合皮は新品の状態がピークで、あとは劣化していくだけです。
特に、10年履き続けられるような相棒を探しているなら、今の通常ラインのスタンスミスはおすすめできません。 その場合は、より高価なラックスモデルを選ぶか、他の老舗ブランドのレザーシューズを検討したほうが、精神的な満足度は高いはずです 。
足幅が広かったり甲が高かったりして履き心地を優先したい人
スタンスミスはもともと細身のシルエットで作られているため、日本人に多い幅広や甲高の足にはあまり優しくありません。 無理にサイズを合わせると、横幅が広がってしまい、スタンスミス特有のスマートな見た目が崩れてしまいます 。
また、クッション性も最新のランニングシューズに比べれば乏しく、長時間歩くと足が疲れやすいという声もあります。 履き心地の良さや歩きやすさを最優先したいなら、ニューバランスなどのよりクッション性に優れたブランドを選んだほうが無難です 。
唯一無二の存在感で周りと差をつけたい人
ファッションで個性を表現したい人にとって、スタンスミスはあまりにも無難すぎて、自分のセンスを埋没させてしまいます。 どれだけおしゃれな服を着ていても、足元がスタンスミスだと、良くも悪くも普通にまとまってしまいます。
人とは違うものを持ちたい、一歩先を行くスタイルを確立したいという欲求があるなら、あえてスタンスミスを選ぶ理由は乏しいです。 むしろ、被りやすいという事実がストレスになり、履くのが恥ずかしいと感じてしまう可能性が高いでしょう 。
スタンスミスのおすすめポイント
批判はあってもスタンスミスがこれほど長く愛されているのには、明確な魅力があるからです。
どんなトレンドも受け止める完成されたデザイン
スタンスミスのデザインは、これ以上引くものがないと言われるほど完成されています。 50年以上前に作られた形ですが、現代のオーバーサイズの服にも、細身のジャケットスタイルにも不思議と調和します。
このタイムレスな美しさは、流行の移り変わりが激しい現代において、ある種の安心感を与えてくれます。 10年前に買ったスタンスミスを今履いても、そして10年後に今買ったモデルを履いても、決して古臭く見えない。 この強固なスタンダードさは、スタンスミスにしかない唯一無二の価値です。
スニーカーと革靴のいいとこ取りをした上品さ
スタンスミスの魅力は、スニーカーの履きやすさを持ちながら、革靴のようなフォーマルな雰囲気も纏っている点です。 特に白一色のモデルや、ロゴが控えめなラックスモデルは、ビジネスシーンのジャケパンスタイルにも違和感なく馴染みます 。
カジュアルすぎると子供っぽく見え、カチッとしすぎると堅苦しくなる大人のファッションにおいて、その中間を埋めてくれるスタンスミスは非常に重宝します。 一足で仕事から休日のお出かけまでカバーできる汎用性は、忙しい大人にとって大きな魅力です。
バリエーションが豊富で自分に合ったスペックを選べる
スタンスミスは流通量が多いため、自分のライフスタイルにぴったりのモデルを簡単に見つけられます。 雨の日が多いならゴアテックス、質感を重視するならラックス、履きやすさを求めるならデコンなど、選択肢が非常に広いです 。
これほど多くの派生モデルがありながら、すべてがスタンスミスとしてのアイデンティティを保っているブランド力は驚異的です。 誰にでも開かれているけれど、奥が深い。 そんな懐の広さが、初心者からこだわり派までを惹きつけ続ける理由の一つになっています。
スタンスミスのおすすめアイテム
ダサいと言わせないためには、モデル選びが重要です。今選ぶべき3つのモデルを紹介します。
本革の高級感が際立つスタンスミス ラックス
合皮の安っぽさが苦手な人には、間違いなくこのラックスモデルがおすすめです。 アッパーには上質なフルグレインレザーを使用しており、表面のキメの細かさや柔らかさが通常モデルとは全く違います。
使い込むほどにシワが馴染み、天然皮革ならではの深みが出てくるので、長く愛用したい大人にぴったりです。 サイドにはゴールドのロゴが刻印されていることが多く、さりげない高級感を演出してくれます。 ABCマート版のテカテカ感に抵抗があるなら、少し背伸びをしてこちらを選ぶのが正解です 。
柔らかさとシャープさを兼ね備えたスタンスミス デコン
より洗練された印象を求めるなら、デコンモデルが面白い選択肢になります。 パッドなどの詰め物を極限まで省いた作りで、驚くほど柔らかいレザーが特徴です 。
足の形に沿ってくたっと馴染むシルエットは、通常モデルよりもさらにシャープで大人っぽい雰囲気になります。 かかとを折ってサンダルのように履くこともできるため、リラックスしたスタイルにも対応可能です 。 普通とは少し違う、余裕のある大人の足元を演出したい人にこそ履いてほしい逸品です。
雨の日も清潔感をキープできるスタンスミス ゴアテックス
実用性を極めるなら、ゴアテックス搭載モデルは外せません。 見た目は不朽の名作スタンスミスそのままに、最高峰の防水透湿素材を使用しているため、雨の日でも靴の中が濡れる心配がありません 。
白スニーカーは雨の日に汚れるのが一番のストレスですが、ゴアテックスモデルなら水を弾くので汚れもつきにくいです。 天候を気にせずにお気に入りのスタイルを貫けるのは、都市生活者にとって非常に大きなメリットになります 。 毎日ガシガシ履き潰したい人にとって、これほど心強い味方はありません。
まとめ
スタンスミスがダサいと言われる背景には、あまりの普及による飽きや、一部の廉価モデルに見られる質感の低さが影響しています。 しかし、それは製品そのものが劣っているということではなく、むしろ誰もが認める完成された定番であることの裏返しでもあります。
安っぽいテカテカ感が気になるならラックスモデルを選び、被るのが嫌なら珍しいカラーやコラボモデルを探す。 そうやって自分なりに工夫して選べば、スタンスミスは今でも最高に頼れる一足です。 流行が終わったのではなく、流行を超えた普遍的な存在になったのだと捉えれば、周りの目を気にせず堂々と履きこなせるのではないでしょうか。


