かつて日本の冬のゲレンデを席巻したスポーツブランド、キスマーク。
印象的な唇のロゴと、赤や黒を基調としたデザインは、ある一定の世代にとっては青春そのものでしょう。
しかし、時が流れた現在。
ネットで検索しようとすると、ダサい、時代遅れ、着ていて恥ずかしいといったネガティブな言葉が並ぶようになっています。
当時を知る世代には懐かしく、これからスノーボードやゴルフを始めようとする人には手頃な価格が魅力的なこのブランド。
なぜここまで辛辣な評価を受けてしまうのでしょうか?
この記事では、ファッションやブランドの視点から、キスマークがダサいと言われてしまう理由を深掘りします。
また、SNS上のリアルな声を徹底的にリサーチしました。
おすすめできる人とそうでない人をはっきりさせるので、購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
kissmark(キスマーク)とは?
キスマークは、スポーツ用品販売の国内最大手である株式会社アルペンが展開するプライベートブランドです。
1995年、スノーボード市場の拡大に合わせて誕生しました。
特にすごかったのが、1990年代後半から2000年代にかけてのブームです。
カリスマ的な人気だったGACKT氏を起用したCMは、社会現象と言えるほどのインパクトがありました。
街着としても着られるストリートウェアとして、若者の心を鷲掴みにしていたんです。
現在はスノーボード用品に加え、ゴルフウェアやカジュアルアパレルも展開しています。
日本人の体型に合わせた製品開発と、大手ならではの圧倒的なコストパフォーマンスが武器です。
kissmark(キスマーク)がダサいと言われている理由
機能性は問題ないし、価格も安い。
それなのになぜ、キスマーク=ダサいというレッテルが貼られてしまうのでしょうか。
リサーチを進めると、単なるデザインの好みを超えた理由が見えてきました。
象徴的な唇ロゴが今のトレンドと合っていない
ダサいと言われる最大の理由は、ブランドの顔である唇のロゴマークそのものにあります。
かつてのブーム期には、このセクシーでインパクトのあるロゴが攻めていてカッコいいとされていました。
しかし、今のファッショントレンドはシンプルで洗練されたデザインが主流です。
胸元に大きなキスマークがあるだけで、コーディネート全体が安っぽく見えるという声が多くあります。
特に、無地や自然な色合いが好まれる今のゴルフウェアやアウトドアファッションにおいて、派手なロゴは浮いてしまうんです。
また、このロゴが持つヤンチャなイメージも影響しています。
かつてのギャル男やヤンキーファッションを連想させるため、清潔感を求める層からは敬遠されがちです。
量販店の初心者セットというイメージが強い
安っぽいという評価の根底には、売られている場所の問題があります。
キスマークは主にスポーツデポやアルペンといった大型量販店で販売されています。
そのため、初心者が最初に買う3点セットの代表格なんです。
ゲレンデやゴルフ場でキスマークを着ていると、とりあえず安いもので揃えた初心者という目で見られることがあります。
スノーボードやゴルフは、道具へのこだわりがステータスになりやすい趣味の世界です。
バートンやノースフェイスといった専門ブランドが本物志向とされる一方で、キスマークは間に合わせと見なされがちです。
ある程度経験を積んだ人からは、早く卒業すべきブランドとして扱われることもあります。
2000年代のブームが強烈すぎて過去の人感がある
30代から50代の人にとって、キスマークは過去のものという認識が強く働いています。
ファッションには流行のサイクルがありますが、キスマークの場合は全盛期のインパクトが強すぎました。
その後のブランドイメージの更新が難航しているようです。
懐かしいという感情は、裏を返せば今さら着るのは恥ずかしいという心理に繋がります。
久しぶりにスノボに行こうとして押し入れからキスマークを出したら、家族に全力で止められたなんて話も聞きます。
ブランド自体が特定の時代の空気をまとっているため、今着用するとタイムスリップしてきたような違和感が生まれてしまうのです。
kissmark(キスマーク)の評判・口コミ
では、実際に現在キスマークを使用しているユーザーはどう感じているのでしょうか。
SNSやレビューサイトの声を整理しました。
良い口コミ
肯定的な意見の多くは、圧倒的なコストパフォーマンスと機能性に集中しています。
- スノーボードのブーツを購入。日本人の足に完璧にフィットして、有名ブランドで痛い思いをしていたのが嘘のように快適になった。
- 全身揃えても他ブランドのジャケット1枚分くらいの値段で済む。年に数回しか行かない自分には最高の選択肢。
- 最近のデザインは昔ほど派手ではなく、シンプルで使いやすいモデルも増えている。機能性はアルペン品質なので信頼できる。
- 古着屋で90年代のキスマークのシャツを発見。今のトレンドに合うし、レトロなロゴが逆にエモい感じで気に入っている。
- ゴルフウェアの中古を購入したが、状態も良くストレッチが効いていて動きやすい。練習着として割り切って使うならコスパ最強。
悪い口コミ
- 否定的な意見は、やはりイメージや見た目に関するものが大半です。
- ロゴの主張が激しすぎて、どうしてもひと昔前のヤンキーっぽく見えてしまう。無地のシンプルなウェアの方が高見えすると思う。
- ゲレンデに行くと、レンタルウェアかキスマークを着ているのは大体初心者。上手くなりたいなら避けたほうが無難だと感じる。
- デザインの色使いや柄のパターンが、どこか野暮ったい。最新の海外ブランドと比べるとどうしても見劣りする。
- 安っぽいというイメージが強すぎて、着ていると周りからお金がないのかなと思われそうで不安になる。
- 耐久性に関しては値段相応。数シーズン使い倒すと生地がへたってきたり、撥水性が落ちたりするのが早い気がする。
kissmark(キスマーク)がおすすめな人
ダサいという声がある一方で、キスマークは確かな需要に応えるブランドでもあります。
以下のような人には、自信を持っておすすめできます。
ブランド名よりも実用性とコスパを最優先する人
雪山で寒くなければいい、ゴルフができればブランドなんて関係ない。
そう割り切れる人にとって、キスマークは最強の味方です。
アルペングループの長年のノウハウが詰まった製品は、防水性や防寒性といった基本スペックを高いレベルで満たしています。
有名ブランドのロゴ代に数万円を払うよりも、その分をリフト券代やプレー代に回したい。
そう考える合理的なユーザーにとって、これほど賢い選択肢はありません。
とにかく初期費用を抑えてデビューしたい初心者
新しい趣味を始める時、続くかどうかも分からない段階で高い道具を揃えるのはリスクが高いですよね。
まずは体験してみたいという初心者にとって、キスマークの価格設定は非常に良心的です。
全身セットで数万円で揃う手軽さは、始めるハードルを大きく下げてくれます。
まずはキスマークで基礎を学び、ハマったら好きなブランドに買い換える。
そんなステップアップの最初の踏み台として、最適な役割を果たしてくれます。
Y2Kファッションとしてあえてレトロ感を楽しみたい人
Z世代を中心に流行しているY2Kファッションの文脈では、キスマークのダサさが逆にカワイイという価値になります。
当時のルーズなシルエットのネルシャツや、大きなロゴが入ったスウェットなどは、古着市場で安く手に入ります。
現代の洗練されたファッションへの逆張りとして、あえて野暮ったいキスマークを取り入れる。
そんなスタイルは、高度なファッションセンスを持つ層から再評価されています。
kissmark(キスマーク)がおすすめできない人
逆に、以下のような価値観を持つ人は、購入後に後悔する可能性が高いです。
他のブランドを検討しましょう。
周囲の視線やブランドのステータスを気にする人
ウェア選びにおいて人からどう見られるか、カッコいいと思われたいという気持ちが強い場合、キスマークは避けるべきです。
初心者っぽい、安物というバイアスがかかりやすいため、ドヤ顔で歩くことは難しいでしょう。
特に、道具にこだわる仲間に囲まれている場合、キスマークを選んだ理由を説明するのが面倒になります。
所有欲を満たしたいなら、バートンやノースフェイスなどの一目置かれるブランドを選ぶのが正解です。
シンプルでミニマルなスタイルを好む人
無印良品やユニクロのように、装飾を極限まで削ぎ落としたスタイルを好む人にとって、キスマークのデザインは邪魔になります。
近年はシンプルなモデルも増えていますが、それでもジッパーや裏地にブランドの主張が隠れていることが多いです。
全身をアースカラーでまとめたい、都会的で洗練された雰囲気を出したい。
そういう場合、キスマークのアイテムはコーディネートの邪魔をしてしまう可能性が高いです。
形から入るタイプで上級者っぽく見せたい人
実力はまだだけど、見た目だけは上手そうに見せたい。
そういう形から入るタイプの人にとっても、キスマークは鬼門です。
スノーボードやゴルフにおいて、上級者はウェアのシルエットやブランドの組み合わせでこなれ感を出します。
キスマークのウェアは、どうしても量販店で買った画一的なフィット感になりがちです。
初心者丸出しを避けたいのであれば、専門店で扱われているブランドを探すべきです。
kissmark(キスマーク)のおすすめポイント
批判的な意見だけでなく、ブランドが持つ独自の強みにも目を向けてみましょう。
日本人の体型を知り尽くしたジャストフィットな設計
海外ブランドのウェアやブーツは、欧米人の体型に合わせて作られていることが多いです。
日本人が着ると袖が余ったり、足が痛くなったりといった問題が起きがちです。
その点、キスマークは日本の企業が作っているため、日本人の骨格や足型に最適化されています。
特にブーツの履き心地やウェアのサイズ感の良さは、多くのユーザーが認めるメリットです。
カッコいいけど痛い海外ブランドよりも、そこそこだけど快適なキスマークを選ぶ価値は大いにあります。
全身をトータルコーディネートできる
スノーボードなら板からウェア、小物まで。ゴルフならクラブからウェアまで。
これら全てを一つのブランドで揃えられるのは、キスマークならではの強みです。
あちこちの店を回って買い集める手間が省けるだけでなく、ブランドを統一することでデザインのチグハグさを防げます。
忙しい人や、コーディネートを考えるのが面倒な人にとっては、非常に効率的です。
趣味へのハードルを下げる価格設定
スノーボードやゴルフはお金持ちの遊びというイメージを払拭したのは大きいです。
有名ブランドならウェア上下で10万円近くかかるところが、キスマークなら数万円で済みます。
浮いたお金で回数を重ねて練習するほうが、結果的に上達への近道になることも多いですよね。
kissmark(キスマーク)のおすすめアイテム
最後に、ダサいと言われにくく、実用性が高いおすすめアイテムを厳選して紹介します。
スノーボードブーツ ジャフィ(JAFFE)
キスマークの最高傑作とも言えるのが、スノーボードブーツのジャフィです。
日本人の足に合うことを徹底的に追求しており、幅広や甲高の人でもストレスなく履けます。
ダイヤル式で脱ぎ履きが楽なのに、1万円台から買えるという驚異的なコスパです。
デザインも黒を基調としたシンプルなものが多く、ウェアの裾を被せてしまえばロゴも目立ちません。
ブランドを気にする人でも抵抗なく使える実力派アイテムです。
トレンド感を意識した最新モデルのスノーウェア
最新のモデルでは、過去の派手さを反省し、トレンドを取り入れたデザインへの刷新が進んでいます。
特に、デニム風の素材を使用したパンツや、アースカラーを取り入れたジャケットなどは街着に近い感覚で着こなせます。
いかにもスキーウェアという野暮ったさがありません。
機能面も確保されており、初心者セットからの買い替え先としても十分に検討の余地があります。
古着市場で探す90年代チェックシャツ
ファッション感度の高い方には、新品ではなく古着としてのキスマークをおすすめします。
古着屋やフリマアプリにある90年代のシャツやスウェットは、生地が厚手でしっかりしており、本物のレトロ感があります。
今のファストファッションにはない風合いがあり、ストリートスタイルのアクセントとして取り入れると面白いです。
価格も手頃なので、宝探し感覚で探してみるのもいいですね。
まとめ
キスマークの服はダサいのか?という疑問について見てきました。
ダサいと言われる理由は、唇ロゴの主張が強く今のトレンドと合わないこと、量販店の初心者セットというイメージ、そして過去の記憶が強すぎることでした。
おすすめできるのは、実用性とコスパを重視する合理的な人や、これから始める初心者です。
逆におすすめできないのは、周囲の目やブランドステータスを気にする人です。
結論として、キスマークは自慢するためのファッションブランドではありません。
しかし、スポーツを楽しむための道具としては極めて優秀なブランドです。
ダサいという評価はあくまで他人の主観です。
もしあなたが他人の評価よりも、自分の体験や賢いお金の使い方を大切にするのであれば、キスマークは頼もしい相棒になります。
外野の声に惑わされず、自分の目的に合った最適な一着を選んでください。

