THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)は、高い機能性とデザイン性で、アウトドアだけでなく普段着としても人気のブランドです。
特に冬の定番アイテムとして人気なのがヌプシベスト。
しかし、その人気の高さから、一部ではヌプシベストはダサいのでは?という声も聞かれます。定番アイテムだからこそ、着こなしを間違えると野暮ったく見えてしまうのかもしれません。
そこでこの記事では、ヌプシベストがダサいと言われる理由を掘り下げ、実際の口コミを交えながら、どんな人におすすめできるのかを解説します。
ヌプシベストが欲しいけど、自分には似合わないかもと不安な人は、ぜひ参考にしてください。
ヌプシベストとは?
ヌプシベストは、もともと1992年にヒマラヤ山脈のような過酷な環境での活動のために開発されたヌプシジャケットが原型です 。
名前の由来は、エベレストの近くにある山の名前「Nuptse(ヌプツェ)」からきており、本格的なアウトドアギアとして生まれたことがわかります 。
デザインの大きな特徴は、肩の部分が丈夫なナイロン素材で切り替えられている点です 。これは、バックパックを背負ったときに生地が傷まないようにするための工夫でした。
この実用的なデザインと、高品質なダウンによる優れた保温性が、冬には氷点下になるニューヨークのストリートで高く評価されました。
特に1990年代には、ヒップホップアーティストたちが愛用したことで、ヌプシは単なる防寒着からストリートカルチャーの象徴的なアイテムになったのです 。
現在のモデルもその伝統を受け継ぎつつ、環境に配したリサイクルダウンを使ったり、冬の嫌な静電気を抑える設計を取り入れたりと進化を続けています 。
内側のポケットにベスト本体を小さく収納できる機能もあり、持ち運びにも便利です 。
ヌプシベストの魅力は、厳しい自然の中で生まれた本物の機能性が、時代のカルチャーと結びついた点にあるのかもしれません。
ヌプシベストがダサいと言われている理由
歴史と機能性を兼ね備えたヌプシベストですが、なぜダサいと言われることがあるのでしょうか。
その理由は、アイテム自体のデザインというより、最近の仕様変更や、人気アイテムならではの悩みにあるようです。
サイズ感が大きくなり着ぶくれして見えるから
ヌプシベストが野暮ったく見える一番の理由は、2022年に行われたサイズ変更です。
この年から、身幅と着丈がそれまでのモデルより約2サイズも大きくなりました 。
これを知らずに今までと同じサイズを選ぶと、思った以上に大きすぎてしまい、着ぶくれしたように見えてしまうようです。
SNSやYouTubeでは、新しいモデルと古いモデルを比較して、サイズ感の違いを指摘する声が多く見られます。
例えば、身長170cm・体重55kgの人が旧モデルではMサイズがちょうど良かったのに、新モデルではSサイズでもゆとりがある、といった報告もあります 。
サイズ | 2021年以前 (ND91843) の実寸目安 | 2022年以降 (ND92338) の実寸 | 変化 |
M | 着丈: 約61cm / 身幅: 約56cm | 着丈: 65cm / 身幅: 61cm | 着丈: +4cm / 身幅: +5cm |
L | 着丈: 約63cm / 身幅: 約58cm | 着丈: 67cm / 身幅: 63cm | 着丈: +4cm / 身幅: +5cm |
※寸法は販売サイトやレビュー動画を基にした参考値です 。
この着ぶくれ感は、袖のないベストだからこそ余計に目立ってしまいます。
ジャケットなら肩が落ちて自然に見えやすいのですが、ベストの場合は肩幅が合っていないと、肩のラインが横に張ってしまい、がっしりとした不自然なシルエットに見えてしまうのです 。
ヌプシベストがダサいという意見の多くは、このサイズ選びの失敗が原因かもしれません。
みんなが着ていて個性がないから
ヌプシベストは冬の定番アイテムなので、着ている人がとても多いです 。
特に定番カラーのブラックは人気が高く、街で同じものを着ている人を見かけることも珍しくありません。
このことから、個性を大切にしたい人にとっては、みんなと同じでつまらない、制服のようだ、と感じられてしまうことがあります。
SNSでは、人と被るのを避けるために、あえて定番ではない色を選んだという声も見られます 。
流行っているからこそ、逆にセンスがないと思われてしまうのは、人気アイテムの宿命と言えるでしょう。
合わせ方によっては古く見えるから
ヌプシベストは、1990年代のストリートカルチャーとともに広まったアイテムなので、デザインにもその頃の雰囲気が色濃く残っています 。
ボリュームのあるシルエットは、今のトレンドにも合っていますが、それはあくまで現代風の着こなしができていればこそ。
もし合わせる服のサイズ感が中途半端だったり、全身が90年代のようなスタイルだったりすると、ただ単に時代遅れなコーディネートに見えてしまう危険性があります。
ヌプシベスト自体が古いわけではなく、着こなし方次第で印象が大きく変わるアイテムなのです。
ヌプシベストの評判・口コミ
実際にヌプシベストを使っている人はどう感じているのでしょうか。SNSなどから良い口コミと悪い口コミを集めてみました。
良い口コミ
・想像以上に軽くて暖かい。ベストでも十分な保温力がある
・パーカーやスウェットの上に羽織りやすく、重ね着しやすい ・袖がないので動きやすく、車の運転のときにも便利
・生地が丈夫で作りがしっかりしているので、長く使えそう
・ロゴが刺繍で高級感がある
悪い口コミ
・サイズ感が変わったので、どのサイズを選べばいいか分かりにくい
・サイズを間違えると体が大きく見えてしまい、不格好になる ・まれに縫い目からダウンが抜けてくることがある
・襟に収納されているフードは簡易的なので、本格的な雨には向かない
・人気の色やサイズはすぐに売り切れてしまう
ヌプシベストがおすすめな人
ヌプシベストは、次のような人に特におすすめです。
ストリート系やアウトドアMIXのファッションが好きな人
2022年以降のモデルは、ゆったりとしたシルエットが特徴で、今のストリートファッションのトレンドによく合います 。
ワイドパンツやスウェットなど、ボリュームのあるアイテムとの相性も抜群です。
アウトドアウェアの機能性を普段のファッションに取り入れたい人にとって、ヌプシベストはコーディネートの主役になる一着です。
良いものを長く使いたい人
ヌプシベストは、一時的な流行りのアイテムではありません。
丈夫な生地や丁寧な作りで、長く使えるように設計されています 。
また、ヒマラヤ遠征のために開発されたという歴史や、90年代のストリートカルチャーとの繋がりも、このベストの魅力の一つです 。
流行に流されず、本質的な価値を大切にする人にとって、ヌプシベストは長く付き合える一着になるでしょう。
重ね着ファッションを楽しみたい人
ベストは、重ね着を楽しむのに最適なアイテムです。
秋のはじめにはTシャツの上に、寒さが厳しい冬にはコートの下に着ることで、効率よく体を温めることができます 。
袖がないので腕周りがすっきりして動きやすいのもポイントです。
色々な服との組み合わせを試しながら、自分だけのスタイルを見つけたいファッション好きな人にとって、とても頼りになるアイテムです。
ヌプシベストがおすすめできない人
一方で、その特徴から、あまりおすすめできない人もいます。
細身ですっきりした服装が好きな人
ヌプシベストの魅力は、そのボリューム感にあります。
普段から体にフィットするタイトな服装を好み、全体をシャープな印象にまとめたい人には、そのシルエットが合わないかもしれません 。
ダウンのふくらみが着ぶくれに見えてしまう人や、シンプルなスタイルが好きな人にとっては、少し派手なアイテムに感じられるでしょう。
人と服装が被るのが嫌な人
ヌプシベストはとても人気があるので、街中で同じものを着ている人を見かけることは避けられません。
特にブラックなどの定番カラーは、その可能性が高いです。
ファッションにおいて、他の人と同じにならないことを一番に考える人にとっては、この点は少し気になるかもしれません 。
きれいめな服装が中心の人
ヌプシベストは、もともとアウトドアやストリートで着られてきたカジュアルなアイテムです。
ジャケットやコート、スラックスといったきれいめな服装が中心の人にとっては、少し合わせるのが難しいかもしれません。
無理に組み合わせようとすると、全体のバランスが取れず、ちぐはぐな印象になってしまう可能性があります。
ヌプシベストのおすすめポイント
ヌプシベストが長く愛されている理由、その魅力を3つのポイントに絞って紹介します。
信頼できる暖かさと機能的なデザイン
ヌプシベストの一番の魅力は、その暖かさです。
高品質なリサイクルダウンが使われており、ベストでも体の芯から温めてくれます 。
また、デザインにも意味があります。バックパックで擦れる肩部分の補強や、撥水加工された生地、静電気を抑える工夫など、すべてが実用性を考えて作られています 。
厳しい環境で試されてきた本物の機能性が、普段の生活に安心感と快適さをもたらしてくれます。
時代を超えて愛されるデザイン
1992年に誕生してから30年以上、基本的なデザインはほとんど変わっていません 。
90年代の雰囲気を持つこのデザインは、もはや一時的な流行ではなく、定番として多くの人に認められています。
このベストを着ることは、THE NORTH FACEが築いてきた歴史の一部を身につけることであり、他のダウンベストにはない特別な価値を感じさせてくれます。
豊富なカラーバリエーション
人と被るのが気になるという人でも、豊富なカラーバリエーションの中から自分らしい一着を見つけることができます。
定番のブラックはもちろん、毎シーズン登場する鮮やかな色は、コーディネートの良いアクセントになります 。
さらに、カモフラージュ柄などの個性的なモデルもあり、選ぶ楽しみがあります 。
この選択肢の多さが、ヌプシベストを単なる流行りのアイテムで終わらせない理由の一つです。
ヌプシベストのおすすめアイテム
ヌプシベストにはいくつかの種類があります。ここでは代表的な3つのモデルを紹介します。
定番の「ヌプシベスト (ND92338)」
最もベーシックで、多くの人がイメージするのがこのモデルです 。
リサイクルダウンや静電気防止機能など、最新の技術が使われており、機能性は十分です。
カラーバリエーションも一番豊富なので、まずはこのモデルから検討してみるのが良いでしょう。
個性を出せる「ノベルティーヌプシベスト」
定番も良いけど、人とは少し違うものが欲しいという人には、ノベルティーシリーズがおすすめです。
ベストの基本的な作りは定番モデルと同じですが、ウッドランドカモ柄など、シーズンごとに異なるユニークなデザインが特徴です 。
これ一着でコーディネートの主役になるので、ファッションで個性を表現したい人にぴったりです。
海外限定の「1996 レトロヌプシベスト」
より本物志向の人から人気なのが、海外限定で販売されている1996 レトロヌプシベストです 。
名前の通り、ストリートで人気が出た1996年当時のモデルを再現したもので、日本のモデルよりも身幅が広く着丈が短い、箱型のシルエットが特徴です 。
日本では手に入りにくい希少性も魅力の一つ。当時の雰囲気を楽しみたい人や、周りと差をつけたい人におすすめです。
まとめ
ヌプシベストがダサいと言われるのは、アイテム自体に問題があるわけではなく、主にサイズ選びの失敗と、人気アイテムならではの悩みからきているようです。
2022年からサイズ感が大きくなったことを知らずに買うと、思った以上に大きく、不格好に見えてしまうことがあります。
また、着ている人が多いため、個性が出しにくいと感じる人もいるでしょう。
しかし、これらの点は少し意識するだけで解決できます。
まずは、今までのサイズ感にこだわらず、試着をして自分に合ったサイズをしっかり選ぶこと。
そして、豊富なカラーや柄の中から、自分らしい一着を探してみること。
この2つを心がければ、ヌプシベストが持つ本来の魅力を存分に楽しむことができるはずです。
ヌプシベストは、厳しい自然の中から生まれ、ストリートカルチャーの中で育まれた、機能性とデザイン性を両立した優れたアイテムです。
その価値を理解し、自分らしく着こなすことで、長く愛せる一着になるでしょう。