アウトドアウェアとしての機能性と、ストリートファッションに合うデザイン性で人気のアノラックパーカー。
多くのブランドから魅力的なアイテムが出ていて、おしゃれな人の間では定番になりつつあります。
しかし、その独特なデザインからか、一部ではアノラックパーカーはダサい、着こなしが難しいという声もあるようです。
そこでこの記事では、アノラックパーカーがダサいと言われる理由を掘り下げ、実際の評判や口コミも紹介します。
アノラックパーカーがおすすめな人、そうでない人の特徴も解説するので、購入を迷っている人はぜひ参考にしてください。
アノラックパーカーとは?
アノラックパーカーは、フード付きのジャケットの中でも少し違った特徴と歴史を持つアイテムです。
もともとは、アラスカのような寒い地域に住む先住民イヌイットが、アザラシの皮で作って着ていた防寒着がルーツだと言われています 。
厳しい自然で生き抜くための知恵でした。
その優れた機能性から、登山やスキーなどのアウトドアウェアとして広まり、1940年代から50年代には軍の服としても採用された歴史があります 。
現代のアノラックパーカーの主な特徴は3つです。
- 頭から被るプルオーバー(ハーフジップ)形式: 前が全開にならず、胸元までのジッパーが基本。風の侵入をしっかり防ぐための工夫です 。
- お腹の大きなポケット(カンガルーポケット): 前の中央にある大きなポケットは、アノラックパーカーのシンボル。手を入れたり小物を収納したりと、アウトドアでの実用性から生まれました 。
- フード付き: 風や雨、雪から頭を守るためのフードが付いています 。
よく似ているマウンテンパーカーとの一番の違いは、前が全開になるかどうか。
マウンテンパーカーはジッパーで前を開けられますが、アノラックパーカーは頭から被るタイプ、と覚えておくと分かりやすいです 。
このように、アノラックパーカーのデザインは、すべて機能性を考えて作られています。
おしゃれさよりも実用性を重視した作りが、街で着るには好みが分かれるポイントになっているのかもしれません。
アノラックパーカーがダサいと言われている理由
機能的で個性的なデザインが魅力のアノラックパーカーですが、なぜ一部の人にはダサい、あるいは野暮ったいと感じられてしまうのでしょうか。
昔の流行?時代遅れに見えることがある
アノラックパーカーは、90年代のストリートファッションで流行したアイテムです 。
当時は、シャカシャカしたナイロン素材や、派手な色使い、大きなブランドロゴが人気でした 。
今、ファッションの世界では90年代スタイルが再び注目されています。
このトレンドを知っている人にとっては、アノラックパーカーのレトロな雰囲気はおしゃれに見えます。
しかし、そうした流行に興味がない人から見ると、光沢のあるナイロン素材や派手な色合いは、ただの古い服、つまり時代遅れに見えてしまう可能性があります。
コーディネート全体を現代風にまとめないと、昔のウインドブレーカーを着ているような、野暮ったい印象を与えかねません。
ガチすぎる?アウトドア感が強くて野暮ったい
アノラックパーカーは、もともと登山やスキーで使われていた服です 。
そのため、裾を絞る紐や袖口のマジックテープなど、本格的なアウトドア仕様のディテールが多く見られます。
こうした機能的なデザインは、街で着るには本格的すぎて浮いてしまうことがあります。
まるでこれから山登りに行くかのような服装は、都会の普段着としては少し大げさに見えるかもしれません。
最近はアウトドアウェアを街着に取り入れるスタイルも人気ですが、ただ機能的な服を着ているだけに見えるか、おしゃれに見えるかの差は紙一重です。
アノラックパーカーをおしゃれに着こなすには、きれいめなスラックスや革靴など、あえて対照的なアイテムと組み合わせるのがポイントです 。
そうすることで、アウトドア特有の無骨さが和らぎ、洗練された印象になります。
太って見える?独特のシルエットで着膨れしやすい
アノラックパーカーの独特な形も、ダサいと言われる理由の一つです。
頭から被るデザインは、前が開くジャケットと違って縦のラインが強調されず、横に広く見えやすい特徴があります 。
また、お腹の大きなカンガルーポケットは、それだけでボリュームが出ます 。
ポケットに物を入れると、お腹周りがぽっこりして見えることも。
もともと中に服を着込むことを想定して、身幅が広くゆったりとしたシルエットで作られていることが多いのも、着膨れして見えやすい原因です 。
サイズ選びを間違えると、服に着られているようなだらしない印象になりがちなので注意が必要です 。
アノラックパーカーの評判・口コミ
実際に着ている人はどう感じているのでしょうか。SNSなどからリアルな声を集めてみました。
良い口コミ
- 軽くて小さく畳めるから、バッグに入れておくと季節の変わり目に便利
- 撥水や防風機能が高くて、急な雨や風が強い日でも安心
- お腹の大きなポケットがとにかく便利。スマホや財布を入れて手ぶらで出かけられる
- 春秋はアウターとして、冬はコートの下に着て、長く着回せるのが良い
- Tシャツとデニムみたいなシンプルな服装に羽織るだけで、コーデがおしゃれに決まる
悪い口コミ
- 頭から被るので着たり脱いだりするのが面倒。セットした髪が崩れたり、化粧が首元に付くのが嫌
- サイズ感が独特で、通販で買ったら大きすぎた。だらしなく見えて失敗
- 暑い時にすぐ脱げないし、前を開けて温度調節もできないのが不便
- 安いものだと、ナイロンが擦れるシャカシャカ音が気になる
- カンガルーポケットに物を入れすぎると、お腹が出ているように見えて格好悪い
アノラックパーカーがおすすめな人
アノラックパーカーは、こんな人におすすめです。
アウトドアと街着を兼用したい人
週末はキャンプやハイキング、平日は街で過ごすという人にとって、アノラックパーカーはぴったりの一着です。
本格的なアウトドアの機能がありながらデザイン性も高いので、山用と街用で服を分ける必要がありません。
一着でどちらの場面にも対応できるので、無駄なく服を持ちたい人に最適です 。
90年代ストリートや古着が好きな人
90年代のファッションが好きで、コーディネートに取り入れたい人にとって、アノラックパーカーは欠かせないアイテムです。
派手な色使いやナイロンの素材感を「味」として楽しめるので、この服の魅力を最大限に引き出せます。
古着のTシャツやゆったりしたデニムと合わせれば、トレンド感のあるストリートスタイルが完成します 。
重ね着でおしゃれを楽しみたい上級者
アノラックパーカーの独特な形やハーフジップを、コーディネートのアクセントとして活かせるおしゃれな人にもおすすめです。
ハーフジップからシャツの襟やタートルネックを見せたり、コートの下に着て素材感の違いを楽しんだりと、自由な発想で重ね着をすることで、他の人とは違うスタイルを表現できます 。
アノラックパーカーがおすすめできない人
一方で、こんな人にはあまり向いていないかもしれません。
きれいめな服装が中心の人
普段からジャケットやスラックスなど、上品で落ち着いた服装が多い人には、アノラックパーカーは合わせにくいかもしれません。
カジュアルでスポーティーな雰囲気が、手持ちの服の中で浮いてしまい、着る機会がなくなってしまう可能性があります。
着脱のしやすさを重視する人
おしゃれさよりも、日常での快適さや便利さを大切にする人にも、アノラックパーカーは最適とは言えないでしょう。
特に、電車や室内など、暑かったり寒かったりする場所を行き来することが多い人にとって、頭から被るタイプは着脱が面倒です 。
さっと羽織ったり脱いだりできる、前が全開になるジャケットの方が便利です。
スタイル良く見せたい人
服装を選ぶときに、着痩せ効果やすっきりとしたシルエットを重視する人には、アノラックパーカーはおすすめできません。
箱型のゆったりしたシルエットなので、体のラインが出にくく、着膨れして見えやすい特徴があります 。
スタイルを良く見せたいという目的とは合わないかもしれません。
アノラックパーカーのおすすめポイント
アノラックパーカーならではの魅力を3つ紹介します。
他にない独特のデザイン
アノラックパーカーを象徴するハーフジップとカンガルーポケットは、ただの飾りではありません。
これがあるからこそ、普通のパーカーやジャケットとは違う、独特のスタイルが生まれます。
どこか懐かしい雰囲気と、スポーティーな印象をあわせ持ち、羽織るだけでコーディネートに個性を与えてくれます 。
軽くて機能的な素材
多くのアノラックパーカーは、軽くて水や風に強いナイロンなどの素材で作られています 。
そのため、おしゃれなだけでなく、実用的なアウターとしても非常に優秀です。
天気が変わりやすい季節や、旅行、フェスといった場面で、その機能性の高さを実感できるでしょう 。
長いシーズン着回せる
アノラックパーカーは、着回し力の高さも大きな魅力です。
春や秋には軽いアウターとして、冬にはコートやダウンの下に着ることで、風を防ぐ中間着として活躍します 。
一枚持っているだけで、真夏以外のほとんどの季節で使えるので、とてもコストパフォーマンスが高いアイテムです 。
アノラックパーカーのおすすめアイテム
スタイル別におすすめのモデルを3つ紹介します。
【王道アウトドア】THE NORTH FACE コンパクトアノラック
アウトドアブランドの定番、ザ・ノース・フェイスの一着。
初めてアノラックパーカーを買う人にもおすすめです。
確かな機能性と、街にも馴染む洗練されたデザインのバランスが良く、誰が着てもおしゃれに見えます。
撥水加工が施されているので、急な雨にも対応可能。
付属の袋に小さく収納して持ち運べるのも便利です 。
【焚き火の相棒】ワークマン 綿アノラックパーカー
キャンプや焚き火好きから絶大な支持を得ているのが、ワークマンの綿アノラックパーカーです。
一番の特徴は、火の粉に強い綿100%素材を使っていること。
ナイロン製のアウターだと穴が開いてしまうような場面でも、安心して焚き火を楽しめます。
手頃な価格ながら、大きなポケットや汚れにくい加工など、キャンパーに嬉しい機能が満載です 。
【洗練された街着】Patagonia イスマス・アノラック
90年代のレトロな雰囲気を楽しみたいなら、パタゴニアのイスマス・アノラックがおすすめです。
リサイクル素材を使うなど、環境への配慮もパタゴニアらしいポイント。
一般的なナイロンジャケットよりも柔らかい風合いで、街着として着やすいのが特徴です。
少し厚手の生地で風も防ぐので、秋から春先まで長く活躍します 。
まとめ
アノラックパーカーがダサいと言われることがありますが、それは服自体が悪いわけではありません。
90年代リバイバルという今のトレンドを知っているか、アウトドアウェアをおしゃれに着こなせるか、そして独特のシルエットを自分に合うように着こなせるか、どう着こなすかにかかっています。
つまり、アノラックパーカーは着る人のセンスが問われる、少し上級者向けのアイテムかもしれません。
この記事を参考に、自分に合う一着か見極めてみてください。