1832年から続くスイスの老舗時計ブランド、ロンジン。上品なデザインと確かな品質で、世界中に多くのファンがいます。
ただ、ネットやSNSを見ていると、一部でロンジンはダサい、時代遅れだ、といった声もちらほら。
そこでこの記事では、ロンジンがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由をSNSなどの口コミを元に探っていきます。
その上で、どんな人にロンジンがおすすめで、どんな人には合わないのかを解説します。
ロンジンの時計が欲しいけど、周りの目が気になる…と不安な人はぜひ読んでみてください。
ロンジンとは?
ロンジンは、1832年にスイスのサンティミエという場所で生まれた、とても歴史の長い時計ブランドです 。
ブランドの名前は、工場があった土地がフランスの古い言葉で「細長い野原」と呼ばれていたことに由来します 。
翼のついた砂時計のロゴは、1889年から使われている世界で最も古いブランドロゴの一つとして有名です 。このロゴには、過ぎていく時間(砂時計)と未来へ羽ばたく時間(翼)という意味が込められています 。
ロンジンは昔から、飛行機の世界やスポーツの計時と深い関わりを持ってきました。
1896年の最初の近代オリンピックでストップウォッチを提供したり、飛行家チャールズ・リンドバーグの大西洋横断飛行を支えたりと、その正確さで数々の歴史的な瞬間を支えてきたのです 。
現在は世界最大の時計企業スウォッチグループに属し、オメガなどの高級ブランドに次ぐ「ハイレンジ」という位置付けです 。
グループの技術力を活かして、高品質な時計を比較的手に入れやすい価格で提供できるのが、今のロンジンの大きな強みになっています 。
ロンジンがダサいと言われている理由
これほどの実績があるロンジンですが、なぜ一部でダサいとか時代遅れと言われてしまうのでしょうか。その理由を探ってみました。
クラシックなデザインがおじさん時計に見えるから
ロンジンがダサいと言われる一番の理由は、そのデザインにあります。
ロンジンの時計は、流行に流されないクラシックで上品なスタイルが基本です 。
この落ち着いた雰囲気が、特に若い人たちから見ると、少し古臭い、おじさんが着ける時計といったイメージにつながってしまうことがあるようです 。
例えば、マスターコレクションに見られる伝統的な文字盤の模様や青い針は、時計好きにはたまらないデザインです 。
しかし、もっとモダンでインパクトのあるデザインが好きな人にとっては、少し地味で野暮ったいと感じられるのかもしれません。
ただこれは、ロンジンが一時的な流行を追うのではなく、長く愛せる本質的な価値を大切にしている証拠とも言えます。
ステータスをアピールするには価格が中途半端だから
ロンジンの時計は、20万円から50万円台のモデルが中心です 。
高級時計の中では比較的手が届きやすい価格ですが、これが逆にステータス性が低いという印象を与え、人によっては恥ずかしいと感じる原因になっています 。
多くの人が高級時計に求めるものの一つに、社会的成功の証としての役割があります。
ロレックスやオメガなら誰が見ても高級時計だと分かりますが、ロンジンは「少し頑張れば買える」というイメージ。
周りに分かりやすくステータスを示したい人には、少し物足りなく感じられるようです 。
しかし、この価格でこの品質の高さこそが、ロンジンの最大の魅力です 。
実際、ロンジンは世界の時計ブランド売上ランキングで常にトップ10に入るほどの人気ブランド 。
見せびらかすための時計ではなく、本当に良いものを賢く手に入れたい、そんな人に選ばれています。
ムーブメントがETA製で本格的じゃないという誤解
一部の時計マニアの間では、ムーブメントを自社で作っていない時計は本格的ではない、という見方があります。
ロンジンは現在、同じグループ内のETA社という世界最大級のムーブメントメーカーが作ったものを、自社専用に改良して使っています。
この事実から、ムーブメントを外注しているから価値が低い、買ってはいけない、という声が上がることがあります 。
しかし、これは少し違います。
ETA社のムーブメントは非常に信頼性が高く、多くの有名ブランドも採用してきました 。
さらに、ロンジンが使っているのはただの汎用ムーブメントではありません。
例えば、主力ムーブメントのL888は、パワーリザーブが約72時間と長く、磁気にも強いシリコン製ひげゼンマイを使うなど、ロンジンのためだけに特別に作られた高性能なものです 。
これはグループの強みを最大限に活かした戦略で、高い性能の時計を驚くほどの価格で提供できる理由になっています。
いろいろな店で売っていて特別感がないから
ロンジンは高級時計の専門店だけでなく、ビックカメラのような家電量販店や、ドン・キホーテのようなディスカウントストアでも見かけることがあります 。
どこでも手に入りやすいという点が、大衆的なブランドというイメージにつながり、高級時計としての特別感を薄れさせているようです。
一部のブランドが販売店を限定して希少性を高めているのとは対照的ですね。
ただ、これも見方を変えれば、それだけ世界中で人気があり、製品の信頼性が高いということの証明です。
多くの店で扱っている分、購入後のメンテナンスなども相談しやすいというメリットもあります。
ロンジンの評判・口コミ
SNSやレビューサイトで見られる実際のユーザーの声を見てみましょう。
良い口コミ
- 値段からは考えられないくらい高級感があって、仕上げがきれい。コストパフォーマンスが最高 。
- 流行り廃りのないクラシックなデザインで、仕事でもプライベートでも使えるのが良い 。
- 最近のスピリットやハイドロコンクエストは性能がすごく良くなっていて、同じ価格帯の他のブランドを圧倒していると思う 。
- パワーリザーブが約72時間あるから、金曜の夜に外しても月曜の朝まで動いていて便利 。
- 時計に詳しくない人には伝わらないかもしれないけど、そこが逆に通っぽくて所有欲が満たされる 。
悪い口コミ
- デザインが全体的に真面目すぎて、ちょっと遊び心がないかなと感じる 。
- ロレックスとかと比べると、売るときの値段(リセールバリュー)はあまり期待できない 。
- スピリットの一部のモデルは、腕が細い自分には少し大きく感じた 。
- ロレックスやオメガほど有名じゃないから、着けていてもすごい時計だと思われにくい 。
- 同じようなムーブメントを使っているのに、モデルによって値段が結構違うのが少し分かりにくい 。
ロンジンがおすすめな人
では、どんな人にロンジンは向いているのでしょうか。
流行に流されず、長く使える良いものを探している人
ロンジンは、一時的なトレンドよりも、10年後も20年後も使える普遍的なデザインを大切にしています 。
もしあなたが、派手さよりも長く愛せるスタイルを好み、物の背景にあるストーリーを大切にするなら、ロンジンはきっと気に入るはずです。
コスパを重視して、質の高いスイス時計が欲しい人
できるだけ価格を抑えて、でも品質には妥協したくない。
そんな賢い考えを持つ人にとって、ロンジンは最高の選択肢の一つです。
同じ価格帯の他のブランドと比べても、ロンジンの時計の性能は非常に高いことが多いです 。
ブランド名だけで判断せず、時計そのものの性能や作りの良さを見れる人なら、ロンジンの価値が分かるでしょう 。
人に自慢するためではなく、自分のために時計を持ちたい人
ロンジンの魅力は、分かりやすい派手さではなく、その奥ゆかしい上品さと歴史の深さにあります。
腕時計を、他人に見せるための道具ではなく、自分のこだわりや満足感のために持ちたいと考えているなら、ロンジンはぴったりです 。
知る人ぞ知るディテールや、歴史上の冒険家たちが使っていたというロマンは、持ち主だけの密かな楽しみになります 。
ロンジンがおすすめできない人
一方で、ロンジンがあまり向いていない人もいます。
腕時計で自分のステータスを示したい人
腕時計を買う一番の目的が、周りからすごいと思われたい、成功しているように見られたい、ということであれば、ロンジンは少し違うかもしれません。
その上品なデザインは、これ見よがしなアピールには向いていません 。
誰が見ても一目で分かるような、もっと知名度の高いブランドの方が、その目的は達成しやすいでしょう 。
資産価値やリセールバリューを一番に考える人
腕時計を投資対象として見ていて、将来高く売れることを最も重視するなら、ロンジンはおすすめできません。
一部の限定モデルを除けば、ロンジンの時計の価値が購入後上がることはほとんどありません 。
楽しむことより資産価値を優先するなら、市場で人気が高騰している特定のブランドのモデルを探す方が良いでしょう。
個性的でインパクトの強いデザインが好きな人
ロンジンのデザインは、伝統を大切にした落ち着いたものが中心です。
ウブロやリシャール・ミル、G-SHOCKのハイエンドモデルのような、未来的で大胆なデザインが好きな人にとっては、少し物足りなく感じる可能性があります 。
クラシックな雰囲気よりも、常に新しさや刺激を求めるなら、他のブランドの方が好みに合うかもしれません。
ロンジンのおすすめポイント
ロンジンの魅力を3つのポイントに絞って紹介します。
190年以上の歴史がもたらす信頼と物語
ロンジンの時計を持つことは、リンドバーグや多くの冒険家たちが共有した、190年以上の壮大な物語の一部を手にすることでもあります 。
この深く本物の歴史こそが、他のブランドにはないロンジンだけの価値であり、時計への愛着を深めてくれます 。
価格以上の高級感と丁寧な作り
実際にロンジンの時計を手に取ると、その質感の高さに驚くはずです。
きれいに磨かれたケース、立体的なインデックス、光の当たり方で表情が変わる文字盤など、細かい部分まで丁寧に作られています 。
多くの専門家もYouTubeなどでその作りの良さを褒めており、見た目にも、着け心地にも満足できるでしょう 。
どんなスタイルにも合う豊富なラインナップ
ロンジンのもう一つの強みは、コレクションの幅広さです。
本格的なダイバーズウォッチのハイドロコンクエスト、最新技術と歴史を融合したパイロットウォッチのスピリット、クラシックな魅力が詰まったマスターコレクションなど、様々なスタイルが揃っています 。
きっとあなたの好みに合う一本が見つかるはずです 。
ロンジンのおすすめアイテム
数あるロンジンのモデルの中から、特にブランドの魅力を感じられるおすすめの3モデルを紹介します。
【空の冒険のDNAを受け継ぐ】ロンジン スピリット
スピリットは、ロンジンの輝かしいパイロットウォッチの歴史を現代に蘇らせた、今のロンジンを代表する人気コレクションです。
クラシックな見た目ですが、中身は最新技術が満載。
全てのモデルが高精度なムーブメントの証であるクロノメーター認定を受けており、文字盤の5つ星がその品質を物語っています 。
磁気に強く、パワーリザーブも約72時間と実用性も抜群。
特に37mmのモデルは腕への収まりが良く、多くのレビューで高い評価を得ています 。
歴史、デザイン、性能、価格のバランスが取れた傑作です 。
【洗練された本格ダイバーズ】ハイドロコンクエスト
ハイドロコンクエストは、多くのブランドが競い合うダイバーズウォッチ市場で、優れたコストパフォーマンスで人気のモデルです。
300m防水、傷に強いセラミックベゼル、約72時間のパワーリザーブと、本格的なダイバーズウォッチとしての性能を備えています 。
それでいてデザインは都会的で、スーツスタイルにも合わせやすいのが魅力。
初めての機械式時計としても、自信を持っておすすめできる一本です 。
【ブランドの真髄を体現する】マスターコレクション
マスターコレクションは、ロンジンが大切にしてきたクラシックとエレガンスを最も純粋に表現した、ブランドの顔とも言えるコレクションです。
特に、月の満ち欠けがわかるムーンフェイズや、カレンダー、クロノグラフといった複雑な機能を搭載したモデルが魅力 。
他のブランドなら非常に高価になるような複雑時計を、驚くほど手頃な価格で提供しています 。
伝統的な装飾が施された文字盤は芸術品のような美しさで、時計の奥深い世界を楽しみたい人にぴったりです。
まとめ
ロンジンが一部でダサいと言われるのは、そのクラシックなスタイルが、今の流行やステータスを重視する価値観と少しずれているからかもしれません。
落ち着いたデザインは時代遅れと見えたり、手の届きやすい価格がステータス性の低さにつながったりするようです。
しかし、それはロンジンの本当の魅力を見逃しているとも言えます。
ロンジンが目指しているのは、一時的な流行ではなく、時代を超えて愛される本質的な価値です。
そして、その品質を考えれば、驚くほどコストパフォーマンスが高い。
見栄を張るためではなく、本当に良い時計を長く使いたい、そんな賢い大人のための時計です。
結局のところ、ロンジンがダサいかどうかは、その人の価値観次第。
もしあなたが、時計の背景にある物語を楽しみ、価格以上の品質を見抜く目を持っているなら、ロンジンは最高の相棒になるはずです。
周りのイメージだけで判断せず、ぜひ一度、実物を手に取ってその魅力を確かめてみてください。