カンゴールは、カンガルーのロゴでおなじみのイギリス発の帽子ブランドです。
ハンチングやバケットハットが世界中で人気ですが、その一方で、一部からは「ダサい」「時代遅れ」という声も聞かれます。
この記事では、なぜカンゴールがダサいと言われるのか、その理由をSNSなどのリアルな評判を交えながら深掘りし、どんな人におすすめできるのか、できないのかを解説します。
カンゴールの帽子を買おうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
カンゴールとは?
カンゴールは、1938年にイギリスで生まれた帽子ブランドです 。
ブランド名は、当時使われていた素材のニット(Knitting)、アンゴラ(ANGora)、ウール(woOL)を組み合わせたのが由来です 。素材へのこだわりが感じられますね。
その歴史は単なるファッションブランドに留まりません。
第二次世界大戦中はイギリス軍のベレー帽を手がけ、モンゴメリー将軍が愛用したことで国内で有名になりました 。
戦後はオリンピックでイギリスチームの公式帽子に採用されたり、60年代にはザ・ビートルズが着用したりしたことで、世界中に人気が広がります 。
そして80年代、ニューヨークのヒップホップシーンでLL Cool JやRun-DMCといったアーティストたちが着用し始めたことで、大きな転機が訪れました 。
これにより、カンゴールは英国の伝統的なイメージから一転、ストリートカルチャーを象徴するクールなアイテムとして知られるようになったのです。
ちなみに、おなじみのカンガルーのロゴは、アメリカの人が「カンガルーの帽子」と呼んでいたことから後から付けられたもので、オーストラリアのブランドだと間違われるきっかけにもなりました 。
このように、カンゴールは時代や文化を越えて、様々な顔を持つブランドとして今も愛されています。
カンゴールがダサいと言われている理由
輝かしい歴史を持つカンゴールですが、なぜダサいというイメージがあるのでしょうか。その理由は、ブランド特有の歴史やデザインに隠されていました。
80〜90年代ヒップホップの象徴で「時代遅れ」に感じるから
カンゴールがダサいと言われる一番の理由は、80年代から90年代のヒップホップカルチャーのイメージが強すぎることです。
LL Cool Jが被ったバケットハットや、映画でサミュエル・L・ジャクソンが着用したハンチングは、まさにその時代の象徴でした 。
このイメージはとても強力で、ファッションの文脈を理解せずに着こなそうとすると、まるで当時のアーティストのコスプレのように見えてしまうことがあります。
SNSでは、90年代ファッションは一周回っておしゃれだけど、カンゴールは当時の雰囲気が強すぎて今見ると少し恥ずかしい、といった声も見られます。
特に、今のトレンドに詳しくない人が安易に手を出すと、ただ古いスタイルを引きずっている人、という印象を与えかねません。
海外の掲示板Redditでは、90年代後半から2000年代初頭はファッション的に少し奇妙な時代だった、という文脈でカンゴールが語られることもあり、特定の時代を象徴しすぎることが時代遅れという評価に繋がっているようです 。
ブランドの個性が強く、コーディネート上級者向けだから
カンゴールの帽子は、決してシンプルな小物ではありません。
ベル型のハットや独特なシルエットのハンチング、そしてタオル地のようなバミューダ素材や毛足の長いファーゴラ素材など、デザインも質感も非常に個性的です 。
これらのアイテムは、コーディネートの主役になるほどの強い存在感があります。
そのため、全体のバランスを考えずにただ被るだけでは、帽子だけが浮いてしまい、なんだかチグハグな印象になってしまいます。
例えば、オーバーサイズの服装にコンパクトなハンチングを合わせると、帽子の小ささが悪目立ちしてバランスが崩れることがあります 。
SNSのおしゃれな人の間でも、カンゴールは合わせるのが難しい、一部の人しか似合わないという意見は根強く、ファッション初心者にはハードルが高いアイテムと見られています 。
この着こなすのが難しいという点が、下手に手を出すとダサくなる、というイメージを生んでいるのです。
一目でわかるロゴが「みんなと同じ」で恥ずかしいと感じるから
一時期、カンゴールのカンガルーロゴはストリートファッションで大流行しました。
特に帽子だけでなく、Tシャツやパーカー、バッグなどのアイテムが若者を中心に爆発的に広まったことがあります。
この流行によって、多くの人が同じロゴのアイテムを身につける、いわゆる量産型のような状況が生まれました。
ファッションで個性を大切にしたい人にとって、みんなと同じというのは避けたいところです。
流行が落ち着いた今、街中でカンゴールのロゴアイテムを身につけていると、「まだあの流行を追っている人」と思われないか心配する声があります。
特に、ブランドの背景を知らずにロゴの分かりやすさだけで選んでいた人が多かったため、その反動で、ロゴが目立つのは少し恥ずかしい、ミーハーな感じがするといったネガティブなイメージがついてしまったのかもしれません。
カンゴールの評判・口コミ
ここでは、SNSや通販サイトで見られるカンゴールのリアルな評判や口コミを紹介します。良い点と悪い点の両方を見ていきましょう。
良い口コミ
- デザインが可愛くて、他にはないユニークな形がおしゃれ
- 生地がしっかりしていて作りが良く、長く使えそう
- 手洗いできるものもあって、型崩れしにくいから手入れが簡単
- 何十年も変わらない定番デザインで、一つ持っていると安心感がある
- Tシャツやパーカーはロゴがワンポイントでシンプルなので、着回しやすい
悪い口コミ
- バミューダハットのタオルみたいな生地は、ホコリや糸くずが付きやすい
- ネット通販だとサイズ感が分かりにくく、選ぶのが難しい
- パーカーやTシャツは、思っていたよりも生地が薄いと感じることがある
- 通販で買うと、梱包のせいで帽子の形が少し崩れて届くことがある
- 帽子の形が独特なので、自分の顔や頭の形に合わなかった
カンゴールがおすすめな人
カンゴールのアイテムは、誰にでも似合うわけではありません。しかし、特定のスタイルを持つ人にとっては、最高のブランドになります。
ストリートやヒップホップカルチャーが好きな人
カンゴールは、80年代のヒップホップカルチャーと深い関わりがあります。
LL Cool Jのようなレジェンドたちへのリスペクトがある人にとって、カンゴールの帽子を被ることは、単なるファッションではなく、カルチャーへの敬意を示すことにもなります 。
現代のストリートファッションでも、そのルーツを理解して自分のスタイルに落とし込める人なら、カンゴールを最高にクールなアイテムとして使いこなせるはずです。
流行り廃りのない「本物」のアイテムを長く使いたい人
カンゴールは80年以上の歴史を持つ老舗ブランドです 。
その長い歴史の中で、数々の流行が生まれては消えていきました。しかし、カンゴールの「504」ハンチングのような定番モデルは、デザインをほとんど変えずに、今も愛され続けています。
これは、そのデザインに長く愛される魅力がある証拠です。
流行りものを追いかけるのではなく、背景に物語があり、品質の良い本物を長く大切に使いたいと考える人にとって、カンゴールはぴったりの選択肢です 。
自分のファッションスタイルが確立している上級者
これまで見てきたように、カンゴールは個性が強く、コーディネートが少し難しいアイテムです。
だからこそ、自分のスタイルをしっかり持っているファッション上級者にとっては、まさに腕の見せ所。
彼らは、カンゴールの歴史やデザインのクセを理解した上で、自分のファッションに自然に溶け込ませることができます 。
帽子を主役にするのではなく、あくまで全体のスタイルを良くするための一つの要素として使いこなせる人なら、カンゴールの魅力を最大限に引き出せるでしょう。
カンゴールがおすすめできない人
一方で、カンゴールのアイテムが逆効果になってしまう可能性が高い人もいます。次のようなタイプの人は、購入を慎重に考えた方が良いかもしれません。
トレンドだけを追いかけたいミーハーな人
カンゴールの魅力は、その歴史とカルチャーに根差した本物であることです。
もしあなたが、SNSや雑誌で流行っているものだけを追いかけ、アイテムの背景に興味がないのであれば、カンゴールはおすすめできません。
背景を知らずに着ると、ブランドの良さが伝わらず、ただ流行遅れのアイテムに見えてしまうかもしれません。
シンプルな服装を好み、小物で冒険したくない人
普段から無地のTシャツにデニムといった、ごくシンプルなスタイルを好む人にとって、カンゴールの帽子は少し主張が強すぎるかもしれません。
カンゴールの帽子は、コーディネートに意図的に遊び心を加えるためのアイテムです。
もしあなたが、ファッションの基本をシンプルにまとめ、小物で目立つことを好まないなら、カンゴールの個性的なデザインはあなたのスタイルには合わない可能性があります。
帽子のコーディネートに自信がないファッション初心者
カンゴールの帽子、特にハンチングやベルハットは、一般的なキャップやニット帽と比べて、合わせるのが少し難しいアイテムです 。
帽子の角度、服装とのバランス、髪型との相性など、考えるべき点が多くあります。
ファッションにまだ自信がなく、帽子のスタイリングに慣れていない初心者が挑戦すると、知らず知らずのうちに、ダサい印象になってしまうかもしれません。
まずは、もっとベーシックな形の帽子から試してみるのが良いでしょう。
カンゴールのおすすめポイント
カンゴールが長年愛され続けるのには、しっかりとした理由があります。ここでは、ブランドの持つ魅力を3つ紹介します。
語れる背景を持つブランドの歴史と信頼性
カンゴールを身につけることは、ただ帽子を被る以上の意味があります。
第二次世界大戦の兵士から、60年代のポップスター、80年代のラッパーまで、様々な歴史の場面を彩ってきた物語。その歴史を身にまとうような体験ができます 。
友人から「その帽子いいね」と言われた時に、その背景を語れる深みがあること。これこそが、他の多くのブランドにはない、カンゴールならではの大きな魅力です。
高品質な素材と時代を超越したデザイン
カンゴールの定番モデルは、何十年もデザインがほとんど変わっていません。
これは、そのデザインが完成されていて、時代に左右されない魅力があるからです 。
また、「Bermuda」や「Furgora」といった独自に開発された素材は、見た目がユニークなだけでなく、丈夫さにも定評があります 。
流行り廃りのない本質的な価値があるからこそ、カンゴールは信頼されているのです。
帽子からアパレルまで豊富なラインナップ
カンゴールといえば帽子のイメージが強いですが、実はTシャツ、パーカー、バッグなど、服やアクセサリーのラインナップも非常に豊富です 。
これらのアイテムは、帽子に比べてコーディネートに取り入れやすく、価格も手頃なものが多いので、カンゴールを試すのにぴったりです。
まずはTシャツから試してみて、ブランドの雰囲気を掴むというのも良い方法です。
カンゴールのおすすめアイテム
数あるカンゴールのアイテムの中から、特にブランドを象徴し、初心者でも挑戦しやすい定番モデルを3つ紹介します。
王道の「Tropic 504 Ventair」ハンチング
「504」は、1954年に生まれて以来、カンゴールの代名詞ともいえるハンチングの型番です 。
一般的なハンチングよりも少し平たくて横幅があるシルエットが特徴で、色々な顔の形に合いやすいことから、ハンチング初心者にもおすすめと言われています 。
特に有名なのが、ロゴを前にして被る「Back to Front」というスタイル。こうすることでベレー帽のようにも見え、ぐっとおしゃれな印象になります 。
中でも「Tropic 504 Ventair」は、通気性の良いメッシュ素材でできていて、軽くて夏でも快適に被れるため、最初の一個として最適です 。
象徴的な「Bermuda Casual」バケットハット
カンゴールをヒップホップのアイコンにしたのは、この「Bermuda Casual」があったからです 。
丸い頭の部分と下向きのツバが特徴的なベルハット型で、その独特のシルエットは一度見たら忘れられない、強いインパクトがあります。
最大の特徴は「バミューダ」と呼ばれる、タオルのような柔らかいパイル生地 。この素材感が、他にはないリラックスした雰囲気とレトロなムードを生み出します。
コーディネートは少し難しいですが、80〜90年代のストリートスタイルを表現したいなら、これ以上のアイテムはありません 。
気軽に取り入れられるロゴTシャツ・パーカー
いきなり帽子はハードルが高い、と感じる人には、ロゴTシャツやパーカーがおすすめです。
胸元にさりげなくカンガルーロゴが刺繍されたシンプルなデザインが多く、どんなスタイルにも合わせやすいのが魅力 。
多くのレビューで、着心地の良さや少し大きめのサイズ感が評価されており、普段着として気軽に取り入れることができます 。
まずはアパレルからカンゴールの世界観に触れて、徐々に帽子に挑戦していくのも賢い選び方です。
まとめ
カンゴールがダサいと言われるのは、80〜90年代のヒップホップカルチャーのイメージが強いこと、そして個性的なデザインを着こなすのが難しいことが理由です。
そのため、ただ流行を追いかけるだけの人には、あまり向いていないかもしれません。
一方で、ブランドの歴史やカルチャーを理解し、自分のファッションに自信がある人にとっては、他にはない個性を引き出してくれる最高のアイテムになります。
結局のところ、カンゴールがダサいかどうかは、アイテム自体ではなく、着る人のファッションへの理解度や着こなし方次第と言えるでしょう。
この記事が、あなたがカンゴールをおしゃれに着こなすためのヒントになれば幸いです。




