パタゴニアは、高い機能性と環境への配慮で世界的に知られるアウトドアブランドです。
品質の高さと流行に左右されないデザインは多くの人を魅了し、アウトドアから普段着まで幅広く愛用されています。
しかし、その一方でパタゴニアはダサい、少し時代遅れなのでは?といった声が聞かれることもあります。
熱心なファンがいる一方で、なぜセンスがないと感じる人がいるのでしょうか。
そこで本記事では、パタゴニアがダサいと言われる理由をSNSや個人のブログなどの情報を元に深掘りし、実際の評判や口コミを交えながら、どのような人におすすめで、どのような人には向かないのかを解説します。
パタゴニアのフリースが欲しいけど、もしかしてダサい?と購入を迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
パタゴニアとは?
パタゴニアは、1973年に登山家のイヴォン・シュイナードが設立したアメリカのアウトドアブランドです 。
もともとは、クライミングギアの製造から始まりました。
シュイナードは自身が作るクライミング用のピトンという岩に打ち込む金具が、愛する岩壁を傷つけていることに気づき、大きなジレンマを抱えました 。
この経験から、彼は自然を傷つけないクリーン・クライミングという考え方を提唱し、岩を傷つけないチョックという道具を開発、販売するようになります。
この、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決するという思想が、パタゴニアの哲学の根幹となりました 。
この哲学は、ブランドの企業理念にも色濃く反映されています。
1991年には最高の商品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑えることを掲げていましたが、2019年にはさらに踏み込み、私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む、というより力強いメッセージを打ち出しました 。
この理念は単なるスローガンではありません。
1985年には売上の1%を環境保護団体に寄付する1% for the Planetを共同で設立し、1996年以降はすべてのコットン製品にオーガニックコットンを使用するなど、具体的な行動でその姿勢を示し続けています 。
パタゴニアの製品は、単なる衣類ではなく、地球環境への配慮という強いメッセージが込められたアイテムなのです。
パタゴニアがダサいと言われている理由
高い理念と品質を誇るパタゴニアですが、なぜダサいという評価が生まれるのでしょうか。その背景には、ブランド特有のいくつかの理由が存在します。
一部で「おじさんブランド」と見られているから
SNSなどを見ると、特に若い世代から、パタゴニアはおしゃれ好きなおじさんが着ているダサい服、というイメージを持たれているようです 。
これは、ブランドが長年定番として愛され、経済的に余裕のある40代以上の男性が主な愛用者層の一つになったことの裏返しとも言えます。
彼らが休日のイベントなどで少し気合を入れた服装として、胸に大きなロゴが入ったパタゴニアのTシャツやフリースを選ぶことがあります 。
しかし、その着こなしが必ずしも洗練されているとは限らず、ファッションに無頓着なアイテムと組み合わせてしまうことで、ブランド全体のイメージダウンに繋がっている一面もあるようです 。
ファッションの流行が世代ごとに移り変わる中で、前の世代の定番アイテムが次の世代からは古い、野暮ったいと見なされるのは自然な現象です。
パタゴニアもまた、その成功と歴史の長さゆえに、一部でおじさんたちの制服というレッテルを貼られ、敬遠されることがあるのです。
流行りすぎていて「量産型」のイメージがあるから
かつてはファッション感度の高い層や本物志向のアウトドア愛好家が選ぶブランドでしたが、その人気が拡大し、今や街中の至る所でパタゴニア製品を見かけるようになりました。
特に冬場のレトロXジャケットなどは、多くの人が着用しており、一種の社会現象とも言えるほどの普及ぶりです。
海外のSNSでも、誰も彼もがパタゴニアを着ていて、まるで制服のようだといった声が見られます。これはかつてのノースフェイスのデナリジャケットの流行を彷彿とさせると指摘されています 。
これほどまでに普及すると、アイテムが持つ本来の魅力や個性が薄れ、量産型ファッションという印象を与えてしまいます。
他人と差別化したい、自分だけのスタイルを確立したいと考える層にとっては、誰もが着ているパタゴニアは無難でつまらない選択肢と映り、結果としてセンスがないという評価に繋がってしまうのです。
鎌倉ではおばあちゃんまで着ている、というエピソードが象徴するように、その浸透度の高さが個性を求める人々から敬遠される一因となっています 。
独特のサイズ感が日本人の体型に合わないことがあるから
パタゴニアの製品がダサく見える最も物理的な理由の一つが、サイズ感の問題です。
パタゴニアはアメリカのブランドであり、製品は基本的に欧米人の体型を基準としたUSサイズで作られています 。
そのため、多くの日本人が普段と同じ感覚でサイズを選ぶと、フィットしないケースが頻発します。
特に代表的なアイテムであるレトロXジャケットでこの問題は顕著です。
多くの口コミで指摘されているのが、身幅はちょうど良いのに袖だけが異常に長く、太くなってしまうという点です。
腕だけダボダボな状態になり、非常にアンバランスで野暮ったいシルエットになってしまいます 。この着膨れするようなボリューム感が、スタイルを悪く見せてしまうのです 。
また、夏の定番バギーズショーツも同様です。
人気の5インチモデルは股下が約13cmとかなり短く、街着として履くには短すぎて恥ずかしい、際どい部分が見えそうで落ち着かないと感じる男性が少なくありません 。
どんなに優れたアイテムでも、体型に合わないサイズを選んでしまえば、その魅力は半減し、ダサい印象を与えてしまうのです。
アウトドア感が強すぎて街着には野暮ったく見えるから
パタゴニアのウェアは、本来、過酷な自然環境下で機能を発揮するためにデザインされています。
そのため、色使いも雪山での視認性を高めるための鮮やかなカラーや、自然に溶け込むアースカラーが多く、都会的で洗練された配色とは一線を画します 。
こうした本格的なアウトドアウェアをそのまま街で着ると、どうしても場違いな印象を与えがちです。
機能性を追求したカッティングや素材感は、きれいめな服装と合わせるとチグハグに見え、野暮ったい、洗練されていないという評価に繋がります 。
もちろん、コーディネート次第でおしゃれに着こなすことは可能です。
しかし、アウトドア感を中和させるために、全体のトーンを統一したり、きれいめなアイテムと組み合わせたりといった工夫が必要になります 。
何も考えずに羽織るだけでは、ただの山登り帰りの人に見えてしまい、ファッションとしては成立しにくいのです。この街着としての難易度の高さが、ダサいと言われる一因になっています。
パタゴニアの評判・口コミ
実際にパタゴニア製品を愛用している人たちのリアルな声を集めました。良い点、悪い点の両方を知ることで、より客観的な判断ができるはずです。
良い口コミ
- とにかく製品が丈夫で長持ちする。8年前に買ったフリースが今でも現役で使えるほど品質が高い 。
- レトロXジャケットは風を全く通さないので、見た目以上に暖かく、真冬でもインナーは薄着で十分過ごせる 。
- フーディニジャケットは驚くほど軽くて小さくたためるので、カバンに常備しておくと急な雨や気温の変化に対応できて非常に便利 。
- デザインがシンプルで流行に左右されないため、何年経っても古臭く感じることなく愛用し続けられる 。
- 環境保護や労働問題に真摯に取り組むブランドの姿勢を支持できる。製品を購入することが社会貢献に繋がるようで誇らしい気持ちになる 。
- Tシャツはオーガニックコットンなどの素材が使われていて肌触りが良く、洗濯を繰り返しても型崩れしにくい 。
悪い口コミ
- レトロXは防風性が高い反面、通気性が悪く、暖かい室内や満員電車の中では蒸れて汗だくになる 。
- 機能的ではあるが、フリースジャケット1枚に3万円以上という価格は高すぎると感じる 。
- USサイズのため、オンラインで購入したら袖が長すぎたり身幅が大きすぎたりして失敗した。試着は必須 。
- バギーズショーツの5インチモデルは、街で履くには丈が短すぎて人の目が気になる。特に大人の男性には厳しい 。
- 人気ブランドなので偽物が多く出回っている。特にオンラインの非正規店での購入はリスクが高い 。
- レスポンシビリティーTシャツは、大量に汗をかくと吸収せずに肌に張り付くような不快感がある 。
パタゴニアがおすすめな人
パタゴニアの特性を踏まえると、以下のような人には特におすすめできるブランドだと言えます。
機能性と耐久性を重視し、一つのものを長く使いたい人
パタゴニアの製品は、厳しい自然環境での使用を想定して作られているため、品質と耐久性は折り紙付きです。
10年使ってもまだ着られるといった口コミが示すように、一度購入すれば非常に長く愛用することができます 。
流行り廃りの激しいファッションアイテムを次々と買い替えるのではなく、本当に良いものを手入れしながら大切に使い続けたい、という価値観を持つ人にとって、パタゴニアは最高の選択肢となるでしょう。
ブランドの環境保護への理念に共感できる人
パタゴニアの最大の魅力は、その徹底した環境保護への姿勢です。
製品を選ぶという行為を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献したいと考える人にとって、パタゴニア以上に魅力的なブランドは少ないでしょう 。
彼らにとっては、服を着ることは自己表現であると同時に、社会的な意思表示でもあります。
たとえ一部でダサいと言われようとも、ブランドが掲げる理念への共感と信頼が、それを上回る満足感を与えてくれます。
流行に左右されない定番のアウトドアファッションが好きな人
レトロXやシンチラ・スナップTといったパタゴニアの代表的なアイテムは、登場から数十年経った今でもほとんどデザインを変えずに製造され続けている永遠の定番です 。
これらのアイテムは、一過性のトレンドとは無縁の普遍的な魅力を持っています。
目まぐるしく変わる流行を追いかけることに疲れ、自分だけのスタイルをじっくりと構築したい人にとって、パタゴニアが提供するタイムレスなデザインは、信頼できるワードローブの核となるはずです。
パタゴニアがおすすめできない人
一方で、その独自のスタイルと哲学から、以下のような人にはパタゴニアはあまりおすすめできません。
常に最新のトレンドや個性的なファッションを追い求めたい人
パタゴニアのアイテムは、その人気の高さから多くの人が着用しており、量産型と見なされることがあります 。
また、デザインも普遍的でクラシックなものが中心です。
そのため、ファッションを通じて常に目新しさや他人との差別化、強い個性を表現したい人にとっては、物足りなく感じられる可能性が高いでしょう。
パタゴニアの持つ定番、安心感といったイメージは、彼らが求める先進性や意外性とは対極にあるからです。
試着せずにオンラインで服を買いがちな人
前述の通り、パタゴニアのサイズ選びは非常に難しく、特に日本人の体型にはフィットしにくい場合があります 。
この問題を軽視して、試着せずにオンラインストアで安易に購入してしまうと、サイズが合わずにダサい着こなしになってしまうリスクが非常に高いです。
時間や手間を惜しんで、フィッティングを怠りがちな人には、パタゴニア製品、特にアウター類の購入はおすすめできません。
都会的で洗練されたきれいめなスタイルを好む人
パタゴニアの持つ魅力は、良くも悪くもアウトドア由来の無骨さや機能美にあります。
そのデザインは、洗練されたミニマルなスタイルや、上品できれいめなコーディネートとは本質的に異なります 。
もちろんスタイリング次第で都会的に着こなすことも可能ですが、ブランドのDNAはあくまでアウトドアです。
普段からテーラードジャケットやスラックス、繊細な素材のシャツなどを好んで着る人にとっては、パタゴニアのアイテムは手持ちの服と合わせにくく、ワードローブの中で浮いた存在になってしまうかもしれません。
パタゴニアのおすすめポイント
なぜパタゴニアはこれほどまでに多くの人々から支持され続けるのでしょうか。その魅力を3つのポイントに絞って解説します。
地球環境に配慮したサステナブルな製品づくり
パタゴニアは、環境負荷を低減するための取り組みを業界の誰よりも早く、そして徹底して行ってきました。
リサイクル素材の積極的な活用はその代表例です。
例えば、一部のダウンジャケットのシェル素材には、廃棄された漁網をリサイクルしたネットプラスが使われています 。
他にも、オーガニックコットンの採用や、公正な労働環境を保証するフェアトレード認証の工場での縫製など、製品が作られる過程のすべてにおいて、環境と社会への責任を果たそうとしています 。
この真摯な姿勢が、製品に他にはない価値を与えています。
厳しい環境でも機能する圧倒的な品質と信頼性
パタゴニアの製品は、ファッションアイテムである以前に、プロの登山家や冒険家の命を守るためのギア(道具)です。
そのため、品質には一切の妥協がありません 。
独自の防水透湿素材H2Noパフォーマンス・スタンダードを搭載したレインウェアや、防風性フィルムを挟み込むことで驚異的な暖かさを実現したレトロXジャケットなど、その機能性は極限状況でテストされ、証明されています 。
この圧倒的な信頼性が、アウトドア愛好家から絶対的な支持を得る理由です。
修理して長く使える「Worn Wear」プログラム
パタゴニアは新品が必ずしも一番良いとは限らないと考え、製品を可能な限り長く使い続けることを推奨しています。
その哲学を体現するのがWorn Wearというプログラムです。
これは、破れたり壊れたりした製品を安価で修理してくれるサービスで、愛着のある一着を捨てずに長く使い続けることをサポートしてくれます 。
使い捨てが当たり前になった現代において、一つの製品と長く付き合っていくという価値観を提案するこの取り組みは、パタゴニアのブランド哲学を象徴しています。
パタゴニアのおすすめアイテム
数あるパタゴニア製品の中から、ブランドを象徴する3つの定番アイテムを、その長所と短所の両面からご紹介します。
フリースの代名詞「クラシック・レトロX・ジャケット」
パタゴニアのアイコンであり、フリースの代名詞とも言える存在です 。
厚手のシェルパフリースの内側に防風性のフィルムを挟み込むことで、冷たい風を完全にシャットアウトし、抜群の保温性を発揮します 。
しかし、その人気と機能性の裏で注意点も多いアイテムです。
最大の欠点は、USサイズ特有のフィット感の悪さ。多くの人が袖の長さや身幅の広さに悩み、着膨れして見えがちです 。
また、防風性が高い分、通気性は低く、室内では蒸れやすいという弱点も抱えています 。
購入を検討する際は、必ず試着して、自分の体型に合うか、そして着用シーンが適切かを見極める必要があります。
夏の定番ショーツ「バギーズ・ショーツ」
速乾性に優れたリサイクルナイロンを使用し、水陸両用で使える夏の万能ショーツです 。
軽くて動きやすく、豊富なカラーバリエーションも魅力で、一度履くとその快適さの虜になる人が後を絶ちません。
ただし、選ぶべきは丈の長さです。
定番の5インチモデルは股下が短く、街着としてはラフすぎる印象を与えかねません 。
より幅広いシーンで着用したいのであれば、股下が5cm長い7インチ(バギーズ・ロング)モデルを選ぶのが賢明です。
都会での使用がメインであれば、汎用性の高いロングモデルをおすすめします 。
軽量シェルの傑作「フーディニ・ジャケット」
魔法のように消えるという名の通り、胸ポケットに本体を収納すると手のひらサイズになる、驚異的な軽さとコンパクトさを誇るウィンドシェルです 。
重さはわずか100g程度ですが、薄い生地からは想像できないほどの防風性と、小雨程度なら弾いてくれる撥水性を備えています 。
登山やランニングはもちろん、旅行や普段の生活でも、カバンに忍ばせておけば急な天候の変化にスマートに対応できます。
唯一の弱点は、ミニマリズムを追求した結果、ハンドウォーマーポケットがないことですが、それを補って余りあるほどの利便性を持つ傑作です 。
まとめ
パタゴニアがダサいと言われるのは、ブランド自体に問題があるというよりも、その人気と特性が原因のようです。
多くの人に愛用されることで量産型のイメージがつき、US規格のサイズ感が日本人の体型に合わずに野暮ったく見えてしまうこと。
そしてアウトドア由来のデザインが、都会のファッションと常に一致するわけではないこと。
これらが、ネガティブな評価の主な原因になっています。
しかし、その一方で、パタゴニアが提供する価値は揺るぎません。
一つの製品を長く使い続けられる圧倒的な耐久性と、地球環境への深い配慮という明確な哲学です。
パタゴニアをおしゃれに着こなす鍵は、ブランドのこうした強みと弱みを理解した上で、自分自身の価値観やスタイルと合致するかどうかを冷静に判断することです。
流行っているからという理由だけで手を出すのではなく、なぜ自分がパタゴニアを選びたいのかを考え、慎重なサイズ選びを心がけること。
それができれば、パタゴニアはあなたのライフスタイルを豊かにする、最高のパートナーとなってくれるはずです。