「洋服があれば世界は劇場になる」というユニークなコンセプトを掲げるファッションブランド、シアタープロダクツ。
その独創的な世界観と遊び心のあるデザインは多くのファンを魅了し、特にブランドロゴが入ったバッグは一世を風靡しました。
しかし、その人気の一方で、一部からはダサい、少し時代遅れなのでは?という声も聞かれます。
そこで本記事では、シアタープロダクツがダサいと言われる理由をSNSや口コミの評判をもとに深掘りし、おすすめできる人・できない人を解説します。
シアタープロダクツのアイテムが欲しいけど、もしかしてダサい?と不安に感じている人は、ぜひ参考にしてください。
シアタープロダクツとは?
シアタープロダクツは、2001年にデザイナーの武内昭氏らによって設立された日本のファッションブランドです 。
ブランドの根幹にあるのは、洋服があれば世界は劇場になる、というコンセプトです 。
洋服のデザインから販売まで、すべてのプロセスを一つの演出として捉え、服を着る人の時間や空間まで含めて表現しようとしています 。
また、使用済みのパラグライダーをエコバッグにアップサイクルするなど、サステナビリティ活動にも力を入れているのが特徴です 。
多くの人がシアタープロダクツと聞いて思い浮かべるのは、ロゴテープのトートバッグかもしれません 。このバッグでブランドの知名度は一気に上がりましたが、同時に、ブランド本来の深い考え方とは少し離れたイメージが広まるきっかけにもなりました。
シアタープロダクツがダサいと言われている理由
独創的でコンセプチュアルなシアタープロダクツが、なぜダサいと言われてしまうことがあるのでしょうか。
その理由は、ブランドの代名詞ともいえるアイテムの爆発的な人気と、それに伴うイメージの変化に深く関係しているようです。
アイコンのロゴテープが主張しすぎるとの声
シアタープロダクツの象徴的なアイテムといえば、持ち手にブランドロゴが繰り返しデザインされたジャガードテープバッグです 。
一目でシアタープロダクツの製品だとわかる強いデザイン性は、多くの人を惹きつけました。
しかし、ファッションのトレンドがシンプルなものへ移り変わる中で、この大胆なロゴデザインが、主張が強すぎる、少し野暮ったいと感じられるようになってきたようです。
シンプルな服装に合わせるとバッグのロゴだけが浮いてしまい、コーディネートのバランスを崩してしまうことも。
かつてはおしゃれの象徴だったロゴテープが、時代の変化とともに一部の人にとってはやりすぎな印象を与え、センスがないと見なされる一因になっているのかもしれません。
一時期の流行で「みんなが持っている」アイテムになったから
ジャガードテープバッグは、2010年代を中心に一大ブームを巻き起こしました。
さらに、ブランドブックの付録として手頃な価格のものが登場したことで、人気はさらに加速 。街中でシアタープロダクツのバッグを見かけない日はない、というほどの状況になりました。
多くの人が持つようになると、アイテムの特別感は薄れてしまいます。
流行のピークが過ぎると、かつて熱狂的に支持されたアイテムは、一昔前の流行の象徴と見なされがちです。
シアタープロダクツのバッグもその例にもれず、あまりに多くの人が持っていたことから、今さら持つのは時代遅れかも、という印象につながってしまいました。
フリルなど甘めのデザインが子供っぽく見えることも
シアタープロダクツは、ロゴテープだけでなく、フリルを大胆にあしらったデザインも得意としています 。
カジュアルな素材にフェミニンなフリルを組み合わせるスタイルは、ブランドの遊び心を象徴するデザインの一つです。
この甘めのデザインは、ガーリーで個性的なスタイルを好む層には絶大な支持を得ています。
しかし、シンプルで落ち着いたファッションを求める人にとっては、このデザインが子供っぽく見えたり、少し甘すぎると感じられたりすることがあります。
スタイルによっては、デザインの可愛らしさが浮いてしまい、センスがないという評価につながることもあるようです。
ナイロン等の素材感が安っぽく見えるという意見
ブランドのアイコンであるトートバッグには、軽くて実用的なナイロン素材が多く使われています 。
この素材は日常使いしやすいという大きなメリットがある一方で、ブランドの価格帯を考えると、質感が価格に見合っていない、安っぽく見えると感じる人も少なくありません。
オンラインのレビューでは、素材がシャカシャカした感じと表現されることもあり、高級感を求めるユーザーの期待とは少しずれる場合があります 。
素材感だけで判断されてしまうと、値段の割に安っぽいというネガティブな印象を持たれてしまうことがあるのです。
シアタープロダクツの評判・口コミ
実際にシアタープロダクツのアイテムを使っている人はどう感じているのでしょうか。良い口コミと悪い口コミを見てみましょう。
良い口コミ
- デザインが他にはなくてとにかく可愛い
- 軽くて持ちやすく、荷物がたくさん入るので実用的で助かる
- 見た目以上に収納力があり、A4ファイルや500mlのペットボトルも余裕で入る
- ショルダーベルトが付いていて、トートとショルダーの2wayで使えるのが便利
- シンプルな服装に合わせるだけで、気の利いたアクセントになってくれる
悪い口コミ
- 思っていたよりもサイズが小さく、あまり物が入らなかった
- バッグの開口部にマグネットやファスナーがないデザインが多く、中身が見えたり落ちたりしないか心配
- ロゴテープの主張が強く、コーディネートによっては少し気恥ずかしい
- ブランドブックの付録で持っている人があまりに多く、他人と被りやすい
- ナイロン素材の質感が、価格を考えると少し安っぽく感じることがある
シアタープロダクツがおすすめな人
これまでの流れで少しネガティブな印象を持ったかもしれませんが、もちろん魅力もたくさんあります。シアタープロダクツはどんな人におすすめなのでしょうか。
唯一無二のコンセプトや世界観が好きな人
洋服があれば世界は劇場になる、というブランドの哲学に共感できる人にとって、シアタープロダクツは特別な価値を持つでしょう。
服やバッグを、自分を演出するための小道具として捉え、その背景にあるストーリーを楽しめる人には最適です 。
流行り廃りとは別の次元で、ブランドが持つアート性を大切にしたい人なら、長く愛用できるはずです。
カジュアルな服装に個性的なアクセントを加えたい人
普段のコーディネートがTシャツにデニムといったシンプルなスタイルが中心の人にとって、シアタープロダクツのアイテムは非常に有効なアクセントになります。
WEARなどのコーディネートサイトを見ると、ユニクロやGUといったベーシックな服にシアタープロダクツのバッグを合わせることで、ぐっと個性的な着こなしに見せている人が多いようです 。
バッグをコーディネートの主役として考え、遊び心を加えたい人にぴったりの選択です。
デザイン性と軽さ・収納力といった実用性を両立したい人
通勤や通学、マザーズバッグとして毎日使うバッグには、デザインだけでなく実用性も欠かせません。
シアタープロダクツのバッグは、軽量な素材でありながらA4サイズやノートPCなどがしっかり収まる収納力を備えたモデルが豊富です 。
実用的なだけの退屈なバッグは持ちたくないけれど、デザインのために機能性を犠牲にはできない、という人にこそ、そのバランスの良さが魅力的に映るでしょう。
シアタープロダクツがおすすめできない人
一方で、その特徴から、合わないと感じる人もいます。購入してから後悔しないために、どんな人におすすめできないのかも見ていきましょう。
ミニマルで洗練されたスタイルを好む人
服装を無地や落ち着いた色でまとめ、装飾を削ぎ落としたクリーンなスタイルを好む人には、シアタープロダクツのデザインは派手すぎると感じられる可能性が高いです。
ブランドの特徴である大胆なロゴやフェミニンなフリルは、ミニマルな世界観とは相性が良くありません。
全体の調和を重視し、小物は控えめなものを選びたい人には、他のブランドを検討することをおすすめします。
「他人と被らないこと」を重視する人
ファッションにおいて、自分だけの個性を何よりも大切にする人にとって、シアタープロダクツの代表的なバッグは避けたほうが良いかもしれません。
一時期の爆発的な流行により、ブランドのロゴテープバッグは非常に多くの人が持っています 。
まだ誰も知らないようなブランドを発掘することに喜びを感じる人や、他人と同じものを持つことに抵抗がある人にとっては、その知名度の高さが満足度を下げる要因になり得ます。
ブランドロゴが目立つアイテムが苦手な人
持ち物にブランド名が大きく入っていることに抵抗がある人には、シアタープロダクツの代表的なアイテムはおすすめできません。
ブランドの顔ともいえるジャガードテープは、ロゴを前面に押し出したデザインです。
ロゴはあくまでさりげなく、品質やデザインそのもので価値を表現してほしいと考える人にとっては、このデザインは選択肢から外れるでしょう。
シアタープロダクツのおすすめポイント
ここで、シアタープロダクツの魅力をあらためて確認しておきましょう。
演劇的なコンセプトから生まれる独創的なデザイン
シアタープロダクツの最大の魅力は、やはりその根底にある演劇というコンセプトです 。
一つひとつのアイテムは、日常という舞台を彩るための衣装や小道具としてデザインされています。
この深い考え方から生まれる独創性は、他のブランドにはない強力な魅力です。
人気セレクトショップとの豊富なコラボレーション
みんなが持っているのは嫌だと感じる人にこそ知ってほしいのが、セレクトショップとのコラボアイテムの存在です。
フリークスストアをはじめとする人気ショップとは、定期的に別注モデルを発売しています 。
これらのコラボアイテムは、定番の形をベースにしつつも、素材をフェイクレザーに変えたり、限定カラーを採用したりと、通常ラインにはない特別な仕様が特徴です。
定番の魅力はそのままに、さりげなく他人と差をつけたいという人におすすめです。
サステナビリティへの先進的な取り組み
シアタープロダクツは、ファッション業界が抱える環境問題に早くから向き合っています 。
特に、廃棄されるパラグライダーを解体・洗浄し、世界に一つだけのエコバッグとして蘇らせる「HOZUBAG」プロジェクトは、デザインの力で社会課題を解決する素晴らしい事例です 。
こうした背景を知ることで、製品を持つことへの愛着もより深まるのではないでしょうか。
シアタープロダクツのおすすめアイテム
最後に、シアタープロダクツの中でも特におすすめのアイテムを3つ紹介します。
ブランドの顔「ジャガードテープバッグ」
賛否両論あるものの、やはりこのアイテムを抜きにシアタープロダクツは語れません 。
ブランドのアイコンであり、その歴史を象徴する存在です。
軽くて実用的、そしてコーディネートの主役になる存在感は今も変わりません。
周りの評価を気にせず、純粋にこのデザインが好きだという人にとっては、ブランドの世界観を最も手軽に楽しめる一品です。
甘すぎない大人可愛い「フリルバッグ」
フリルは好きだけど、子供っぽく見えるのは避けたい、という大人にこそ試してほしいのがフリルバッグのシリーズです。
特に、セレクトショップとのコラボで展開されるフェイクレザー素材のモデルは、フリルの甘さをレザーの質感が程よく抑え、洗練された印象を与えてくれます 。
子供っぽいという懸念を払拭し、大人の女性にこそ似合う可愛らしさを演出してくれます。
世界観が凝縮されたアクセサリーや小物
バッグを持つのは少し勇気がいる、という人は、アクセサリーやポーチといった小物から試してみるのがおすすめです 。
これらの小さなアイテムには、ブランドのユニークで遊び心のある世界観が凝縮されています。
他にはないモチーフのヘアクリップやピアスは、さりげなく身につけるだけで日常に少しの楽しさをもたらしてくれます。
まとめ
シアタープロダクツがダサいと言われる背景には、アイコンであるロゴテープバッグが爆発的にヒットし、多くの人が持つアイテムになったという事実が大きく影響しています。
かつての流行の象徴であるがゆえに、トレンドが過ぎ去った今、時代遅れのイメージを持たれてしまうのは仕方のないことだったのかもしれません。
しかし、その表面的なイメージの奥には、演劇的で深い哲学や、サステナビリティへの真摯な取り組みといった、たくさんの魅力が隠されています。
最終的に、シアタープロダクツがおしゃれかダサいかを決めるのは、あなた自身のスタイルと価値観です。
もし、その遊び心あふれるデザインや背景にある物語に心惹かれるのであれば、それはあなたにとって「おしゃれ」なブランドと言えるでしょう。
流行というものさしに惑わされず、自分の感性を信じてファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。