街中でのおしゃれな人の所持率が高いバッグブランドといえば、VASICの名前が必ず挙がります。シンプルながらもひと目でそれとわかるノット(結び目)のデザインは、多くの女性の心を掴んできました。
しかし、ネットで検索しようとするとダサいという予測変換が出てきてドキッとしたことはありませんか?これから買おうか迷っている人にとって、一番気になるポイントですよね。
そこで本記事では、VASICがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を包み隠さず解説します。流行り廃りの激しいファッション界で、VASICは今どういう立ち位置なのか。おすすめできる人とできない人をズバリ切り込んでいきます。もし購入を迷っているなら、ぜひ参考にしてください。
VASIC(ヴァジック)とは?
VASICは2015年にニューヨークで誕生したハンドバッグブランドです。日本人のクリエイティブディレクター、水尾加乃子さんが手がけており、シンプルかつ機能的なデザインが特徴です。
コンセプトはMy Standard Bag。毎日の生活に寄り添う、誰もが使いやすいバッグを目指しています。特にブランドのアイコンであるBOND(ボンド)シリーズは、レザーのノット(結び目)がポイントのデザインで、SNSを中心に爆発的な人気となりました。
ハイブランドほど高価ではなく、かといって安っぽくもない。4万円から5万円台という絶妙な価格帯で、手の届く贅沢(アクセシブル・ラグジュアリー)として、30代から40代の女性を中心に支持されています。
VASICがダサいと言われている理由
おしゃれな人が持っているイメージの強いVASICですが、なぜ一部でダサいと言われてしまうのでしょうか。SNSや口コミを徹底的にリサーチすると、このブランド特有のいくつかの理由が見えてきました。
流行りすぎてみんなが持っているから
一番大きな理由はこれです。VASICは2018年から2020年頃にかけて、日本ですさまじいブームを巻き起こしました。おしゃれな街を歩けば、数メートルおきにBONDを持っている人とすれ違う。そんな現象が起きたのです。
ファッションに敏感な層からすると、あまりにも多くの人が持っているアイテムは没個性に映ります。「猫も杓子もVASIC」という状態になってしまったため、他人と被ることを嫌う人たちが離れていき、結果として「今さら持つのはダサい」「量産型」というレッテルを貼られてしまったのです。
革の質感が安っぽいと誤解されやすい
VASICの多くのバッグには、スプリットレザー(床革)やシュリンク加工されたレザーが使われています。これらは表面にコーティングが施されており、雨や汚れに強く、発色がきれいというメリットがあります。
しかし、革本来の風合いやエイジング(経年変化)を好む本革マニアから見ると、この均一で整った表情が「合皮みたい」「ビニールっぽい」「安っぽい」と映ることがあるようです。
実際には耐久性を高めるための加工なのですが、ロエベやセリーヌのような高級な天然皮革のしっとり感を期待していると、質感がイメージと違うと感じてしまい、それがネガティブな評価につながっています。
トレンドのピークが過ぎたと思われている
ファッションのトレンドサイクルは非常に早いです。爆発的にヒットしたアイテムほど、ブームが落ち着いたときに「過去の流行」として見られがちです。
「あの時流行ったバッグだよね」と言われてしまうのが、一世を風靡したブランドの宿命でもあります。特にトレンド最前線を追いかける層にとっては、すでにVASICは「あがり」のアイテムに見えているのかもしれません。
ただ、これは裏を返せば、流行りものから定番アイテムへと定着しつつある証拠でもあります。
VASICの評判・口コミ
では、実際にVASICを使っているユーザーはどう感じているのでしょうか。ネット上のリアルな声を、良い面も悪い面も集めて整理しました。
良い口コミ
- 長財布がすっぽり入る収納力が素晴らしい。ミニバッグに見えて意外とマチが広いので、必要なものが全部収まる
- 雨の日でも気にせず使えるのが嬉しい。高い革のバッグだと天気を気にするけど、VASICは表面が強くて汚れにくい
- どんな服にも合わせやすい。きれいめなオフィスカジュアルにも、休日のデニムスタイルにも馴染むデザイン
- 値段と品質のバランスが良い。ハイブランドは高すぎて普段使いできないけど、これならガシガシ使える
- 色が絶妙にかわいい。くすみカラーやニュアンスカラーが多くて、持っているだけで気分が上がる
悪い口コミ
- 使っているうちに持ち手の紐(ノット部分)が勝手にほどけてくることがある。結び直すのがちょっと面倒
- 四隅の角が擦れて色が剥げやすい。特に底の角(コバ)部分はダメージが出やすいので注意が必要
- やっぱり街で他人と被る率が高い。電車で向かいの席の人と同じバッグだったときは気まずかった
- 革が硬くてプラスチックみたいに感じる。高級感を求めて買うと少し期待外れかもしれない
- ストラップの付け根に負荷がかかると弱そうに見える。重いものを入れすぎると不安
VASICがおすすめな人
VASICは万人受けするブランドではありませんが、ハマる人にはとことんハマるブランドです。以下のようなタイプの人には、自信を持っておすすめできます。
荷物は減らしたいけど長財布派の人
これに尽きます。最近はミニバッグが主流ですが、財布までミニにするのは抵抗があるという人は多いはずです。VASICの代表作であるBOND MINIは、見た目はコンパクトでコロッとしているのに、長財布を縦にも横にも収納できる神サイズです。
水筒や折り畳み傘まで入る収納力があるので、荷物をコンパクトに見せたいけれど、実用性は捨てたくないというワガママを叶えてくれます。
雨の日も汚れを気にせずガシガシ使いたい人
子育て中のママや、仕事で忙しく動き回る女性にとって、バッグの汚れを気にするストレスは減らしたいものです。VASICに使用されているレザーはコーティングがしっかり施されているため、多少の雨や汚れならサッと拭き取れます。
数十万円するハイブランドのバッグを雨の日に持ち出すのは勇気がいりますが、VASICなら「きちんと感」を出しつつ、タフに日常使いできます。
コンサバすぎずカジュアルすぎないバランスを求める人
フルラだと少しカッチリしすぎてコンサバすぎる。でも、キャンバストートだとカジュアルすぎて会社には持っていけない。そんな悩める大人の女性にとって、VASICはちょうどいい着地点です。
ノットのデザインが程よい抜け感を作ってくれるので、スーツスタイルを少し崩したい時にも、Tシャツスタイルを格上げしたい時にも使えます。
VASICがおすすめできない人
一方で、買ってから後悔してほしくないため、以下のタイプの人にはおすすめしません。
人と同じものを持ちたくない個性派
「量産型女子」と呼ばれるのを何よりも嫌う人には不向きです。都心部やSNS上では、依然としてVASICの所持率は高いです。
もしあなたが「どこのブランド?」と聞かれるような、知る人ぞ知るアイテムを持ちたいなら、まだ日本での知名度が低い新進気鋭のブランドや、よりデザイン性の強いポレーヌなどを選ぶ方が満足度は高いでしょう。
革の経年変化(エイジング)を楽しみたい本革マニア
革製品の醍醐味は、使い込むほどに色艶が増し、クタクタに育っていくことだと考えている人には、VASICの革は無機質に感じるでしょう。
VASICの革は、いつまでも新品のようなきれいな状態を保ちやすい反面、自分だけの味が出るという変化は乏しいです。革の香りや手触りに強いこだわりがある場合は、植物タンニン鞣しのレザーを使っているブランドを探すことをおすすめします。
最先端のトレンドだけを追いかけたい人
常に「次に流行るもの」を探しているトレンドセッターにとって、VASICはすでに通過点かもしれません。ファッションでマウントを取りたい、誰よりも早く新しいものを取り入れたいという欲求を満たすには、少し定着しすぎているブランドです。
VASICのおすすめポイント
ここでは、他のブランドにはないVASICならではの強みを3つ紹介します。
日本人の生活に馴染む計算されたサイズ感
海外ブランドのバッグは、デザインはおしゃれでも「スマホが入らない」「口が開きにくい」といった不便さがつきものです。しかしVASICは日本人ディレクターが手がけているだけあって、日本人のライフスタイルを熟知しています。
長財布が入ること、改札を通る時にパスケースが出しやすいこと、膝の上に置いた時に収まりが良いこと。こういった地味ですが重要なポイントがクリアされているため、一度使うと手放せなくなる人が多いのです。
絶妙なニュアンスカラーの展開
VASICの色出しは本当に天才的です。単なるベージュやグレーではなく、「トープ」「サンド」「アッシュ」といった、名前のつけられないような絶妙な中間色が揃っています。
日本人の肌色に馴染みやすく、また普段のワードローブ(黒、紺、白、茶)のどれに合わせても浮かないカラーパレットは、毎朝のコーディネートの時間を短縮してくれます。シーズンごとに新しい限定色が出るのも楽しみの一つです。
シーンを選ばない2way、3wayの機能美
BONDシリーズの最大の特徴は、ストラップの長さを自由に変えられることです。紐を引っ張るだけで、ハンドバッグにも、ショルダーバッグにも、場合によってはボディバッグのようにも使えます。
金具で付け替える手間がなく、歩きながら一瞬でスタイルを変えられるこの機能は、買い物で荷物が増えた時や、子供と手を繋ぎたい時に驚くほど便利です。
VASICのおすすめアイテム
最後に、今から買うならこれをチェックしてほしいというおすすめモデルを紹介します。
Bond Mini(ボンド ミニ)
まずはこれです。VASICといえばこの形。一番人気のサイズで、長財布が入る収納力と、見た目のコンパクトさのバランスが最強です。初めてVASICを買うなら、迷わずこのモデルから入るのが正解です。
City(シティ)
「BONDはみんな持ってるから嫌だ」という人には、このCityがおすすめです。よりシンプルでクラシックなデザインのショルダーバッグで、流行に左右されずに長く使えます。BONDよりも革の表面が滑らかで、少し大人っぽい印象になります。
Ever Mini(エバー ミニ)
ハンドバッグとしてのきちんと感が欲しいならこれ。台形型のフォルムが女性らしく、入学式や卒業式などのオケージョンシーンにも対応できます。もちろんストラップ付きで斜めがけもできるので、普段使いもOKです。
まとめ
VASICがダサいと言われる主な理由は、爆発的に流行りすぎて「みんなが持っている」状態になったことと、トレンドのピーク時と比較されていることにあります。
しかし、それは裏を返せば、多くの人に受け入れられる使いやすさとデザイン性を兼ね備えているという証明でもあります。実際に使っている人の満足度は非常に高く、使い勝手の良さから色違いで揃えるリピーターも後を絶ちません。
- 長財布をあきらめたくない
- 雨の日も気兼ねなくおしゃれしたい
- どんな服にも合うバッグが欲しい
もしあなたがこう考えているなら、VASICは決してダサい選択肢ではありません。周りの声やトレンドよりも、あなたの生活を快適にしてくれるかどうか。その基準で選べば、きっと長く愛せる相棒になるはずです。


