レトロな雰囲気や独特の存在感で、世界中のファッショニスタから愛されているガムソールのスニーカー。
アディダスのサンバをはじめとするブームもあり、街中で見かけることも増えました。
しかし、日本においては一部でダサいとか、時代遅れなんて声も聞かれるようです。
おしゃれなはずのアイテムが、なぜネガティブな評価を受けてしまうのでしょうか。
そこで本記事では、ガムソールのスニーカーがダサいと言われる理由と、おすすめできる人・できない人を解説します。
ガムソールのスニーカーが気になっているけど、もしかしてダサいのかなと不安な人はぜひ参考にしてください。
ガムソールのスニーカーとは?
まずはガムソールのスニーカーについて簡単に触れておきましょう。
ガムソールとは、ゴム本来の色である茶色や飴色をそのまま活かした靴底のことです。
一般的なスニーカーのソールは、炭素を混ぜて黒くしたり着色したりしていますが、ガムソールは天然ゴムの素材感を前面に出しています。
もともとは滑りにくさが求められるインドアスポーツや、スケートボード用のシューズとして普及しました。
独特の粘り気があり、グリップ力が高いのが特徴です。
最近ではそのレトロな見た目が評価され、ファッションアイテムとして多くのブランドからリリースされています。
ガムソールのスニーカーがダサいと言われている理由
世界的に人気がある一方で、なぜ日本ではダサいという声があるのでしょうか。
SNSなどの口コミを深掘りしてみると、日本ならではの文化や感覚が大きく影響していることがわかりました。
特に30代以上の人たちが抱く、ある記憶が関係しているようです。
学校の上履きや体育館シューズに見えるから
ダサいと言われる最大の理由は、学校の上履きを連想してしまうことにあります。
日本の学校では、長らく飴色のソールを使った上履きや体育館シューズが指定されてきました。
そのため、ガムソールのスニーカーを見ると、どうしても学生時代の記憶が蘇ってしまう人が多いようです。
特に白のキャンバス生地に茶色のソールがついたデザインは、あの上履きそっくりに見えてしまいます。
大人が履いていると、中学生の運動靴を履いているように見えたり、所帯じみて見えたりして、野暮ったい印象を与えてしまうのかもしれません。[]
薄汚れているように見えて清潔感がないから
清潔感を重視する人からは、ガムソールの色が汚れに見えるという意見もあります。
真っ白や真っ黒なソールに比べて、茶色や黄土色をしたガムソールは、くすんだ色味をしています。
これが遠目に見ると、泥汚れがついているように見えたり、ゴムが劣化して黄ばんでいるように見えたりするようです。
特にきれいめな服装に合わせたとき、足元の茶色がノイズになってしまい、全体的に不衛生な印象を与えてしまうことがあります。
スニーカーにはクリーンさを求めたい人にとっては、この独特の濁った色味が受け入れがたいのかもしれません。
足元だけ浮いてしまいコーディネートが難しいから
合わせにくくてダサく見えるという声も少なくありません。
通常のスニーカーなら白か黒のソールで馴染みやすいですが、ガムソールはそこに茶色という強い色が加わります。
モノトーンコーデや寒色系の服を着ているときに、足元に突然茶色が入ると、そこだけ異物のように浮いてしまうことがあります。
おしゃれな人が履けば計算されたハズしに見えますが、なんとなく履くとチグハグな印象になりがちです。
この配色の難しさが、センスがないと言われてしまう原因の一つになっているようです。[]
ガムソールのスニーカーの評判・口コミ
では実際にガムソールのスニーカーを履いている人たちはどう感じているのでしょうか。
SNSや通販サイトのレビューから、リアルな声を整理してみました。
デザインに対する愛着の声がある一方で、履き心地についてのシビアな意見も見られました。
良い口コミ
- 真っ白なスニーカーだと足元が浮いて恥ずかしいけど、ガムソールのくすんだ色味のおかげで服に馴染みやすいです
- アディダスのサンバなどは流行りの90年代ファッションにぴったりで、履くだけで今っぽい雰囲気になります
- 黒いアッパーにガムソールの組み合わせは汚れが目立ちにくくて、仕事でも使いやすいです
- スケボーやダンスをするときに床への食いつきがすごく良くて、安心して動けます
- デニムやチノパンなどのカジュアルな服との相性が最高で、ヴィンテージのようなこなれ感が出ます
悪い口コミ
- どうしても小学生の時に履いていた上履きを思い出してしまって、外で履くのが恥ずかしいです
- ソールの色が薄汚れた黄色に見えるので、きれいめなパンツに合わせたら野暮ったくなってしまいました
- プーマのスエードガムを買いましたが、底が板のように硬くて、最近のランニングシューズに慣れていると疲れます
- 流行りに乗ってサンバを買ったけど、かかとが硬すぎて靴擦れがひどく、慣れるまで時間がかかりました
- 地面の凹凸をダイレクトに感じるくらい底が薄いモデルもあって、旅行などで長時間歩くのには向かない気がします
ガムソールのスニーカーがおすすめな人
ここまでの評判をふまえると、ガムソールのスニーカーは誰にでもおすすめできるわけではなさそうです。
でも、特徴を理解して履きこなせれば、とてもおしゃれなアイテムになります。
具体的にどんな人におすすめなのか、3つのポイントで分けてみました。
ファッションでハズしや抜け感を楽しめる人
きっちりした服装にあえてラフなアイテムを合わせる、そんなハズしのテクニックを楽しめる人にはぴったりです。
きれいめなセットアップやモードな服装の足元に、あえて土臭いガムソールを持ってくる。
この違和感がおしゃれに見えるポイントです。
海外のインフルエンサーたちが愛用しているのも、完璧すぎない親しみやすさをプラスできるからでしょう。
意図を持ってコーディネートできる人にとっては、強力な武器になります。
アメカジや古着スタイルが好きな人
ガムソールの持つレトロで無骨な雰囲気は、アメカジや古着ファッションと相性が抜群です。
色落ちしたデニムや軍モノのカーゴパンツなど、味のある素材の服には、ハイテクスニーカーよりもアナログなガムソールがよく馴染みます。
新品のピカピカな靴よりも、少し履き込んで味が出た靴が好き。
そんな感覚を持っている人なら、きっと気に入るはずです。
トレンドのレトロスタイルを取り入れたい人
今のファッショントレンドであるY2Kや90年代リバイバルを楽しみたい人にもおすすめです。
K-POPアイドルや海外セレブの間でも、クラシックなスニーカーは大人気。
特に厚底ブームが落ち着いてきた今、スリムなシルエットのガムソールスニーカーは注目の的です。
流行に敏感で、最先端のスタイルを取り入れたいなら、一足持っておいて損はありません。[][]
ガムソールのスニーカーがおすすめできない人
一方で、購入して後悔してしまうかもしれない人もいます。
自分のスタイルや重視するポイントと照らし合わせてみてください。
清潔感や誰からも好かれる格好を大事にする人
ファッションにおいて清潔感や、誰にでも好印象を与えることを最優先にする人には向いていないかもしれません。
オフィスカジュアルやデートなど、相手に不快感を与えないことが大切なシーンでは、薄汚れて見えるリスクがあるガムソールは避けたほうが無難です。
白なら真っ白、黒なら真っ黒といった、はっきりした色味を好むコンサバティブな層にとっては、ガムソールの曖昧な色はストレスになるでしょう。
安っぽく見えないか不安になるくらいなら、選ばないほうが安心です。
クッション性や履き心地を一番に求める人
ガムソールを採用しているモデルの多くは、昔のデザインを復刻したローテクスニーカーです。
そのため、最新のランニングシューズのようなふわふわのクッション性は期待できません。
底が硬い、足裏が痛くなるといった口コミも実際に多く見られます。
膝や腰への負担を減らしたい人や、立ち仕事で一日中歩き回る人が見た目だけで選ぶと、疲れやすさにがっかりしてしまうかもしれません。[]
人と被るのが絶対に嫌な人
これは特にアディダスのサンバのような人気モデルに限った話ですが、流行っているアイテムはどうしても人と被ります。
街中で同じ靴を履いている人とすれ違うのが気まずい、量産型と思われたくない。
そんなふうに個性を大切にしたい人にとっては、今のブームは少し窮屈かもしれません。
自分だけの特別な一足を探しているなら、あえてメジャーなガムソールモデルは外したほうがいいでしょう。
ガムソールのスニーカーのおすすめポイント
賛否両論あるガムソールですが、それでも長く愛され続けているのには理由があります。
実際に履いてみるとわかる、ガムソールならではの魅力についてお話しします。
秋冬のファッションに温かみをプラスできる
ガムソールの茶色は、秋冬の服装と驚くほど相性がいいんです。
ウールのコートやニットなど、重厚感のある素材の服には、真っ白なスニーカーだと足元が軽すぎて浮いてしまうことがあります。
でもガムソールのアースカラーなら、自然と全体に馴染んでくれます。
足元に暖色系の色が入ることで、見た目にも温かい印象を与えることができるので、これからの季節には特におすすめです。[]
経年変化を汚れではなく味として楽しめる
一般的な白いソールは汚れるとただの汚い靴になってしまいますが、天然ゴムのガムソールは違います。
履き込むことで色が濃くなり、ヴィンテージ家具のような深い飴色に変化していくんです。
多少の土汚れや傷も、ガムソールのラフな質感の上では、道具としての迫力に変わります。
新品の状態よりも、履き潰した状態のほうがかっこいいと言われる数少ないスニーカーです。
モノを長く大切に使いたい人にとって、育てる楽しみがあるのは嬉しいポイントですよね。
プロも認める確かなグリップ力
ファッション性だけでなく、実用面でも優れています。
天然ゴム特有の粘り気のあるグリップ力は、雨の日や滑りやすい床でもしっかりと地面を捉えてくれます。
もともとスポーツ用として開発された背景があるだけに、歩くときの安定感は抜群です。
見た目だけじゃなく機能性もしっかりしている、そんな本物志向のアイテムを身につけているという満足感も、ガムソールの魅力の一つです。
ガムソールのスニーカーのおすすめアイテム
最後に、これを選べば間違いないという定番のモデルをいくつか紹介します。
どれも歴史があり、多くの人に支持されている名作ばかりです。
アディダス オリジナルス サンバ OG
今、ガムソールのスニーカーといえばこれを外すわけにはいきません。
サッカーシューズとして誕生し、現在はトレンドの最前線にいるモデルです。
おすすめの理由は、とにかくシルエットが細身でスタイリッシュなこと。
甲が低く作られているので、足元がすっきり見えます。
海外セレブやインフルエンサーの着用率も高く、履いているだけで今っぽい雰囲気が出せますが、サイズ感は少しタイトなので注意してくださいね。[]
プーマ スウェード ガム
1968年の登場以来、ストリートカルチャーを象徴する一足として愛されてきました。
このモデルの魅力は、スエード素材の上品さとガムソールの無骨さが絶妙にマッチしているところです。
特に黒のスエードにガムソールの組み合わせは、汚れも目立ちにくく、大人の男性にも人気があります。
サンバよりも少しボリュームがあり、不良っぽいかっこよさを演出したい人にはぴったりです。[]
ヴァンズ オールドスクール ガムソール
スケートボードカルチャーから生まれた、永遠の定番モデルです。
キャンバスとスエードのコンビネーションに、ガムソールを合わせたシンプルなデザインは、どんな服にも溶け込みます。
飾らない日常着として、気負わずに履けるのがいいところです。
価格も手頃なので、汚れても気にせずガシガシ履き倒して、自分だけの一足に育てていくのがおすすめですよ。[]
まとめ
ガムソールのスニーカーがダサいと言われるのは、日本特有の上履きの記憶や、コーディネートの難しさが理由のようです。
でも、それ以上にレトロな味わいや、ファッションのハズしとして使える優秀なアイテムでもあります。
清潔感を大事にしたいなら黒いアッパーのものを選んだり、トレンドを楽しみたいならサンバを選んだりと、選び方次第で印象は大きく変わります。
大切なのは、世間の声を気にしすぎず、自分のスタイルに合うかどうかです。
この記事を参考に、あなたらしい一足を見つけてみてくださいね。


