光沢のある生地に、龍や虎といった大胆な刺繍が魅力のスカジャン。
コーディネートの主役になる存在感で、国内外で根強い人気があります。
でも、その一方で「スカジャンはダサい」「ちょっと時代遅れかも」なんて声も聞こえてきます。
そこでこの記事では、スカジャンがダサいと言われる理由と、みんなの評判や口コミを徹底解説。
スカジャンが似合う人・似合わない人の特徴も紹介するので、「欲しいけど、自分にはダサいかな?」と不安な人はぜひ参考にしてください。
スカジャンとは?
スカジャンは、光沢のあるサテンや別珍(べっちん)といった生地に、背中や胸に大きくて色鮮やかな刺繍が施されたジャケットのことです。
歴史は第二次世界大戦後、横須賀の米軍基地からはじまります。
駐留していたアメリカ兵が、日本から帰国するときの記念品として、自分のジャケットに鷲や虎、龍といった日本らしい柄を刺繍してもらったのがルーツと言われています。
だから元々は、お土産を意味するスーベニアジャケットと呼ばれていました。
それが横須賀の若者の間で流行り、「横須賀ジャンパー」を略してスカジャンという愛称で親しまれるようになったんです。
アメリカのカルチャーと日本の刺繍技術が混ざり合って生まれた、日本発祥のファッションアイテムなんですね。
スカジャンがダサいと言われている理由
華やかで歴史もあるスカジャンですが、なぜダサいとか野暮ったいと言われてしまうことがあるのでしょうか。
SNSなどの声を見てみると、いくつかの理由があるようです。
派手なデザインがヤンキーっぽく見えるから
スカジャンが避けられがちな一番の理由は、やっぱりその見た目のインパクト。
光沢のある生地に、虎や龍、骸骨といった少し攻撃的な刺繍は、良くも悪も目立ちます。
この派手さが、昔のヤンキーや不良といった人たちに好んで着られていた歴史があります。
漫画や映画でも、怖いキャラクターが着ているイメージが強いですよね。
そのせいで、今でも「スカジャン=怖い人が着る服」というイメージが残り、ダサいとか、品がないと感じる人がいるようです。
着こなしによってはおじさんっぽく見えてしまうから
もう一つの理由が、おじさんっぽく見えてしまうことです。
特に古着のスカジャンを着るときに、この問題が起きやすいようです。
例えば、リブが伸びていたり、刺繍がほつれていたりする古着をそのまま着てしまうと、どうしても清潔感がなくなり、野暮ったい印象になります。
また、コーディネートも重要です。
インパクトの強いスカジャンに、昔から履いているような色落ちしたジーンズや古いスニーカーを合わせると、こだわりの古着スタイルというよりは、ただ昔の服を着ているおじさんに見えてしまう危険があります。
サイズ選びが意外と難しいから
スカジャンはサイズ選びが難しいアイテムでもあります。
もともと着丈が短めで、腕まわりが太い独特のシルエットをしています。
最近の流行りに合わせて大きめのサイズを選ぶと、肩が落ちすぎたり、身幅が余りすぎたりして、だらしなく見えてしまうことがあります。
特に古着は今のサイズ感と違うことが多いので、自分の体型に合わないものを選ぶと、一気に古臭い印象になってしまいます。
おしゃれに着こなすには、自分の体型に合ったサイズを慎重に選ぶ必要があるんですね。
スカジャンの評判・口コミ
実際にスカジャンを持っている人や、買おうか迷っている人はどう思っているのでしょうか。SNSでのリアルな声を集めてみました。
良い口コミ
- 背中の刺繍がもはや芸術品。着るだけでテンションが上がるし、一枚でアートを纏っているような気分になれる。
- リバーシブルになっているものが多くてお得感がある。派手な面とシンプルな面を使い分けられるから、意外と着回しが効く。
- シンプルな服装に羽織るだけで一気にコーディネートが完成する。他にアクセサリーが要らないくらいの圧倒的な存在感が魅力。
- 戦後の歴史や日本の職人技が詰まっている感じがして、他のアウターにはないロマンを感じる。ただの服じゃないところが良い。
- 古着で探すと本当に一点モノのデザインに出会える。誰とも被らない自分だけのスタイルを作れるのが楽しい。
悪い口コミ
- デザインが派手すぎて、手持ちの服とどう合わせればいいのか分からない。着こなしの難易度が高すぎる。
- やっぱりヤンキーとか怖い人のイメージが強くて、着ていく場所を考えてしまう。周りからどう見られるか不安になる。
- サテン生地が思ったよりデリケート。何かに引っ掛けたらすぐに糸が飛び出しそうで、気を遣って疲れる。
- 本格的なヴィンテージや有名ブランドのものは値段が高すぎて手が出ない。安物は刺繍がチープに見えそうで買うのを躊躇する。
- 自分に似合うデザインや、ちょうどいいサイズ感のものを見つけるのが本当に大変。試着しないと買えない。
スカジャンがおすすめな人
これまでの流れで、スカジャンは少し人を選ぶアイテムだと感じたかもしれません。
ここでは、スカジャンがどんな人におすすめなのか、3つのポイントでわけてみました。
古着やヴィンテージが好きな人
スカジャンは、その成り立ちから古着やヴィンテージと深い関わりがあります。
新品にはない生地の風合いや、時代を感じさせるデザインを楽しめる人にとって、スカジャンは最高のアイテムになるはずです。
服に込められたストーリーを大切にする人には、たまらない魅力があります。
コーディネートの主役になる服が欲しい人
スカジャンは、羽織るだけでその日のコーディネートの主役になります。
「今日の主役はこのジャケット」と決めて、他のアイテムはシンプルにまとめるような、引き算のおしゃれが楽しめる人に向いています。
ありきたりなファッションでは物足りない、服で自分を表現したい人にはぴったりです。
日本の文化や職人技に魅力を感じる人
スカジャンの刺繍は、日本の伝統的な職人技の結晶です。
特に「横振り刺繍」という手作業に近い技法で作られたものは、プリントにはない立体感と迫力があります。
龍や虎といった日本らしいモチーフをファッションとして楽しみたい、日本のカルチャーが好きな人におすすめです。
スカジャンがおすすめできない人
どんなアイテムでも、合わないと感じる人はいます。
スカジャンをおすすめできないのは、以下のような人です。
とにかく着回しやすい服を求めている人
どんな服にも合わせやすい、着回し力のあるアウターを探している人には、スカジャンはあまり向いていないかもしれません。
デザインが派手なので着ていく場所を選びますし、コーディネートにも少し工夫が必要です。
毎日の服選びを楽にしたい人にとっては、少し扱いにくいと感じるでしょう。
シンプルで飾らないファッションが好きな人
無地のTシャツにきれいめなパンツといった、ミニマルなスタイルが好きな人にとって、スカジャンのデザインは少し派手すぎるかもしれません。
刺繍や光沢のある生地は、シンプルなスタイルとは正反対の魅力を持っています。
無理に取り入れると、全体のバランスが崩れてしまう可能性があります。
服の手入れに手間をかけたくない人
スカジャンに使われているサテンなどの生地は、とてもデリケートです。
引っ掛けてしまうと傷がつきやすく、家で洗濯するのも難しいので、基本的にはクリーニングに出す必要があります。
お手入れにあまり手間をかけたくない、気軽に扱えるアウターが欲しい人には不向きです。
スカジャンのおすすめポイント
着こなすのが少し難しいスカジャンですが、他にはない魅力がたくさんあります。
おすすめのポイントを3つ紹介します。
アートのような刺繍の美しさ
スカジャンの最大の魅力は、なんといっても刺繍です。
これは単なる飾りではなく、糸で描かれたアート作品のようです。
特に「横振り刺繍」という技法で作られたものは、職人さんがミシンを使い、まるで絵を描くように仕上げていきます。
手仕事ならではの立体感と味わい深さは、スカジャンを持つ喜びを感じさせてくれます。
リバーシブルで2倍楽しめる
多くのスカジャンは、裏返しても着られるリバーシブル仕様になっています。
片面は派手な刺繍、もう片面は無地やシンプルなデザインになっていることが多く、1着で2つのスタイルを楽しめるのが嬉しいポイント。
その日の気分や服装に合わせて使い分けられるので、意外と着回しがききます。
羽織るだけでスタイルが決まる存在感
流行りの服はみんな似たようなデザインになりがちですが、スカジャンは羽織るだけで個性をはっきりと示すことができます。
それはデザインが派手だからというだけでなく、この服が持つ歴史や文化的な背景が、着る人に深みを与えてくれるからです。
スカジャンを選ぶこと自体が、自分のスタイルを持っている証になります。
スカジャンのおすすめアイテム
スカジャンと一言で言っても、ブランドによってデザインの方向性はさまざまです。
ここでは、代表的なブランドをいくつか紹介します。
ブランド (Brand) | スタイル / 特徴 (Style / Characteristics) | 主なデザイン / 素材 (Key Designs / Materials) | 価格帯 (Price Range) | こんな人におすすめ (Recommended For) |
テーラー東洋 (Tailor Toyo) | 王道・ヴィンテージリプロダクト | 忠実な復刻デザイン(虎、龍、地図)、アセテート、別珍。経年変化を再現した「エイジングモデル」が特徴。 | 高価格帯 | 本物志向のヴィンテージ好き、歴史的背景を重視する人 |
VANQUISH / XLARGE | 現代的・ストリート | 渋谷の地図や現代的なグラフィック、ブランドロゴ、人気作品とのコラボ。リバーシブル仕様も多い。 | 中〜高価格帯 | ストリートファッション好き、伝統を現代的に解釈したい若者 |
花旅楽団 / 絡繰魂 | 豪華絢爛・和柄特化 | 緻密でダイナミックな和柄刺繍(花魁、風神雷神、鯨)。レーヨンサテンが主体。 | 中価格帯 | 刺繍の迫力と和の世界観を最大限に楽しみたい人 |
AVIREX / Schott | ミリタリー・アメカジ | ミリタリーテイストを融合させたデザイン。和柄とブランドのルーツを組み合わせたリバーシブルモデル。 | 中〜高価格帯 | アメカジやミリタリーウェアが好きな人、男らしい骨太なスタイルを好む人 |
WEGO | トレンド・低価格 | トレンドを意識したデザイン(浮世絵など)を手頃な価格で提供。初心者向け。 | 低価格帯 | スカジャンを初めて試してみたい学生や若者 |
【王道・本物志向】テーラー東洋 (Tailor Toyo)
スカジャンといえば、まず名前が挙がるのがこのブランドです。
スカジャンが生まれた当初、市場のほとんどのシェアを占めていた会社の流れを汲んでおり、まさにスカジャンの歴史そのものと言えます。
当時の製法を忠実に再現したヴィンテージのような作りが魅力で、特に、長年着込んだような風合いを再現した「エイジングモデル」は、本物志向のファンから絶大な支持を集めています。
【和柄の迫力】花旅楽団, 絡繰魂
刺繍の迫力と、豪華な和柄の世界観を求めるならこれらのブランドがおすすめです。
背中いっぱいに描かれた風神雷神や花魁、鯨などのダイナミックな刺繍は圧巻の一言。
非常に高い刺繍技術を持っており、縫い目をまたいで刺繍を施すなど、他では見られないような凝った作りが魅力です。
まとめ
スカジャンがダサいと言われるのは、過去のヤンキー文化のイメージや、派手な見た目からくる着こなしの難しさが原因のようです。
でも、スカジャンの本質は、戦後の日本で生まれた歴史ある服であり、日本の職人技が詰まったアートのようなアイテムです。
この背景を理解して、自分に合ったサイズを選び、他の服をシンプルにまとめれば、スカジャンはダサいどころか、最高の個性とおしゃれを演出してくれます。
ヴィンテージの雰囲気を楽しむのか、ストリートスタイルで着こなすのか、それとも豪華な和柄を主役にするのか。
この記事をきっかけに、自分らしい一着を見つけて、スカジャンファッションに挑戦してみてはいかがでしょうか。