かつては洗練された大人の象徴であり、ファッション好きなら一度は憧れたスペシャリティストア、バーニーズニューヨーク。あの黒い紙袋を持っているだけでステータスを感じた時代がありました。
しかし最近、ネット上やSNSを見ていると「バーニーズニューヨーク ダサい」「終わった」といった不穏な検索ワードを目にすることが増えています。これから買い物をしようとしていた人や、プレゼントを選ぼうとしていた人にとっては、かなり気になる噂ですよね。
本当にバーニーズはダサくなってしまったのでしょうか?それとも、一部の偏った意見なのでしょうか。
本記事では、なぜ今バーニーズが「ダサい」と言われてしまうのか、その理由をSNSなどの生の声から徹底的に深掘りしました。また、逆に今でも評価されているポイントや、どんな人にならおすすめできるのかも正直に解説します。
「せっかく高い買い物をしたのに、周りからダサいと思われたくない」
そんな不安を解消するために、良い評判も悪い評判も包み隠さずお伝えします。ぜひ最後まで読んで、自分に合うかどうか判断してみてください。
バーニーズニューヨークとは?
まずは簡単に、バーニーズニューヨークというお店の立ち位置についておさらいしておきましょう。
もともとは1923年にアメリカのマンハッタンで創業した高級セレクトショップです。日本では1990年に新宿に初上陸し、当時は「伊勢丹のライバル」として、日本のファッション業界に衝撃を与えました。
単に服を売るだけでなく、ディスプレイの美しさや、ドアマンが迎えてくれる特別感、そして独自の審美眼で選ばれたインポートブランドの数々は、当時のファッション感度の高い人々を熱狂させました。まさに「選ばれた人だけが買い物をする場所」というイメージでした。
現在は、銀座、六本木、横浜、神戸、福岡などに店舗を構えていますが、運営母体が変わるなどの変化もあり、そのブランドイメージや立ち位置が少しずつ変わりつつあります。その変化こそが、今回の「ダサい」という評判につながっているのです。
バーニーズニューヨークがダサいと言われている理由
ここからが本題です。なぜ、あんなに憧れの存在だったバーニーズが、今「ダサい」「時代遅れ」と言われるようになってしまったのでしょうか。
SNSや口コミサイト、掲示板などの一次情報を徹底的にリサーチした結果、デザインそのものがダサいというよりも、もっと根深い「ブランドの姿勢」や「取り巻く環境」に原因があることが見えてきました。主な理由は3つあります。
時代錯誤な「上から目線」の接客スタイル
リサーチをしていて最も多かったネガティブな意見、そして最も感情的な反発を招いているのが接客態度です。
かつての高級店では、店員が客を品定めするような緊張感も一種のブランド体験でした。しかし、今は令和です。多様性が尊重され、どんな高級ブランドでもフレンドリーで親身な接客が求められる時代に、バーニーズの一部店舗ではいまだに「客を選ぶ」ような古い体質が残っているようです。
具体的には、SNS上で「足元から上までジロジロ見られて鼻で笑われた」「買わないと分かった瞬間に態度が急変して素っ気なくなった」といった声が散見されます。特に福岡店や銀座店などで、こういった「選別意識」を感じて不快な思いをしたという報告が目立ちました。
今の消費者は賢いので、こういう態度を「高級感」とは受け取りません。「勘違いしている」「何様なのか」という冷ややかな目で見ています。この「時代に合っていない傲慢な接客」こそが、ブランド全体を「古臭い」「ダサい」と感じさせる最大の要因になっていると言えます。
自分はお客さんとして行っているのに、店員さんの顔色を伺ったり、値踏みされたりするのは単純に不愉快ですよね。そういった体験がSNSで拡散され、「あそこはもう行かない」「終わった店」というレッテルを貼られてしまっているのです。
親会社変更による「免税店化」への不安
ファッションに詳しい層の間でささやかれているのが、運営母体の変化によるブランドイメージの低下です。
バーニーズジャパンは2023年に、家電量販店などを展開するラオックスホールディングスの傘下に入りました。ラオックスといえば、インバウンド(訪日外国人)向けの免税店ビジネスで有名です。
このニュースが流れたとき、長年のファンたちは「バーニーズが免税店になってしまうのではないか」という強い懸念を抱きました。実際、経営再建のためにはインバウンド需要を取り込むことは不可欠ですが、日本のファッション好きからすると、観光客向けのベタなお土産屋さんや、単なるブランド品のディスカウントショップのような雰囲気になってしまうことは、これ以上ないほど「ダサい」変化です。
実際にはまだ完全にそうなったわけではありませんが、「親会社がラオックス」という事実だけで、「安っぽくなった」「以前のような尖ったセレクトはもう期待できない」と判断して離れてしまった層が一定数います。ブランドの背景にあるストーリーを重視する人にとっては、この資本の変更は「魔法が解けた」瞬間だったのかもしれません。
ターゲット層の高齢化と「おじさん化」
3つ目の理由は、客層とブランドイメージの高齢化です。
SNSの声を見ていると、「親に連れられて行く店」「おじさんが着る服」というイメージを持っている若年層が意外と多いことに気づきます。
かつてバーニーズで買い物をしていた世代がそのまま年齢を重ね、今は40代、50代がメインの客層になっています。それは悪いことではないのですが、トレンドに敏感な20代や30代前半の人から見ると、「自分の親世代が好む、ちょっと保守的な場所」に見えてしまっているのです。
また、バーニーズのオリジナル商品は、ビジネスマン向けのスーツやコンサバなカジュアルウェアが多く、デザインも無難なものが中心です。これを「洗練されたベーシック」と捉えるか、「野暮ったい」と捉えるかは紙一重です。
特に、全身をハイブランドで固めたいような層や、ストリートの最先端を追っている層からは、「刺激が足りない」「置きに行っているファッション」として、ダサい認定されてしまうことがあります。
バーニーズニューヨークの評判・口コミ
では、実際に利用している人たちはどう感じているのでしょうか。ネット上の膨大な口コミの中から、特に具体的で信憑性の高いものをピックアップして整理しました。
あくまで個人の感想ですが、これから行くかどうかの判断材料になるはずです。
良い口コミ
まずは良い評価からです。特定のアイテムや、相性の良い店員さんに出会えた場合は、非常に満足度が高いことがわかります。
- マザーズバッグは本当に優秀。ベビーカーに掛けやすいし、収納もたくさんあって考えられている。
- 出産祝いでもらって嬉しかった。ロゴが入っているだけで少しテンションが上がるし、自分では買わない価格帯だからギフトに最適。
- Doublet(ダブレット)やCFCLなど、日本のエッジの効いたブランドとのコラボレーションはすごく良い。バイヤーのセンスはまだ死んでいないと思う。
- スーツの品揃えはやっぱり安心感がある。仕事で使うしっかりしたものを探すなら、百貨店よりバーニーズの方がお洒落なものが見つかる。
- 担当してくれたスタッフさんが知識豊富で、こちらの好みをすぐに理解してくれた。プロの仕事だと感じた。
悪い口コミ
一方で、やはり接客や雰囲気に関する厳しい声も無視できません。
- 店員に足元を見られたのがあからさまだった。全身ハイブランドじゃないと客として扱われないのかと惨めな気持ちになった。
- 子連れで行ったら睨まれた気がした。子供が少し騒いだだけで露骨に嫌な顔をされたので、もう二度と行かない。
- オリジナル商品の質が値段に見合っていない気がする。タグ代が高いだけでは?これなら専業ブランドで買った方がいい。
- 店内の雰囲気がなんとなく暗いし、入りにくいオーラが出すぎている。昔はそれが良かったのかもしれないけど、今はただ居心地が悪いだけ。
- 修理や交換の対応をお願いしたときの態度が高圧的だった。売るときだけ笑顔で、アフターケアがおろそかなのは一流店とは言えない。
バーニーズニューヨークがおすすめな人
ここまでの話を総合すると、バーニーズニューヨークは「誰にでもおすすめできる万能な店」ではなくなっていることがわかります。しかし、使い方や目的によっては、今でも十分に価値のあるお店です。
具体的に、どんな人なら満足できるのかを解説します。
「失敗しないギフト」を探している人
特に、出産祝いや結婚祝い、ちょっとしたお礼の品を探している人には強くおすすめできます。
「ダサい」という評判があるとはいえ、一般的には「バーニーズ=高級」「都会的」という認知がまだまだ広まっています。あのロゴが入ったタオルやベビー用品、マザーズバッグをもらって嫌な顔をする人はまずいません。
商品はパッケージも含めて非常に見栄えが良いので、贈る側のセンスも良く見せてくれます。「何をあげたらいいかわからないけど、外したくない」という時には、最強の味方になってくれるでしょう。
人とは違う「尖ったコラボ」が好きなファッション通
意外かもしれませんが、かなりマニアックな服好きにもおすすめです。
バーニーズのバイヤーチームは、実は今でもかなり攻めた仕事をしています。Doublet(ダブレット)のような前衛的なブランドや、NEXUSVII.(ネクサスセブン)、Danner(ダナー)といった玄人好みのブランドと頻繁にコラボレーションを行っています。
こういったコラボアイテムは、インライン(通常商品)にはない遊び心や、バーニーズらしい上品なアレンジが加わっていて、非常にクオリティが高いです。「バーニーズなんておじさんの店でしょ?」と食わず嫌いせず、こういった限定アイテムだけを狙い撃ちするのは、とても賢い楽しみ方です。
ビジネスウェアに「程よい品格」を求める30代〜40代
仕事で着るスーツやオフィスカジュアルを探している人にとっても、依然として頼れる存在です。
セレクトショップのオリジナルスーツはペラペラなことも多いですが、バーニーズのオリジナルは生地や縫製が比較的しっかりしており、シルエットも美しいです。
「ハイブランドのスーツは高すぎて手が出ないけど、量販店のスーツでは物足りない」 「取引先に舐められない、きちんとした格好がしたい」
そんなニーズに対して、バーニーズはちょうどいい選択肢を提供してくれます。奇抜すぎず、でも地味すぎないバランス感覚は、ビジネスシーンで強い武器になります。
バーニーズニューヨークがおすすめできない人
逆に、次のような人にはあまりおすすめできません。行ってみて「なんか違う」「嫌な思いをした」となる可能性が高いです。
親しみやすい接客や楽しい買い物体験を求めている人
お休みの日に、店員さんと楽しくおしゃべりしながら服を選びたい、という人には向いていません。
もちろん素晴らしい店員さんもいますが、全体的に「クール」で「距離を置く」接客スタイルのお店が多いです。また、入店した瞬間に品定めされるような視線を感じるのが苦手な人、HSP気質の人は、店内にいるだけで疲弊してしまうかもしれません。
買い物に「癒やし」や「共感」を求めるなら、他のセレクトショップや、もっとカジュアルなブランドに行った方が幸せな時間を過ごせるでしょう。
トレンド最前線の「今」の服が欲しい10代・20代
TikTokやInstagramで流行っているような、最新のトレンドを追いかけたい若い世代にとっても、少しズレがあるかもしれません。
バーニーズの品揃えは、良くも悪くも「トラディショナル」や「クラシック」がベースにあります。流行りのシルエットや色使いも取り入れてはいますが、どこか大人向けにフィルターがかかっています。
「今」の空気をまとった服が欲しいなら、もっとストリートよりのショップや、ドメスティックブランドを多く扱うショップの方が、刺激的な出会いがあるはずです。
コスパ重視で「良いものを安く」買いたい人
厳しい言い方ですが、コストパフォーマンスを最優先するなら選ぶべきではありません。
バーニーズの商品は、オリジナルであってもそれなりの価格がします。そこには「バーニーズという場所代」「ブランド料」が含まれています。
単純に生地の質や縫製だけで見れば、同じ価格でもっと質の良いものを作っている専業メーカーはたくさんあります。「ブランドタグに価値を感じない」「モノ自体の良し悪しだけで判断したい」という合理的な考え方の人にとっては、割高に感じてしまうでしょう。
バーニーズニューヨークのおすすめポイント
ここまで少し厳しめに評価してきましたが、それでも腐ってもバーニーズ。他にはない魅力もしっかり残っています。ここでは、あえて今バーニーズに行くべきポジティブな理由を挙げます。
「マザーズバッグ」という奇跡の大ヒットアイテム
「ダサい」論争の外側で、圧倒的な支持を得ているのがマザーズバッグです。これは本当に不思議な現象ですが、ブランドの服には興味がない層からも、このバッグだけは熱烈に愛されています。
理由は単純で、使い勝手が抜群に良いからです。ポケットの配置、軽さ、ベビーカーへの取り付けやすさなど、実際に使うママたちの声を徹底的に研究して作られているのがわかります。
しかも、デザインがシンプルで夫と兼用できるのもポイント。「所帯じみたバッグは持ちたくないけど、ハイブランドのバッグは汚れるのが怖い」というママたちにとって、バーニーズのロゴが入ったナイロンバッグは、実用性とオシャレ心の完璧な妥協点なのです。
世界観を壊さない「別注アイテム」のセンス
おすすめな人の項目でも触れましたが、バーニーズの「別注(コラボ)」にはハズレが少ないです。
例えば、アウトドアブランドのバッグを別注する場合でも、ロゴを黒にしてシックにしたり、素材をレザーに変えてスーツに合うようにしたりと、あくまで「都会で使うこと」を想定したアレンジが加えられています。
「機能性は欲しいけど、ガチのアウトドア感は消したい」という都市生活者のわがままな要望を、的確に叶えてくれるセンスは流石です。この編集能力こそが、セレクトショップとしての本来の価値だと言えます。
特別な日を演出する「空間」の力
店舗の縮小や閉店も続いていますが、やはり旗艦店(特に銀座や六本木)の作り込みは豪華です。
高い天井、重厚な什器、美しいライティング。最近の効率重視の店舗設計にはない、無駄とも言える優雅な空間がそこにはあります。
例えば、大切なパートナーへのプレゼントを買いに行くとき、ネットでポチるのと、あの重厚なドアを通って買い物をするのとでは、体験の質がまったく違います。「わざわざバーニーズに行って選んだ」という事実は、プレゼントの価値を一段階引き上げてくれます。日常使いはしなくても、ここぞという時の「舞台装置」としては、まだ十分に機能します。
バーニーズニューヨークのおすすめアイテム
最後に、今バーニーズで買うならこれ!という具体的なアイテムを3つ紹介します。迷ったらこのあたりからチェックしてみてください。
定番のライオンロゴ入りトートバッグ
賛否両論ありますが、やはり定番は強いです。特にキャンバス地やナイロンのトートバッグは、サイズ展開も豊富で使い勝手が良いです。
サブバッグとして持つのも良し、ジム通いに使うも良し。ロゴが主張しすぎないシンプルなデザインのものを選べば、「ブランド主張が激しくてダサい」と思われることもありません。丈夫なのでガシガシ使えるのも魅力です。
知る人ぞ知る「香水・フレグランス」コーナー
意外と見落とされがちですが、バーニーズのフレグランスコーナーは非常に充実しています。
メジャーなブランドだけでなく、日本での取り扱いが少ないニッチなフレグランスメゾンもセレクトされています。服を買うのはハードルが高くても、香水なら店員さんと相談しながら自分に合う香りを探すのが楽しいですし、接客の圧もそこまで強くありません。
センスの良い香りのギフトを探しているなら、服売り場をスルーしてフレグランスコーナーに直行するのもアリです。
季節ごとの「コラボTシャツ・小物」
夏場に発売されるコラボTシャツや、冬場のマフラーなどの小物は狙い目です。
これらは価格も比較的手頃で、その時々の旬なアーティストやブランドと組んでいることが多いので、デザインの鮮度が高いです。「バーニーズの服」として着るのではなく、「〇〇というアーティストの作品」として取り入れることができるので、古臭さを感じさせません。
店頭で見かけたら、どんなブランドとコラボしているのかタグをチェックしてみてください。意外な掘り出し物が見つかるかもしれません。
まとめ
バーニーズニューヨークが「ダサい」と言われる理由について、厳しい意見も含めて解説してきました。
結論として、バーニーズが完全に「終わったブランド」かというと、決してそんなことはありません。ただ、かつてのような「誰もがひれ伏すファッションの神殿」ではなくなった、というのは事実でしょう。
接客の当たり外れや、ターゲット層のミスマッチといった問題は確かに存在します。何も考えずに全身をバーニーズで揃えればお洒落になれる、という時代は過ぎ去りました。
しかし、自分の目を持っていれば、今でも宝探しができる場所です。
- ギフトやマザーズバッグなどの「実用品」として活用する
- バイヤーのセンスが光る「コラボアイテム」だけを狙う
- ビジネスウェアの「信頼できる調達先」として割り切る
このように、こちらの目的をはっきりさせて賢く利用すれば、バーニーズは今でも十分に魅力的で、頼りになるお店です。
ネットの評判はあくまで他人の意見です。「ダサい」という言葉に惑わされすぎず、まずは気軽な気持ちで、香水や小物を覗きに行ってみてはいかがでしょうか。そこで感じる空気感が、あなたにとって心地よいものかどうかが、一番の答えになるはずです。