最近、街中やSNSでジェンダーレスなファッションを見かける機会が増えてきました。その中でも特に異彩を放っているのがメンズスカートです。
モードな雰囲気でかっこいいと感じる一方で、正直なところ「メンズスカートはダサいんじゃないか」「自分が履いたら変な目で見られるかも」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、メンズスカートがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を徹底的に解説します。また、SNSやYouTubeなどの生の声を分析し、おすすめできる人とできない人を分け隔てなくお伝えします。メンズスカートに挑戦しようか迷っている人はぜひ参考にしてください。
メンズスカートとは?
メンズスカートとは、その名の通り男性向けにデザインされたスカートや、スカートのように見えるボトムスのことです。
一見すると最近の奇抜な流行のように思えるかもしれませんが、実は歴史は古く、スコットランドのキルトや日本の袴など、男性がスカート状のものを履く文化は昔から存在していました。
現代においては、Rick OwensやYohji Yamamotoといったハイブランドがコレクションで発表したことをきっかけに、ファッション感度の高い層に広まりました。最近ではGUやユニクロなどのファストファッションでも、スカートのように見えるスーパーワイドパンツや袴パンツが販売されており、少しずつ身近な存在になりつつあります。
メンズスカートがダサいと言われている理由
ファッション界では一定の評価を得ているメンズスカートですが、一般層からはダサい、痛いといった厳しい声が上がっているのも事実です。なぜそこまでネガティブな評価を受けてしまうのでしょうか。SNSや口コミをリサーチしてみると、いくつかの明確な理由が見えてきました。
女装しているように見えて違和感がある
もっとも多い意見が、単に女性の服を男性が着ているだけに見えるというものです。
ファッションとしての意図が伝わらず、見ている側が目のやり場に困ってしまうという声があります。特に、フリルやレースがついたデザインや、膝が見える丈のものを履くと、どうしても女装趣味との境界線があいまいになります。
男性らしさと女性らしいアイテムがちぐはぐに組み合わさることで、見ている人の脳内で処理しきれず、結果としてダサい、気持ち悪いという拒絶反応につながってしまうのです。
清潔感がなく生理的に受け付けない
メンズスカートを履く上で避けて通れないのが、すね毛の問題です。
スカートの裾から処理されていないすね毛が見えると、不潔だという印象を強烈に与えてしまいます。スカートというアイテムが持つ女性的で綺麗なイメージと、すね毛という男性的で野性的な要素が衝突することで、生理的な嫌悪感を引き起こすようです。
SNS上でも、汚い、マナー違反だという辛辣な意見が散見されました。ファッション以前にエチケットの問題として捉えられていることが多いですね。
スタイリングのバランスが悪く子供っぽい
スカートとズボンを重ね着するレイヤードスタイルや、フェイクレイヤードのパンツでよくある失敗です。
特に30代や40代の男性が、赤やチェック柄などの派手なレイヤードパンツを履くと、昔のヴィジュアル系バンドの真似事や、中二病をこじらせた大人のように見えてしまいます。
また、トップスの丈とスカートの丈のバランスが悪いと、足が短く見えてスタイルが悪化します。これが安っぽさや野暮ったさを助長し、ダサいという評価を決定づけているようです。
時代遅れの流行を引きずっている
数年前にジェンダーレス男子という言葉が流行った時期がありましたが、その頃のイメージを引きずっていると思われることもあります。
トレンドは常に変化しています。当時流行ったようなペラペラの生地のスカートを今履いていると、アップデートされていない古い人という烙印を押されてしまいます。
特にファッションに敏感な若者からは、終わったコンテンツだと思われているフシがあり、今さらスカートを履くのはセンスがないと判断されるリスクがあります。
メンズスカートの評判・口コミ
では、実際にメンズスカートやそれに近いアイテムに対する世間の評判はどうなのでしょうか。SNSやレビューサイトから、肯定的な意見と否定的な意見をそれぞれ集めてみました。
良い口コミ
まずは好意的な意見からです。うまく着こなせている人や、機能性を評価する声がありました。
- 黒で統一したモードなスタイルなら、独特な雰囲気があってとてもかっこいい
- 夏場は通気性がよくて、一度履くとズボンに戻れないくらい涼しい
- GUのスーパーワイドカーゴパンツなど、スカート見えする太いパンツはシルエットがきれいで足長効果がある
- 人と被らないファッションができるので、個性を出したい時には最適
- ジェンダーレスの時代だし、男性がスカートを履いても自由だと思う
ファッションとして完成されている場合や、実用的なメリットを感じている人からは高く評価されています。
悪い口コミ
一方で、やはり厳しい意見も多く見られます。こちらは感情的な拒否反応も含まれているようです。
- どうしても女性の服を着ているようにしか見えなくて、隣を歩くのが恥ずかしい
- 生地が安っぽいと、お風呂上がりのバスタオルを巻いているみたいに見える
- 理解不能なファッションすぎて、おしゃれというより変な人だと思ってしまう
- トイレの時どうしているのか気になってしまうし、見てはいけないものを見た気分になる
- 自分に酔っている感じが透けて見えて、ナルシストっぽくて痛い
特に女性からの意見として、デートで履いてこられたら困るという声が目立ちました。TPOや相手への配慮が欠けていると判断されるようです。
メンズスカートがおすすめな人
ここまでの内容を踏まえると、メンズスカートは誰にでもおすすめできるアイテムではありません。しかし、条件を満たす人にとっては強力な武器になります。メンズスカートがおすすめな人を3つのポイントでわけてみました。
モード系ファッションを愛する人
Yohji YamamotoやComme des Garçons、Rick Owensといったブランドの世界観が好きな人には強くおすすめできます。
これらのブランドは、単なるスカートではなく、構築的なデザインや上質な素材を使って男性のための新しいスタイルを提案しています。全身を黒で統一したり、ボリュームのあるブーツを合わせたりして、独自の世界観を作り上げることができる人であれば、ダサいと言われることはまずありません。
徹底した身だしなみができる人
スカートを履くための準備を怠らない人です。
具体的には、足の毛をきれいに処理するか、あるいはレギンスやタイツを着用して肌を露出しない工夫ができる人です。清潔感を最優先に考え、周りの人を不快にさせない配慮ができるなら、メンズスカートを履きこなす資格があります。
周囲の目を気にしない強いメンタルがある人
最終的にはこれに尽きます。どれだけおしゃれに着こなしても、理解できない人は必ずいます。
そんな視線を浴びても動じず、これが自分のスタイルだと堂々と振る舞える人です。自信のなさは姿勢や歩き方に現れ、それがダサく見える原因になります。自分のファッションに誇りを持てる人にはおすすめです。
メンズスカートがおすすめできない人
逆に、次のような人はメンズスカートに手を出すと失敗する可能性が高いです。安易に挑戦して火傷しないように注意しましょう。
女性ウケやモテを意識している人
もしあなたが、女性にモテたい、合コンで好印象を与えたいと思って服を選んでいるなら、メンズスカートは絶対に避けるべきです。
多くの女性は、男性に対して清潔感やシンプルさを求めています。スカートのような奇抜なアイテムは、警戒心や困惑を与えるだけで、恋愛対象としての評価を下げる要因になりかねません。無難にスラックスやデニムを選んだ方が賢明です。
安いアイテムで済ませようとする人
とりあえず安いからといって、ペラペラの生地のスカートを買おうとしている人はやめておきましょう。
メンズスカートにおいて、生地の厚みや質感は命です。安価な化学繊維のスカートは、歩いた時の布の動きが軽く、どうしても安っぽく見えてしまいます。それがコスプレ感やバスタオル感につながります。投資できないなら手を出さないのが無難です。
自分の顔タイプや骨格に合っていない人
顔立ちが男らしくて骨格がしっかりしている人が、柔らかい素材や可愛らしいデザインのスカートを履くと、強烈な違和感が生まれます。
いわゆる男顔の人がフェミニンなアイテムを取り入れるのは難易度が非常に高いです。自分の顔立ちや体型を客観的に見て、似合わない要素が多いと感じるなら、無理にスカートを選ぶ必要はありません。
メンズスカートのおすすめポイント
ここまで厳しいこともお伝えしましたが、メンズスカートには他にはない魅力もあります。ハマる人にはとことんハマる、そのメリットをご紹介します。
唯一無二のシルエットが作れる
一般的なパンツでは出せない、Aラインのシルエットを作ることができます。
トップスをコンパクトにしてボトムスにボリュームを持たせることで、スタイルにメリハリが生まれます。特にレイヤードスタイルや袴パンツのようなワイドなシルエットは、重心を低く見せ、どっしりとした安定感のあるかっこよさを演出できます。
圧倒的な涼しさと快適さ
実際に履いている人たちが口を揃えて言うのが、夏場の快適さです。
ズボンのように股下が密着していないため、通気性が抜群によく、熱がこもりません。日本の高温多湿な夏において、この機能性は大きなメリットです。一度この涼しさを知ってしまうと、スキニーパンツには戻れないという声も納得です。
既成概念にとらわれない自由な表現
ファッションは自己表現の手段です。男だからズボンという固定観念を捨て、自分が着たいものを着るという行為自体が、精神的な自由をもたらします。
周りと同じような量産型のファッションに飽きてしまった人にとって、メンズスカートは新しい自分を発見するきっかけになるかもしれません。
メンズスカートのおすすめアイテム
いきなり本格的なスカートはハードルが高いという人のために、メンズスカートの要素を取り入れつつ、ダサくなりにくいおすすめのアイテムを紹介します。
HAREや無印良品の袴パンツ
スカートに抵抗がある人におすすめなのが、袴(ハカマ)パンツです。
日本独自の和装をベースにしているため、日本人の体型や雰囲気に馴染みやすく、スカートのような見た目でありながらパンツとして履くことができます。HAREや無印良品などから展開されており、プリーツが入ったデザインなどは上品でモードな印象を与えます。
GUのスーパーワイドカーゴパンツ
もっとカジュアルに取り入れたいなら、GUなどのスーパーワイドカーゴパンツが優秀です。
極太のシルエットは、遠目に見るとスカートのようなAラインを描きますが、あくまでカーゴパンツなので男らしさもキープできます。生地もしっかりしており、安っぽく見えにくいのが特徴です。入門編として最適でしょう。
ブラックのレイヤードパンツ
どうしてもスカートを履きたい場合は、パンツとスカートが一体化したレイヤードパンツを選びましょう。
ただし、色は絶対に黒(ブラック)がおすすめです。黒なら素材のアラが目立ちにくく、シルエットが引き締まって見えます。派手な柄や装飾が入っていない、シンプルなデザインのものを選ぶのが失敗しないコツです[]。
まとめ
メンズスカートは、着こなしの難易度が高く、世間の評価も賛否両論あるアイテムです。
中途半端な気持ちやスタイリングで取り入れると、「ダサい」「不潔」といったレッテルを貼られてしまうリスクがあります。特に、清潔感の欠如やTPOを無視した着用は避けるべきです。
しかし、自分のキャラクターやスタイルを理解し、素材選びやシルエットにこだわれば、誰とも被らない洗練されたファッションを楽しむことができます。
もし挑戦する場合は、まずは黒の袴パンツやワイドパンツから始めて、少しずつ自分に似合うバランスを見つけていくのが良いでしょう。周りの声に惑わされず、あなたが心から楽しめるファッションを見つけてくださいね。

