100年以上の歴史を誇り、今ではファッションに欠かせないスウェットシャツの原型を生み出したラッセルアスレチック 。
その本物志向な魅力から、多くのアメカジファンや古着好きに愛されています。
しかし、一部ではラッセルアスレチックはダサい、少し野暮ったいのでは?という声も聞かれます。
そこでこの記事では、ラッセルアスレチックがダサいと言われる理由を深掘りし、実際の評判を交えながら、どんな人におすすめで、どんな人には合わないのかを解説します。
ラッセルアスレチックのアイテムを買おうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
ラッセルアスレチックとは?
ラッセルアスレチックは、1902年にアメリカのアラバマ州で生まれた、歴史あるアスレチックウェアブランドです 。
このブランドの最も大きな功績は、なんといっても現代のスウェットシャツの原型を開発したこと。
1920年代、創業者の息子がフットボールの練習で着ていたウールのシャツは、汗で肌が擦れたり着心地が悪かったりしました。これを改善するため、コットン素材に変えることを提案したのが始まりです 。
このアイデアから生まれたコットン製のトレーニングシャツは、現在のスウェットシャツのルーツとなり、あっという間に全米の学生やアスリートに広まりました。
さらに、世界で初めてラバープリントの原型となる技術を開発し、大学名やロゴを入れたユニフォームを手がけたのもラッセルアスレチックです 。第二次世界大戦中には、米軍の訓練用ウェアを支給した実績もあります 。
このように、ラッセルアスレチックは単なる服のブランドではなく、スポーツウェアの歴史そのものを築いてきた存在なのです。
アメリカ人のクローゼットには、意識していなくてもラッセルのウェアがある、と言われるほど、人々の生活に深く根付いています 。
ラッセルアスレチックがダサいと言われている理由
輝かしい歴史を持つラッセルアスレチックですが、なぜ一部でダサいというイメージを持たれてしまうのでしょうか。
その理由は、ラッセルアスレチックが長年守り続けてきた、ブランドならではの特徴にあるようです。
独特のシルエットが野暮ったいから
ラッセルアスレチックのスウェット、特に古着で人気のモデルは、身幅が広く着丈が短い、ボックス型のシルエットが特徴です 。
これは動きやすさを考えた、古き良きアメリカンウェアの形で、もともとは機能性を追求したデザインでした。
しかし、現代の主流である細身の服や、計算されたオーバーサイズの服に慣れていると、この寸胴で丈の短い形が、野暮ったく見えたり、スタイルが悪く見えたりすることがあります。
何も考えずに着ると、ただサイズが合っていないように見えてしまい、センスがないという印象につながるのかもしれません。
体育着や部屋着のイメージがあるから
ラッセルアスレチックは、アメリカの大学や高校で、スポーツチームのユニフォームや体育着として広く使われてきました 。
この背景から、ファッションアイテムというよりは、実用的な体育着というイメージが強くあります。
スウェット自体がリラックスウェアとして定着している今、この体育着のイメージは、一歩間違えると部屋着のまま外に出てきたような、だらしない印象を与えかねません 。
特にシンプルな無地のスウェットは、その傾向が強くなるようです。
シンプルすぎるデザインが時代遅れに見えるから
ラッセルアスレチックの魅力は、100年以上たってもほとんど変わらない、普遍的なデザインにもあります 。
しかし、流行がめまぐるしく変わる現代では、この変わらないことが、時代遅れや古臭いと見られてしまうことも。
ブランドの象徴であるイーグルのRロゴも、クラシックで良いデザインですが、インパクトのあるロゴを好む人からは、少し地味に映るかもしれません 。
流行のデザインを積極的に取り入れるブランドと比べると、ラッセルアスレチックの良くも悪くも普通なデザインが、物足りなさを感じさせる一因になっているようです。
ラッセルアスレチックの評判・口コミ
SNSなどで見られる、ラッセルアスレチックのリアルな評判や口コミをまとめました。
良い口コミ
・とにかく生地が丈夫で長持ちする。特にプロコットンはずっしり重くて、何年も着られる安心感がある 。
・見た目は頑丈そうだけど、着心地は柔らかくてふかふか。チャンピオンのリバースウィーブより優しい肌触りが好きという声も多い 。
・パーカーのフードの立ち上がりがとてもきれい。肉厚な生地のおかげでフードがへたらず、立体的な形を保ってくれる 。
・着丈が短めなので、Tシャツやシャツを裾から見せる重ね着がおしゃれに決まる 。
・スウェットの元祖という歴史に裏打ちされた、本物のアメカジ感が良い。古着で探すのも楽しい 。
・作りがしっかりしているのに、価格は手頃。長く使えることを考えるとコストパフォーマンスが高い 。
悪い口コミ
・コットン100%のモデルは洗濯で縮むことがあるので、サイズ選びに注意が必要。乾燥機は使わないほうがいい 。
・昔のアメリカ製と比べると、今の製品は生地が少し薄くなった気がする。品質が落ちたという意見も一部にある 。
・身幅がかなり広いので、細身の体型には合わないことがある。試着しないとサイズ感がつかみにくい 。
・ロゴのプリントやワッペンが、数回の洗濯で剥がれてしまったという声があった 。
・デザインがシンプルすぎて、一枚でおしゃれに見せるのは難しい。良くも悪くも普通なので、着こなしに工夫がいる 。
ラッセルアスレチックがおすすめな人
ラッセルアスレチックは、どういった人におすすめできるのでしょうか。
本物志向のアメカジ・古着が好きな人
ラッセルアスレチックを着ることは、アメリカのスポーツウェアの歴史を身にまとうようなものです。
スウェットシャツを発明したという背景 や、昔の製品に見られるMADE IN USAの表記 は、他のブランドにはない本物の魅力があります。
流行に流されず、服の背景にある物語や本質的な価値を大切にする人にとって、最高の選択肢になるでしょう。
丈夫で長く使える服が欲しい人
ワンシーズンで着られなくなる服ではなく、一つのものを大切に長く使いたい人にも、ラッセルアスレチックはおすすめです。
特に、プロアスリートのトレーニング用に開発されたプロコットンシリーズは、ずっしりとした重みと型崩れしにくい頑丈さが特徴です 。
流行り廃りのないデザインとタフな作りは、着込むほどに味が出て、自分だけの一着に育っていきます 。
重ね着やシルエット作りを楽しみたい人
ラッセルアスレチック特有の、身幅が広く着丈が短いシルエットは、着こなしをよく知っている人にとっては、コーディネートの幅を広げる面白いアイテムです。
短い着丈を活かしてインナーを見せたり、広い身幅で全体のシルエットを調整したりと、計算された重ね着スタイルを楽しめます 。
このブランドをダサいではなく面白いと感じられる人は、間違いなくファッションを楽しめる人です。
ラッセルアスレチックがおすすめできない人
一方で、ラッセルアスレチックの特性が合わない人もいます。
最新のトレンドを追いかけたい人
ラッセルアスレチックの良さは、変わらないところにあります。
そのため、毎シーズンの流行を追いかけ、常に新しいデザインの服を着たい人にとっては、物足りなく感じるかもしれません 。
ファッションの最前線を走りたい人には、少し不向きなブランドです。
スマートなシルエットが好きな人
普段から細身のパンツなど、体にフィットするシャープな服装を好む人には、ラッセルアスレチックのクラシックなボックスシルエットは、バランスが取りにくいかもしれません。
きれいめなコーディネートを主とする人には、その武骨でリラックスしたフィット感は馴染みにくいでしょう。
手軽におしゃれに見せたいファッション初心者
ラッセルアスレチックのアイテムは、そのシンプルさと独特のシルエットから、一枚で着るだけで簡単におしゃれに見せるのは少し難しい場合があります。
コーディネート全体のバランス感覚が求められるため、ファッションにあまり自信がない人が着ると、意図せず部屋着っぽさや野暮ったさが出てしまう可能性があります 。
ラッセルアスレチックのおすすめポイント
ラッセルアスレチックには、他のブランドにはない魅力があります。
スウェットの元祖という歴史
最大の魅力は、やはりスウェットシャツの元祖であるという歴史的背景です 。
今では世界中のブランドがスウェットを作っていますが、そのすべてのルーツがラッセルアスレチックにあるという事実は、所有する人に特別な満足感を与えてくれます。
プロコットンに代表される丈夫な作り
プロコットンに代表される、ヘビーウェイトでタフな生地は、ラッセルアスレチックの品質を象徴しています 。
プロスポーツ選手の激しい使用を想定して作られたこの素材は、型崩れしにくく、長年にわたって愛用できる信頼性があります 。
セレクトショップとの協業モデル
クラシックなイメージが強いラッセルアスレチックですが、BEAMSやSHIPSといった日本のセレクトショップと積極的に協業しています 。
これらの別注モデルは、ラッセルアスレチックの品質はそのままに、シルエットを現代的にアレンジするなど、今のファッションに取り入れやすくなっています 。
クラシックなモデルは着こなしが難しそうと感じる人でも、これらの別注モデルから試してみるのがおすすめです。
ラッセルアスレチックのおすすめアイテム
最後に、ラッセルアスレチックでまず手に入れたい、代表的なアイテムを紹介します。
定番のプロコットン スウェットシャツ/パーカー
ブランドの代名詞でもある、プロコットンを使ったスウェットシャツやパーカーです。
ずっしりとしたヘビーウェイトな生地感と、洗濯を繰り返してもへたらないタフさは、まさに育てる楽しみを教えてくれます 。
特にパーカーは、フードの立ち上がりが美しく、一枚で着てもインナーとして使っても様になる逸品です。
隠れた名品のヘビーウェイトTシャツ
スウェットだけでなく、Tシャツも隠れた名品として知られています。
しっかりとした厚みのある生地で、体のラインを拾いにくく、首周りも伸びにくいと評判です 。
袖や裾の小さなロゴがさりげないアクセントになり、一枚で着ても下着っぽく見えません。
現代的にアレンジされたセレクトショップ別注モデル
ラッセルアスレチックに興味はあるけれど、シルエットが不安という人に最適なのが、セレクトショップの別注モデルです 。
これらのアイテムは、着丈を長くするなど、現代のファッションスタイルに合わせて再設計されていることがほとんどです。
ブランドの持つ本物感と、トレンド感を両立させた、まさに良いとこ取りのアイテムと言えるでしょう。
まとめ
ラッセルアスレチックがダサいと言われるのは、その歴史から生まれたクラシックで実用的なデザインが、現代の一部のファッション観と合わないことがあるからのようです。
しかし、その野暮ったさと紙一重の特徴こそが、本物の価値を知るファッション好きにとっては、格好良いと評価される魅力の源でもあります。
結論として、ラッセルアスレチックは、着る人を選ぶブランドかもしれません。
その価値を理解し、自分のスタイルに取り入れられる人にとっては、これ以上ないほど信頼できる相棒となります。
もしあなたが、流行を超えた普遍的な価値や、長く愛用できる品質を大切にするのであれば、ラッセルアスレチックは決してダサいブランドではなく、あなたのワードローブを豊かにしてくれるはずです。