肌寒い季節の変わり目や、夏の冷房対策として一枚あると便利なロングカーディガン。お尻まですっぽり隠してくれる安心感から、長年愛用している方も多いのではないでしょうか。しかし、ネットやSNSを見ていると、ロングカーディガンはダサい、時代遅れだなんて声を見かけてドキッとしたことはありませんか。
実はおしゃれなアイテムほど流行の移り変わりが激しく、数年前に買ったお気に入りが今のスタイルには合わなくなっていることもあるんです。そこで本記事では、ロングカーディガンがダサいと言われる具体的な理由と、逆におすすめできる人やできない人の特徴を解説します。買い替えを検討している人や、手持ちの服をどう着こなせばいいか迷っている人はぜひ参考にしてください。
ロングカーディガンとは?
ロングカーディガンとは、着丈が膝やお尻が隠れるくらいまである長めのカーディガンのことを指します。一般的な腰丈のカーディガンと比べて布の面積が広い分、アウターのような感覚で羽織れるのが特徴です。2010年代中頃には、スキニーパンツと合わせたスタイルが大流行しましたよね。体型カバーができる便利アイテムとして、今でも多くのアパレルブランドから発売されていますが、その着こなし方や選び方には少し変化が出てきているようです。
ロングカーディガンがダサいと言われている理由
かつては定番だったロングカーディガンですが、なぜ今になってダサいとか、古いと言われてしまうのでしょうか。SNSや口コミなどから生の声をリサーチしてみると、単に流行が去ったというだけでなく、今のファッショントレンドとの相性や、素材選びの難しさなどが関係していることがわかってきました。ここでは、特に多くの人が感じている野暮ったく見えてしまう理由を深掘りしてみます。
昔流行ったバランスのまま時が止まっているように見える
ロングカーディガンがダサいと言われる最大の理由は、全体のシルエットが数年前の流行のまま止まっているように見えることかもしれません。思い出してみてください。ロングカーディガンが爆発的に流行った頃は、足にぴたっとフィットするスキニーパンツやレギンスを合わせるのが主流でしたよね。トップスにボリュームを持たせて、下半身を細く見せるYラインという着こなしです。
でも今は、ワイドパンツやマキシ丈のスカートなど、下半身にボリュームのある服がトレンドの中心です。そこに昔と同じ感覚で中途半端な丈のロングカーディガンを羽織ってしまうと、全体的に重心が下がってしまい、なんだかズルズルとした締まりのない印象になってしまいます。SNSでも、ワイドパンツに膝丈のカーディガンを合わせているのを見てバランスが悪いと感じたという声がありました。今の洋服と合わせたときにチグハグな感じがしてしまうのが、時代遅れに見える原因のようです。
薄手でペラペラな素材が生活感や安っぽさを強調してしまう
もう一つの大きな理由は、素材感の問題です。特に春先や夏場に売られている、UVカット機能をうたった薄手のテロテロとした素材のロングカーディガンには注意が必要かもしれません。こうした素材は肌触りは良いのですが、体のラインを拾いすぎてしまうという弱点があります。
背中のハミ肉や下着のライン、二の腕の形などが丸わかりになってしまい、おしゃれ着というよりは、ちょっとそこまで買い物に来たような生活感が出てしまうんです。また、何度も洗濯を繰り返して裾がヨレヨレになっていたり、毛玉ができたりしていると、どうしても安っぽく見えてしまいます。40代や50代の大人世代からは、薄手のロングカーディガンを着ると一気に所帯じみて見えて恥ずかしいという切実な意見も聞かれました。生地にハリがないと、だらしない印象を与えてしまうことがあるんですね。
膝丈という中途半端な長さがスタイルを悪く見せている
丈の長さ選びも、ダサいと思われてしまう重要なポイントです。特に一番難しいのが、ちょうど膝のお皿が見えるか見えないかくらいの膝丈です。この長さは、ふくらはぎの一番太い部分を強調してしまうことが多く、足が短く見えたり、太く見えたりする原因になります。
最近のおしゃれな着こなしを見ていると、ふくらはぎの下まであるようなマキシ丈か、逆にお尻が隠れるくらいのミドル丈が主流です。膝丈のロングカーディガンは、ひと昔前のコンサバティブなファッションを連想させることが多く、今のトレンドであるリラックス感や抜け感とは少しズレてしまっているのかもしれません。実際に、膝丈のカーディガンを着て鏡を見たら、なんだか昭和っぽいバランスに見えてすぐに脱いだという失敗談もありました。中途半端な長さは、今のボトムスとも合わせにくく、野暮ったい印象を作ってしまうようです。
ロングカーディガンの評判・口コミ
では、実際にロングカーディガンを着ている人や、購入を検討している人はどのように感じているのでしょうか。ネット上の口コミやSNSでの評判をリサーチして整理してみました。便利だという声もあれば、やはり着こなしが難しいという厳しい声もあるようです。
良い口コミ
- お尻や太もも周りがすっぽり隠れるので、体型を気にせずに安心して外出できるのが嬉しい
- 縦のラインができるので、前を開けて着るとスラッとして見えてスタイルアップ効果を感じる
- 春や秋のコートを着るほどではない微妙な気温の時期に、調整役のアウターとして重宝している
- 冷房が効きすぎているオフィスや電車の中で、サッと羽織るだけで全身が温まるので手放せない
- 最近のしっかりした生地のロングカーデなら、きちんとした場所にも着ていける上品さがある
悪い口コミ
- ネットで安いのを買ったら生地がペラペラで、数回洗っただけでポケットが伸びてだらしない感じになった
- 流行りのワイドパンツと合わせたら、ズルズル引きずっているような見た目になってしまいバランスが取れなかった
- ボタンがついているタイプを買ったけど、全部閉めるとお腹がぽっこり目立ってしまい逆に太って見えた
- 身長が低いので、長いカーディガンに着られている感が出てしまい、どうしてもおしゃれに見えない
- 色の選び方を間違えて、肌色に近いベージュを選んだらお婆ちゃんの肌着みたいと言われてショックだった
ロングカーディガンがおすすめな人
ダサいと言われることもあるロングカーディガンですが、選び方や着る人の目的によっては、まだまだ優秀なアイテムであることは間違いありません。流行を追うだけでなく、自分にとっての実用性や似合うスタイルを知ることが大切です。ここでは、ロングカーディガンを上手に活用できる、おすすめな人の特徴を挙げてみます。
腰回りやヒップラインを自然に隠したい体型カバー重視の人
ロングカーディガンの最大のメリットは、やはり物理的に体型をカバーしてくれる点です。産後で腰回りが気になる方や、加齢とともにお尻のラインを見せるのに抵抗が出てきたという方には、これ以上ない味方になってくれます。
ただし、隠したいからといって体全体を覆い隠すようなダボダボのものを選ぶのは逆効果です。おすすめなのは、ストンと落ちるような素材やシルエットのものを選ぶこと。隠している感を出しすぎずに、自然な流れで気になる部分をカモフラージュできるので、精神的な安心感を得ながらおしゃれを楽しめます。自分の体型と向き合いながら、心地よく過ごしたい人には最適ですね。
オフィスの冷房対策としてさっと羽織れる機能性を求める人
ファッション性だけでなく、実用性を重視する人にもロングカーディガンはおすすめです。特にデスクワークが多いオフィスでは、足元まで冷えることがよくありますよね。そんな時、腰までしかない普通のカーディガンよりも、膝掛けのように下半身までカバーしてくれるロングカーディガンは暖かさが段違いです。
仕事中に着るなら、装飾の少ないシンプルなデザインや、ハイゲージと言われる網目の細かいきれいめな素材を選ぶのがポイントです。きちんと感のあるネイビーやチャコールグレーなどを選べば、職場でも浮くことなく、できる大人の女性という印象を与えられます。機能とおしゃれの両立を賢く叶えたい人にはぴったりのアイテムと言えるでしょう。
縦のラインを強調してすらっと見せたい低身長以外の人
ロングカーディガンには、視覚効果で体を細長く見せるIライン効果があります。これは、カーディガンの前ボタンを留めずに開けて着ることで、体の中心に縦長のラインが生まれ、全体がスッキリと見えるというものです。
ある程度身長がある人が着ると、この効果が最大限に発揮されて、モデルのようなスラッとした雰囲気を作ることができます。中に着るトップスとボトムスの色を統一して、その上から違う色のロングカーディガンを羽織ると、さらに縦のラインが強調されて着痩せ効果も期待できますよ。スタイルを良く見せたい、大人っぽいコーディネートを楽しみたいという人には、ぜひ試してほしいテクニックです。
ロングカーディガンがおすすめできない人
一方で、どうしてもロングカーディガンが似合わない、あるいは着こなしが難しいと感じてしまう人もいます。無理して着て野暮ったくなってしまうよりは、潔く別のアイテムを選んだ方が垢抜ける場合もあります。ここでは、ロングカーディガン選びに慎重になった方がいい人の特徴を解説します。
骨格ウェーブタイプなど重心が下がるとスタイルが悪く見える人
骨格診断でウェーブタイプと言われる人は、上半身が華奢で下半身に重心があるのが特徴です。このタイプの人が、重たく見えるロングカーディガンを着てしまうと、さらに重心が下がってしまい、足が短く見えたり、全体的に野暮ったい印象になりがちです。
特に、太ももあたりで終わる中途半端な丈や、ポケットが低い位置についているデザインは鬼門です。せっかくの華奢なスタイルが台無しになってしまうことも。もし着るなら、透け感のある軽い素材を選ぶか、ウエスト位置をベルトなどでマークして目線を上げる工夫が必要です。でも、何も考えずにパッと羽織っておしゃれになりたいなら、ショート丈のカーディガンを選んだ方が簡単にスタイルアップできるかもしれません。
トレンド最先端のショート丈やクロップド丈を好む流行に敏感な人
今のファッショントレンドを最優先したいという人には、ロングカーディガンは少し物足りないアイテムかもしれません。現在は、おへそが見えるくらいのクロップド丈や、コンパクトなサイズのトップスが流行の中心です。
そうした最先端のスタイルを楽しんでいる人からすると、ロングカーディガンはどうしても一昔前のコンサバティブな雰囲気に映ってしまいます。SNS映えを狙ったり、今っぽい韓国ファッションを取り入れたりしたいなら、ロングカーディガンよりも、短めのボレロや、デザイン性の高いショートニットを選んだ方が、今の気分にマッチするはずです。
低身長で着られている感が出やすい小柄な人
身長が低い小柄な人にとって、ロングカーディガンはサイズ選びが非常に難しいアイテムです。フリーサイズとして売られているものでも、小柄な人が着ると丈が長すぎて地面につきそうになったり、袖が長すぎてだらしなく見えたりすることがよくあります。
服に着られているような状態になってしまうと、どうしても子供っぽく見えたり、逆に老けて見えたりしてしまいます。小柄な人がロングカーディガンを取り入れるなら、SサイズやXSサイズなど自分の体に合ったサイズ展開があるブランドを選ぶか、足首が見えるくらいの丈にお直しをするなどのひと手間が必要です。その手間をかけるのが面倒だと感じるなら、最初からバランスの取りやすいミドル丈のアウターを選んだ方が失敗は少ないでしょう。
ロングカーディガンのおすすめポイント
ここまで厳しい意見も紹介してきましたが、ロングカーディガンにはそれを補って余りある魅力もあります。時代に合わせて進化したアイテムを選べば、これほど使い勝手の良い服はありません。ここでは、今だからこそ評価したいロングカーディガンのおすすめポイントを紹介します。
コートの手前で使える中間アウターとしての優秀な調整力
最近は春や秋が短く、急に暑くなったり寒くなったりと気温の変化が激しいですよね。そんな時に、トレンチコートやウールコートを出すほどではないけれど、シャツ一枚では心細いという微妙な時期に活躍するのがロングカーディガンです。
最近ではコーディガンと呼ばれるような、コートとカーディガンの中間くらいの厚みがあるしっかりした素材のものも増えています。これらはアウターとしての機能も果たしつつ、室内では脱いで膝掛けにしたり、コンパクトに畳んでバッグにしまったりできる柔軟性があります。この便利さは、他のかっちりしたアウターにはないロングカーディガンならではの強みです。
Iラインを作ることで得られる視覚的なスタイルアップ効果
先ほども少し触れましたが、ロングカーディガンが持つ縦長効果は、大人の女性にとって強力な武器になります。年齢を重ねて体型の崩れが気になってきた時、ジムに通って痩せるのは大変ですが、ロングカーディガンを一枚羽織るだけで、視覚的にマイナス3キロ見えを狙うことも夢ではありません。
特に、サイドにスリットが入っているデザインのものを選ぶと、歩くたびに動きが出て軽やかに見えますし、ワイドパンツやスカートと合わせても重たくなりすぎません。体型を隠すだけでなく、目の錯覚を利用してスタイルを良く見せるテクニックとして使えるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
パンツにもスカートにも合わせやすい意外な着回し力の高さ
ダサいと言われる理由の一つにコーディネートの難しさがありましたが、実は選び方さえ間違えなければ、パンツにもスカートにも合わせやすい万能選手なんです。
例えば、細身のテーパードパンツと合わせればお仕事モードになりますし、休日はデニムと合わせてカジュアルダウンすることもできます。また、最近流行りのロング丈のワンピースの上にさらりと羽織るスタイルも、大人のリラックス感が出て素敵です。ポイントは、インナーとボトムスの色を繋げて統一感を出したり、カーディガンの色をベーシックなものにすること。そうすれば、朝の忙しい時間にコーディネートに迷うことなく、さっと羽織って出かけられる頼もしい相棒になりますよ。
ロングカーディガンのおすすめアイテム
最後に、今購入するならこれを選べば間違いないという、おすすめのロングカーディガンの特徴を具体的に紹介します。古いと言われないためには、素材とシルエットのアップデートが必須です。
オフィスでも浮かないハイゲージで光沢感のあるきれいめカーディガン
大人が選ぶべきロングカーディガンの一枚目は、編み目が細かくて表面がツルッとしたハイゲージのものです。さらに、少し光沢感のある素材や、シルク混、高品質なコットンなどの上質な素材を選びましょう。
このタイプは、ジャケットのようなきちんとした雰囲気が出るので、オフィスでの着用に最適です。ペラペラのカットソー素材ではなく、ニットとしての肉厚感が少しあるものを選ぶと、体のラインを拾いにくく、後ろ姿も美しく見えます。色は、知的なネイビーや、顔色を明るく見せるライトグレー、または引き締め効果のある黒などが使いやすくておすすめです。
休日リラックスに最適なざっくり編みのオーバーサイズカーディガン
カジュアルに着こなしたいなら、あえて編み目の粗いローゲージや、ざっくりとしたオーバーサイズのカーディガンを選ぶのも今の気分です。これは体型を隠すというよりは、ファッションとしてボリューム感を楽しむスタイルです。
肩の落ちたドロップショルダーのデザインや、袖にボリュームがあるものなら、中に厚手のスウェットやニットを着込むこともできるので、長い期間アウターとして使えます。古着っぽいデニムや、フェミニンなロングスカートと合わせて、ゆるっとした抜け感のある着こなしを楽しんでみてください。これなら、おばさんっぽいとは言わせない、こなれたおしゃれ感を演出できます。
着るだけで旬なスタイルになるジレとしても使える2WAYタイプ
最新のトレンドを取り入れたい人におすすめなのが、袖を取り外せたり、最初から袖がなかったりするロングジレ(ベスト)タイプのものです。実は今、ロングカーディガンの進化系としてロングジレが注目されています。
袖がない分、Iラインを作りながらも全体が軽く見えますし、インナーの袖のデザインを見せることができるので、おしゃれの幅がぐっと広がります。カーディガンだと重たく見えてしまうと悩んでいる人は、思い切ってロングジレに挑戦してみるのも一つの手です。いつものTシャツとパンツのワンツーコーデに羽織るだけで、一気に今年らしい顔になれますよ。
まとめ
ロングカーディガンがダサいと言われるのは、アイテム自体が悪いのではなく、着こなしのバランスや素材選びが今の時代と合わなくなってきていることが原因でした。重心が下がって見えたり、生活感が出てしまったりするポイントさえ押さえれば、まだまだ現役で活躍できる優秀なアイテムです。
特に、体型カバーをしたい人や、寒暖差のある時期の羽織を探している人にとっては、手放せない存在ですよね。大切なのは、数年前に買ったものをそのまま着るのではなく、丈感や素材を今の自分やトレンドに合わせて更新していくことです。ぜひ本記事を参考に、あなたにぴったりの一枚を見つけて、自信を持ってロングカーディガンコーデを楽しんでくださいね。


