膝から裾にかけて緩やかに広がるシルエットが特徴のブーツカットデニム。
脚を長く見せる効果があるため、70年代や2000年代に大流行しました。最近、Y2Kファッションの人気が再燃し、再び注目されていますが、一部ではダサい、時代遅れではないかという声も聞かれます。
この記事では、ブーツカットデニムがダサいと言われる理由と、その評判や口コミを掘り下げていきます。そのうえで、どんな人におすすめできて、どんな人にはあまり向かないのかを解説します。
ブーツカットデニムが欲しいけど、もしかしてダサい?と不安な人はぜひ参考にしてください。
ブーツカットデニムとは?
ブーツカットデニムは、その名前の通り、ブーツを履きやすくするためにデザインされたジーンズです 。
太ももから膝は体にフィットし、膝下から裾に向かってなだらかに広がっていくシルエットが大きな特徴です 。もともとは、カウボーイがウエスタンブーツを履いたときに、パンツの裾がごわつかず、すっきり見えるように考えられた形でした 。
この実用的なデザインは、脚が長く見えるという嬉しい効果も生み出しました。裾が靴の甲を少し覆うことで、足元までが脚の一部のように見え、スタイルが良く見えるのです 。
この美脚効果が注目され、作業着という枠を超えて、ファッションアイテムとして広く愛されるようになりました 。
よく似たものにベルボトムがありますが、裾の広がり方が違います。ブーツカットは膝下から緩やかに広がるのに対し、ベルボトムは膝から鐘のように大きく広がるのが特徴です 。
ブーツカットは自然な広がり、ベルボトムはよりファッション性の高いデザイン、と覚えておくと良いでしょう。この違いを理解することが、ブーツカットをおしゃれに着こなすための第一歩です。
ブーツカットデニムがダサいと言われている理由
トレンドとして再び注目されているのに、なぜブーツカットデニムはダサいというイメージを持たれてしまうのでしょうか。その背景には、過去の流行と、少し着こなしが難しい独特のシルエットが関係しているようです。
昔の流行のイメージが強いから
ブーツカットが時代遅れと感じられる一番の理由は、2000年代前半の大ブームの記憶が強いからかもしれません 。
当時は、股上の浅いローライズで細身のブーツカットというスタイルが大流行しました 。多くの人がこの組み合わせを履いており、まさにその時代の象徴でした。
しかし、ファッションの流行は変わります。2010年代以降は股上の深いハイウエストが主流になり、ローライズはすっかり過去のスタイルになりました。
そのため、多くの人の頭の中では、ブーツカットといえばローライズというイメージが強く残っているようです。シルエットそのものではなく、昔流行ったスタイルとセットで記憶されていることが、時代遅れという印象につながっているのかもしれません。
バランスを考えないと野暮ったく見えるから
ブーツカットデニムは、ストレートやスキニーといった定番の形に比べると、少し着こなしの難易度が高いアイテムです 。
理由は、裾にボリュームがある独特のシルエット。この裾の広がりを考えずにコーディネートを組むと、全体のバランスが崩れやすくなります。
例えば、ゆったりしたTシャツや丈の長いシャツを合わせると、上半身も下半身も重たい印象になり、野暮ったく見えてしまいがちです 。
ブーツカットの脚長効果を活かすには、トップスの丈を短くしたり、タイトなものを選んだりして、全体のバランスを整える必要があります 。こうした着こなしのコツを知らないと、せっかくのアイテムが魅力を発揮できず、結果的にセンスがないと思われてしまうのかもしれません。
加工や丈感が古臭い印象を与えるから
細かい部分への配慮が足りないと、ブーツカットデニムは一気に古臭い見た目になってしまいます。特に気をつけたいのが、デニムの加工と丈の長さです 。
2000年代に流行したブーツカットには、極端な色落ちや、シワの加工が強く入ったものが多くありました。こうしたやりすぎ感のある加工は、今のシンプルなトレンドの中では少し浮いてしまい、一昔前のファッションという印象を与えかねません 。
さらに重要なのが、丈の長さです。ブーツカットの魅力である脚長効果は、裾が靴の甲にちょうど良くかかることで生まれます。
裾が長すぎて地面を引きずっていると、だらしなく見えます 。逆に短すぎると、裾と靴の間が空いてしまい、バランスが悪く脚が短く見えてしまいます。
自分の脚と履きたい靴に合わせて、ぴったりの丈に調整することが、おしゃれに見えるか野暮ったく見えるかの分かれ道になります。
ブーツカットデニムの評判・口コミ
実際にブーツカットデニムを履いている人、履いていない人はどう感じているのでしょうか。SNSなどからリアルな声を集めてみました。
良い口コミ
- とにかく脚が長く、細く見えるのでスタイルが良く見える
- 手持ちのブーツと合わせるだけで今っぽいY2Kファッションが完成する
- 気になるふくらはぎの太さを完全にカバーしてくれる
- ストレートやスキニーに飽きた時の気分転換に最適
- Tシャツ一枚でもコーデが様になる存在感がある
悪い口コミ
- 合わせる靴がブーツかヒールに限定されてしまい、スニーカーだと難しい
- 丈の長さがシビアで、裾上げしないと地面に擦って汚れる
- 一昔前のギャル男やお兄系ファッションを思い出してしまい抵抗がある
- トップスのバランスを考えないと、すごく野暮ったく見える
- 流行っているのはわかるけど、定番のストレートの方が結局使いやすい
ブーツカットデニムがおすすめな人
ブーツカットデニムは、その特徴をうまく活かせる人にとっては、とても心強いファッションアイテムになります。具体的には、次のような人におすすめです。
脚を長く見せたい人
ブーツカットデニムの一番の魅力は、なんといっても脚が長く見えることです 。
裾が広がることで視線が縦に流れるため、すらりとした印象を与えます。さらに、裾が靴の甲を覆うことで、足元までが脚の延長のように見え、スタイルアップ効果が期待できます 。
手軽に全体のバランスを良く見せたい人には、とてもおすすめのアイテムです。
トレンドのファッションを楽しみたい人
Y2K(2000年代リバイバル)や70年代スタイルといった、今のトレンドを取り入れたい人にとって、ブーツカットデニムは欠かせないアイテムの一つです 。
タイトなTシャツを合わせればY2Kスタイルになりますし、ウエスタンシャツなどと組み合わせれば70年代風の雰囲気も楽しめます 。
流行に敏感で、おしゃれを楽しみたい人にぴったりの一本です。
下半身の体型をカバーしたい人
体型カバーの面でも、ブーツカットデニムはとても優秀です。
特に、ふくらはぎのラインが気になる人にとっては、裾の広がりが自然にカバーしてくれるので、コンプレックスを気にせずパンツスタイルを楽しめます 。
また、肩幅が広く下半身が細い逆三角形の体型の人にもおすすめです。裾のボリュームが下半身に重みを加えてくれるので、全体のバランスが整って見えます 。
ブーツカットデニムがおすすめできない人
一方で、その独特なシルエットから、ブーツカットデニムがあまり向いていない人もいます。無理に取り入れると、かえっておしゃれが難しく感じてしまうかもしれません。
コーディネートを考えるのが苦手な人
ブーツカットデニムをおしゃれに着こなすには、トップスの丈やボリュームを調整して、全体のバランスを考える必要があります 。
毎朝の服選びに時間をかけたくない人や、あまり考えずに着られる服を求める人にとっては、このひと手間が少し面倒に感じられるかもしれません。
そういった人には、どんなトップスにも合わせやすいストレートデニムなどの方が、ストレスなくおしゃれを楽しめるでしょう 。
シンプルなファッションが好きな人
ブーツカットデニムの裾が広がるラインは、良くも悪くもデザイン性があります。
直線的でシンプルなファッションを好む人にとっては、この広がりが少し過剰に感じられる可能性があります。全体のスタイルから浮いてしまい、コーディネートに馴染ませるのが難しいかもしれません。
靴をコーディネートの主役にしたい人
ブーツカットデニムは、もともとブーツの上部を覆い隠すために作られたデザインです 。
そのため、お気に入りのハイカットスニーカーや、ブーツの凝ったデザインを見せたい場合には、その魅力が隠れてしまいます。
靴を主役にしたコーディネートを楽しみたい人にとっては、ブーツカットデニムは少し不向きかもしれません。その場合は、足元がすっきり見えるテーパードパンツなどを選ぶのが良さそうです。
ブーツカットデニムのおすすめポイント
着こなしの難しさはあるものの、それでも多くの人を惹きつけるブーツカットデニムの魅力。おすすめのポイントを3つにまとめました。
圧倒的な脚長効果
ブーツカットデニムの最大の魅力は、履くだけでスタイルが良く見えることです。
視覚効果によって、誰でも脚を長く、まっすぐに見せてくれます。これは他のパンツにはない、ブーツカットならではの強みです。
トレンド感と個性の両立
定番のスキニーやストレートデニムが主流の中で、あえてブーツカットを選ぶことで、ファッションへの関心の高さを示すことができます。
Y2Kというトレンドに乗りながらも、まだ誰もが履いているわけではないので、周りと差がつくおしゃれを楽しめます。
体型カバーと着こなしのアクセント
気になる下半身を自然にカバーしてくれる実用性に加え、コーディネートに動きを与えてくれる点も魅力です。
シンプルなトップスに合わせるだけでも、裾の広がりが単調なスタイルに変化をつけ、こなれた雰囲気に見せてくれます。
ブーツカットデニムのおすすめアイテム
ブーツカットデニムに挑戦してみようと思ったとき、どんなものを選べば良いのでしょうか。ここでは、定番から初心者向けまで、おすすめのアイテムを紹介します。
王道にして原点:Levi’s 517
ブーツカットデニムを語る上で外せないのが、リーバイスの517です 。
1971年に世界で初めてのブーツカットジーンズとして誕生し、カウボーイたちに愛されたことから「サドルマン」という愛称でも知られています。その完成された美しいシルエットは、まさにブーツカットの基本となる一本です。
最近、人気が再燃しており、復刻版もリリースされるなど、再び大きな注目を集めています 。本物志向の人や、デニムの歴史を感じたい人には、これ以上ない選択肢でしょう。
入門編に最適:Wrangler ランチャードレスジーンズ
いきなり本格的なデニムは少しハードルが高い、と感じる人におすすめなのが、ラングラーのランチャードレスジーンズです 。
ジーンズという名前ですが、素材はポリエステルで、スラックスのような感覚で履けるのが特徴です。裾の広がりも控えめで、どんなスタイルにも合わせやすい絶妙なバランス。
洗濯しても消えないセンタープレスが入っているので、いつでもきれいめな印象を保てます 。シワになりにくく、手入れが簡単なうえに、価格が手頃なのも嬉しいポイント。ブーツカットの世界への入り口として、最適な一本です 。
現代的にアップデートされた国内外のブランド
定番の2つ以外にも、現代のファッションに合わせて進化したブーツカットデニムはたくさんあります。
例えば、日本のデニムブランドであるヤヌークは、日本人の体型に合わせた計算されたシルエットで、誰もが美脚になれると評判です 。エドウィンのような国内大手ブランドも、ストレッチ性を高めるなど、履き心地を追求したモデルを出しています 。
海外ブランドでは、ディーゼルなどがよりデザイン性の高いブーツカットを提案しています。自分のスタイルや予算に合わせて、お気に入りの一本を探すのも楽しいでしょう。
特徴 | Levi’s 517 | Wrangler ランチャードレスジーンズ |
コンセプト | 元祖・本格派 | 現代的・イージーケア |
素材 | コットンデニム | ポリエステル |
シルエット | クラシックなブーツカット | 控えめなフレア |
価格帯 | 中〜高価格帯 | 低〜中価格帯 |
こんな人におすすめ | デニム好き、本物志向の人 | フレア初心者、手入れの手軽さを重視する人 |
まとめ
ブーツカットデニムがダサいと言われるのは、シルエットそのものの問題ではなく、過去の流行スタイルや、丈感、加工といった細かい部分への配慮が足りないことが原因のようです。
現代のファッションとしてブーツカットデニムを取り入れるなら、次の3点を意識することが大切です。
- 今のシルエットを選ぶ: 股上は浅すぎない、ジャストウエストか少しハイウエストのものを選ぶ。
- 丈の長さにこだわる: 履きたい靴に合わせて、裾が地面にギリギリつかない長さに調整する。
- 全体のバランスを考える: トップスはコンパクトにまとめ、すっきりとしたシルエットを作る。
これらのポイントを押さえれば、ブーツカットデニムは時代遅れのアイテムではなく、あなたのスタイルを格上げしてくれる心強い味方になります。
その優れた美脚効果とトレンド感を活かして、ワンランク上のおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。