Y-3(ワイスリー)は、日本の世界的デザイナー山本耀司氏と、スポーツブランドのアディダスが協業して生まれたブランドです 。スポーツウェアの機能性と、モードで前衛的なデザインをあわせ持ったスタイルは、多くのファッション好きから支持を集めています。
しかし、その独特な存在感からか、一部ではワイスリーはダサい、時代遅れではないか、という声も聞かれます。
そこで本記事では、ワイスリーがダサいと言われる理由を深掘りし、実際の評判や口コミを交えながら、おすすめできる人・できない人を解説します。
ワイスリーのアイテムが欲しいけど、もしかしてセンスがないと思われないか不安、と感じている人は、ぜひ参考にしてください。
Y-3とは?
Y-3は、2002年に始まったアディダスと日本のデザイナー山本耀司氏によるファッションブランドです 。
ブランド名のYは山本耀司、3はアディダスの象徴であるスリーストライプス(3本線)を表しており、名前そのものが二つの世界の融合を意味しています 。
もともとは2001年のコレクションで発表されたフットウェアのコラボレーションが始まりでした 。この成功をきっかけに、スポーツウェアをエレガントでシックなものにしたい、これまでにないものを作りたい、という思いからY-3は本格的にスタートします 。
当時、機能性が重視されがちだったスポーツウェアの世界に、ファッション性の高いデザインを持ち込んだことは非常に画期的で、Y-3はスポーツファッションという新しいジャンルを確立しました 。
そのデザインの根底には、デザイナー山本耀司氏の反骨精神があります。彼はかつて、流行の真ん中ではなく、あえて脇道を歩くと決めた、と語っています 。社会の流れに疑問を投げかけることこそが、彼のものづくりの原点なのです。
この精神が、Y-3の独創的で挑戦的なデザインの元になっています。
Y-3がダサいと言われている理由
世界的に評価されるY-3ですが、なぜ一部でダサいと感じられてしまうのでしょうか。その背景には、ブランド特有のデザインや歴史が関係しているようです。
2010年代のブームが時代遅れのイメージを生んでいる
Y-3は、今でこそ定番となったラグジュアリーストリートやアスレジャースタイルを切り拓いたブランドの一つです 。
特に2010年代には人気がピークに達し、未来的なデザインのスニーカーQASA(カーサ)シリーズは、当時のストリートファッションを象徴するアイテムでした 。
しかし、この大ヒットが、逆に時代遅れのイメージにつながっているのかもしれません。
爆発的な流行の記憶が強いあまり、Y-3は少し前に流行ったブランド、という印象を持つ人が少なくないようです。もちろん、ブランドは進化を続けていますが、過去のヒットアイテムの印象が強いために、今身につけていると古臭いと感じられてしまうことがあるのです。
全身黒の着こなしが野暮ったい印象を与えかねない
デザイナー山本耀司氏のスタイルを受け継ぐY-3にとって、黒は特別な色です 。しかし、ブランドの象徴でもある黒一色のコーディネートは、着こなしを間違えると野暮ったく見えてしまうことがあります。
全身を黒でまとめると、重く、単調な印象になりがちです 。
Y-3のアイテムは独特なカッティングが魅力ですが、素材感やシルエットを考えずにただ黒い服を重ねるだけでは、デザインの良さが活かされません。
例えば、光沢のあるナイロン素材とマットなコットン素材を組み合わせるなど、異なる素材を混ぜて奥行きを出したり、ゆったりしたトップスに細身のパンツを合わせてシルエットにメリハリをつけたり、といった工夫が必要です 。そうしないと、せっかくのデザイナーズアイテムも、ただの地味な服装に見えてしまう可能性があります。
一部の着用者によるチャラいイメージが先行している
SNSなどを見ていると、Y-3はチャラい人が着ている、目立ちたがり屋が選ぶブランド、といった声が見られます 。
この少しネガティブなイメージは、服のデザインそのものよりも、着ている人の印象が影響しているようです。
Y-3は、一般的なスポーツブランドよりは高価ですが、いわゆるハイブランドほどではありません。この絶妙な価格帯と、アディダスコラボという知名度の高さが、一部の若者にとってステータスシンボルになっています 。
そうした層は、ブランドの背景を理解するより、分かりやすいロゴの価値に惹かれる傾向があります。
その結果、大きくロゴが入ったアイテムを派手に着こなすスタイルが目立ち、ブランド全体にチャラいというイメージがついてしまったのかもしれません。
Y-3の評判・口コミ
実際にY-3を使っている人はどう感じているのでしょうか。SNSなどからリアルな声を集めてみました。
良い口コミ
- 他にない唯一無二のデザインがとにかく格好良い
- 素材の質が高く、Tシャツ一枚でも高級感がある
- アディダスの技術が使われていて、スニーカーや服の着心地が抜群に良い
- 見た目はモード系なのに、機能的で動きやすく、長時間着ていても疲れない
- 生地がしっかりしていて、手入れをすれば長く愛用できる
- シンプルなリュックなどは、普段使いだけでなく仕事でも使える
悪い口コミ
- デザイナーズブランドなだけあって、Tシャツやキャップでも値段が高い
- 服は全体的にオーバーサイズな作りなので、サイズ選びが難しい
- スニーカーはモデルによって作りが小さめだったり幅が狭かったりするので、試着しないと失敗しやすい
- デザインが個性的で主張が強いので、人によっては派手すぎると感じる
- Tシャツは、首回りが少しきつく感じることがある
Y-3がおすすめな人
Y-3が特にフィットするのは、どのような人なのでしょうか。3つのポイントに分けてみました。
モードと機能性の両方を重視する人
お洒落も快適さも、どちらも妥協したくない人におすすめです。
山本耀司氏ならではの独創的なデザインを楽しみながら、アディダスの技術に裏打ちされた機能性や動きやすさも手に入ります 。デザインと実用性の両方を高いレベルで求める人にとって、Y-3はぴったりの選択肢でしょう。
流行に左右されない自分のスタイルを持つ人
Y-3は、一時の流行を追いかけるためのブランドではありません 。そのデザインには、作り手の強い哲学が込められています。
周りが着ているからではなく、このデザインが好きだから、という自分の価値観で服を選ぶ人におすすめです。自分だけのスタイルを確立し、ユニークなアイテムを自信を持って着こなしたい人に似合います。
質の高いアイテムを長く愛用したい人
Y-3のアイテムは、その価格に見合うだけの高い品質を備えています。
耐久性の高い素材が使われているため、きちんと手入れをすれば長く着続けることができます 。服を消耗品ではなく、長く付き合うパートナーとして考える人なら、きっと満足できるはずです。
Y-3がおすすめできない人
一方で、Y-3の特性が合わない人もいます。以下のような人には、あまりおすすめできません。
常に最新のトレンドを追いかけたい人
Y-3は、毎シーズンの流行を色濃く反映するタイプのブランドではありません。
ファッションの最先端にいたい、常に新しいものを取り入れたい、と考える人にとっては、Y-3のデザインは少し落ち着いていて、物足りなく感じる可能性があります。
ベーシックで保守的な服装を好む人
Y-3のデザインには、アシンメトリーな形や独特なボリューム感など、少し実験的な要素が含まれています 。
普段からシンプルで定番のデザインを好む人にとっては、個性が強すぎると感じられたり、手持ちの服と合わせるのが難しいと感じたりするかもしれません。
コストパフォーマンスを最優先する人
口コミにもあるように、Y-3の価格にはデザイナーズブランドとしての価値が反映されています 。
品質は確かですが、価格に対する機能性を最も重視する人にとっては、少し割高に感じられるでしょう。Y-3の価格には、デザインという目に見えない価値が大きく含まれていることを理解する必要があります。
Y-3のおすすめポイント
Y-3が多くの人を惹きつける魅力を、3つのポイントに絞って紹介します。
山本耀司の世界観を体験できる
最大の魅力は、世界的デザイナーである山本耀司氏が作るモードの世界観を、比較的手に取りやすい価格で体験できる点です 。
黒を基調とした美学や、常識にとらわれないシルエット。そのエッセンスが詰まったアイテムを、自分のファッションに加えられるのはY-3ならではです。
アディダスの技術による快適な着心地
芸術的なデザインだけでなく、着心地が非常に快適なのもY-3の強みです。
アディダスが開発したクッション技術や、人間工学に基づいた設計、機能的な素材などが惜しみなく使われています 。見た目の美しさと、身体が喜ぶ快適さが両立しているのです。
他にはないデザインが生む所有感
Y-3のアイテムを身につけることは、自分の個性を表現することにもつながります。
特徴的なデザインは、他の人とかぶることを防ぎ、確かな個性を与えてくれます 。デザイン史の一部とも言えるアイテムを所有し、着こなす喜びは、他のブランドではなかなか味わえない特別な満足感をもたらしてくれます。
Y-3のおすすめアイテム
これからY-3に挑戦したいという人に向けて、取り入れやすく、ブランドの魅力を体感できる定番アイテムを3つ紹介します。
ブランドの象徴「KAIWA」スニーカー
KAIWA(カイワ)は、現代のY-3を象徴するスニーカーの一つです 。
日本語の会話から名付けられ、脳のような独特のソールデザインが目を引きますが、意外と様々なスタイルに合わせやすいのが特徴です 。
デザイン性と快適な履き心地で評価が高いですが 、多くの人が作りが小さい、幅が狭いと指摘しているため、普段よりハーフサイズからワンサイズ上を選ぶのがおすすめです 。
着こなしやすい「ロゴTシャツ」
Y-3の世界観に気軽に触れるなら、ロゴTシャツから始めるのが良いでしょう。
シンプルなデザインですが、上質な生地と計算されたシルエットで、一枚で着てもお洒落に見えます。
ただし、注意すべきはサイズ感です。Y-3のTシャツは意図的に大きく作られているため、普段と同じサイズを選ぶと大きすぎることがほとんどです 。すっきり着たい場合は、1〜2サイズ下を選ぶのが良さそうです 。
万能なアクセント「キャップ」
Y-3のキャップは、いつものコーディネートをぐっと格上げしてくれるアイテムです。
シンプルで洗練されたロゴデザインは、ストリートからモードまで幅広く合わせられます 。若者から大人まで、幅広い層から支持されているのも納得です 。
また、内側には汗止めがしっかり備えられているなど、スポーツブランドとしての機能性も忘れていません 。
まとめ
Y-3がダサいと言われる背景には、過去のトレンドイメージや、着こなしの難しさ、一部の着用者が作るブランドイメージなど、いくつかの理由があるようです。
しかし、Y-3の本質的な価値は、山本耀司氏の芸術性とアディダスの機能性が融合した、他にはない世界観にあります。それは、一時の流行に流されることのない、長く愛せる品質とデザインに裏打ちされています。
最終的にY-3を選ぶかどうかは、周りの評価に流される必要はありません。この記事を参考に、Y-3の持つ哲学があなた自身のスタイルと合うかどうかを見極めることが、後悔のない選択につながるはずです。