1966年に世界で初めてオールレザーのテニスシューズを発表した、アメリカのスポーツブランド、ケースイス 。
そのシンプルでクリーンなデザインは、今も多くのファンに愛され続けています。
しかし、一部ではダサい、あるいは時代遅れではないか、という声も聞かれます。
そこでこの記事では、ケースイスがダサいと言われる理由をSNSなどのリアルな声をもとに探り、実際の評判を交えながら、どんな人におすすめできるのかを解説します。
ケースイスのスニーカーが欲しいけど、周りの目が少し気になる…と不安な人は、ぜひ参考にしてください。
ケースイスとは?
ケースイスは、1966年にアメリカのカリフォルニア州で生まれたスポーツブランドです 。
創業者であるスイス人のブルナー兄弟は、自身もテニスプレイヤーであり、スキーヤーでもありました。
当時のテニスシューズはキャンバス地が主流でしたが、彼らはスキーブーツの機能性からヒントを得て、世界初の総革製テニスシューズ「クラシック」を開発したのです 。
このシューズの特徴は、すべてのデザインが機能に基づいている点です。
サイドの5本線は、テニス特有の激しい動きで革が伸びるのを防ぎ、ホールド感を高めるためのもの 。
靴紐を素早く締め上げるためのDリングや、つま先の強度を高める構造など、随所にアスリートのための工夫が凝らされています 。
機能から生まれた美しいデザインは、またたく間にトップ選手たちの支持を集め、やがてファッションアイテムとしても注目されるようになりました 。
ケースイスがダサいと言われている理由
輝かしい歴史を持つケースイスですが、なぜダサいというイメージがあるのでしょうか。
その理由は、ブランドのデザインや歴史、そして今のファッションとの関係にあるようです。
昔の流行というイメージが強く「おじさんの靴」に見えるから
ケースイスがダサいと言われる理由の一つに、少し懐かしいイメージがあることが挙げられます。
特に1980年代から90年代にかけて、ケースイスは日本で大流行し、当時の若者にとって定番のスニーカーでした 。
そのため、現在の主なファン層は、当時を懐かしく思う30代から50代の男性が中心です 。
購入者のレビューを見ても、30年ぶりに買った、学生時代に履いていた、といった声が多く見られます 。
この世代にとっては特別な一足ですが、ブームを知らない若い世代から見ると、親の世代が履いていた靴、つまりおじさんの靴という印象が先に立ってしまうのかもしれません。
ファッションの世界では、少し前の流行が古いものと見なされることがあります。
ケースイスの持つ歴史が、かえって時代遅れのイメージにつながっているようです。
デザインが今のトレンドから外れて「時代遅れ」に見えるから
ケースイスの代表作であるクラシックシリーズは、細身のシルエットと上質なレザーが特徴の、とてもシンプルなデザインです 。
この変わらないミニマルなスタイルが、長年愛される理由でもあります。
しかし、最近のスニーカー市場では、厚底でボリュームのあるダッドスニーカーや、複雑なデザインのハイテクスニーカーが人気です。
そうしたインパクトの強いスニーカーと比べると、ケースイスの控えめなデザインは、地味で個性に欠けると感じる人もいるようです。
愛用者がシンプルで良いと評価する点が、トレンドを重視する人からは、面白みがない、野暮ったいと見えてしまうのかもしれません。
実際に、機能性は評価しつつもデザインはいまいち、といった声も見られます 。
今のトレンドとは違う落ち着いたデザインが、時代遅れという印象を与えてしまうことがあるのです。
全盛期が過ぎてファッションの第一線から退いた印象があるから
ナイキやアディダスのような大手ブランドは、常に話題のコラボ商品を発売し、ファッション業界の注目を集め続けています。
それと比べると、ケースイスは静かで安定したポジションを保っているブランドです。
流行の最前線というよりは、本質を理解するファンに深く愛される、玄人好みのブランドと言えるかもしれません 。
過去にはアメリカのヒップホップカルチャーで支持されたり 、沖縄で大ブームになったり と、時代のカルチャーと強く結びついた時期もありました。
しかし、それも今では過去の出来事となり、全盛期は過ぎたという印象を与えています。
常に新しい刺激が求められるファッションの世界では、少し動きが少ないブランドと見られてしまう可能性があります。
その結果、ファッションの第一線からは一歩引いた、少し懐かしいブランドというイメージが定着しているようです。
ケースイスの評判・口コミ
SNSやオンラインストアに寄せられた、実際のユーザーの声を見てみましょう。
良い口コミ
- 時代に左右されない完成されたデザインが良い。余計な飾りがなく洗練されている 。
- 本革なので足に馴染みやすく、履き心地が非常に良い。クッション性も高く長時間歩いても疲れない 。
- スーツやきれいめな服装からカジュアルまで、どんなスタイルにも合わせやすい 。
- 昔履いていた世代にとって、懐かしさと思い入れがある特別な一足 。
- 作りがしっかりしており、品質が高い。何年もリピートしているファンが多い 。
悪い口コミ
- デザインがシンプルすぎて物足りない、少し古臭いと感じることがある 。
- 幅が細めの作りで、普段のサイズより0.5cmから1.0cm上げないと窮屈に感じる 。
- 靴を脱ぐときに中敷きが一緒にめくれて出てきてしまうのが不便 。
- レザーが馴染むまでは少し硬く感じる場合がある 。
- おじさんが履く靴というイメージが拭えない 。
ケースイスがおすすめな人
ここまでの分析を踏まえ、ケースイスのスニーカーがどんな人におすすめなのかを解説します。
流行に流されない定番が好きな人
次々と変わるトレンドを追いかけるのではなく、長く使える定番品を求めている人にケースイスはぴったりです。
そのデザインは50年以上も前からほとんど変わっておらず、一時の流行とは関係のない場所にあります。
アディダスのスタンスミスのように、一足持っておけばどんな時代でも安心して履くことができます 。
自分のスタイルを持っていて、スニーカーに普遍的な価値を見出す人におすすめです。
30代以上で品質や背景を重視する大人
スニーカーを単なるモノとしてではなく、その背景にある物語や作りの良さまで楽しみたい大人にこそ、ケースイスは響くはずです。
世界初のオールレザーテニスシューズという歴史 や、機能性を追求した結果生まれたデザイン は、知的な満足感を与えてくれます。
また、本革ならではの上質な素材感は、安価なスニーカーにはない魅力です。
若者向けの流行のスニーカーとは違う、本質を大切にする大人のための一足です。
きれいめな服装に合う上品なスニーカーを探している人
ケースイスの魅力が最も活きるのは、きれいめなスタイルの足元かもしれません。
細身でクリーンなシルエットは、カジュアルな服装はもちろん、スラックスやセットアップといった少しフォーマルな服装にも自然に馴染みます 。
スニーカーでありながら、革靴のような上品さを演出できるのが大きな強みです 。
休日だけでなく、オフィスカジュアルにも取り入れられる万能なスニーカーを探している人にとって、非常に実用的な選択肢となるでしょう。
ケースイスがおすすめできない人
一方で、その特徴から、あまり向いていない人もいます。
スニーカーに話題性や限定感を求める人
限定モデルの発売に心躍らせたり、手に入りにくい一足を所有することに価値を感じる人には、ケースイスは物足りないかもしれません。
ケースイスの魅力は、いつでも手に入る定番であること。
その安定感は、希少性や話題性を追い求める価値観とは異なります。
スニーカーでトレンドの最先端を表現したいという人には、他のブランドの方が合っているでしょう。
足元にボリュームを出したいストリートファッションが好きな人
太めのパンツに、どっしりとしたスニーカーを合わせる現代的なストリートスタイルには、ケースイスのクラシックなモデルは少し合わせにくいかもしれません。
ブランドの顔であるクラシックシリーズは、とてもスリムでシャープな形が特徴です 。
そのため、ボリュームのあるボトムスと合わせると、足元が少し寂しく見えてしまう可能性があります。
足元で存在感を主張したいスタイルには、もっとボリュームのあるスニーカーを選ぶ方がバランスが取りやすいでしょう。
コストパフォーマンスを最優先する人
ケースイスの定番モデルは本革を使用しているため、価格は15,000円前後が中心です 。
もっと安価なスニーカーと比べると、決して安い価格ではありません。
もしスニーカーに求めるものが、とにかく安くて気軽に履き潰せることであるなら、他にもっと良い選択肢があります。
ケースイスの価格は、上質な素材と時代を超えたデザインへの対価と考えるのが良いでしょう。
品質よりも価格を重視する人には、少し割高に感じられるかもしれません。
ケースイスのおすすめポイント
ケースイスが長く愛され続ける理由、その本質的な魅力を3つのポイントで紹介します。
機能から生まれた美しいデザイン
ケースイスのデザインは、すべてが機能に基づいています。
サイドの5本線は見た目のアクセントだけでなく、革の伸びを防ぐための補強材です 。
Dリングは、靴紐をしっかり固定する役割を果たします 。
このように、すべてのディテールに意味がある機能美こそが、ケースイスの最大の魅力です。
本革ならではの経年変化と履き心地
アッパーに使われているレザーは、履き込むほどに柔らかくなり、持ち主の足の形にフィットしていきます 。
これは合成皮革のスニーカーでは味わえない、自分だけの一足を育てる楽しみです。
適切に手入れをすれば、美しい艶と味わい深い表情が生まれます。
長く付き合うことで価値が増していくのが、本革スニーカーの醍醐味です。
オンオフを問わないコーディネートのしやすさ
ケースイスの大きな強みは、その驚くほどの合わせやすさです。
平日はジャケットスタイルに 、週末はジーンズや軍パンに合わせたカジュアルスタイルにと、どんな服装にも自然に溶け込みます 。
これほどオンとオフの垣根を越えて活躍できるスニーカーは多くありません。
一足あればあらゆる場面に対応できるため、靴選びに迷う時間が減るはずです。
ケースイスのおすすめアイテム
数あるモデルの中から、まず押さえておきたい代表的な3つのアイテムを紹介します。
ブランドの顔であり万能な定番「CLASSIC 88」
1966年のオリジナルモデルを、普段使いしやすいように1988年にアップデートした、ブランドを象徴するモデルです 。
オリジナルのシャープな印象は残しつつ、つま先の形を少し丸くすることで、より多くの人にフィットし、どんな服装にも合わせやすいバランスになっています 。
初めてケースイスを買うなら、まずこのモデルから試してみるのがおすすめです 。
オリジナルを忠実に復刻した「CLASSIC 66」
1966年に誕生した最初のモデルを忠実に再現した、こだわり派に人気のモデルです 。
88モデルよりもシャープで、くびれの効いたシルエットが特徴で、よりスポーティで上品な印象を与えます 。
日本製など、素材や製法にこだわった高品質なバージョンもあり、スニーカーの歴史やオリジナリティを重視する人に最適です。
現代的なコートスタイル「KS 100」
ケースイスのDNAである5本線デザインはそのままに、より現代的でシンプルなコートシューズとして作られたモデルです 。
合成皮革を使っていることが多く、クラシックシリーズよりも手頃な価格で手に入ります 。
もっと気軽にケースイスのデザインを楽しみたい人や、学生などにとって、良い入門モデルとなるでしょう。
まとめ
ケースイスがダサいと言われるのは、かつて大流行した歴史や、今のトレンドとは少し違うクラシックなデザインが理由のようです。
しかし、その変わらないスタイルこそが、ケースイスの最大の魅力でもあります。
その評価は、履く人の価値観によって大きく変わるもの。
もしあなたが、スニーカーに一時の流行ではなく、品質の高さやどんな服装にも合う普遍的な美しさを求めるなら、これほど信頼できる一足はないでしょう。
この記事が、あなたが自分らしいスニーカーを選ぶための手助けになれば幸いです。