冬のアウターを探していると、布団をまとったような巨大なシルエットのコートをよく見かけませんか。 それがモンスターパーカーです。 圧倒的な保温性と、トレンドのオーバーサイズな見た目が魅力で、多くのおしゃれさんが愛用しています。
でも、購入前にネットで検索してみると、ダサいとか時代遅れといったネガティブなワードが出てきて不安になった人もいるかもしれません。 せっかく買ったのに、周りから変な目で見られたら嫌ですよね。
そこで本記事では、モンスターパーカーがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由をSNSや口コミなどの一次情報から徹底的にリサーチしました。 モンスターパーカーが欲しいけど、もしかしてダサい?と不安な人はぜひ参考にしてください。
モンスターパーカーとは?
まずは、この独特なアウターの正体について少しだけお話しさせてください。 モンスターパーカーは、もともと米軍の特殊部隊のために開発されたPCU LEVEL7 TYPE2という装備がモデルになっています。
PCUというのは、重ね着システムのことで、LEVEL1の肌着からLEVEL7のアウターまでを気温に合わせて組み合わせます。 その中でもモンスターパーカーは、装備の一番上に羽織ることを想定して作られました。
一番上に着るということは、防弾チョッキやリュックサックを背負ったその上からガバッと着るということです。 だから、あんなに異常なほど身幅が広くて、背中の裾が長いフィッシュテールのような形をしているんですね 。
この機能性を追求した結果生まれた異形なシルエットが、ファッション界で怪物級にカッコいいと評価され、街着としてアレンジされて広まったのが今のモンスターパーカーなんです。
モンスターパーカーがダサいと言われている理由
では、なぜそんな高機能で歴史あるアイテムがダサいと言われてしまうのでしょうか。 SNSや掲示板のリアルな声を拾い集めてみると、いくつかの明確な理由が見えてきました。 決してアイテム自体が悪いわけではなく、着こなしやイメージの問題が大きいようです。
シルエットが巨大すぎて雪だるまに見える
これが一番多い意見かもしれません。 モンスターパーカーはとにかく中綿の量がすごいですし、サイズ感も規格外に大きいです。 そのため、着る人の体型によっては、単に着膨れしているように見えてしまいます。
特に、低身長の方や、骨格ストレートタイプのように上半身に厚みがある方が着ると、ズングリムックリな印象になりがちです。 SNSでも、試着してみたら雪だるまみたいになったとか、ベイマックスみたいと言われたなんていう自虐的な口コミが見られました 。
おしゃれなオーバーサイズと、単なるサイズ間違いの境界線は意外と難しいものです。 何も考えずに羽織ると、服に着られている感が出てしまい、それが野暮ったさにつながっているようです。
歩く寝袋のような異質感
保温性が高すぎるゆえの弊害とも言えますが、見た目が完全に寝袋です。 街中で着ていると、防寒への執念が強すぎる人に見えてしまうことがあります。
実際に、友達から寝袋着てきたの?といじられたという声や、電車の中で幅を取りすぎて申し訳なくなるという声もありました。 都会の電車移動や商業施設の中では、明らかにオーバースペックなんですよね。 その場違い感が、一部の人にはスマートじゃない、つまりダサいと映ることがあるようです。
ワークマンなどの普及による大衆化と安っぽさ
これはここ数年の現象ですが、ワークマンなどの低価格ブランドからモンスターパーカー風の商品が大量に発売されました。 機能的で安くて最高なのですが、あまりにも多くの人が着るようになったことで、特別感が薄れてしまったという側面があります。
特に、安価なモデルだと生地の質感がペラペラだったり、テカリが強かったりして、本家のミリタリー感が損なわれているものもあります。 街中で安っぽい素材のモンスターパーカーを着ている人を見かける機会が増えたことで、アイテム全体のイメージがカジュアルダウンし、安っぽい=ダサいという評価につながっている可能性があります 。
モンスターパーカーの評判・口コミ
ここでは、実際に着用している人たちのリアルな声をまとめてみました。 良い意見も悪い意見も包み隠さず紹介しますので、自分に合うかどうかの判断材料にしてください。
良い口コミ
- とにかく暖かくて、真冬でもインナーはロンT一枚で過ごせるから楽ちん
- 大きなポケットがたくさんあるから、バッグを持ち歩かなくて済むのが最高に便利
- ガバッと羽織るだけでトレンド感が出るし、体型カバーもできるのが嬉しい
- 自宅で洗濯できるモデルが多いので、ダウンジャケットよりもケアが簡単で助かる
- 独特のAラインシルエットが可愛くて、スキニーパンツと合わせるとバランスが良い
悪い口コミ
- 電車や車に乗るときに嵩張りすぎて邪魔になるし、脱いだあとの置き場に困る
- フードを出すと襟周りがゴチャゴチャして、首がないように見えることがある
- 暖かすぎてショッピングモールなどの屋内に入るとすぐに汗だくになる
- 後ろの裾が長すぎて、座るときにお尻の下に敷いてしまうのが地味にストレス
- 安いモデルを買ったらワンシーズンで中綿がヘタってしまい、ただの大きな布になった
モンスターパーカーがおすすめな人
モンスターパーカーは万人受けするアイテムではありませんが、ハマる人にはとことんハマる最強のアウターです。 具体的にどんな人におすすめなのか、その特徴を挙げてみます。
寒がりで冬の重ね着が面倒な人
これが最大のメリットです。 朝、服を選ぶのが面倒でも、適当な部屋着の上からモンスターパーカーを羽織るだけで外出できます。 コンビニに行くだけでも、ゴミ出しに行くだけでも、一瞬で完全防備になれるのは本当に便利です。 寒さが苦手で、冬はどうしても出不精になってしまうという人には、行動範囲を広げてくれる救世主になるはずです。
カバンを持ち歩きたくない手ぶら派の人
モンスターパーカーの内側には、メッシュ素材の巨大なポケットがついていることが多いです。 これ、元々は濡れた手袋などを体温で乾かすためのポケットなんですが、収納力が半端じゃありません。 財布、スマホ、ペットボトル、なんならタブレットくらいなら余裕で入ります。 休日は手ぶらで出かけたいというミニマリスト志向の人には、着るバッグとして活躍してくれます 。
ミリタリーやストリートファッションが好きな人
やはりこのアイテムの真骨頂は、武骨なミリタリー感にあります。 ワイドパンツやカーゴパンツと合わせて、あえてズルズルとしたルーズなシルエットを楽しむスタイルが好きな人にはたまらないでしょう。 流行り廃りがあるとはいえ、ミリタリーアイテムとしての地位は確立されているので、好きな人はずっと着続けられる普遍的なかっこよさがあります。
モンスターパーカーがおすすめできない人
一方で、買ってから後悔する可能性が高い人もいます。 自分が当てはまっていないかチェックしてみてください。
骨格ストレートタイプの人
骨格診断でストレートタイプと言われる人は、上半身に厚みがあり、首が短めな傾向があります。 モンスターパーカーは首元にボリュームがあり、上半身をさらに大きく見せるデザインなので、骨格ストレートの人が着ると着膨れ事故が起きやすいです。 どうしても着たい場合は、前を開けて縦のラインを作ったり、あえてサイズを下げてスッキリ見せたりする工夫が必要です。
車移動がメインの人
地方に住んでいて、移動はほとんど車という人にはあまりおすすめできません。 丈が長くてボリュームがあるので、着たままシートベルトをするのが大変ですし、運転席でモコモコして動きにくいです。 乗り降りのたびに脱ぎ着するのも、あの巨大な布の塊を狭い車内で扱うのは結構なストレスになります。 車移動なら、丈の短いブルゾンタイプのハッピージャケットの方が使い勝手が良いでしょう 。
きれいめコーデが好きな人
普段、チェスターコートやトレンチコートのような、シュッとしたきれいめな服を着ている人には合わせにくいです。 モンスターパーカーはカジュアル度が100点満点中120点くらいのアイテムなので、きれいめな服と合わせるとチグハグになりがちです。 外しアイテムとして使う高度なテクニックもありますが、基本的にはカジュアル全振りの服だと思っておいた方が無難です。
モンスターパーカーのおすすめポイント
ダサいと言われる理由も理解した上で、それでもやっぱりモンスターパーカーが良い!という人のために、このアイテムならではの推しポイントを紹介します。 他のアウターにはない魅力がたくさんあるんです。
天然ダウンにはない機能性素材
多くのモンスターパーカーには、プリマロフトという高機能中綿が使われています。 これはダウンの弱点である水濡れに強く、濡れても保温力が落ちないという魔法のような素材です。 しかも、ダウンのように羽が飛び出してくることもありませんし、汚れたら家の洗濯機で洗えるものも多いです 。 気を使わずにガシガシ使えるタフさは、日常使いのアウターとして最強のポイントです。
インナーを選ばない包容力
身幅とアームホールが広いので、中に何を着ていても羽織れます。 最近流行りのビッグシルエットのパーカーや、厚手のローゲージニットを着ても、脇の下が窮屈になることがありません。 スーツの上からでも羽織れるので、意外と通勤アウターとして使っている人もいます。 どんな服の上からでもバサッと羽織れる安心感は、一度味わうと手放せなくなります。
独自のレイヤリングを楽しめる
ダブルジップ仕様になっているものが多いので、着こなしの幅が広がります。 上まで閉めて首元を温めつつ、下のジップを開けてAラインを強調すれば、重たい印象を軽減できます。 インナーの色をチラ見せしたり、パンツのポケットに手を入れやすくしたりと、機能的かつおしゃれな着こなしが楽しめます 。
モンスターパーカーのおすすめアイテム
最後に、今買うならこれ!という間違いのないモデルをいくつか紹介します。 予算や用途に合わせて選んでみてください。
WILD THINGS(ワイルドシングス)
モンスターパーカーといえばこれ、というくらいの王道ブランドです。 米軍への納入実績もある本物志向のブランドですが、街着として着やすいようにシルエットや素材がアップデートされています。 表面の生地は撥水加工がされていてマットな質感ですし、中綿のプリマロフトもたっぷり入っていて高級感があります。 左袖のロゴがマジックテープで取り外せる遊び心も良いですね。 値段は5万円前後と安くはないですが、リセールバリューも高いですし、長く着たいなら絶対にこれがおすすめです 。
WORKMAN(ワークマン)
コスパ最強なのがワークマンのリトルモンスターパーカーです。 なんと4,900円という驚異的な価格で買えます。 火の粉に強いフレイムテックという加工がされているので、冬キャンプで焚き火をするときには最適です。 中綿には吸湿発熱わたを配合したフュージョンダウンを使っていて、暖かさも申し分ありません。 本家に比べると少し丈が短くてコンパクトな作りなので、街着としても使いやすいサイズ感になっています。 まずは試しに着てみたいという人や、汚れてもいいアウトドア用を探している人にはベストバイです 。
HOUSTON(ヒューストン)
ミリタリーブランドの老舗、ヒューストンのモデルも人気があります。 ここの特徴は、よりオリジナルの軍モノに近い武骨なデザインです。 サイズ感もかなり大きめで、本物の米軍放出品のような雰囲気を楽しめます。 それでいて価格はワイルドシングスより控えめなので、本格的なミリタリー感が欲しいけど予算は抑えたいという人にぴったりです。
まとめ
モンスターパーカーがダサいと言われる理由は、主にその独特な巨大シルエットによる着こなしの難しさや、安価な類似品の氾濫によるイメージダウンにありました。 でも、それは裏を返せば、他にはない圧倒的な機能性と存在感を持っているということでもあります。
サイズ選びに気をつけて、自分のライフスタイルに合っているかを考えれば、これほど頼りになる冬の相棒はいません。 雪だるまと言われようが、寝袋と言われようが、寒さ知らずで快適に過ごせるならそれが一番ですよね。
流行り廃りを気にするよりも、このモンスター級の暖かさを味方につけて、冬のファッションを自由に楽しんでみてはいかがでしょうか。 きっと、一度着たらその快適さから抜け出せなくなりますよ。

