アメリカの老舗ブーツブランド、ダナー。 その丈夫な作りと機能性の高さで、アウトドア好きからファッション好きまで幅広く人気を集めています。
特に代表モデルのダナーライトは、ブーツの歴史に残る名作として有名です。
しかし、その特徴を受け継ぎながら、より手に入れやすい価格で登場したダナーフィールドについては、一部でダサい、野暮ったいという声も聞かれます。
そこでこの記事では、SNSやYouTubeのユーザーの声も参考に、ダナーフィールドがダサいと言われる理由と、本当におすすめできる人・できない人を解説します。
「ダナーフィールドが欲しいけど、もしかしてダサいのかな?」と不安な人はぜひ参考にしてください。
ダナーフィールドとは?
ダナーフィールドは、ブランドの象徴であるダナーライトのデザインと主な機能を受け継ぎながら、より多くの人が手に取りやすい価格を実現したモデルです 。
よくダナーライトの廉価版と言われますが、ただ安くしただけのモデルではありません。
ダナーの大きな特徴である、ゴアテックスによる防水透湿性や、ビブラム社製ソールの高いグリップ力は、ダナーライトからそのまま受け継いでいます 。
価格を抑えられた一番の理由は、生産国をアメリカからベトナムに移したことです 。
これにより、製造コストを大きく下げることができました。
また、アッパーのサイド部分の素材が、ダナーライトのコーデュラナイロンから一般的なナイロン生地に変更されている点も違いの一つです 。
一方で、ダナーフィールドには独自の改良点もあります。 それが、標準で付いてくるオーソライト社製のカップインソールです 。
クッション性が高く快適なこのインソールのおかげで、高価なブーツにありがちな長い履きならしの期間が必要なく、買ってすぐに快適な履き心地を実感できます 。
その他にも、靴紐を通す金具がすべて丸穴のハトメ仕様であったり、サイドのタグがアメリカ国旗ではなくゴアテックスのロゴであったりと、細かいデザインの違いが見られます 。
つまりダナーフィールドは、Made in USAという伝統や一部の高級素材にこだわらない代わりに、ブーツとしての重要な機能(防水性、グリップ力)と現代的な快適さを、優れたコストパフォーマンスで提供するモデルと言えます。
特徴 | ダナーフィールド | ダナーライト |
価格(目安) | 27,500円~31,900円 | 74,800円 |
生産国 | ベトナム | アメリカ |
アッパー素材 | フルグレイン防水レザー&ナイロン | フルグレイン防水レザー&1000デニール コーデュラナイロン |
インソール | Ortholiteカップインソール(標準装備) | なし(別売り) |
靴紐金具 | 全てハトメ(丸穴) | 上部3つはフック式 |
サイドタグ | GORE-TEXロゴ | アメリカ国旗 |
初期の快適性 | 高い(インソールによる) | 履きならしが必要、インソール推奨 |
ダナーフィールドがダサいと言われている理由
機能性とコストパフォーマンスに優れるダナーフィールドですが、なぜダサいという評価が生まれるのでしょうか。 その背景には、主に3つの理由があるようです。
本家「ダナーライト」の廉価版というイメージ
一番の理由は、絶対的な存在であるダナーライトの廉価版というイメージがあることでしょう。
ブーツや革製品の世界では、Made in USAという言葉は単なる生産地以上の意味を持つことがあります 。
それはブランドの歴史や職人技、本物であることの証です。 ダナーライトのサイドに付いた星条旗のタグは、その象徴ともいえます 。
一方、ベトナム製のダナーフィールドにはそのタグがなく、ゴアテックスのロゴタグが付いています 。
この違いは、ブランドの背景を大切にする人にとっては、満足感を少し損なう要因になるのかもしれません。
また、7万円を超えるダナーライトに対し、半額以下で買えるという価格自体が、安価な代替品という印象を与え、一部のユーザーからは本物ではない、センスがないと見られてしまうようです 。
アウトドア感が強く、都会のきれいめコーデには野暮ったい
ダナーフィールドのデザインは、もともとアウトドアで使うことを考えた、機能的で少し無骨なシルエットが特徴です。
このボリューム感のあるルックスは、ジーンズやカーゴパンツといったカジュアルな服装にはよく合います 。
しかしその一方で、今の都市部で主流の、シンプルで洗練されたキレイめなファッションとは少し合わせにくいかもしれません 。
例えば、スラックスや細身のパンツ、上品なコートといったアイテムにダナーフィールドを合わせると、足元だけが浮いてしまい、全体のバランスが取りにくくなります 。
このコーディネートの難しさが、都会的ではない、洗練されていないといった印象につながり、野暮ったいという評価を生む一因になっているようです。
機能性重視のデザインが、一部で時代遅れと見なされる
ダナーのブーツのデザインは、何十年もほとんど変わらない魅力があります。 これをタイムレスな格好良さと捉える人がいる一方で、流行の変化が速いファッションの世界では、古臭い、時代遅れと感じる人もいるようです。
特に、最新技術を取り入れた軽くてシャープなスニーカーに慣れていると、ダナーフィールドのクラシックなデザインは重たく古めかしく見えることがあります。
また、ダナーライトが採用している上部のフック式金具は、素早く着脱できる機能的なパーツで、デザインのアクセントにもなっています 。
しかし、ダナーフィールドではこれがすべて丸穴のハトメに変更されており、よりシンプルな見た目です 。
この細かい仕様の違いが、一部のユーザーには物足りなく映り、時代遅れという印象を強めている可能性があります。
ダナーフィールドの評判・口コミ
SNSや通販サイトで見られる、実際のユーザーの声を紹介します。
良い口コミ
- ダナーライトは高くて手が出なかったけど、フィールドなら機能も十分で価格も手頃。街履きからキャンプまで使えてコスパが非常に高い 。
- ゴアテックスのおかげで、大雨の日でも靴の中が全く濡れない。防水性能は本当に信頼できる 。
- 最初から入っているオーソライトインソールのクッション性が良く、硬いブーツとは思えないほど歩きやすい。面倒な履きならしがほとんどいらなかった 。
- ジーンズやワークパンツ、チノパンなど、アメカジ系の服装との相性は抜群。一足あるとコーディネートの幅が広がる 。
- ベトナム製と聞いて品質を心配していたが、実物は作りが非常にしっかりしていて、安っぽさは全く感じない。長く使えそう 。
- ローカットモデルはスニーカーのように脱ぎ履きが楽で、ハイカットよりも街中で気軽に使える。夏前まで履けるのも魅力 。
悪い口コミ
- 新品のはずなのに、箱を開けたら革に擦れたような跡や変色があった。個体差があるのかもしれないが、品質管理が少し不安 。
- 履き始めは革が硬く、特に足の甲や親指の付け根あたりが当たって痛かった。足に馴染むまでには、ある程度の時間が必要 。
- ゴアテックスは防水性が高い反面、暖かい日や室内ではかなり蒸れる。特に夏場に履くのは厳しいと感じた 。
- ソールが厚くて硬いため、車のペダル操作に慣れが必要。履き始めはアクセルやブレーキの感覚が掴みにくかった 。
- ビブラムソールは信頼性が高いが、濡れたマンホールやコンビニの床など、ツルツルした路面では滑ることがあるので注意が必要 。
ダナーフィールドがおすすめな人
ここまでの情報をもとに、ダナーフィールドがどんな人におすすめできるのかをまとめました。
本格ブーツの入門として、高いコストパフォーマンスを求める人
ダナーライトのような本格的なマウンテンブーツに憧れるけど、いきなり7万円以上出すのはちょっと…と感じている人には、ダナーフィールドがぴったりです。
ゴアテックスの防水性、ビブラムソールのグリップ力、そしてクラシックなデザインという、ダナーの魅力の核心部分はそのままに、価格は約3分の1。
本格ブーツの世界への第一歩として、とても満足度の高い選択肢になるはずです 。
天候を気にせず、街履きからキャンプまで一足で済ませたい人
雨の日の通勤や通学、週末のアウトドアやキャンプ、旅行など、様々な場面で活躍する一足が欲しい人にダナーフィールドは最適です。
完全防水のゴアテックスが悪天候から足を守り、グリップ力に優れたビブラムソールが悪路でもしっかり地面を捉えます 。
シーンごとに靴を履き替える必要がなく、どんな状況でも頼りになる万能靴として活躍してくれます 。
購入後すぐに快適な履き心地を重視する人
多くの本格的な革靴やブーツには、革が足に馴染むまでの痛みを伴う「慣らし期間」があります。
しかし、ダナーフィールドは標準装備のオーソライトインソールのおかげで、その必要がほとんどありません 。
箱から出してすぐに、スニーカーのようなクッション性と快適な履き心地を実感できます。
ブーツ初心者や、硬い靴の履きならしが苦手な人にとって、これは大きなメリットです 。
ダナーフィールドがおすすめできない人
一方で、その特徴からダナーフィールドが向いていない人もいます。
「Made in USA」の背景や所有欲を満たしたい人
機能性だけでなく、作られた国やブランドの歴史といった背景に価値を感じる人には、ダナーフィールドは物足りないかもしれません。
Made in USAの響きや星条旗のタグこそがダナーの魅力だと考えるなら、選ぶべきはダナーライトです。 ベトナム製のダナーフィールドでは、その種の所有欲を満たすことは難しいでしょう 。
ミニマルで洗練されたファッションを好む人
普段の服装が、細身のパンツやスラックス、クリーンなシャツといった、シンプルで洗練されたスタイルが中心の人には、ダナーフィールドの無骨なデザインは合わせにくいかもしれません。
そのボリューム感とアウトドア由来のデザインは、キレイめなコーディネートの中では少し浮いてしまう可能性があります 。
よりシャープで都会的な足元を求めるなら、他の選択肢を考えたほうが良いでしょう。
レザーの経年変化をじっくり楽しみたい本格派
ブーツを履いて育てることに喜びを感じる、真の革好きにも注意が必要です。
ダナーフィールドのレザーも経年変化はしますが、最高峰のダナーライトに使われるレザーと比べると、その深みや風合いには差があると言われています。 また、アッパーのナイロン部分は、革のような味わい深い変化はしません 。
何年もかけて自分だけの一足に育て上げるというロマンを求めるなら、より上質な革を使ったダナーライトの方が満足度は高いはずです。
ダナーフィールドのおすすめポイント
ダナーフィールドの魅力を3つのポイントに絞って紹介します。
圧倒的な機能性:GORE-TEXとVibramソール
ダナーフィールドの一番の魅力は、なんといってもその価格からは考えられないほどの機能性の高さです。
アウトドアウェアで絶対的な信頼を誇るゴアテックスは、外からの水の侵入を完全に防ぎながら、内部の湿気は外に逃がします 。
そして足元を支えるのは、登山靴のソールで世界的に有名なビブラム社のクレッターリフトソール。 濡れた路面やデコボコした道でも安定した歩行を約束する、信頼性の高い技術です。 これら二つのトップクラスの機能が、ダナーフィールドの核となる魅力です 。
快適な履き心地:Ortholiteインソールの標準装備
買ってすぐに実感できる快適な履き心地は、ダナーフィールドが本家ダナーライトを上回る点かもしれません。
標準で装備されているオーソライト社製のインソールは、優れたクッション性に加え、通気性や防臭効果も備えています 。
これにより、長時間歩いても疲れにくく、ブーツ特有の蒸れも軽減してくれます。
高価なインソールを別に買う必要なく、箱から出してすぐに最高の状態で履けるのは、とても大きな利点です 。
懐の深さ:タフな手入れとソールの交換で長く愛用可能
手頃な価格でありながら、決して使い捨てではない点もダナーフィールドの素晴らしいところです。
ゴアテックスを採用しているため、泥などで汚れた際も水洗いが可能で、手入れがとても簡単です 。
そして最も重要なのが、ソール交換に対応していることです 。
長年履いてソールがすり減っても、新しいソールに張り替えることができます。 これは、このブーツが長く使うことを前提に作られている証拠であり、長く付き合える相棒となり得ることを意味しています。
ダナーフィールドのおすすめアイテム
ダナーフィールドにはいくつかのバリエーションがあります。ここでは代表的な3つのモデルを紹介します。
定番の風格:DANNER FIELD (D121003)
ブランドのアイコンであるダナーライトの面影を最も色濃く受け継ぐ、定番のハイカットモデルです。 足首までしっかりホールドしてくれるため、安定感は抜群。 トレッキングやキャンプといった本格的なアウトドアから、タウンユースまで、ダナーらしい重厚な存在感を楽しめます。
街履きでの軽快さをプラス:DANNER FIELD LOW (D121008)
ハイカットのボリューム感が気になる人には、ローカットモデルが最適です。 ゴアテックスとビブラムソールという機能性はそのままに、スニーカーのような軽快な履き心地と脱ぎ履きのしやすさを実現しています 。
ショーツやアンクル丈のパンツとも合わせやすく、より幅広い季節とスタイルに対応できます。 ダナーフィールドの野暮ったさを解消し、都会的なスタイルにも取り入れやすい、非常に使いやすい一足です 。
着こなしを引き締める:オールブラックモデル
定番のツートンカラーも魅力的ですが、よりモダンでスタイリッシュな印象を求めるなら、全てを黒で統一したオールブラックモデルがおすすめです。 アウトドア特有の土臭さが抑えられ、洗練された雰囲気になります 。
これにより、カジュアルな服装はもちろん、少しキレイめなジャケットスタイルなどにも違和感なく溶け込み、コーディネート全体をスマートに引き締めてくれます。
まとめ
ダナーフィールドがダサいという評価は、その比較対象であるダナーライトの存在から生まれる、ある種のイメージに基づいている部分が大きいようです。 生産国や一部の素材の違いからくる廉価版というイメージが、その評価の根底にあります。
しかし、ダナーフィールドを一つのブーツとして見れば、その評価は全く違ってきます。
ゴアテックスとビブラムソールという最高峰の機能を、驚くべきコストパフォーマンスで実現し、さらにオーソライトインソールによって現代的な快適性まで手に入れた、非常に優秀なブーツです。
最終的にどちらを選ぶかは、個人の価値観次第です。 ブランドの歴史やMade in USAの所有欲を満たしたいのであれば、ダナーライトを選ぶべきでしょう。
しかし、天候や場所を問わず使える実用的な機能性、買ってすぐに実感できる快適さ、そして長く愛用できる耐久性を、賢い価格で手に入れたいのであれば、ダナーフィールドは決してダサい選択ではなく、むしろ現代のユーザーにとって最も合理的で満足度の高い選択肢の一つと言えるはずです。