ミリタリー由来の無骨なデザインと高い収納力で、メンズファッションの定番として定着しているヘルメットバッグ。しかし一部ではダサい、時代遅れといった声も聞かれます。そこで本記事ではヘルメットバッグがダサいと言われる理由とおすすめできる人、できない人を解説します。ヘルメットバッグが欲しいけどもしかしてダサい?と不安な人はぜひ参考にしてください。
ヘルメットバッグとは?
ヘルメットバッグとは、もともとアメリカ空軍のパイロットがヘルメットや酸素マスクなどの装備品を持ち運ぶために使用していたバッグのことです。特に1960年代後半に登場した3rdモデルと呼ばれるタイプが現在のデザインの原型になっています。
最大の特徴はフロントに配置された2つの大きなポケットと、ヘルメットを傷つけないための中綿入りのふっくらとした素材感です。本来は軍用品ですが、その機能性と独特のデザインが評価され、現在では多くのファッションブランドからタウンユース向けにアレンジされた商品が販売されています。
ヘルメットバッグがダサいと言われている理由
長年愛されている定番アイテムであるにもかかわらず、なぜダサいという評価が生まれてしまうのでしょうか。SNSやネット上の声をリサーチしてみると、ヘルメットバッグ特有の構造や流行の移り変わりが関係していることがわかりました。
マジックテープが服をダメにするから
ヘルメットバッグの最大の特徴でありながら、最も不評を買っているのがフロントポケットのマジックテープです。本来はパイロットが手袋をしたままでも開閉しやすいように採用された仕様ですが、これが現代のファッションにおいては厄介者扱いされています。
特に冬場にニットやウールのコートを着てヘルメットバッグを持つと、マジックテープのギザギザした面が服の繊維に引っかかり、生地をボロボロにしてしまうことがあります。お気に入りの高価なニットがバッグのせいで台無しになったという悲痛な声はSNSでも多く見られました。こうした実用面でのデメリットが、使えない、配慮が足りないアイテムというネガティブな印象につながっているようです。
安っぽい素材のものが溢れている
ヘルメットバッグと一口に言っても、数千円で買えるものから数万円する本格的なものまでピンキリです。市場には安価なナイロン素材で作られたレプリカ品が多く出回っており、それらの質感がダサいイメージを助長しています。
ペラペラの薄いナイロン生地は光沢が強すぎてビニール袋のように見えてしまったり、中綿が入っていないためシルエットが貧相になったりしがちです。特に大人がこうしたチープな作りのバッグを持っていると、年相応のアイテム選びができていないと思われてしまう可能性があります。本物の軍モノや質の高いブランド品は重厚感がありますが、安価な模倣品のイメージが先行して安っぽいと思われている側面があります。
サイズが大きすぎてバランスが悪い
オリジナルのヘルメットバッグは大きなフライトヘルメットを収納するために設計されているため、約50cm四方というかなり大きなサイズ感で作られています。このサイズ感が日本人の体型、特に小柄な人には大きすぎてバランスが悪く見える原因になっています。
背負ったときにバッグにおんぶされているように見えたり、手持ちしたときに地面につきそうになったりと、スマートに持ちこなすのが難しいアイテムでもあります。また、中身が少ないとバッグの上部が折れ曲がってだらしない印象を与えることもあり、こうした見た目の野暮ったさがダサいと言われる理由の一つになっています。
ヘルメットバッグの評判・口コミ
実際にヘルメットバッグを使用している人のリアルな声を調べてみました。機能性を評価する声がある一方で、やはり使い勝手の悪さを指摘する意見も目立ちます。
良い口コミ
- パソコンや書類がすっぽり入るサイズ感なので仕事用として重宝しています。
- ミリタリー由来のデザインが無骨で男らしく、シンプルな服装のアクセントになります。
- ポケットが大きいのでペットボトルや折りたたみ傘をサッと入れられて便利です。
- ナイロン素材のものは軽くて丈夫なので、ガシガシ使っても気になりません。
- 使い込むほどに生地が馴染んでくるので、経年変化を楽しめるのが魅力です。
悪い口コミ
- マジックテープにマフラーが引っかかってほつれてしまい、ショックを受けました。
- バッグ自体が深すぎて、底に入った鍵やイヤホンを探すのに毎回苦労します。
- 内側に仕切りがないので中身がぐちゃぐちゃになりやすく、整理整頓ができません。
- 手提げで持つと地面に擦りそうになるので、結局ショルダーストラップを使うことになります。
- 荷物を入れすぎると膨らんで亀の甲羅みたいになるのが恥ずかしいです。
ヘルメットバッグがおすすめな人
賛否両論あるヘルメットバッグですが、ハマる人にはとことんハマるアイテムでもあります。具体的にどのような人に向いているのかを3つのポイントで解説します。
荷物が多くてざっくり収納したい人
ヘルメットバッグの最大の武器はその収納力です。マチはそれほどありませんが面積が広いため、ノートパソコンや着替え、雑誌などをまとめて放り込むことができます。細かい仕切りで整理するよりも、必要なものをとりあえず全部入れて持ち運びたいという大雑把なスタイルの人には非常に使い勝手が良いでしょう。
ミリタリーやアメカジファッションが好きな人
MA-1ジャケットやカーゴパンツといったミリタリーアイテムや、デニムなどのアメカジファッションとの相性は抜群です。コーディネートに一点投入するだけで男らしい雰囲気をプラスできます。流行に左右されない定番アイテムとして長く愛用したい人や、道具としてのバッグに魅力を感じる人には特におすすめです。
経年変化を楽しめる人
ナイロン素材であっても、使い込むことで生地が柔らかくなり、新品のときとは違ったクタッとした表情が出てきます。また、レザー製のヘルメットバッグであれば革のエイジングを楽しむこともできます。傷や汚れさえも味として捉え、自分だけのバッグに育てていきたいという人には最高の相棒になるはずです。
ヘルメットバッグがおすすめできない人
逆に、ヘルメットバッグの特性がライフスタイルに合わない人もいます。購入してから後悔しないように、以下の点に当てはまる人は注意が必要です。
整理整頓が苦手な人
多くのヘルメットバッグは、大きなメイン収納と外側のポケットというシンプルな構造をしています。バッグインバッグなどを活用しない限り、小物は底の方に沈んでしまい、いざという時に見つかりません。改札や玄関先で鍵を探してガサガサとバッグを漁る姿はあまりスマートとは言えないため、整理整頓が苦手な人にはストレスになる可能性があります。
デリケートな素材の服をよく着る人
前述の通り、ヘルメットバッグのマジックテープはニットやウール製品の天敵です。冬場にセーターやコートを着る機会が多い人や、繊細な素材の服を好んで着る人は避けたほうが無難です。どうしても使いたい場合は、マジックテープのないモデルを選ぶか、服に触れないように細心の注意を払う必要があります。
ビジネスでカチッとした印象を与えたい人
ヘルメットバッグはカジュアルな要素が強いアイテムです。最近ではビジネス対応のモデルも出ていますが、それでもブリーフケースなどに比べるとラフな印象になります。堅い職種の人や、スーツスタイルでカチッとした清潔感を重視したい人にとっては、少し崩しすぎた印象になってしまうかもしれません。
ヘルメットバッグのおすすめポイント
ここまでデメリットにも触れてきましたが、それでもヘルメットバッグが長年愛され続けているのには理由があります。他のバッグにはない独自の魅力について解説します。
時代に左右されない完成されたデザイン
1960年代に完成されたデザインが今なおほぼ変わらずに使われていることは、その機能美の証明でもあります。流行り廃りの激しいファッション界において、いつの時代も定番として存在し続ける安心感があります。一時のブームで終わるアイテムではなく、長く付き合えるスタンダードなバッグを探している人にはぴったりです。
クッション性がありガジェットの持ち運びに最適
もともとヘルメットを守るために作られたバッグなので、生地の間に中綿が入っておりクッション性に優れています。これは現代において、ノートパソコンやタブレットなどの電子機器を持ち運ぶのに非常に適した特性です。専用のPCケースに入れなくても、ある程度の衝撃から守ってくれる安心感はヘルメットバッグならではのメリットと言えます。
素材やサイズのアレンジが豊富
現在では様々なブランドから、オリジナルの欠点を解消したモデルが登場しています。例えば日本の住宅事情に合わせてサイズを小さくしたミニモデルや、服を傷つけないようにマジックテープを廃止したモデル、高級感のあるレザー素材のものなど選択肢が豊富です。自分のライフスタイルに合ったものを選べば、デメリットを感じることなく快適に使うことができます。
ヘルメットバッグのおすすめアイテム
最後に、ダサいと言わせない確かな品質とデザインを持つおすすめのヘルメットバッグを紹介します。安っぽいレプリカではなく、こだわりが詰まったブランドのものを選ぶのがポイントです。
PORTER(ポーター) TANKER
日本におけるヘルメットバッグの代名詞とも言えるのが吉田カバンのポータータンカーシリーズです。フライトジャケットのMA-1をモチーフにしたオリジナル生地は、絶妙な光沢とボンディング素材の柔らかさが特徴です。内装のレスキューオレンジがアクセントになっており、見た目の良さと機能性を高次元で両立させています。サイズ展開も豊富なので、自分に合った大きさが見つかります。
BRIEFING(ブリーフィング)
よりビジネスライクに使いたい人におすすめなのがブリーフィングです。防弾チョッキなどにも使われるバリスティックナイロンを使用しており、圧倒的な耐久性と男らしい素材感が魅力です。スーツにも合わせやすいシャープなデザインで、PC収納などの機能も充実しているため、仕事ができる男のバッグとして支持されています。
SLOW(スロウ)
カジュアルなイメージを覆す、オールレザーのヘルメットバッグを展開しているのがスロウです。使うほどに色が深まり艶が増す栃木レザーを使用しており、ミリタリーアイテムを上品な大人の鞄へと昇華させています。ナイロン特有の安っぽさが苦手な人や、一生モノとして革を育てたい人にはこれ以上ない選択肢となるでしょう。
まとめ
ヘルメットバッグがダサいと言われる理由は、主にマジックテープによる服へのダメージ、安っぽい素材感、そして大きすぎるサイズ感にありました。しかしこれらは選び方や使い方次第で解決できる問題です。
自分に合ったサイズや上質な素材のものを選び、コーディネートのアクセントとして取り入れれば、これほど機能的で頼りになるバッグはありません。流行に流されず、自分のスタイルを持って使いこなせる人にとっては、決してダサいアイテムではなく、むしろ洗練された大人の選択となるはずです。
