街を歩けば必ずと言っていいほど見かける、白と黒のバイカラーのスニーカー。ナイキのダンク ロー、通称パンダダンクです。どんな服にも合わせやすいシンプルなデザインで、発売当初はプレ値がつくほどの爆発的な人気を博しました。
しかし最近、SNSや動画サイトのコメント欄などで、パンダダンクはダサい、もう終わった、といったネガティブな声を耳にすることが増えてきました。これから買おうか迷っている人にとっては、かなり気になる噂ですよね。
そこで本記事では、パンダダンクがなぜダサいと言われてしまっているのか、その理由を徹底的に深掘りします。実際に履いている人たちのリアルな口コミや、逆におすすめできるのはどんな人なのかも解説します。パンダダンクが欲しいけど、もしかして時代遅れ?と不安になっている人は、ぜひ参考にしてください。
パンダダンクとは?
パンダダンクとは、NIKE(ナイキ)から発売されている DUNK LOW RETRO(ダンク ロー レトロ) というモデルの中で、ホワイトとブラックの2色で構成されたカラーリングのものを指します。
もともとダンクは1985年にバスケットボールシューズとして誕生しました。その後、スケーターたちに愛用され、ストリートファッションのアイコンとして定着した歴史があります。
中でもこの白黒モデルは、動物のパンダのような配色であることから愛称で呼ばれるようになり、2021年の発売以降、スニーカー界の中心に君臨し続けてきました。一時は抽選に当たらないと絶対に買えない幻の一足でしたが、ナイキが何度も再販売を行ったことで、今では誰もが知る国民的スニーカーとなっています。
パンダダンクがダサいと言われている理由
あれほど人気だったパンダダンクが、なぜ今になってダサいとか恥ずかしいと言われるようになってしまったのでしょうか。SNSの声やファッション好きの意見をリサーチしてみると、単なる好みの問題ではない、いくつかの明確な理由が見えてきました。パンダダンク特有の事情を解説します。
街中で被りすぎて気まずい思いをするから
一番大きな理由は、物理的に遭遇率が高すぎる点です。
電車に乗ったら同じ車両に3人も履いている人がいた、大学のキャンパスに行ったら右も左もパンダだらけだった、という現象が日常茶飯事になっています。SNSでは、これを揶揄してパンダ園などと呼ぶ人もいるほどです。
ファッションにおいて、他人とアイテムが被ることはある程度仕方がないことです。しかし、ここまで極端に被ってしまうと、個性を出したいと思っている人にとってはマイナスに働きます。自分の意思で選んだのではなく、ただ流行っているから思考停止で履いているように見られてしまう。それがダサいという評価に繋がっているようです。
量産型の大学生ファッションの象徴になったから
SNS、特にTikTokなどでは、パンダダンク=量産型大学生の制服というイメージが定着してしまいました。
よくあるコーディネートとして挙げられるのが、マッシュヘアに黒のスキニーパンツ、大きめのスウェット、そして足元はパンダダンクという組み合わせです。このスタイルがあまりにもテンプレート化してしまったため、同じような格好をしていると、没個性な人、ファッションに無頓着な人というレッテルを貼られやすくなっています。
大人の男性や女性が履こうとしたときに、どうしてもこの若者の量産型イメージがチラついてしまい、自分には若作りで恥ずかしいかもと感じてしまう要因になっています。
素材がプラスチックのように安っぽく見えるから
これは実際に購入したスニーカー好きやYouTuberから多く挙がっている厳しい意見です。
パンダダンクに使われている革は、表面に厚いコーティングが施されています。そのため、革本来のしなやかさが感じられず、まるでビニールやプラスチックのような質感だと言われることがあります。
履き込んでいくとできるシワも、本革のような味のあるシワではなく、厚紙を折ったような不自然な折れ目がつきやすいのが特徴です。定価が1万5千円前後するスニーカーとしては、質感がチープに見えてしまう。目が肥えた人からすると、そこが安っぽくてダサいと感じるポイントになっています。
パンダダンクの評判・口コミ
では、実際にパンダダンクを履いている人や、街で見かけている人たちはどう思っているのでしょうか。ネット上のリアルな声を、良い意見と悪い意見にわけて整理しました。
良い口コミ
まずはポジティブな意見です。やはり使い勝手の良さを評価する声が多数を占めています。
- 白と黒のモノトーンなので、どんな色の服にも合わせやすくて重宝している
- 一足持っておけば、とりあえず玄関で迷ったときにこれを選べば間違いない
- 以前はプレ値が高すぎて買えなかったけれど、今は定価で買えるようになって嬉しい
- デザイン自体はシンプルで完成されているので、流行り廃り関係なく普通にかっこいい
- 雨の日でもガシガシ履ける丈夫さがあるのが良い
悪い口コミ
一方で、ネガティブな口コミは周囲の目線や品質に関するものが目立ちます。
- 街を歩けば必ず被るのが嫌で、最近は下駄箱に眠ったままになっている
- みんな履きすぎていて、制服の靴みたいに見えてきた
- 履いていると、転売屋から買ったのか、ミーハーなのかと思われそうで恥ずかしい
- 数回履いただけでつま先の部分がベコベコに凹んでしまい、見た目が汚くなってしまった
- 偽物が大量に出回っているので、本物を履いていても偽物だと思われるのが嫌だ
パンダダンクがおすすめな人
ここまでネガティブな理由も紹介してきましたが、それでもパンダダンクが名作であることに変わりはありません。すべての人が避けるべきではなく、目的やライフスタイルによっては最強の相棒になります。具体的にどんな人におすすめなのかを挙げます。
コーディネートに時間をかけたくない人
朝、服を選ぶときに靴で悩みたくないという人には最適です。
白と黒の配色は、デニムでもスラックスでも、短パンでもスカートでも、本当に何にでも合います。ファッションにおいて、足元が黒と白でまとまっていることは最大の安心感です。靴を主役にするのではなく、あくまで服装の一部として馴染ませたい人にとっては、これ以上ないほど便利なアイテムです。
トレンドのピークが過ぎたことを気にしない人
流行りものだから履くのではなく、単純にこのデザインが好きだという人には強くおすすめします。
ダサいと言われるのは、あくまで流行に敏感な層が被りを気にしているからです。世間一般の視点で見れば、ナイキの白黒スニーカーは清潔感があって好印象なアイテムです。周囲のトレンド評価よりも、自分の使いやすさを優先できる人であれば、これほどコストパフォーマンスの高い靴はありません。
カスタムや紐の交換で差別化を楽しめる人
そのまま履くと量産型に見えてしまいますが、少し手を加えるだけで見違えるほどお洒落になります。
例えば、付属の黒い紐を、ヴィンテージ風の生成り色(クリーム色)の紐に変えるだけでも印象がガラリと変わります。また、あえて少し汚して古着のような雰囲気を出したり、ペイントを加えたりと、自分だけの一足にカスタムするベースとして使うには最高の素材です。工夫次第で他人と被らない履きこなしが可能です。
パンダダンクがおすすめできない人
逆に、購入しても後悔する可能性が高いのは次のような人です。
人と同じファッションをしたくない人
他人と被るのがどうしても許せない、自分だけの個性をアピールしたいという人は絶対に避けるべきです。
今の日本でパンダダンクを履いて外出して、誰とも被らずに帰宅するのは至難の業です。信号待ちで隣の人と同じ靴だったときに気まずさを感じるタイプなら、他のカラーや別のモデルを選んだ方が精神衛生上良いでしょう。
素材の高級感や経年変化を楽しみたい人
革靴のように、履き込むほどに足に馴染んでいく感覚や、革のエイジングを楽しみたい人には不向きです。
先ほども触れたように、パンダダンクのアッパー素材はコーティングが厚く、硬めの質感です。高級スニーカーのようなしっとりとしたレザーの質感を求めていると、箱を開けた瞬間に安っぽいとガッカリしてしまうかもしれません。質感を重視するなら、同じダンクでもPRM(プレミアム)と名のつくモデルや、SBダンクなどを選ぶのが正解です。
スキニーパンツを愛用している人
これはスタイリングの問題ですが、黒のピチピチなスキニーパンツにパンダダンクを合わせると、先述した量産型大学生のイメージに直結してしまいます。
もちろんファッションは自由ですが、ダサいと思われたくないのであれば、この組み合わせは避けたほうが無難です。もしパンダダンクを履くなら、今は少し太めのパンツや、裾にクッションができるようなゆったりしたボトムスに合わせるのが、今っぽく見せるコツです。
パンダダンクのおすすめポイント
いろいろと言われていますが、それでも売れ続けているのには理由があります。パンダダンクならではのメリットを整理します。
圧倒的な汎用性の高さ
結局のところ、白と黒のバランスが絶妙です。
真っ黒なスニーカーだと重たくなりすぎるし、真っ白だと汚れが気になる。その点、パンダダンクは汚れやすい爪先やカカト部分が黒で覆われているため、多少の汚れなら目立ちません。それでいて白い部分が抜け感を作ってくれるので、足元が軽やかに見えます。この実用的な配色は、毎日履く靴として理にかなっています。
気兼ねなくガシガシ履けるタフさ
高級なスニーカーは雨の日に履くのをためらってしまいますが、パンダダンクは良い意味で道具として使い倒せます。
コーティングされたレザーは水や汚れを弾きやすく、汚れてもウェットティッシュで拭けばすぐに綺麗になります。公園で遊ぶとき、フェスに行くとき、ちょっとした雨の日など、汚れそうなシーンでも躊躇なく履いていけるのは、日常使いの靴として大きなメリットです。
いつでも定価で買える入手しやすさ
かつては数万円のプレ値を出さないと買えませんでしたが、今はナイキの公式サイトやABCマートなどで、普通に定価で購入できます。
欲しいと思ったときにすぐ買える、サイズが合わなければ交換できる、履き潰したらまた買い直せる。これはスニーカーとして本来あるべき健全な姿に戻ったと言えます。レア度や資産価値を気にせず、純粋に靴として楽しめるようになったのは、ユーザーにとって最大のプラスポイントです。
パンダダンクのおすすめアイテム
一口にパンダダンクといっても、実はいくつかのバリエーションがあります。定番のものから、被りを回避できるモデルまで紹介します。
ナイキ ダンク ロー レトロ ホワイト/ブラック
これがいわゆる王道のパンダダンクです。街で見かける9割はこのモデルでしょう。
DD1391-100という品番で、メンズ、レディース、キッズまでサイズ展開が豊富です。家族やカップルでお揃いにしたい場合や、初めてのダンクとして基本を押さえたいならこれです。ただし、被る確率は100%覚悟してください。
ナイキ ダンク ハイ レトロ
ローカットではなく、ハイカットモデルの白黒カラーです。
ローカットに比べて履いている人が圧倒的に少ないため、パンダカラーの良さはそのままに、量産型な印象を避けることができます。足首までホールドされるのでボリューム感があり、ワイドパンツやハーフパンツとの相性が抜群です。バスケットボールシューズ本来のクラシックな雰囲気を楽しみたい人におすすめです。
ナイキ ダンク ロー By You(バイユー)
ナイキの公式サイトで、自分で色や素材を選んでオーダーできるサービスで作るダンクです。
これを使えば、パンダカラーをベースにしつつ、ナイキのロゴ(スウッシュ)だけグレーに変えたり、素材を安っぽいスムースレザーではなく、質感の良いスエードに変えたりすることができます。 遠目にはパンダダンクに見えるけれど、よく見ると素材も色も違うこだわりがある。これなら他人と被ることもなく、ダサいと言われる要素をすべて解消できます。少し値段は上がりますが、自分だけの正解を作れる最良の選択肢です。
まとめ
パンダダンクがダサいと言われる最大の理由は、あまりにも流行りすぎて街中で被りまくってしまったこと、そして量産型ファッションのアイコンとして定着してしまったことにあります。
しかし、スニーカーとしてのデザインの完成度や、使い勝手の良さが否定されたわけではありません。
- 流行や他人との被りを気にするなら、今は買わない方がいい
- 実用性や合わせやすさを最優先するなら、これ以上ない選択肢
- 履くなら、紐を変えたり服装のシルエットを工夫して差別化する
これが現在のパンダダンクに対する結論です。 周囲の雑音に惑わされず、自分がどう履きたいかを基準に選んでみてください。ファッションは結局、自分が楽しんだもの勝ちです。

