ハワイのサーフカルチャーを象徴する陰陽のロゴが特徴的な、タウンアンドカントリー。
ゆったりとしたシルエットのカジュアルウェアは90年代に人気を集め、近年再び注目されています。
しかし、一部ではタウンアンドカントリーはダサいという声もあるようです。
そこでこの記事では、タウンアンドカントリーがダサいと言われる理由と、どんな人におすすめできるのか、またはできないのかを解説します。
タウンアンドカントリーのアイテムが欲しいけれど、もしかしたら時代遅れかもしれない、と不安な人はぜひ参考にしてください。
タウンアンドカントリーとは?
タウンアンドカントリー(通称:タウカン)は、1971年にハワイのオアフ島で生まれた、歴史のあるサーフブランドです 。
もともとはカスタムサーフボードを作るショップとして始まり、その品質の高さから世界中のサーファーに支持されるようになりました 。
ブランド名は、ショップがオアフ島の都会的なエリア「タウン」と、自然豊かなサーフスポットが多い「カントリー」(ノースショア)の中間にあったことから名付けられています 。
都会と自然、二つの世界観をあわせ持つという考え方が、ブランドの基本にあるようです。
その象徴とも言えるのが、陰陽のロゴマークです 。
このロゴは70年代のサーフカルチャーのシンボルとなり、タウンアンドカントリーは世界三大サーフブランドの一つとして数えられるほどに成長しました 。
日本でも80年代から90年代にかけて大流行し、当時の若者たちの間で絶大な人気を誇りました。
その歴史とカルチャーに裏付けされた本物感が、タウンアンドカントリーの魅力と言えるでしょう。
タウンアンドカントリーがダサいと言われている理由
輝かしい歴史を持つタウンアンドカントリーですが、なぜダサいというイメージがあるのでしょうか。
それは、ブランドが持つ特有の背景や特徴に関係しているようです。
90年代サーフスタイルの象徴であることが時代遅れに感じるから
タウンアンドカントリーが時代遅れと感じられる一番の理由は、そのデザインが90年代のサーフスタイルを強く反映している点にあるようです。
大胆なバックプリント、少し色褪せたようなカラー、ゆったりとしたシルエットは、まさに90年代のサーファーファッションそのものです 。
この90年代らしさは、最近のY2Kファッションの流行で再び評価されています。
一方で、その流行を知らない世代や、当時をリアルタイムで経験した世代からは、単に古いもの、昔の流行りと見られてしまうこともあるのかもしれません。
特に、90年代に青春を過ごした世代が親になり、彼らが着ていたタウンアンドカントリーのTシャツが、お父さんが休日に着る服というイメージに繋がってしまった面もありそうです。
この世代的なイメージが、ブランドに対して野暮ったいという印象を抱かせる一因となっているのでしょう。
古着ショップのブログで、今ではダサいイメージが強い方も多い、と書かれているように、このイメージは広く浸透しているのが現状のようです 。
手に入りやすいことが特別感を薄めているから
ブランドのかっこよさは、手に入りにくさや特別感と関係があるものです。
しかし、現在のタウンアンドカントリーは、ZOZOTOWNや楽天市場といった大きな通販サイトで広く扱われており、誰でも簡単に買うことができます 。
さらに、Tシャツやパーカーだけでなく、子ども用のスクール水着やサンダル、手頃な価格のサングラスなど、幅広いアイテムが展開されています 。
こうした量販店や家族向けのお店での幅広い商品展開は、ブランドを知ってもらう機会を増やす一方で、知る人ぞ知るサーフブランドという専門性や特別感を薄めてしまったようです。
手に入りやすい便利さが、逆にブランドイメージを大衆的にしてしまい、一部のファッションに敏感な層からは、ありきたりでセンスがないと見られてしまう原因になっているのかもしれません。
主張の強いロゴとグラフィックが現代のトレンドと合わないから
タウンアンドカントリーのデザインの中心にあるのが、大きな陰陽のロゴと、背面に大胆にプリントされたグラフィックです 。
この象徴的なデザインはブランドの個性であり、90年代には最先端のスタイルでした。
しかし、2010年代以降のファッショントレンドは、無地や小さなワンポイントロゴを特徴とするシンプルなスタイルが主流でした。
その流れの中で、タウンアンドカントリーのような主張の強いデザインは、少し子どもっぽい、洗練されていないと受け取られることもあったようです。
もちろん、現在は再びロゴやグラフィックTシャツがトレンドになっています。
それでも、控えめでクリーンなスタイルを好む人にとっては、その大胆なデザインがコーディネートに取り入れにくい、クセの強いアイテムに感じてしまうのでしょう。
タウンアンドカントリーの評判・口コミ
SNSなどに見られるリアルな評判を、良い点と悪い点に分けてみました。
良い口コミ
- 90年代のオールドサーフなデザインが、今見ると逆に新鮮でかっこいい
- Y2Kファッションの流行で、当時の本物のアイテムとして価値が上がっている
- バックプリントのデザインが良く、一枚でコーディネートの主役になる
- 古着で探すと、独特の色褪せ感や風合いが出ていて味がある
- コットン100%のしっかりした生地で、着心地が良く長く使える
悪い口コミ
- 一部の人からは、まだダサいというイメージを持たれている
- 90年代の雰囲気が強すぎて、今のファッションに合わせるのが難しい
- ロゴやプリントの主張が激しく、コーディネートによっては子どもっぽく見えてしまう
- 量販店でも売っているため、特別感やおしゃれなブランドという感じがしない
- アイテムによっては、安っぽく見えてしまうことがある
タウンアンドカントリーがおすすめな人
タウンアンドカントリーは、その特徴を理解して自分のスタイルに活かせる人にとって、他にない魅力を持つブランドです。
具体的にどのような人におすすめできるのかを解説します。
90年代・Y2Kファッションが好きな人
今のファッショントレンドである90年代・Y2Kスタイルが好きな人にとって、タウンアンドカントリーはぴったりのブランドです。
現代のブランドが90年代を再現したアイテムとは違う、当時の空気感をまとった本物のデザインが手に入ります 。
クロップド丈のトップスにタウンアンドカントリーのTシャツを合わせ、ワイドなカーゴパンツやバギーデニムを履けば、理想的なY2Kスタイルがすぐに完成します 。
古着ミックスやストリートスタイルを楽しむ人
新品だけでなく、古着をコーディネートに取り入れるのが好きな人にも、タウンアンドカントリーはおすすめです。
古着市場には、今売られているものにはないユニークなデザインや、時間が経って良い風合いが出た一点モノがたくさんあります 。
例えば、ファイヤーパターンのアロハシャツや、色褪せたロゴスウェットなどは、現代のストリートウェアと組み合わせることで、個性的で深みのあるスタイルを作ってくれます 。
肩の力を抜いたカジュアルウェアを求める人
流行りに関係なく、ブランドの持つ歴史や背景を大切にしたい人にも、タウンアンドカントリーはおすすめです。
ハワイのサーフカルチャーというルーツを持ち、リラックスしたライフスタイルを表現するこのブランドは、着る人に心地よさを与えてくれます 。
デザインの背景にある物語を楽しみながら、上質なコットンTシャツやスウェットをラフに着こなす。
そんな肩の力を抜いた本物のカジュアルを求める人にとって、タウンアンドカントリーは良い選択肢となるでしょう。
タウンアンドカントリーがおすすめできない人
一方で、その独特のスタイルのため、特定のファッションを好む人にはあまり向いていないのも事実です。
どのような人にタウンアンドカントリーがおすすめできないのかを解説します。
ミニマル・きれいめなスタイルを好む人
無地のアイテムを基本とし、全体のシルエットや素材感で上品な印象を作るミニマルスタイルや、きれいめなスタイルを好む人には、タウンアンドカントリーのデザインは合わせにくいかもしれません。
ブランドの持ち味である大胆なグラフィックやポップな色使いは、シンプルな世界観の中では浮いてしまい、コーディネート全体のバランスを崩してしまう可能性があります。
常に最先端のトレンドを追いかけたい人
タウンアンドカントリーは、Y2Kという特定のトレンドとは相性が良いものの、毎シーズンの流行を追いかけるタイプのブランドではありません。
その本質は、時代を超えて受け継がれる普遍的なサーフスタイルにあります。
そのため、常にファッション業界の最先端のトレンドを追い求めたい人にとっては、物足りなく感じられるかもしれません。
服のロゴやブランド名は控えめであってほしい人
ブランドのロゴは目立たない方が良い、という価値観を持つ人にもタウンアンドカントリーは不向きです。
陰陽のロゴやブランド名は、単なる飾りではなく、デザインの主役として配置されています 。
この象徴的なロゴを好きになれるかどうかが、タウンアンドカントリーを着こなす上での大きなポイントと言えるでしょう。
タウンアンドカントリーのおすすめポイント
タウンアンドカントリーが持つ魅力を、3つのおすすめポイントとしてまとめました。
他にはない本物の90年代デザイン
一番のおすすめポイントは、そのデザインが持つ本物感です。
現代風にアレンジされた90年代風のデザインではなく、まさに90年代そのもののデザインを手に入れることができます 。
この本物らしさは、他のブランドでは真似のできない、タウンアンドカントリーだけの強みです。
Y2Kリバイバルに完璧にマッチする
Y2Kファッションが流行している今、タウンアンドカントリーのアイテムはコーディネートの即戦力になります。
わざわざ90年代風の着こなしを考えなくても、Tシャツを一枚着るだけで、自然と当時の雰囲気を出すことができます 。
トレンドの中心にいながら、他の人とは少し違う本物志向のスタイルを表現できる、とても魅力的な選択肢です。
古着市場で探す楽しみと豊富な選択肢
新品だけでなく、古着市場に目を向けることで、タウンアンドカントリーの楽しみ方はさらに広がります。
フリマアプリや古着屋のオンラインストアでは、驚くほど多様な過去のアイテムが売られており、自分だけの一着を探す宝探しのような楽しみがあります 。
人と被らない個性的なアイテムを見つけ出し、自分だけのスタイルを作る喜びは、古着ならではの魅力です。
タウンアンドカントリーのおすすめアイテム
これからタウンアンドカントリーを試してみたいという人に向けて、まず手に入れたいおすすめの定番アイテムを3つ紹介します。
ブランドの顔とも言えるバックプリントTシャツ
タウンアンドカントリーと言えば、やはり背中に大きくグラフィックがプリントされたTシャツは外せません 。
サーフボードや波、ハワイの風景などをモチーフにした色鮮やかなデザインは、夏のコーディネートの主役になるはずです。
少し色褪せた古着のTシャツを、太めのデニムやカーゴパンツと合わせるのが定番のスタイルです。
着回しやすいロゴスウェット・パーカー
胸元や袖に陰陽のロゴがワンポイントで入ったスウェットやパーカーも、非常に使いやすいアイテムです 。
Tシャツほど主張が強くないため、様々なスタイルに合わせやすいのが魅力です。
秋や春にはアウターとして、冬にはインナーとして活躍し、一年を通して長く着回すことができます。
シンプルなデザインだからこそ、ブランドの持つ雰囲気が引き立ちます。
古着で探したいアロハシャツやトラックジャケット
少し上級者向けかもしれませんが、古着市場でユニークなアイテムを探すのもおすすめです。
特に、レーヨン素材の滑らかな質感が魅力のアロハシャツや、90年代らしいスポーティーなデザインのトラックジャケットは狙い目です 。
これらは今売られている商品ではなかなか見つからないものであり、手に入れればコーディネートの幅を大きく広げてくれるでしょう。
まとめ
タウンアンドカントリーがダサいと言われるのは、その強い90年代の個性と、量販店での展開による大衆的なイメージが主な理由のようです。
しかし、その個性は言い換えれば本物の証であり、Y2Kや古着ミックスといった現代のトレンドと見事に合う強力な魅力でもあります。
最終的に、タウンアンドカントリーがおしゃれかどうかは、ブランドそのものではなく、着る人のスタイリングや価値観によって決まります。
ブランドの歴史やカルチャーを理解し、その個性を活かしたコーディネートができる人にとっては、これ以上なくクールなブランドと言えるでしょう。
この記事を参考に、自分にとってタウンアンドカントリーがありかなしかを判断し、自信を持ってファッションを楽しんでください。