優雅で女性らしいデザインで知られるフランスの老舗ブランド、ニナリッチ。
特に香水は世界中で長く愛されていますが、その一方で「ダサい」「時代遅れ」といった声も聞かれます。
歴史あるブランドだからこその評価かもしれませんが、これから買おうか迷っている人にとっては、正直な評判が気になるところですよね。
この記事では、ニナリッチがダサいと言われる理由をSNSの口コミなども交えて深掘りし、どんな人におすすめできるのかを解説します。
ニナリッチのアイテムが欲しいけど、もしかして野暮ったいかな?と不安な人はぜひ参考にしてください。
ニナリッチとは?
ニナリッチは、1932年にフランスのパリで生まれた高級ブランドです 。
創業者のマリア・ニナ・リッチは、デザイン画を描かず、お客さんの身体に直接布をあててドレープを作りながら服を仕立てる、というユニークな手法で知られていました 。
このやり方から生まれる、女性の体を美しく見せるロマンティックなデザインは、当時のパリの女性たちの間でまたたく間に人気となります。
ブランドの名前を世界に広めたのは、服だけではありません。
息子のロベルトが始めた香水事業が大きな成功を収めます。特に1948年に発売された「レール・デュ・タン」は、平和の象徴である鳩をデザインしたボトルが話題を呼び、世界的な大ヒットとなりました 。
この香水の成功で、ニナリッチはファッションと香水の両方で確固たる地位を築き上げました。
現在はスペインのプーチグループの傘下に入り 、若い才能あふれるハリス・リードを新しいデザイナーに迎えるなど、伝統を守りながらも進化を続けています 。
ニナリッチがダサいと言われている理由
輝かしい歴史を持つニナリッチですが、なぜダサい、時代遅れといったイメージがあるのでしょうか。その背景には、ニナリッチ特有のいくつかの理由があるようです。
クラシックなイメージがお母さん世代を思い出させるから
ニナリッチが古い、野暮ったいと感じられる一番の理由は、そのクラシックなデザインが、日本ではお母さん世代のブランドというイメージにつながっているからのようです。
かつて、ニナリッチのエレガントなスタイルは多くの日本人女性の憧れでした。
そのため、母親や祖母がニナリッチのバッグや財布、香水を持っていたという人も少なくありません。
SNSを見ると、母世代へのプレゼントとして選んだら喜ばれたという声がある一方で、若い世代が自分で使うには少し古さを感じてしまう、という意見も見られます 。
実際に、日本で売られている財布などの小物は、30代から50代以上を主なターゲットにしており、落ち着いたデザインが中心です 。
流行に左右されない魅力は、裏を返せば目新しさがないということ。
昔人気だったという事実が、かえってブランドイメージを特定の世代に固定してしまい、新しい世代からは自分たちのブランドではない、と見られてしまう原因になっているのかもしれません。
本国のコレクションと日本のライセンス品に差があるから
ニナリッチのイメージが分かりにくく、ダサいという評価につながるもう一つの理由が、パリで発表される服と、日本のデパートなどで売られているライセンス品との間に大きな差があることです。
現在、ニナリッチのデザイナーを務めるハリス・リードが作るパリのコレクションは、とても大胆で芸術的なデザインが特徴です 。
一方で、私たちが日本のお店でよく目にする財布やバッグ、傘などは、ライセンス契約を結んだ日本の会社が企画・製造した商品です 。
これらの商品は、日常で使いやすいように、繊細でシンプルなデザインと手頃な価格帯で展開されています 。
その結果、私たちの前には二つのニナリッチが存在することになります。
ファッション誌で見るような最先端のニナリッチと、お店で見る実用的なニナリッチ。
このイメージのズレが、ブランド全体の印象を曖昧にし、どっちつかずで垢抜けない、と感じさせてしまうのです。
上品でフェミニンなデザインが今のトレンドと違うから
ニナリッチのデザインの基本は、リボンや花をモチーフにした、優しくて女性らしい世界観です 。
この上品さは長年ブランドの強みでしたが、今のファッショントレンドとは少し違う方向にあります。
最近のファッションは、ストリートスタイルやオーバーサイズ、男女兼用のジェンダーレスなアイテムが主流です。
はっきりしたロゴや少しエッジの効いたデザインが人気を集める中で、ニナリッチの控えめで甘さのあるデザインは、少しコンサバすぎる、面白みがない、と見えてしまうことがあります。
特にSNSでは、見た目のインパクトや分かりやすい今っぽさが重視されがちです。
ニナリッチの小物は、悪目立ちしない美しさを目指しているため、トレンドに敏感な人からは物足りない、センスがない、と思われてしまうのかもしれません。
デザイン自体が悪いわけではなく、その控えめなスタイルが、今の空気感の中では時代遅れや野暮ったいという印象を与えてしまうのです。
ニナリッチの評判・口コミ
実際にニナリッチを使っている人の声を集めてみました。良いところ、悪いところが具体的に見えてきます。
良い口コミ
- 財布のデザインが上品。リボンや花のモチーフが可愛いけど甘すぎないのが良い
- がま口の財布は小銭が取り出しやすくて、仕切りも多くて使いやすい
- 革が柔らかくて作りがしっかりしている。値段以上の価値があると思う
- 香水のレールデュタンやニナの香りは他にはなくて、ずっと愛用している
- 結婚指輪のデザインがシンプルで上品。歳をとってもずっと着けられそう
悪い口コミ
- ブランドのイメージが古い。母親が持っていたので、自分が使うのには少し抵抗がある
- 財布の表面が汚れたり、拭いたら剥げてしまったりした。耐久性が少し心配
- 中古だとかなり安く売られているので、高級なイメージがあまりない
- デザインがコンサバで、今の自分のファッションには合わせにくい
- 香水は好きだけど、バッグや財布は全然違うブランドみたいに感じる
ニナリッチがおすすめな人
ここまでの話を踏まえて、ニナリッチはどんな人におすすめできるのかを解説します。
流行に左右されない普遍的なエレガンスを求める人
流行りのデザインよりも、自分らしい上品さや女性らしさを大切にしたい人には、ニナリッチがぴったりです。
特にブラックフォーマルや結婚指輪、日本の小物類は、時代を問わず長く使えるクラシックなデザインが魅力 。
質の良いものを大切に使いたいという価値観の人にとって、ニナリッチのアイテムは心強い味方になるはずです。
品質と価格のバランスが良い上品な小物を探している人
ハイブランドは高すぎるけど、安っぽくなくて品のある小物が欲しい、と考えている人にもニナリッチはおすすめです。
特に日本で展開されている財布やバッグは、丁寧な作りと機能性の高さで評価されています 。
がま口の使いやすさやカードがたくさん入る点など、毎日使う上での便利さが考えられています。
それでいてブランドらしい上品さもあるので、コストパフォーマンスに優れた賢い選択と言えるでしょう。
物語性のあるアイコニックな香りを纏いたい人
ニナリッチの本当の魅力は、香水にあると言ってもいいかもしれません。
ただ良い香りなだけでなく、その香りに込められた歴史や物語を楽しみたい人にとって、ニナリッチの香水は特別なものになるはずです。
戦後の希望を象徴するレール・デュ・タン や、おとぎ話のような世界観のニナ など、一つ一つの香りに背景があります。
香りを自分表現の一部として深く楽しみたい人にこそ、ニナリッチの香水はおすすめです。
ニナリッチがおすすめできない人
一方で、ニナリッチが合わない人もいます。買ってから後悔しないように、こちらもチェックしておきましょう。
ファッションで最先端のトレンドを表現したい人
毎シーズンの流行を追いかけて、ファッションで自分を表現したい人には、日本で売られているニナリッチのアイテムは物足りないかもしれません。
パリのコレクションはとても個性的ですが、国内で手に入りやすい商品はコンサバなものが中心です 。
トレンドの最先端を行くデザインや、話題性を求めるなら、他のブランドを探した方が良さそうです。
甘すぎる・女性的すぎるデザインが苦手な人
ニナリッチのデザインは、良くも悪くもとてもフェミニンです 。
リボンやレース、花柄といった要素がブランドの象徴なので、普段からシンプルでかっこいいスタイルや、ストリート系の服を好む人には、甘すぎると感じられるでしょう。
自分のスタイルとブランドの雰囲気が大きく違う場合は、無理に選ぶ必要はなさそうです。
ブランドイメージの統一性を重視する人
ブランドの背景やデザイナーの考え方まで含めてアイテムを選ぶ、ファッションに詳しい人にとっては、ニナリッチのイメージの二面性が気になるかもしれません。
パリの先進的な服と、日本の実用的なライセンス品との間に一貫性がないと感じるなら、もっとはっきりとした一つのビジョンを打ち出している他のブランドの方が満足できるでしょう。
ニナリッチのおすすめポイント
ネガティブなイメージだけではありません。ニナリッチには他にはない確かな魅力があります。ここでは3つのポイントで紹介します。
時代を超えて愛される香りのコレクション
ニナリッチの一番の強みは、その素晴らしい香りのコレクションです。
1948年に生まれて以来、フローラル系香水の代表であり続けるレール・デュ・タンは、まさに伝説的な存在 。
また、2006年に登場したリンゴのボトルのニナは、お菓子のような甘い香りで若い世代からも人気です 。
これらの香りは流行り廃りを超えて、多くの人の記憶に残っています。人生の様々な場面で使える、信頼できる香りが見つかるはずです。
日常使いしやすい、機能美を備えた革小物
日本で展開されている財布やバッグは、見た目の上品さだけでなく、毎日使う上での使いやすさがしっかり考えられています。
例えば、がま口財布の大きく開く小銭入れや、カードを整理しやすいポケットの多さは、多くの人から高く評価されています 。
派手な飾りではなく、実用性という形で使う人に寄り添う。この誠実なものづくりは、ニナリッチの大きな魅力です。
ハリス・リードによる大胆なブランドの再解釈
古いブランドというイメージを覆す可能性を秘めているのが、現在のデザイナー、ハリス・リードの存在です 。
彼はまだ若いですが、ジェンダーにとらわれない視点から、ニナリッチの歴史に新しく大胆な解釈を加えています。
彼のコレクションは、ニナリッチが過去の栄光に頼るのではなく、未来に向けて進化しようとしている証拠です。
終わったブランドではなく、今まさに変わろうとしている、注目のブランドなのです。
ニナリッチのおすすめアイテム
最後に、ニナリッチを代表するおすすめのアイテムを具体的に紹介します。
【香水】レール・デュ・タン
ニナリッチを語る上で欠かせない、ブランドの象徴とも言える香水です。
1948年に時代の空気という名前で発表され、ボトルのキャップにあしらわれた2羽の鳩は、愛と平和のシンボルとして有名です 。
カーネーションがベースのスパイシーフローラルの香りは、気品と優しさに満ちていて、つける人をエレガントに見せてくれます。
時代を超えた本物のクラシックを求める大人の女性にふさわしい、香りの芸術品です。
【香水】ニナ オードトワレ
2006年の発売以来、世界中で愛されているモダンな名作です。
真っ赤なリンゴの形をしたボトルは、まるでおとぎ話から出てきたような可愛らしさ 。
香りは、りんご飴を思わせる甘酸っぱくジューシーな香りです。
可愛らしさの中に、少しミステリアスな魅力も感じさせます。甘い香りが好きな人や、香水初心者が最初に選ぶ一本としても人気があります。
【財布】グレインヌーボーパース / ジャルダンパース
日本で展開されている財布の中でも、特に人気の高いシリーズです。
グレインヌーボーパースは、丈夫な型押しレザーを使い、金具をあまり使わないシンプルなデザインが特徴 。流行に左右されず長く使える定番として信頼されています。
一方、ジャルダンパースは、花柄をモチーフにしたリングの飾りがアクセントのエレガントなシリーズです 。
ニナリッチらしい女性的な可愛らしさを求める人におすすめです。どちらも、ブランドの上品さと日常での使いやすさを両立しています。
まとめ
ニナリッチがダサいと言われる背景には、お母さん世代のブランドというイメージ、パリのコレクションと日本のライセンス品とのギャップ、そして今のトレンドとは少し違うクラシックなデザイン、という複数の理由がありました。
しかし、これらの点は見方を変えればブランドの個性とも言えます。
ニナリッチは、最先端のトレンドを追いかける人には向かないかもしれませんが、時代に流されない上品さや、日常で使いやすい機能性、物語のある香りを愛する人にとっては、これからも特別な価値を提供し続けるブランドです。
若いデザイナーによる改革も始まり、そのイメージはこれから変わっていくかもしれません。
表面的なイメージだけで判断せず、その多面的な魅力を知ることで、ニナリッチはあなたにとって特別なブランドになる可能性があります。