90年代から00年代にかけて一世を風靡したブランド、バッドボーイ。睨みつけるような目のロゴマークは、誰もが一度は目にしたことがあるはずです。
しかし、ネット検索をすると、バッドボーイの服 ダサいといったネガティブな言葉が並んでいるのを目にします。これから買おうか迷っている人や、久しぶりに着てみようかなと思っている人にとっては、かなり気になるポイントですよね。
実はこのブランド、見る人の世代やファッション感度によって、評価が真っ二つに分かれる非常に珍しい立ち位置にいます。
ある人にとっては懐かしくてちょっと恥ずかしい過去の遺物であり、ある人にとっては最先端のトレンドアイテムでもあるのです。
そこで本記事では、なぜバッドボーイがダサいと言われてしまうのか、その明確な理由と、逆に今着ることが推奨される人、やめておいたほうがいい人について、ネット上の生の声やファッショントレンドの裏側を徹底的にリサーチして解説します。
バッドボーイが欲しいけど、もしかしてダサい?と不安な人はぜひ参考にしてください。
バッドボーイとは?
そもそもバッドボーイとはどういうブランドなのか、簡単に振り返っておきましょう。
1982年にアメリカのカリフォルニア州で生まれたこのブランドは、もともとはサーフィンやモトクロス、そして総合格闘技といったアクションスポーツのウェアとして誕生しました。
日本では90年代後半から2000年代にかけて爆発的に普及しました。当時はサーフブランドとしてだけでなく、ストリートファッション、あるいは地方のヤンキーファッションの象徴として、若者を中心に絶大な人気を誇りました。
特徴的なのは、その強烈なロゴデザインです。睨みをきかせた二つの目と、太字のロゴ。これが男らしさや強さを象徴するものとして受け入れられました。
しかし、あまりに流行しすぎたことと、販売ルートがスーパーや量販店にまで広がったことで、ブランドのイメージは大きく変化していくことになります。
バッドボーイがダサいと言われている理由
では、本題に入りましょう。なぜ今の時代にバッドボーイがダサいと言われることがあるのか。SNSや口コミサイト、ファッション掲示板などを深掘りしていくと、単なる好みの問題ではない、このブランド特有の構造的な理由が見えてきました。
量販店で安売りされていた記憶が定着しているから
これが最も大きな理由です。30代から40代の人たちにとって、バッドボーイは地元のスーパーや衣料品量販店でワゴンセールになっている服というイメージが強烈に残っています。
かつてはブランド品として扱われていたものが、いつの間にか日用品と一緒に並べられ、安価な価格で売られるようになった。この安っぽいという印象が、大人のファッションとして選ぶ際の大きな足かせになっています。
おしゃれをして出かける服ではなく、部屋着や近所のコンビニに行くための服という認識が抜けない層からは、どうしても野暮ったいと評価されてしまうのです。
過去のヤンキーファッションや中学生のイメージが強いから
2000年代初頭、バッドボーイは地方の不良少年や、いわゆるヤンキー層に好んで着られていました。また、ファッションに目覚めたばかりの中学生が、強そうなロゴに惹かれて最初手に取るブランドでもありました。
そのため、大人になった今バッドボーイを見ると、当時の尖っていた自分や、少し恥ずかしい過去の記憶(黒歴史)がフラッシュバックしてしまう人が多いようです。
ネット上の声を見てみても、中学生の修学旅行を思い出すといった意見や、イキっているように見えて恥ずかしいといった声が散見されます。この精神的な気恥ずかしさが、ダサいという評価に直結しています。
ロゴの主張が強すぎて今のシンプル志向と合わないから
近年のファッショントレンドは、ノームコアやミニマリズムといった、シンプルで清潔感のあるスタイルが主流でした。無地で質の良い服をさらっと着こなすのがおしゃれとされる中で、バッドボーイのあの攻撃的なロゴマークは、どうしても浮いてしまいます。
特に、全身に大きくロゴが入ったジャージやスウェットは、主張が激しすぎてセンスがないと見なされることがあります。大人が着るには子供っぽすぎる、あるいは威圧感がありすぎるというのも、敬遠される理由の一つです。
バッドボーイの評判・口コミ
ここでは、実際にバッドボーイに対する世間の評価を、良いものも悪いものも包み隠さず整理しました。SNSやフリマアプリ、通販サイトのリアルな声を反映しています。
良い口コミ
- 原宿の古着屋やFaith Tokyoのような感度の高いショップが扱っていて、一周回ってすごくエモい。
- 90年代や00年代のY2Kファッションを作るには欠かせないアイテムで、あえて着るのが今っぽい。
- 作りが丈夫で、ゴルフや作業着として使うにはコスパが最強。ガンガン洗ってもへたらない。
- 古着市場だと90年代のナイロンジャケットのデザインが凝っていて、今のブランドにはない雰囲気がある。
- 海外のラッパーやアーティストが着ているのを見て、日本のイメージとは違ってクールだと感じた。
悪い口コミ
- どうしても近所の量販店のジャージというイメージが拭えず、外に着ていく勇気がない。
- ロゴが大きすぎて、いい歳をした大人が着ていると痛々しく見えることがある。
- 生地の質感、特に首回りやリブの部分が安っぽくて、数回着るとヨレてしまうものがある。
- 昔のヤンキー漫画に出てくるキャラクターみたいで、時代遅れ感が否めない。
- 彼女や妻から、一緒に歩くときは着ないでほしいと止められた。
バッドボーイがおすすめな人
ダサいという意見がある一方で、今バッドボーイを猛烈に探している人たちがいます。どういう人ならこのブランドをおしゃれに着こなせるのか、その特徴をまとめました。
Y2K・Y3Kファッションを楽しみたいZ世代
今、10代から20代前半のZ世代の間で、2000年代のファッションを再解釈するY2Kブームが起きています。彼らにとってバッドボーイは、古いものではなく、新鮮でサイバーパンクな雰囲気を持つ未来的な服として映っています。
短丈のトップスにダボダボのパンツを合わせたり、アームウォーマーと組み合わせたりして、現代風にアレンジできる人には最高にハマるブランドです。
古着やストリートスタイルで「ハズし」ができる人
全身を高級ブランドで固めるのではなく、あえてダサいと言われるアイテムを一点投入して、コーディネートに深みを出す。そんな高等テクニックを持つ古着好きの人におすすめです。
みんなが着ている流行りのブランドではなく、リサイクルショップで掘り出したバッドボーイのナイロンジャケットをさらっと羽織る。そんなスタイルができる人にとっては、他と被らない個性的なアイテムになります。
コスパ重視でタフな日常着を探している人
ファッション性とは別の視点ですが、実用性を求める人にも強くおすすめできます。もともとアクションスポーツブランドとして始まっただけあり、動きやすさや耐久性は折り紙付きです。
ゴルフの練習着、DIYの作業着、あるいは部屋着として、ブランドのイメージを気にせずガシガシ使いたい人にとっては、非常に優秀な相棒になります。
バッドボーイがおすすめできない人
逆に、次のような考えを持っている人は、バッドボーイを買うと後悔する可能性が高いです。
清潔感や大人っぽさを最優先する人
いわゆる女子ウケや、職場の人に好印象を与えたいと考えるなら、バッドボーイは避けたほうが無難です。
きれいめなシャツやスラックスが似合うようなシーンに、このブランドのロゴはノイズになります。無印良品やユニクロのような、シンプルで誰からも嫌われないファッションを目指すなら、選択肢からは外すべきでしょう。
周囲の目を気にしてしまう30代・40代
先述した通り、この世代の同級生たちはバッドボーイに対して中学生やヤンキーの記憶を持っています。久しぶりに会った友人にまだそれ着てるの?とからかわれたり、時代が止まっていると思われたりするのが嫌な人は、手を出さないのが賢明です。
あえて着ているという強い意志やスタイリングの自信がない限り、ただの時代遅れの人に見えてしまうリスクがあります。
高級感やステータスを求める人
バッドボーイは、ハイブランドのような所有欲を満たしてくれるブランドではありません。フリマアプリでの相場を見ても、一部のヴィンテージを除けば非常に安価で取引されています。
服に資産価値やステータスを求める人にとっては、満足度が低い買い物になるでしょう。安くて良いものという価値観ではなく、高くて良いものが好きな人には向きません。
バッドボーイのおすすめポイント
ここまで読むとマイナス面が目立つように感じるかもしれませんが、バッドボーイには他のブランドにはない独自の魅力があります。
圧倒的なインパクトと独自の世界観
今のファッションブランドは売れるデザインを模倣し合う傾向があり、どれも似たり寄たりになりがちです。しかし、バッドボーイのデザインは一目でそれとわかる強烈な個性を持っています。
あの目のロゴ一つで、不良っぽさ、ストリート感、レトロ感など、様々な感情を呼び起こすことができます。無難な服に飽きた人にとって、この毒のあるデザインは大きな魅力です。
ヴィンテージ市場での再評価と希少性
実は今、90年代当時のオリジナルアイテム(当時モノ)は、海外のコレクターや日本の古着好きの間で価格が高騰し始めています。
量販店で売られていた廉価版ではなく、当時のストリートカルチャーの熱量をそのまま閉じ込めたような凝った刺繍や切り替えデザインのものは、一点物としての価値を持っています。宝探しのような感覚で、価値ある一着を見つける楽しさがあります。
手に取りやすい価格帯
リバイバルブームがきているとはいえ、シュプリームやステューシーのような人気ブランドに比べれば、まだまだ手頃な価格で手に入ります。
メルカリや古着屋でも、数千円で主役級のアウターが見つかることも珍しくありません。少ない予算で個性的なファッションを楽しみたい学生や若者にとって、非常に優しいブランドだと言えます。
バッドボーイのおすすめアイテム
もしバッドボーイに挑戦するなら、どのアイテムを選ぶべきか。ダサくならず、今のトレンドに合わせて着こなせるアイテムを厳選しました。
ナイロンセットアップ(トラックジャケット)
今最も熱いのが、シャカシャカした素材のナイロンセットアップです。特に90年代風の配色(黒×赤、ネイビー×白など)で、身幅が広く着丈が短いシルエットのものが人気です。
これを上下で着るのではなく、上だけを羽織ってボトムスは極太のデニムやカーゴパンツを合わせるのが、現代風の着こなしです。
ビッグロゴのスウェット・トレーナー
あえてロゴがドーンと入ったスウェットを、オーバーサイズで着るのもおすすめです。ポイントは中途半端なサイズを選ばないこと。3Lや4Lといったかなり大きめのサイズを選び、ダボっと着ることでストリート感を演出できます。
女性なら、裾をリメイクしてショート丈にして、へそ出しルックにするのもY2Kスタイルとして人気があります。
刺繍入りのキャップ・ビーニー
服で取り入れるのは勇気がいるという人は、帽子から入るのがおすすめです。バッドボーイのロゴはキャップとの相性が抜群によく、シンプルな服装のアクセントとして機能します。
特にニット帽(ビーニー)は、スケーターファッションやストリートスタイルの必須アイテムとして、違和感なく取り入れられます。
まとめ
バッドボーイの服はダサいのか。その答えは、誰がどう着るかによって180度変わります。
何も考えずに着れば、量販店のジャージや過去のヤンキーファッションに見えてしまい、ダサいという評価を受けることになります。特に30代以上の人が当時の感覚のまま着るのは危険です。
しかし、今のトレンドであるY2Kやストリートファッションの文脈を理解し、あえてハズしアイテムとして取り入れるなら、これほど面白くてクールなブランドはありません。
ダサいと言われることさえもスパイスに変えて楽しむ。そんなファッションの遊び心を持っている人にとって、バッドボーイは最高の相棒になるはずです。
世間の評判を気にしすぎず、自分のスタイルに合うかどうかで判断してみてください。もしあなたがバッドボーイの持つ独特の不良っぽさやレトロな空気に惹かれているなら、それは間違いなく買いのタイミングです。
