膝丈コートは、かつては上品なアウターの定番でした。通勤やお出かけ着として、一着は持っているという人も多いアイテムです。
しかし、最近ではSNSやYouTubeなどで、膝丈コートはダサい、時代遅れだという声も聞かれます。
そこで本記事では、膝丈コートがダサいと言われる理由と、おすすめできる人・できない人を解説します。
「持っている膝丈コート、もう着れない?」「欲しいけど、もしかしてダサい?」と不安な人は、ぜひ参考にしてください。
膝丈コートとは?
膝丈コートは、文字通り、裾が膝のあたりにくる長さのコートです。膝が隠れるか隠れないか、くらいの丈感をイメージすると分かりやすいでしょう。
2000年代から2010年代頃までは、トレンチコートやステンカラーコートなど、上品なコートの定番の丈でした。通勤スタイルや、ちょっと良いところへのお出かけ着として大活躍していました。
ですが、最近のアウターのトレンドは二極化しています。
一つは、足首まであるようなすごく長いスーパーロング丈。もう一つは、腰の位置で終わるショート丈です。
この両極端な流行のせいで、ちょうど中間の長さである膝丈コートは、中途半端で野暮ったい存在と見なされるようになってしまったようです。
膝丈コートがダサいと言われている理由
かつては定番だった膝丈コートが、なぜダサいと言われてしまうのでしょうか。SNSでのリアルな声や、ファッション専門家の意見をリサーチすると、いくつかの理由が見えてきました。
丈感が中途半端で、シルエットが野暮ったい
膝丈コートがダサいと言われる一番の理由は、その丈感の中途半端さにあります。
膝あたりでバッサリと裾が終わるため、どうしても胴が長く、脚が短く見えてしまいやすいのです。
今の流行は、ショート丈で脚を長く見せるか、スーパーロング丈で体型を隠しつつ縦のラインを強調するかのどちらかです。
膝丈コートは、そのどちらでもありません。スタイルが良く見えにくいため、SNSなどでは「どう着ても野暮ったい」「バランスが変」という声が多く見られます。羽織るだけでスタイルが悪く見えてしまうのが、最大のネックのようです。
「一昔前の流行」感が強く、時代遅れに見える
膝丈コートには、どうしても一昔前の流行というイメージがつきまといます。
多くの人にとって、膝丈コートは就職活動で着たリクルートスーツの上のコートを思い出させます。あの黒やネイビーのコートは、おしゃれのためではなく、制服のように着ていたものです。そのため、安っぽい、個性がないといった印象を持っている人も少なくありません。
また、2010年代に流行した、膝丈トレンチにスキニーパンツとパンプスを合わせるOL風のスタイルも、今となっては古く見えます。
こうしたイメージから、膝丈コートを着ていると「流行をアップデートできていない人」「おばさんっぽい」と感じられ、SNSでは「恥ずかしい」「時代遅れ」という厳しい意見も出ています。
ボトムスとのバランスが非常に難しい
今の主流のボトムスと合わせにくい点も、ダサいと言われる大きな理由です。ファッション系のYouTubeなどでも、NGコーデとしてよく紹介されています。
例えば、今の定番であるワイドパンツ。ボリュームのあるワイドパンツに中途半端な膝丈コートを羽織ると、上下ともに重たくなり、ずんどうなシルエットに見えてしまいます。
また、プリーツスカートなどのロングスカートも難しい組み合わせです。コートの裾からスカートが中途半端に見えるのが、だらしなく、野暮ったい印象を与えます。
かといって、昔の定番だったスキニーパンツを合わせると、それこそ一昔前のスタイルそのもの。コーディネートが非常に難しく、センスがないと思われがちなアイテムになっています。
膝丈コートの評判・口コミ
SNSなどで膝丈コートのリアルな評判を調べました。実用性を評価する声と、ファッション性を気にする声で、はっきりと意見が分かれているようです。
良い口コミ
- 車の運転や自転車に乗るとき、ロングコートは裾が邪魔で危ない。膝丈が一番動きやすくて実用的。
 - 子供の送り迎えで自転車に乗るから、ロングは車輪に巻き込みそうで無理。ショート丈は腰が寒すぎる。結局、膝丈がベスト。
 - 身長が低いので、流行りのロングコートは着られている感が出て似合わない。膝丈のほうがバランスが取りやすい。
 - バーバリーみたいな良いブランドのクラシックなトレンチは、流行に関係なくずっと使える。
 - 雨の日に裾の泥はねを気にしなくていいのが快適。
 - 仕事に着ていくのに、ショート丈はカジュアルすぎるし、ロングは気合が入りすぎ。膝丈のステンカラーコートが一番ちょうどいい。
 
悪い口コミ
- どう頑張ってもシルエットがおばさんっぽくなる。本当に野暮ったい。
 - 持っている服がワイドパンツとロングスカートばかりで、合わせたら絶望的にダサくなった。
 - 就活の時に着ていたコートにしか見えず、私服で着るのは恥ずかしい。
 - 丈が中途半端で、重心が下がって短足に見える。
 - 安いやつだと、本当にただの防寒着。一気にセンスない人に見える。
 - これを選ぶくらいなら、思い切ってロングかショートにする。あえて膝丈を選ぶ理由がない。
 - 古い時代のOLみたいで、完全に時代遅れ。
 
膝丈コートがおすすめな人
ダサいという意見もありますが、膝丈コートがぴったりな人もいます。おすすめな人の特徴を3つにまとめました。
車や自転車での移動が多く、実用性を重視する人
膝丈コートの一番の魅力は、動きやすさと実用性です。
スーパーロングコートは、車のドアに裾を挟んだり、階段で裾を踏んでしまったりと、日常生活では気を使います。自転車では裾が巻き込まれる危険もあります。
かといってショート丈では、冬場に腰回りが寒く、防寒としては物足りません。
膝丈コートなら、裾を気にせずスムーズに動け、お尻や太もももしっかりカバーしてくれます。流行よりも日々の快適さや安全性を第一に考える人には、最適な選択肢です。
身長が低めで、ロングコートが似合わない人
身長が150cm台前半など、小柄な人にも膝丈コートはおすすめです。
流行っているスーパーロングコートは、ボリュームがありすぎて、小柄な人が着ると服に着られているように見えてしまいがちです。
無理に流行を追うよりも、自分の体型に合った膝丈コートを選ぶほうが、すっきりとバランス良くまとまります。
上質な定番コートを長く愛用したい人
ダサいと言われる膝丈コートとは別に、流行とは関係ない定番品が存在します。
バーバリーやマッキントッシュといった老舗ブランドの、クラシックなトレンチコートやステンカラーコートです。
これらは一時的な流行品ではなく、歴史に裏打ちされた完成品です。上質な素材や仕立ては、時代遅れとは感じさせません。
良いものを手入れしながら10年、20年と長く使いたいという価値観の人にとって、上質な膝丈コートは「一生モノ」としておすすめです。
膝丈コートがおすすめできない人
一方で、膝丈コートを選ばないほうがよい人もいます。
ファッションの「今っぽさ」を最優先したい人
とにかく今っぽく、トレンドの最先端の格好がしたいという人には、膝丈コートはおすすめできません。
すでにお伝えした通り、膝丈コートは今の流行とは正反対のイメージを持たれています。
ファッション感度の高い人からおしゃれだと思われたいなら、あえて膝丈コートを選ぶのは避けたほうが無難です。
ワイドパンツやロングスカートが中心の人
普段の服装がワイドパンツやロングスカートばかりという人にも、膝丈コートはおすすめしにくいです。
ボリュームのあるボトムスと中途半端な膝丈コートの組み合わせは、バランスを取るのが非常に難しく、一気に野暮ったく見えてしまいます。
手持ちの服と合わせにくいアウターを買っても、結局着なくなってしまう可能性が高いです。
スタイルアップ(脚長効果)を一番に考える人
服を選ぶときに、とにかくスタイルを良く見せたい、脚を長く見せたいという人にも向きません。
膝丈のラインは、視覚的に重心を下げてしまい、かえって胴長短足に見せてしまうことがあります。
脚長効果を狙うなら、視線が上に集まるショート丈のジャケットか、Iラインを強調できるスーパーロングコートを選んだほうが確実です。
膝丈コートのおすすめポイント
ここで、膝丈コートの魅力を再確認しておきましょう。おすすめポイントは3つです。
圧倒的な動きやすさと実用性
やはり一番の魅力は、その動きやすさです。ロングコートのように裾を踏む心配も、雨の日の泥はねを気にする必要もありません。
立ったり、座ったり、車に乗ったりといった日常の動作がストレスフリーなのは、大きな強みです。
特に子育て中などで、動きやすさを重視したい人には、とても実用的なアイテムです。
天候やシーンを選ばない汎用性
いろいろな場面で使いやすい点も魅力です。
ショート丈のブルゾンではカジュアルすぎて行けないような、オフィスカジュアルや学校行事といった場面でも、膝丈コートなら対応できます。
天候をあまり選ばず、通勤から買い物まで幅広くカバーできる安心感は、流行のアイテムにはない良さです。
流行に左右されない「定番」デザイン
ダサいと言われるのは、あくまで安っぽい素材や古いシルエットのものです。
膝丈コートの中には、流行とは関係のない定番のデザインが存在します。
上質なウールで仕立てられたシンプルなステンカラーコートや、老舗ブランドのトレンチコートなどです。
こうした本物を選べば、時代遅れとは無縁の、大人のアウターとして長く活躍してくれます。
膝丈コートのおすすめアイテム
ダサいと言われるのを避け、膝丈コートの良さを活かすには、アイテム選びがとても重要です。
定番ブランドのクラシック・トレンチコート
ダサいと思われないための、最も確実な選択肢です。
バーバリー、アクアスキュータム、マッキントッシュといった老舗ブランドや、HYKE(ハイク)のようにトレンチに定評のあるブランドのものです。
これらは流行品ではなく、完成された定番品。上質な素材と美しいシルエットは、時代を超えており、着る人の格を上げてくれます。
Aラインシルエットのステンカラーコート
膝丈コートが野暮ったく見えるのは、シルエットが中途半端な箱型だから、という理由もあります。
そこで、意図的に裾に向かって広がるAラインのコートを選ぶのがおすすめです。
Aラインのコートなら、中にワイドパンツやロングスカートを合わせてもバランスが取りやすく、今っぽい重ね着のスタイルとして成立します。
ゴアテックスなど機能性素材のコート
おしゃれ着としてではなく、高機能なアウターとして取り入れる方法です。
ゴアテックスのような防水透湿素材を使った、アウトドアブランドや機能性ブランドのコートが当てはまります。nanamica(ナナミカ)やGoldwin(ゴールドウイン)などで見られます。
これらは雨風をしのぐ道具としての機能美があり、ダサいという評価にはなりません。スーツやオフィスカジュアルに合わせる、高機能な通勤コートとしても合理的です。
まとめ
膝丈コートがダサい、時代遅れと言われるのには、はっきりとした理由があります。
丈感が中途半端でスタイルが悪く見えやすいことや、ワイドパンツなどの今の流行の服と合わせにくいことが主な原因です。また、就活コートのような古いイメージも影響しています。
ですが、車や自転車での移動が多い人にとっては、他のどのコートよりも実用的で動きやすいという、大きなメリットがあります。
また、身長が低い人にとっては、ロングコートよりバランスが取りやすい場合もあります。
もし流行の最先端であることよりも、日々の実用性や、流行に左右されない定番品を長く着ることを重視するなら、膝丈コートは良い選択肢になります。
安っぽいものや古いシルエットのものを避け、上質な定番品や、自分のライフスタイルに合ったものを選んでみてください

