街中で見かけることも多いナイキのフライトレガシーですが、購入を検討している人の中には不安を感じている人もいるかもしれません。ネットで検索するとダサいとか恥ずかしいといったネガティブな言葉が出てくるからです。
デザインは90年代のバスケットボールシューズの雰囲気があり、一見すると非常にかっこよく見えます。それなのに、なぜ一部の層からは評判が悪いのでしょうか。
本記事では、フライトレガシーがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を徹底的に掘り下げます。また、逆にどんな人には自信を持っておすすめできるのか、ユーザーのリアルな口コミをもとに解説します。これを読めば、あなたがこの靴を買うべきかどうかがはっきりと分かるはずです。
フライトレガシーとは?
ナイキのフライトレガシーは、1980年代後半のバスケットボールシューズからインスピレーションを受けて作られたライフスタイルシューズです。
具体的には、1989年に発売された伝説的なモデルであるエアジョーダン4やエアフライト89といった名作のデザイン要素を色濃く反映しています。特にソールユニット(靴底のパーツ)はエアジョーダン4と同じ形状のものが使われています。
しかし、これは過去のモデルの完全復刻版ではありません。レトロな雰囲気を持ちながら、現代の普段履き用にアレンジされたモデルです。そのため、価格も手頃で、アウトレットモールや量販店でもよく見かける身近な存在と言えます。
フライトレガシーがダサいと言われている理由
フライトレガシーが一部のスニーカー好きからダサい、あるいは安っぽいと評価されてしまうのには明確な理由があります。それは単にデザインが古いからではありません。もっと構造的で、スニーカー文化特有の心理が働いているからです。
主な理由は以下の3点に集約されます。
エアジョーダン4の廉価版に見えてしまう
これが最も大きな理由です。フライトレガシーは、スニーカー界の超名作であるエアジョーダン4とソールが全く同じです。しかし、アッパー(足の甲を覆う部分)のデザインはシンプルに簡略化されています。
スニーカーに詳しい人が見ると、本物のエアジョーダン4を買えない人が妥協して履いている靴、というふうに見えてしまうのです。いわゆるジェネリック版や廉価版という印象を持たれがちです。
本物のエアジョーダン4は数万円、プレ値がつけばそれ以上で取引されますが、フライトレガシーはセールで1万円以下で買えることもあります。この価格差と見た目の類似性が、安っぽいというイメージを増幅させています。中途半端に似ているからこそ、比較されてしまうという悲しい宿命を背負っているのです。
素材感が硬くチープな印象を与える
実物を手に取った人や購入者のレビューで非常に多いのが、素材感に対する不満です。
フライトレガシーに使われている合成皮革は、耐久性はありますが質感が硬く、光沢がビニールのように見えることがあります。本革のようなしっとりとした質感ではなく、のっぺりとした人工的な印象を与えてしまうのです。
履き込んでいくと、足の形に合わせて自然なシワが入るのではなく、不自然に折れ曲がったようなシワが入ってしまうこともあります。これがまた安っぽさを強調してしまい、お世辞にも高級感があるとは言えない仕上がりになっています。
つま先がボテッとしていて野暮ったい
シルエット、特につま先の形状についての指摘も多く見られます。現代のスニーカーは比較的シュッとした流線型のものが多いですが、フライトレガシーは昔のバスケットシューズ特有の、高さがあって四角い形状をしています。
このつま先のボリューム感が、今のファッションに合わせにくいと感じさせる要因です。特にスキニージーンズや細身のパンツと合わせると、足元だけが大きく見えてしまい、バランスが悪くなりがちです。この野暮ったさが、ファッションに敏感な層からはセンスがないと敬遠される理由になっています。
フライトレガシーの評判・口コミ
では、実際に購入して履いている人たちはどう感じているのでしょうか。ネット上のSNSや掲示板、YouTubeのコメント欄などから、生の声を拾い集めてみました。
良い意見もあれば、かなり辛辣な意見もあります。包み隠さず紹介します。
良い口コミ
- ダンスの練習用に最高です。底が平らで安定しているし、ハイカットで足首も守られるのでブレイクダンスに使いやすいです
- 90年代のレトロな雰囲気が好きで買いました。ボリュームのある服装に合わせると普通にかっこいいです
- 値段が安いのでガシガシ履き潰せるのがいいところです。雨の日でも気にせず履けます
- 子供の通学用に買いました。丈夫だし、ナイキのエアが入っているということで子供も喜んでいます
- 白一色のモデルは清潔感があって、どんな服にも合わせやすいので重宝しています
悪い口コミ
- とにかく硬いです。最初の数回は足が痛くて歩くのが苦痛でした。まるで板の上を歩いているようです
- くるぶしと小指が靴擦れして血が出ました。慣らすまでに時間がかかりすぎます。修行のような靴です
- クッション性が全然ないです。エアが入っているはずなのに、今のスニーカーと比べると衝撃がダイレクトに来ます
- 見た目がビニールっぽくて安っぽいです。数回履いただけで変なシワが入ってしまいました
- 幅が狭いので、普段のサイズで買うと失敗します。足が締め付けられて痛いです
フライトレガシーがおすすめな人
ここまでネガティブな要素も紹介してきましたが、フライトレガシーは決して悪い靴というわけではありません。用途や目的が合致すれば、非常にコストパフォーマンスの高い優秀な相棒になります。
ダンス(特にブレイクダンス)をしている人
実はこの靴、ダンサーの間では密かに評価が高いモデルです。
最近のスニーカーは柔らかすぎたり、ソールが反り上がっていたりして、激しいステップや回転技をするには不安定なことがあります。しかしフライトレガシーはソールが硬くフラットなので、床をしっかりと捉えることができます。
また、アッパーが丈夫な合成皮革なので、フロアで足を擦るような動きをしてもすぐには破れません。ハイカットで足首のホールド感も強いため、捻挫の予防にもなります。安くて丈夫で滑りすぎない、練習用シューズとして理想的な条件が揃っているのです。
汚れを気にせず履けるハイカットが欲しい人
高価なスニーカーを雨の日や泥のある公園、満員電車で履くのは気が引けます。でも、足元はナイキのかっこいいハイカットで決めたい。そんな人にぴったりです。
セールにかかれば5000円から7000円程度で手に入ることもあり、気兼ねなく履き倒すことができます。合皮なので多少の雨なら弾きますし、汚れも拭き取りやすいです。日常の戦闘服として、タフに使える一足を探している人には最適です。
90年代ファッションや古着スタイルが好きな人
ダサいと言われる理由の一つだった野暮ったいシルエットですが、これは見方を変えればレトロな味になります。
太めのカーゴパンツやバギージーンズ、オーバーサイズのスウェットといった90年代風のストリートファッションには、このボテッとしたボリューム感が逆によく合います。スキニーではなく、裾にクッションができるような太いパンツと合わせることで、この靴の魅力が引き立ちます。
フライトレガシーがおすすめできない人
一方で、以下のような期待を持って購入すると、後悔する可能性が高いです。
エアジョーダン4の代わりを探している人
エアジョーダン4が欲しいけれど高いから、似ているフライトレガシーで我慢しよう。そう考えているならやめておいた方が無難です。
似ているからこそ、ふとした瞬間に違いが気になります。街中で本物のジョーダン4を履いている人とすれ違ったとき、劣等感を感じてしまうかもしれません。スニーカーにこだわりがある人ほど、この代用品という感覚に耐えられなくなる傾向があります。
履き心地の良さを最優先する人
最新のランニングシューズのような、雲の上を歩くようなフワフワした履き心地を求めているなら、この靴は正反対の存在です。
ソールは硬く、重さもあります。クッション技術は30年前の設計ベースなので、現代の基準からするとかなり劣ります。長時間歩き回る旅行や、立ち仕事のために買うと、足の裏や指先が痛くなってしまうでしょう。快適さを求めるなら、ナイキでもリアクトやズームXといった新しい素材を使ったモデルを選ぶべきです。
足の幅が広い人
このモデルは作りがかなり細身です。さらに素材が硬い合皮なので、横に伸びて足に馴染むということがほとんどありません。
幅広の足の人が無理して履くと、小指が圧迫されて水膨れになる可能性が高いです。どうしても履きたい場合は、普段より0.5cmから1cm大きめのサイズを選び、厚手の靴下で調整する必要がありますが、それでも最初は痛みを伴う覚悟が必要です。
フライトレガシーのおすすめポイント
ネガティブな評判を覆すだけのメリットも、この靴には確かに存在します。
圧倒的なコストパフォーマンス
ナイキのハイカットスニーカーで、エアが搭載されていて、見た目もそこそこかっこいい。それなのに価格は非常に安いです。
他の人気モデルが1万5000円から2万円以上する中で、定価でも1万円前後、セールならさらに安く手に入ります。ブランド力と実用性を兼ね備えた靴としては、破格の安さと言えるでしょう。学生のお小遣いや、バイト代でも無理なく買える価格設定は大きな魅力です。
耐久性とメンテナンスの楽さ
高級なスニーカーに使われる天然皮革やスエードは、水に弱く手入れが大変です。しかしフライトレガシーの合成皮革はタフです。
少々雑に扱っても形が崩れにくく、汚れても濡れ雑巾で拭けばきれいになります。部活動の行き帰りや通学、ダンスの練習など、毎日ハードに使うシーンでは、この頑丈さが何よりもありがたいポイントになります。
流行に左右されない定番感
良くも悪くも、トレンドのど真ん中のデザインではありません。そのため、流行り廃りを気にせず長く履くことができます。
白や黒を基調としたシンプルなカラーリングのモデルなら、どんな服装にも無難に馴染みます。おしゃれを頑張りすぎる必要がなく、普段着にさっと合わせられる手軽さがあります。
フライトレガシーのおすすめアイテム
最後に、もし購入するならこのカラーがおすすめというモデルを紹介します。
トリプルホワイト
アッパーからソールまで全て白で統一されたモデルです。清潔感があり、ボリュームのあるシルエットも白なら重たく見えすぎません。
合成皮革のテカリも、白なら比較的目立ちにくいです。学生の通学靴としても使えますし、大人が休日に履く靴としても爽やかで好印象です。
ブラック・アンド・ホワイト
黒のアッパーに白のソール、あるいはその逆の配色です。いわゆるパンダカラーと呼ばれるような配色は、モノトーンコーデに使いやすく非常に人気があります。
汚れも目立ちにくく、足元が引き締まって見えるので、最初の1足として選ぶならこのカラーが一番失敗が少ないでしょう。
レトロカラー(赤・黒・白など)
あえて90年代っぽさを強調したいなら、赤や青が入ったトリコロールカラーもおすすめです。
ただし、これらの色はエアジョーダンの人気カラーと被ることが多いため、パクリっぽさが強まるリスクもあります。自分のファッションスタイルに自信があり、あえてハズしで履ける人向けです。
まとめ
フライトレガシーは、スニーカーマニアの視点で見ればダサいという評価になることもあります。エアジョーダン4と比較され、廉価版としての宿命を背負っているからです。
しかし、視点を変えて実用品として見れば、これほど優秀な靴もなかなかありません。
- ダンスの練習靴として優秀
- 安くて丈夫で雨にも強い
- 90年代風ファッションにはハマる
これらがこの靴の真価です。周りの目やブランドのヒエラルキーを気にせず、自分の用途に合わせてガシガシ履き倒す。そんな使い方をする人にとっては、最高の相棒になるはずです。
もしあなたが、安くてかっこよくて丈夫なナイキを探しているなら、他人の評価など気にせず、ぜひ一度足を通してみてください。ただし、サイズ選びだけは慎重に。少し大きめを選ぶのが、痛い思いをしないためのコツです。


