電車に乗れば、右も左もApple Watch。
もはやiPhoneと同じくらい当たり前の存在になったこのスマートウォッチですが、便利さと引き換えに失ったものがあります。それは「個性」です。
「みんなと同じは嫌だ」
そんな天邪鬼な心を満たすために生まれたのが、スウェーデン発の高級ケースブランド、ゴールデンコンセプト(Golden Concept)です。しかし、検索窓にブランド名を打ち込むと、不穏なキーワードが並びます。
「ダサい」「成金」「恥ずかしい」
10万円、20万円も出して「ダサい」なんて言われたら泣くに泣けませんよね。そこで本記事では、ゴールデンコンセプトがなぜここまで賛否両論を巻き起こすのか、その理由を徹底的に深掘りします。
「欲しいけど、周りにどう思われるか不安」
そんなあなたが後悔しないための判断材料を、忖度なしのぶっちゃけトークでお届けします。
ゴールデンコンセプトとは?
まずは、この騒がしいブランドについて簡単におさらいしましょう。
ゴールデンコンセプトは、2015年にスウェーデンで生まれたラグジュアリーブランドです。創業者のプイア・シャムソサダティ氏は、もともと工業デザイナー。彼が目をつけたのは、「Apple Watchは機能的だけど、高級時計のようなステータス性がない」という点でした。
そこで彼らがやったことは単純かつ大胆です。
数万円のApple Watchに、十数万円、時には数十万円もする「超高級な服」を着せること。
素材は高級時計と同じサージカルステンレスやチタン、カーボンファイバーを使用。加工精度もスイスの時計産業レベルまで高め、「Apple Watchを高級時計に変身させる」という新しい市場を切り開きました。
ネイマールやセルヒオ・アグエロといった世界的なサッカー選手、そして日本では格闘家の朝倉未来氏などが愛用したことで、一気に知名度が爆発。今や「成功者の証」として、一部の層から熱狂的な支持を集めています。
ゴールデンコンセプトがダサいと言われている理由
では、なぜそこまで人気があるのに「ダサい」と言われてしまうのでしょうか?
SNSや口コミ、YouTubeのコメント欄を徹底的にリサーチすると、単なる嫉妬ではない、もっともらしい理由が見えてきました。
超高級時計の「パクリ」に見えてしまうから
これが最大の理由かもしれません。時計好きなら一瞬で気づくはずです。
「これ、リシャール・ミルじゃない?」
ゴールデンコンセプトの代表的なデザイン(トノー型のケースにビス止めされたベゼル)は、数千万円から億越えも珍しくない超高級時計「リシャール・ミル」や、あるいは「ウブロ」「パテック・フィリップ」といった雲上ブランドのデザインに非常によく似ています。
時計に詳しくない人からすれば「すごく強そうでカッコいい時計」です。しかし、時計愛好家というちょっと面倒くさい(失礼!)人たちから見ると、評価は厳しくなります。
「買えないからって、Apple Watchで真似してるのが痛い」 「虎の威を借る狐に見える」
つまり、オリジナリティの欠如が「ダサい」という評価につながっているのです。本物を知っている層からすると、どうしても「フェイク(偽物)」のような安っぽさを感じてしまうというわけです。
日本人の手首にはデカすぎて「時計に着られている」から
悲しい現実ですが、私たち日本人の体格の問題もあります。
ゴールデンコンセプトのケースは、迫力を出すためにかなり大型に作られています。特に人気の45mmや49mm対応モデルは、ケースをつけるとさらにひと回り大きくなります。
これを、平均的な日本人男性(手首周り16cm前後)がつけるとどうなるか。
手首からはみ出さんばかりの巨大な塊。 まるで変身ベルトを手首に巻いているような状態。
これをファッション業界では「時計に着られている」と表現します。時計だけが浮いてしまい、トータルコーディネートとして馴染んでいない。このアンバランスさが「頑張っちゃってる感」を醸し出し、結果として「ダサい」認定されてしまうのです。
「マイルドヤンキー」や「成金」のイメージがついているから
ブランドのイメージ戦略も影響しています。
日本では、このブランドを愛用しているのが「格闘家」「夜の街で働く人」「派手な経営者」といった層に偏っています。彼らは非常にエネルギッシュで魅力的ですが、そのファッションスタイルは「オラオラ系」や「マイルドヤンキー」と呼ばれるテイストと親和性が高いです。
ゴールドやダイヤ(スワロフスキー)でギラギラに装飾されたモデルなどは、まさにその象徴。
シックで控えめな「ミニマリズム」や「ノームコア」を好む層からすると、この押し出しの強さは「品がない」「成金趣味」と映ってしまいます。「お金持ちアピールが強すぎて野暮ったい」という感覚です。
偽物や安っぽいコピー品が街に溢れすぎたから
これはゴールデンコンセプト自身のせいではないのですが、人気が出すぎた弊害です。
Amazonや激安ECサイトを見ると、ゴールデンコンセプトのデザインを丸パクリした数千円の「改造キット」が山のように売られています。街中で見かける「ゴールデンコンセプト風」の時計の多くは、実はこれら安価なコピー品だったりします。
本物を着けていても、周りからは「あ、またあの安いやつか」と誤解されてしまう。 「ドン・キホーテで売ってそう」というイメージを持たれてしまう。
ブランドの価値がコピー品によって希釈され、「安っぽい」というレッテルを貼られてしまっているのも、ダサいと言われる一因でしょう。
ゴールデンコンセプトの評判・口コミ
ここでは、実際に購入した人や検討した人のリアルな声を整理しました。良い意見も悪い意見も包み隠さず紹介します。
良い口コミ
購入者の満足度は意外と高いのが特徴です。「ダサい」という外野の声なんて気にならないほど、所有欲を満たしてくれるようです。
- これをつけてから「それどこの時計?」と聞かれることが増えた。会話のきっかけになるし、注目度は抜群。
- チタンやカーボンの質感が想像以上に高い。安物のプラスチックケースとは輝きも手触りも全然違う。
- Apple Watchの機能(通知や健康管理)を使いながら、見た目は高級時計という「いいとこ取り」ができるのが最高。
- ラバーバンドの質感がしっとりしていて高級感がある。夏場に汗をかいても丸洗いできるので清潔。
- 毎日充電する時もケースを外さなくていいので、使い勝手は普通のApple Watchと変わらないのが嬉しい。
悪い口コミ
一方で、買ってから後悔した人や、試着して諦めた人の声もシビアです。
- とにかくデカくて重い。ステンレスモデルはずっしり来るので、パソコン作業をする時に邪魔になって外してしまう。
- 組み立てのネジが小さすぎて辛い。老眼には厳しい作業だし、うっかりネジを落とすと探すのが大変。
- 心電図などの一部のヘルスケア機能が使いにくくなる。デジタルクラウン(横のネジ)がケース越しになるので、指で直接触れる機能が反応しないことがある。
- 値段が高すぎる。Apple Watch本体が5万円なのに、ケースに15万円出すのは金銭感覚としてどうなのかと我に返ってしまった。
- 長袖のシャツを着ると袖口(カフス)に引っかかる。スーツの袖がボコッとなるので、ビジネスで使うには勇気がいる。
ゴールデンコンセプトがおすすめな人
ここまでネガティブな要素も多く話しましたが、それでもゴールデンコンセプトは唯一無二の魅力を持っています。次のような人には、自信を持っておすすめできます。
人と同じものを持ちたくない「目立ちたがり屋」な人
これに尽きます。スタバでMacBookを開く横で、チラッと見える手首が普通の黒いApple Watchでは満足できない人。
「何それ!? すごいね!」
と言われることに快感を覚えるタイプなら、これ以上のガジェットはありません。圧倒的な存在感とインパクトは、数千万円の時計にも負けないパワーがあります。
オフの日に遊べる「夜の時計」を探している人
平日は真面目なスーツ姿でも、週末や夜の遊びの場では弾けたい。そんな人の「勝負時計」として最適です。
クラブやバーの薄暗い照明の下では、ゴールデンコンセプトの立体的な造形やラメの入ったカーボンケースが妖しく輝きます。遊び心のある大人のアクセサリーとして、夜のシーンには驚くほどハマります。
実際に高級時計を持っているが、機能性も捨てられない人
実はこの層の購入者も多いんです。ロレックスやウブロも持っているけれど、健康管理のためにApple Watchも着けたい。でも、あの無機質な見た目が許せない。
そんな富裕層にとって、ゴールデンコンセプトは「高級時計の代用品」ではなく、「Apple Watchを自分のレベルに引き上げるためのカスタムパーツ」です。普段からいいモノを知っているからこそ、そのビルドクオリティ(作り込み)の高さを評価して購入に至るケースも多々あります。
ゴールデンコンセプトがおすすめできない人
逆に、次のような人は絶対に買わない方がいいです。高いお金をドブに捨てることになりかねません。
堅い職業のビジネスマン
銀行員、公務員、あるいは保守的な社風のメーカー営業職。 もしあなたがこうした環境で働いているなら、ゴールデンコンセプトはリスクでしかありません。
上司や取引先から「なんだその派手な時計は」「遊びに来ているのか」と眉をひそめられる可能性大です。特にゴールド系やカーボン系の派手なモデルは、日本のビジネスシーンにおける「慎ましさ」の美徳とは対極にあります。
手首が細い(16cm未満)の人
先ほども触れましたが、サイズ感の問題は深刻です。 手首周りが15cm台の人が45mm対応のケースをつけると、本当に時計が浮いて見えます。ラグ(ベルトの付け根)が手首の幅からはみ出してしまうと、どんなに高い時計でも不格好に見えてしまいます。
どうしても欲しい場合は、必ず実店舗で試着をするか、少し小さめの41mm対応モデルを選ぶことを強くおすすめします。
純粋な「時計愛好家」の友人が多い人
あなたの周りに、機械式時計の歴史やムーブメントにうるさい友人はいますか? もしいるなら、彼らに会う時は外していった方が無難です。
彼らにとって、デジタルデバイスを機械式時計の銘品に似せる行為は「冒涜」に近いものがあります。「そんなガワだけの時計にお金をかけるなら、良いヴィンテージのオメガが買えるのに」と、長々とした説教を聞かされることになるでしょう。
ゴールデンコンセプトのおすすめポイント
散々脅してしまいましたが、モノとしての良さは間違いありません。改めてその魅力を整理しましょう。
圧倒的な「質感」と「ビルドクオリティ」
実物を手に取ると分かりますが、加工精度は凄まじいです。 ステンレスのエッジ(角)はカミソリのように鋭く立っており、磨き上げられた表面は歪みなく光を反射します。チタンモデルの軽さと強靭さ、カーボンモデルの独特な積層模様は、男心をくすぐる工業製品としての美しさがあります。
安価なコピー品とは、この「細部の詰め」が決定的に違います。近くで見れば見るほど、その価格差の理由がわかるはずです。
気分に合わせて「着せ替え」ができる
最新のモデルでは、ネジを使わずにワンタッチでケースを交換できる仕組み(ハッチベゼルなど)も登場しています。 今日はスポーティなラバーバンド、明日はシックなレザーバンド、といった具合に、Apple Watch本体はそのままに、外装だけをガラッと変えることができます。
これは機械式時計にはできない、スマートウォッチならではの楽しみ方です。
資産価値がある(かもしれない)
驚くべきことに、ゴールデンコンセプトは中古市場でもそれなりの値段がつきます。 通常、スマートウォッチのアクセサリーは消耗品扱いですが、限定モデルやコラボモデル(マスターマインドなど)は、メルカリやヤフオクでも高値で取引されています。
「飽きたら売れる」という点は、購入へのハードルを少し下げてくれるかもしれません。
ゴールデンコンセプトのおすすめアイテム
最後に、もし購入するなら「これを買っておけば間違いない」という代表的なモデルを紹介します。
Racing Sport(レーシングスポーツ)Edition
ブランドの顔とも言える、最もアイコニックなモデルです。 チタンやカーボンを使用し、ベゼルにビスを打ち込んだデザインは、まさにラグジュアリースポーツ。横長のシルエットが特徴で、リシャール・ミルなどが好きな人にはたまらないデザインでしょう。
耐久性も高く、重量もチタンモデルなら比較的軽め。「ゴールデンコンセプトを買った」という実感を一番得られるモデルです。
Classic(クラシック)Edition
もう少し落ち着いたデザインが良いという人にはこちら。 長方形のシルエットをベースに、パテック・フィリップのノーチラスのような「耳」のあるデザインが特徴です。レーシングスポーツに比べればシンプルなので、まだビジネスシーンでも(職種によりますが)使いやすいかもしれません。
ステンレススチールの重厚感を味わいたい人におすすめです。
Sport(スポーツ)Edition
初代からのデザインを受け継ぐ、比較的シンプルなモデル。 最新版では装着が簡単になっており、ラバーバンドとの相性が抜群です。価格も他のシリーズに比べれば多少抑えられている(と言っても高いですが)ので、入門編としても悪くありません。
カジュアルな服装、Tシャツにデニムといったスタイルにさらっと合わせるなら、このモデルが一番ハマります。
まとめ
ゴールデンコンセプトが「ダサい」と言われる理由は、そのデザインのオリジナリティへの批判や、日本の文化的な「慎ましさ」との衝突、そしてサイズ感の不一致にありました。
しかし、それを「ダサい」と切り捨てるか、「圧倒的な個性」と捉えるかは、あなた次第です。
結局のところ、ファッションは「誰のためでもなく、自分のために楽しむもの」。 周りの目なんて気にせず、自分が「カッコいい!」と心から思えるなら、それが正解です。
ただし、「サイズ感」と「TPO」。この2つだけは気をつけてください。ここさえ外さなければ、ゴールデンコンセプトはあなたの退屈なApple Watchライフを、劇的にラグジュアリーなものに変えてくれる最強の相棒になるはずです。
さあ、あなたは「無難なスマートウォッチ」のままでいますか? それとも、手首から「強烈な個性」を放ちますか?