究極の普通を楽しむスタイルとして定着したノームコアですが、ネット上やSNSでは一部で「ノームコアはダサい」「時代遅れ」といった声も聞かれます。シンプルで真似しやすいはずなのに、なぜネガティブな評価があるのでしょうか?
そこで本記事では、ノームコアがダサいと言われる具体的な理由と、おすすめできる人・できない人を解説します。「シンプルな服が好きだけど、手抜きに見えていないか不安」という人はぜひ参考にしてください。
ノームコアとは?
ノームコア(Normcore)は「Normal(普通)」と「Hardcore(究極)」を組み合わせた造語です。2014年頃にニューヨークでトレンドとなり、あえて普通であることや、周囲に馴染むことを良しとするスタイルを指します。
具体的には、ロゴのないTシャツやスウェット、色落ちしたデニム、シンプルなスニーカーなど、誰もが持っているベーシックなアイテムを組み合わせるのが特徴です。スティーブ・ジョブズの服装などが代表例として挙げられます。
ノームコアがダサいと言われている理由
シンプルで洗練されているはずのノームコアが、なぜ「ダサい」「終わった」と言われてしまうのか、SNSや口コミなどの一次情報をリサーチして理由を整理しました。
部屋着やパジャマに見えてしまっている
これが最も多い理由の一つです。ノームコアはリラックス感を大事にしますが、サイズ感や素材選びを間違えると、単なる「だらしない格好」に見えてしまいます。
特に、首元がヨレたTシャツや、膝が出たスウェットパンツをそのまま着ていると、おしゃれをして街に来たのではなく「近所のコンビニに行く途中」に見られてしまいます。清潔感がないと、シンプルさはただの貧相な印象に変わってしまうのです。
量産型で個性が埋没している
大学生や若い世代を中心に、同じような格好の人が増えすぎたことも理由です。「白Tシャツに黒スキニー」「グレーのスウェット」といった組み合わせは失敗が少ない反面、街中に溢れかえっています。
SNS上では、みんなが同じような服を着ている様子を見て「量産型」「没個性」と揶揄する声が見られます。自分の意思で選んでいるのではなく、ただ流行りに流されているように見えると、安っぽく感じられてしまうようです。
おじさんくさい・休日のお父さんに見える
ノームコアのアイテムは、一歩間違えると「休日のお父さん(Dadcore)」になります。機能性の高いスニーカーやチェックシャツ、少しダボついたジーンズは、おじさん世代が好むアイテムでもあります。
若者が計算して着ればクールになりますが、何も考えずに着ると、本当にただ老けて見えたり、野暮ったい印象を与えたりします。「おじさん見え」を回避するには、髪型などのグルーミングや、シルエットのバランス調整が必須です。
ノームコアの評判・口コミ
実際にノームコアを実践している人や、それを見ている人の声を整理しました。良い面も悪い面もリアルな意見が集まっています。
良い口コミ
- 流行に左右されず長く着られるのでコスパが良い
- 服選びに迷う時間が減り、他のことに集中できる
- 清潔感があり、誰からも嫌われないスタイルだと思う
- 着心地が楽で、気取っていない感じが自分に合っている
- 素材の良いものを着ていると、大人っぽく見える
悪い口コミ
- 手抜きをしているようにしか見えない
- ユニクロなどのファストファッションばかりで安っぽい
- デートに着てこられると、気合が入っていないと感じてがっかりする
- スタイルが良くないとただ地味な人になる
- 個性がないのでつまらない、記憶に残らない
ノームコアがおすすめな人
ダサいと言われるリスクはあるものの、ハマればこれほど洗練されたスタイルはありません。ノームコアは次のような人におすすめです。
素材やディテールにこだわれる人
デザインがシンプルな分、生地の質感や縫製などの違いがはっきりと出ます。ペラペラの化学繊維ではなく、厚手のコットンや上質なウールなどを選べる人は、ノームコアをかっこよく着こなせます。一見普通だけど、よく見ると良いものを着ている、という大人の余裕を出せる人におすすめです。
清潔感を維持できる人
服がシンプルだと、着ている本人そのものが目立ちます。髪型が整っているか、肌がきれいか、姿勢が良いかといった要素が、おしゃれに見えるかどうかを決定づけます。定期的に美容室に行き、身だしなみに気を使える人は、シンプルな服を着ても様になります。
自分に合うサイズ感を理解している人
「ダサい」と言われる原因の多くはサイズミスです。自分の体型をきれいに見せるサイズを知っている人、あるいは流行に合わせて「あえてオーバーサイズにする」などの微調整ができる人は、ノームコアをおすすめできます。
ノームコアがおすすめできない人
逆に、次のようなタイプの人には、ノームコアはあまりおすすめできません。
ロゴやブランドの主張で安心したい人
服のブランドロゴが大きく入っていることで安心感を得たい人は、ノームコアには不向きです。ノームコアは「どこの服かわからない」ことが美学の一つだからです。ブランドの力で着飾るのではなく、自分自身の中身で勝負する必要があります。
服の手入れが面倒な人
シンプルな服ほど、シワや汚れ、毛玉が目立ちます。アイロンがけや靴のメンテナンスが面倒だと感じる人は、すぐに「だらしない人」認定されてしまいます。メンテナンスをサボりがちな人にはおすすめできません。
とにかく目立ちたい人
街中で振り返られるような奇抜さや、華やかさを求める人には物足りないでしょう。ノームコアは周囲に溶け込むスタイルなので、個性をファッションで爆発させたい人には窮屈に感じるかもしれません。
ノームコアのおすすめポイント
それでもノームコアが支持され続けるのには理由があります。このスタイルの魅力的なポイントを3つ紹介します。
誰にでも好印象を与える清潔感
正しく着こなしたノームコアは、嫌味がおらずクリーンな印象を与えます。ビジネスシーンや初対面の人と会う場面など、相手に不快感を与えたくないシチュエーションで非常に強い味方になります。
トレンドの「Clean Fit」や「City Boy」へ応用可能
最近流行している「Clean Fit(クリーンフィット)」や「City Boy(シティボーイ)」といったスタイルも、ベースはノームコアです。基本的なアイテムを持っていれば、サイズ感や小物を少し変えるだけで、最新のトレンドスタイルにアップデートできます。
ライフスタイルの質が上がる
服にかける過剰な時間やお金を節約し、食事や趣味、旅行など、自分の生活を豊かにすることにお金を使えるようになります。これはノームコアが本来持っていた「消費社会からの脱却」という哲学にも通じます。
ノームコアのおすすめアイテム
脱・ダサいノームコアを目指すために、これさえあれば間違いないというアイテムを厳選しました。
ヘビーウェイトの無地Tシャツ
ペラペラなTシャツは下着に見えてしまいます。厚手(ヘビーウェイト)で、洗濯しても首元がヨレにくいものを選びましょう。Hanes(ヘインズ)のBEEFYや、Champion(チャンピオン)のTシャツなどが定番でおすすめです。
テーパードシルエットのスラックス
デニムやスウェットパンツも良いですが、ダサく見えない一番の近道はスラックスです。特に裾に向かって細くなる「テーパード」シルエットは、誰が履いてもスタイル良く見えます。黒やチャコールグレーを持っておくと便利です。
歴史あるブランドのスニーカー
足元は全体の印象を決めます。無名の安っぽい靴ではなく、New Balance(ニューバランス)の990番台や、adidas(アディダス)のスタンスミスなど、歴史と背景がある「名品」と呼ばれるスニーカーを選びましょう。これだけでコーディネートに説得力が生まれます。
まとめ
ノームコアが「ダサい」と言われるのは、単に地味な服を適当に着ている「手抜き」に見える場合がほとんどです。
しかし、素材選びやサイズ感、そして髪型などの身だしなみに気をつければ、これほど大人っぽく、洗練されたスタイルはありません。流行に左右されず、自分らしくいられるノームコアは、2025年以降も定番のスタイルとして定着していくはずです。
「ダサいかも?」と心配するよりも、まずはヨレていない清潔なTシャツと、自分に合ったサイズのパンツを選んでみてください。それだけで、あなたの印象はグッと良くなるはずです。


