コロンとした愛らしいフォルムと、使い込むほどに深まる色艶が魅力の革財布、エムピウのミッレフォッリエ。SNSやYouTubeで見かけて、その独特なギミックに心を奪われた人も多いはずです。
でも、検索窓に名前を入れるとダサいとか、使いにくいといったちょっと不安になる言葉が出てきてドキッとしませんでしたか?
決して安い買い物ではないからこそ、買ってから後悔したくないですよね。そこでこの記事では、ミッレフォッリエがなぜ一部でダサいと言われてしまうのか、その理由とリアルな評判を包み隠さず解説します。気になっているけどあと一歩が踏み出せない、そんなあなたのモヤモヤを解消します。
エムピウのミッレフォッリエとは?
エムピウ(m+)は、元建築家の村上雄一郎さんが立ち上げた日本の革製品ブランドです。その中でも代名詞といえるのが、このミッレフォッリエという財布です。
名前の由来はイタリア語で1000枚の紙の束という意味だそうで、その名の通り、カードやお金をコンパクトに重ねて収納できるのが最大の特徴です。
普通の財布と大きく違うのは、その構造です。建築家ならではの視点で設計されていて、ギボシという金具ひとつで留める一枚革の巻き物のような形をしています。財布というよりは、小さな道具箱のような雰囲気ですね。
今はとにかく人気がありすぎて、公式サイトでは抽選販売が当たり前、入荷しても数分で売り切れてしまうほどの入手困難なアイテムになっています。
エムピウのミッレフォッリエがダサいと言われている理由
これだけ人気があるのに、なぜかダサいという声も聞こえてきます。実際の口コミやSNSの声を深く掘り下げてみると、単なる悪口ではなく、この財布特有の理由が見えてきました。
形が分厚くてスマートじゃないから
今の流行りはキャッシュレスで、財布もどんどん薄く小さくなっていますよね。スマホとカードケースだけで出かける人も増えました。そんな中で、ミッレフォッリエは厚みが2.5センチから3センチほどあります。
この厚みが、薄い財布に慣れた人から見ると野暮ったいとか、時代遅れに見えてしまうようです。特にスーツのポケットに入れたときにボコッと膨らんでしまうので、スタイリッシュさを求める人には不評なことがあります。レンガみたいだなんて言われることもありますが、逆にこのコロンとした塊感が可愛いという人もいるので、好みがはっきり分かれるポイントですね。
傷だらけで安っぽく見える誤解
ミッレフォッリエに使われている革は、イタリア製の植物タンニン鞣し革という素材です。これは使い込むと素晴らしい色に変化するのですが、使い始めはとにかく傷がつきやすいんです。
ちょっと爪が当たっただけで白い筋のような傷がつきます。革製品に詳しくない人がこれを見ると、作りが雑なんじゃないかとか、安っぽい素材を使っているんじゃないかと勘違いしてしまうことがあります。
実際は、この傷さえも馴染んで味になっていくのが醍醐味なのですが、新品のピカピカな状態をずっと保ちたい人にとっては、すぐに傷だらけになる見た目が受け入れられないのかもしれません。
流行りすぎていて人と被るのが恥ずかしい
InstagramやTikTokでバズりすぎてしまった弊害とも言えますが、あまりにも多くの人が持っているため、量産型とか、流行りに乗っかっただけと思われるのが恥ずかしいと感じる人もいます。
特にファッションにこだわりがある人は、みんなが持っているアイテムを避けたがる傾向があります。知る人ぞ知る通なブランドだったはずが、有名になりすぎてしまったことで、逆に持つのが恥ずかしいと感じてしまう現象が起きているようです。
エムピウのミッレフォッリエの評判・口コミ
では、実際に使っている人たちはどう感じているのでしょうか。YouTubeの長期使用レビューやSNSのリアルな声を調べてみました。良いところも悪いところも、忖度なしで紹介します。
良い口コミ
- お会計のときに小銭とカードとお札が一度に見渡せるので、レジ前でもたつくことがなくなった
- 最初は硬かった革が、半年くらいで手に吸い付くように馴染んできて、もう他の財布には戻れない
- グリージョ(緑色)を使っているが、使い込むと深い黒緑色に変化して、その渋さがたまらなくかっこいい
- 箱型の小銭入れがガバッと開くので、中身がすごく見やすくて取り出しやすい
- ズボンの後ろポケットにも入るサイズ感なのに、容量がたっぷりあって困らない
悪い口コミ
- 使い始めの革が硬すぎて、ギボシを留めるのに力がいるし、片手で開けられなくてストレス
- お尻のポケットに入れていると、表面がツルツル滑って、座った拍子にポロっと落ちることがある
- カードをまとめてガサッと入れるタイプなので、目当てのカードを探すのに少し手間取る
- お札の端っこが折れ曲がりやすいので、自販機に入れるときに少し入れにくいことがある
- 傷がつきやすすぎて、カバンの中に鍵と一緒に入れておいたら傷だらけになってショックだった
エムピウのミッレフォッリエがおすすめな人
ミッレフォッリエは正直、誰にでもおすすめできる財布ではありません。でも、ハマる人にはとことんハマる財布です。
革を育てる過程を楽しめる人
この財布の最大の魅力はエイジング、つまり経年変化です。最初はマットな質感だった革が、使ううちに手の油分でテカテカに輝き始め、色も濃くなっていきます。
先ほど触れた傷も、指で撫でているうちに馴染んで消えていきます。そうやって自分だけの道具に育っていく過程を愛おしいと思える人なら、間違いなく最高の相棒になります。
現金もカードもバランスよく持ちたい人
完全キャッシュレスにするのはまだ不安だけど、長財布ほど大きなものは持ちたくない。そんな人にぴったりです。
小銭も15枚くらい入りますし、お札も10枚以上、カードも15枚ほど入ります。コンパクトなのに収納力は長財布並みという、矛盾した願いを叶えてくれるのがミッレフォッリエです。ラーメン屋さんの券売機や駐車場など、まだ現金が必要な場面が多い生活スタイルの人には最適です。
アナログなギミックが好きな人
ギボシを外して、パカッと開いて、一枚革をめくる。この一連の動作にワクワクできる人におすすめです。
ファスナーでジャッと開けるだけの財布にはない、ちょっとした儀式のような手間があります。それを面倒だと思わず、道具を使っている感覚として楽しめる人には、たまらない魅力があります。
エムピウのミッレフォッリエがおすすめできない人
逆に、買ってから後悔してしまう可能性が高いのはこんな人です。
常に新品のような綺麗さを求める人
高級ブランドのバッグのように、いつまでも傷ひとつない綺麗な状態を保ちたい人には向きません。
ミッレフォッリエは、傷やシミも歴史として刻んでいくタイプの財布です。水に濡れればシミになりますし、爪で引っ掻けば跡が残ります。それを汚れや劣化と感じてしまうと、使うたびにストレスが溜まってしまいます。
ズボンのポケットを膨らませたくない人
スーツのラインを崩したくない、ポケットは常にフラットにしておきたいという人には、この財布の厚みは邪魔になります。
特にタイトなパンツを履く人は、ポケットに入れるとかなり目立ちます。カバンを持たずに手ぶらで歩きたいけど、ポケットが膨らむのは嫌だという人は、もっと薄型のマネークリップなどを選んだほうが幸せになれるでしょう。
ブランドのロゴでステータスを感じたい人
エムピウのロゴは、財布の内側に小さく刻印されているだけで、外側からはどこのブランドか分かりません。
誰が見ても分かるハイブランドのロゴが欲しい、財布を取り出したときに周りにアピールしたいという人には物足りないでしょう。あくまで自分のために持つ、自己満足の世界を楽しめる人向けのアイテムです。
エムピウのミッレフォッリエのおすすめポイント
他の財布にはない、ミッレフォッリエならではの魅力的なポイントを整理してみました。
視認性が抜群の全方位アクセス
財布を開いた瞬間、どこに何があるかが一目でわかります。小銭入れ、カード入れ、お札入れがすべて同じ方向を向いているので、財布を持ち替えたり裏返したりする必要がありません。
これに慣れてしまうと、小銭とお札を出すために財布をひっくり返さなきゃいけない普通の財布が面倒に感じてしまうほどです。
驚くほど小さくなるのに大容量
見た目はトランプの箱くらいのサイズ感ですが、飲み込んでしまう容量は凄まじいです。
特に小銭入れの使い勝手は秀逸で、立ち上がりがあるので小銭をジャラッと広げて探すことができます。普通のコンパクト財布だと小銭入れが狭くて指が入らないことが多いですが、ミッレフォッリエならそのストレスがありません。
豊富なカラーバリエーション
革の種類や色の組み合わせがとにかく豊富です。外側と内側で違う色の革を使っているモデルも多く、開けたときのコントラストがおしゃれです。
定番のリスシオやブッテーロといった革だけでなく、表面をわざと毛羽立たせたプエブロや、格子状のひっかき傷をつけたクアドレッティなど、質感のバリエーションも多いので、自分好みの一つを見つける楽しさがあります。
エムピウのミッレフォッリエのおすすめアイテム
最後に、ミッレフォッリエの中でも特におすすめのモデルを紹介します。
millefoglie II P25
これが一番の定番モデルです。P25というのは厚みが25mmという意味で、収納力と携帯性のバランスが最も優れています。
革の種類も一番多く展開されているので、初めてミッレフォッリエを買うならまずはこれを選べば間違いありません。特にグリージョ(緑)やコニャック(茶)などの色は、エイジングの変化がわかりやすくて人気があります。
millefoglie II P25 クアドレッティ
こちらは革の表面に格子状のスクラッチ加工が施されたモデルです。
最初からザラザラとした質感なので、使い始めの傷が目立ちにくいというメリットがあります。使っていくうちにスクラッチが寝てきて、ツヤツヤに変化していく様子は圧巻です。傷を気にする人にはこちらのモデルがおすすめです。
millefoglie II P30
P25よりもさらに収納力を増やしたモデルです。カードを30枚以上持ち歩きたいという人はこちら。
ただし、厚みが30mmになるので、かなり存在感が出ます。ポケットに入れるのは少し厳しくなるので、普段カバンに入れて持ち歩く人向けです。
まとめ
エムピウのミッレフォッリエがダサいと言われるのは、その独特な厚みや、使い始めの傷つきやすさ、そして人気がありすぎることへの反動が理由でした。
でも、それは裏を返せば、他にはない個性と、育てる楽しみがあるということでもあります。
最初は硬くて使いにくいと感じるかもしれませんが、1ヶ月、半年と使ううちに、自分の手の形に馴染み、世界に一つだけの色艶に変わっていきます。その頃には、ダサいなんて言葉は全く気にならなくなっているはずです。
もしあなたが、ただお金を入れるだけの道具ではなく、一緒に歳を重ねていける相棒を探しているなら、ミッレフォッリエはきっと最良の選択になりますよ。


