赤いスカイラインのロゴでおなじみのマンハッタンポーテージ。街を歩けば必ずと言っていいほど見かけるこのブランドは、丈夫で使い勝手が良く、長年にわたって多くの人に愛され続けています。
しかし、ネットで検索しようとすると「ダサい」というキーワードが出てきて、ドキッとしたことはないでしょうか。
「これから買おうと思っているけど、周りにダサいと思われるのは嫌だ」 「年齢的にマンハッタンポーテージを持つのは痛いのだろうか?」
そんな不安を抱えている人もいるかもしれません。
そこで本記事では、なぜマンハッタンポーテージが一部でダサいと言われてしまうのか、そのリアルな理由を徹底的に深掘りしました。SNSや実際のユーザーの声を集めていくと、単なるデザインの問題だけではない、意外な理由が見えてきました。おすすめできる人や、絶対に失敗しないための選び方も解説しますので、購入を迷っている人はぜひ参考にしてください。
マンハッタンポーテージとは?
まずは、マンハッタンポーテージというブランドについて簡単におさらいしておきましょう。
1983年にニューヨークで誕生したこのブランドは、New York Toughという哲学を掲げています。創業当時、ニューヨークのメッセンジャー(自転車便)たちが過酷な業務に耐えられるバッグを求めていたことから、耐久性に優れたコーデュラナイロンを使用したバッグを作り始めました。
日本では90年代からストリートファッションの定番として定着し、現在ではメッセンジャーバッグだけでなく、リュックやサコッシュなど幅広いラインナップを展開しています。シンプルで無駄のないデザインと、とにかく頑丈であることが最大の特徴です。
マンハッタンポーテージがダサいと言われている理由
ここからが本題です。これほど人気のあるマンハッタンポーテージが、なぜ一部でダサい、時代遅れと言われてしまうのでしょうか。
SNSでのつぶやきや口コミサイト、YouTubeのコメントなどの一次情報を徹底的にリサーチした結果、いくつかの明確な理由が浮かび上がってきました。ブランド自体の品質が悪いわけではなく、人気ブランドゆえの特有の現象が大きく関係しているようです。
大学生の制服化(量産型)による「被り」への抵抗感
最も多く見られた意見は、あまりにも多くの人が持っていることによる量産型というイメージです。
特に春先の大学キャンパスや街中では、黒いリュックに赤いタグがついたマンハッタンポーテージを背負った学生を大量に見かけます。これをネットスラングで「量産型大学生」と呼ぶことがあり、個性がなく、みんなと同じ格好をしている=ダサい、と捉えられてしまうことがあります。
社会人やファッションにこだわりがある層からすると、あまりに普及しすぎたアイテムは「あえて選ぶものではない」と判断されがちです。「あ、あの人も持ってる」「これ持ってる人、今日だけで5人見た」という状況が、特別感を薄れさせてしまっているのです。
赤いロゴタグが子供っぽく見える
マンハッタンポーテージのアイデンティティである赤いロゴタグですが、これが好みを分ける大きな要因になっています。
黒いボディに真っ赤なタグは視認性が高く、遠くからでもブランドを認識できます。しかし、このコントラストの強さが「子供っぽい」「カジュアルすぎる」と感じる人もいます。
特にスーツやきれいめのジャケットスタイルにこの赤いタグが入ると、どうしてもチグハグな印象になりがちです。「学生時代に使っていたバッグ」というイメージが強いため、30代や40代の大人が持っていると「若作りしているのでは?」「学生気分が抜けていないのでは?」と厳しい目で見られてしまうことがあるようです。
マジックテープの「バリバリ音」が気まずい
これはデザインの話ではありませんが、マンハッタンポーテージ特有の「ダサい(というか恥ずかしい)瞬間」として多くのユーザーが挙げていたのが、フラップ(蓋)を開ける時の音です。
定番のメッセンジャーバッグは、強力なマジックテープ(ベルクロ)で開閉する仕様になっています。これが非常に強力で、静かな教室や図書館、おしゃれなカフェなどで荷物を取り出そうとすると、「バリバリバリ!」と盛大な音が響き渡ります。
この音が周囲の注目を集めてしまい、「うわ、あの音だ」と思われるのが恥ずかしいという意見がSNSや知恵袋などで多数見られました。機能性を追求した結果なのですが、現代の静かな都市生活においては、この「バリバリ音」がスマートではない=ダサい、と感じる要因の一つになっているようです。
過去のブームのイメージが強すぎる
2010年頃に流行した「ピストバイク(ブレーキのない自転車)」ブームの際、多くの人がマンハッタンポーテージのメッセンジャーバッグを背負って街を走っていました。
当時を知る人からすると、その時の流行の印象が強烈に残っています。そのため、今改めてそのスタイルを見ると「懐かしい」「一昔前の流行」と感じてしまい、結果として「時代遅れ(=ダサい)」という評価につながることがあります。ファッションのトレンドサイクルの中で、定番として定着するまでの過渡期に見られる現象とも言えます。
マンハッタンポーテージの評判・口コミ
では、実際に使っているユーザーはどう感じているのでしょうか。ネット上の膨大な口コミの中から、具体的で参考になる声をピックアップして整理しました。
良い口コミ
- とにかく丈夫で壊れない。5年以上使っているが、生地が擦り切れる気配すらなくてコスパが最高に良い。
- どんな服にも合わせやすい。シンプルな黒のデザインなので、休日のカジュアルな服装なら悩まずに持てる。
- 荷物がたくさん入る。仕切りが少ない分、弁当箱や着替えなどかさばるものもガサッと入れられて便利。
- ブラックレーベル(Black Label)なら大人でも恥ずかしくない。ロゴも黒で統一されていて高級感があり、ビジネスでも使える。
- 雨に強い。多少の雨なら中身が濡れることがないので、自転車通勤の味方になっている。
悪い口コミ
- 街中で他人と被る率が異常に高い。電車で目の前の人も同じリュックを背負っていて気まずかった。
- マジックテープの音がうるさすぎて静かな場所で開けられない。自分で100均のマグネットを買って改造した。
- 服の素材によっては、バッグと擦れて毛玉ができる。特にニットやウールコートの時は注意が必要。
- 内ポケットが少なくて小物が迷子になる。バッグインバッグを使わないと中身がぐちゃぐちゃになる。
- 赤いタグが主張しすぎていて、きれいめの服に合わせるとそこだけ浮いて見える。
マンハッタンポーテージがおすすめな人
ダサいと言われる理由や口コミを見てきましたが、それでもマンハッタンポーテージは非常に優れたプロダクトであることに変わりはありません。以下のような人には、自信を持っておすすめできます。
1. 道具としての「頑丈さ」を最優先する人
ファッション性よりも、とにかくガシガシ使える道具としてのバッグを求めている人には最適です。
使用されている「コーデュラナイロン1000D」という素材は、通常のナイロンの約7倍の強度があると言われています。地面に置いても、多少手荒に扱ってもビクともしません。汚れもつきにくく、汚れても拭けば落ちる。この気楽さは一度味わうと手放せません。「良いものを長く使いたい」という実用主義の人にはこれ以上の相棒はいません。
2. 自転車やバイクで移動することが多い人
ブランドのルーツがメッセンジャーであるため、移動中の使い勝手は抜群です。
体にフィットするように調整できるストラップや、背負ったまま中身を取り出せる機動性は、自転車通勤や通学をする人にとって大きなメリットです。リュックタイプも背中の通気性や固定力が考慮されており、アクティブなライフスタイルの人には強くおすすめできます。
3. 「ブラックレーベル」を選べる大人
もしあなたが30代以上で、赤いタグに抵抗があるなら、「マンハッタンポーテージ ブラックレーベル(Manhattan Portage BLACK LABEL)」という選択肢があります。
これは従来のラインとは異なり、よりアーバンで洗練されたデザインを提案する大人向けのラインです。ロゴが黒地に黒文字の刺繍やプレートになっており、素材もバリスティックナイロンやツイル生地など、光沢感のある上品なものが使われています。これならビジネススーツに合わせても違和感がなく、「ダサい」と言われる心配もありません。
マンハッタンポーテージがおすすめできない人
逆に、以下のようなタイプの人には、購入前にもう一度検討することをおすすめします。
1. 人と同じものを持ちたくない個性派の人
「量産型」と言われるのが絶対に嫌な人、他人と被ることにストレスを感じる人には向きません。
どんなに限定モデルを選んだとしても、遠目に見れば「マンハッタンポーテージ」であることはすぐに分かります。ブランドの匿名性を好む人や、知る人ぞ知るマイナーブランドを探している人は、他のブランド(例えばCHROMEやMission Workshopなど)を検討した方が幸せになれるかもしれません。
2. 静かな環境で頻繁に荷物を出し入れする人
先述した「マジックテープの音問題」は深刻です。
大学の講義中、静かなオフィス、クラシックコンサートの会場などでバッグを開ける機会が多い場合、あの「バリバリ音」は相当なストレスになります。もちろんバックルタイプやジッパータイプのモデルを選べば解決しますが、定番のメッセンジャーバッグの形が好きで、かつ静音性を求めるなら、自分でカスタムする覚悟が必要です。
3. フォーマルなスーツスタイルが多い人
ブラックレーベルであれば対応可能ですが、通常の「赤タグ」のマンハッタンポーテージは、スーツスタイルには合いません。
カジュアルな要素が強すぎるため、スーツに合わせると「就活生」や「新入社員」のような未熟な印象を与えてしまうリスクがあります。カチッとしたビジネススタイルを好む人は、TUMIやPORTERなどのビジネス特化ブランドの方が無難でしょう。
マンハッタンポーテージのおすすめポイント
ここでは、他のブランドと比較しても頭一つ抜けている、マンハッタンポーテージならではの魅力を深掘りします。
圧倒的なコストパフォーマンス
「安いからダサい」と誤解されることもありますが、品質に対する価格の安さは驚異的です。
1万円台から2万円台で、軍事用品レベルの耐久性を持つバッグが手に入ります。10年使っても壊れないというユーザーも多く、日割り計算(コスト・パー・ウェア)で考えれば、これほど経済的なバッグはそうそうありません。
どんなファッションジャンルにも馴染む「雑味」
洗練されすぎていない、良い意味での「雑味」や「ラフさ」が魅力です。
古着などのアメカジスタイルはもちろん、ストリート、スポーツミックス、そして最近流行のテック系ファッションまで、驚くほど幅広いジャンルに馴染みます。気取っていないデザインだからこそ、日常の風景に溶け込むのです。
豊富なサイズ展開とバリエーション
「メッセンジャーバッグ」と一口に言っても、財布とスマホが入るだけのXXSサイズから、数日分の旅行荷物が入るLサイズまで、サイズ展開が非常に豊富です。自分の荷物の量に合わせてジャストサイズを選べるのは、ユーザー目線に立った大きなメリットです。
マンハッタンポーテージのおすすめアイテム
最後に、「ダサい」と言わせないための、具体的で賢いアイテム選びを紹介します。
Washington SQ Backpack JR(ワシントンSQバックパック)
大学生から社会人まで、現在最も人気のあるモデルの一つです。
四角いスクエア型のシルエットが特徴で、教科書や書類、PCが整理して入れやすい構造になっています。従来の丸みを帯びたリュックよりも都会的でスマートな印象を与えるため、量産型のイメージを避けつつ、実用性を確保したい人におすすめです。
BLACK LABELの「MP1616」シリーズ
大人におすすめしたいのが、ブラックレーベルのメッセンジャーバッグです。
通常のラインよりも少しマチが薄く作られていたり、ポケットが充実していたりと、ビジネスユースを意識した設計になっています。何よりロゴが黒で統一されているため、ジャケットスタイルの内側に斜めがけしても悪目立ちしません。30代以上の男性には特におすすめです。
Vintage Messenger(MP1606VJR)
あえて王道を行くなら、日本人の体型に合わせてリサイズされたこのモデルです。
金属製のバックル(メタルパーツ)を採用している限定モデルなどを選ぶと、通常モデルとは違う重厚感が出ます。これを新品ピカピカの状態で使うのではなく、あえてクタクタになるまで使い込んで、古着のミリタリージャケットなどに合わせると、玄人感が出て非常にかっこいいです。
まとめ
マンハッタンポーテージが「ダサい」と言われる主な理由は、製品の質ではなく、「あまりにも普及しすぎて被りやすいこと」と「赤いタグが子供っぽく見える場合があること」に集約されます。
しかし、それは裏を返せば、「多くの人に選ばれるほど信頼性が高く、使いやすい」という証明でもあります。
- 人との被りを気にするなら、モデル選びを工夫する(バックパック型やブラックレーベルなど)。
- 年齢相応の見え方を気にするなら、赤タグではなく黒タグ(ブラックレーベル)を選ぶ。
- 音の問題は、事前の対策(サイレンサーなど)で解決する。
これらを押さえておけば、マンハッタンポーテージは決してダサいブランドではありません。むしろ、1983年から続くニューヨークのタフな歴史を背負える、頼もしい相棒になってくれるはずです。
周りの声に惑わされすぎず、自分のライフスタイルに合った「最強の日常用バッグ」として、ぜひ手に取ってみてください。

