セイコー アストロンは、世界で初めてGPSソーラー技術を搭載した、セイコーの先進性を象徴するブランドです 。
その革新的な機能と品質は、世界を舞台に活躍するビジネスパーソンを中心に支持を集めています。
しかし、一部ではアストロンはダサい、時代遅れではないか、という声もあるようです。
そこでこの記事では、アストロンがダサいと言われる理由と、本当におすすめできる人・できない人を解説します。
アストロンが欲しいけど、もしかしてセンスがないと思われないか不安な人は、ぜひ参考にしてください。
アストロンとは?
セイコー アストロンは、セイコーが起こした二つの革命の歴史を体現するブランドです。
一つ目の革命は1969年。
当時当たり前だった機械式時計の常識を覆す、世界初のクオーツ式腕時計「クオーツ アストロン 35SQ」を発表しました 。
機械式に比べて約100倍という驚異的な精度は、時計の歴史を塗り替えました。
当時の価格は45万円で、これは中型車一台分に相当する高級品でした 。
そして2012年、セイコーは第二の革命として、世界初のGPSソーラーウォッチである新しいアストロンを発表します 。
地球上のどこにいてもGPS衛星から電波を受け、自動で正確な時刻を表示するこの時計は、光がある限り動き続けるソーラー充電機能も備えています 。
初代が精度の革命なら、現代のアストロンは時刻合わせの手間から解放されるという、新しい利便性の革命を起こしたのです。
アストロンがダサいと言われている理由
最先端の技術と歴史を持つアストロンですが、なぜ一部でダサいという評価を受けてしまうのでしょうか。
その理由は、アストロンが持つ特徴と深く関わっています。
多機能で文字盤がごちゃごちゃして見える
アストロンがダサいと言われる理由のひとつに、文字盤のデザインがあります。
特にクロノグラフなどの多機能モデルは、たくさんの情報を表示するためにサブダイヤルや表示が多くなりがちです 。
この機能性は技術的には素晴らしいのですが、近年のトレンドであるシンプルなデザインを好む人からは、ごちゃごちゃして見える、ガジェット感が強すぎるといった意見が出ています。
その結果、時計としての上品さに欠けると感じられ、野暮ったいという評価につながるようです。
初期モデルの大きくて厚いイメージが残っている
2012年に登場した初代のGPSソーラーアストロンは、画期的な技術を詰め込んだ結果、ケースが大きく厚みがありました 。
これはGPS信号を受信するためのアンテナなどを内蔵するための、物理的な制約でした 。
もちろんセイコーも改良を重ね、現在のモデルは一般的な腕時計と変わらないサイズ感まで小型化・薄型化されています 。
しかし、一度ついたアストロンは大きくてゴツいというイメージは根強く、現在のスリムなモデルを知らない人からは、時代遅れのデザインという先入観で見られてしまうことがあるのです。
おじさんの時計というイメージがある
セイコーはアストロンを、次世代のリーダーや世界を飛び回るビジネスパーソンに向けてアピールしています 。
実際に購入しているのも30代から50代の男性が多く、マーケティングは成功していると言えるでしょう 。
しかし、この明確なターゲット設定が、逆にブランドイメージを限定的にしてしまっている面もあります。
特に若い世代からは、典型的なビジネスマンの時計、おじさんが着けていそうというイメージを持たれやすいのです。
このおじさんの時計というイメージが、ファッションに敏感な層にとっては古臭い、堅苦しいといった印象に繋がり、敬遠される原因となっているのかもしれません。
アストロンの評判・口コミ
実際にアストロンを使っている人、検討している人はどう感じているのでしょうか。SNSなどの口コミをまとめました。
良い口コミ
- とにかく時間が正確で安心感がすごい。海外に行ってもボタン一つで時刻が合うのが快感
- チタン製で驚くほど軽く、一日中着けていても疲れない。装着感は最高
- ソーラー充電なので電池交換の心配が一切ないのが本当に楽。究極のメンテナンスフリー
- 最近のネクスターシリーズはデザインが洗練されていて、八角形ベゼルなどが普通にかっこいい。スーツにも私服にも合う
- 文字盤の立体感とサファイアガラスの透明感が美しく、値段以上の高級感がある
悪い口コミ
- クオーツ時計に20万円以上出すのはやはり高いと感じる。同じ値段でスイス製の機械式が買えてしまう
- ダイヤシールド加工でも細かい生活傷はつく。しかもコーティングされているため、後から研磨して傷を消すことができないと断られた
- 機能が多すぎて操作が複雑。説明書を読まないと使いこなせないのが面倒
- クロノグラフなど多機能モデルは文字盤がごちゃごちゃして見え、結局時間が見づらいことがある
- おじさんっぽいイメージが強く、若い世代が着けるには少し気恥ずかしいかもしれない
アストロンがおすすめな人
ここまでの内容から、アストロンがどんな人におすすめなのかをまとめました。
とにかく時間の正確さを求める人
アストロンの魅力は、GPS衛星と同期することによる絶対的な精度です 。
仕事で1秒の狂いも許されない人や、常に完璧な時間を知りたい人にとって、この機能は他のどんな時計にも代えがたい価値があります。
機械式時計のロマンよりも、寸分の狂いもないという究極の安心感を求める人には、アストロンは最高の選択肢になるでしょう。
海外出張が多く、手間をかけたくない人
世界中を飛び回るビジネスパーソンや旅行好きにとって、アストロンは最強の相棒です。
現地に着けば時計が自動でタイムゾーンを検知し、正確な時刻に修正してくれます 。
面倒な時刻合わせの手間から完全に解放されたい人にとって、これ以上の実用性はありません。
最新技術やメカニカルなデザインが好きな人
アストロンは、腕に着ける最先端テクノロジーです。
その複雑な文字盤は、一部からはごちゃごちゃしていると評されますが、技術好きにとっては、内部の高度な技術が見えるようで魅力的に映ります 。
高性能なスポーツカーのコックピットや、最新のデジタルガジェットに心惹かれる人なら、アストロンの機能美を高く評価できるはずです。
アストロンがおすすめできない人
一方で、どんなブランドでも合わない人はいます。アストロンをおすすめできないのは、次のような人です。
機械式時計の味わいを重視する人
腕時計の魅力は、ゼンマイが動く力で時を刻む、伝統的な機械式にあると考える人も多いです。
滑らかに動く秒針や、歯車の動きが見える裏蓋など、機械式時計には独特のロマンがあります。
アストロンはクオーツ式なので、秒針は1秒ごとにカチカチと動きます 。
この正確無比な動きは、機械式時計の味わいを求める人にとっては物足りなく感じられるかもしれません。
シンプルでミニマルなデザインを好む人
ファッションは引き算の美学であり、腕時計もできるだけシンプルなものが良いと考える人には、アストロンのデザインは少し過剰に映る可能性があります。
特に、文字盤に多くの情報が詰め込まれた多機能モデルは、ミニマルな好みとは合いにくいでしょう。
装飾を排したドレスウォッチや、北欧デザインのようなクリーンな時計が好きな人は、他のブランドも見てみることをおすすめします。
資産価値やリセールバリューで選ぶ人
腕時計を実用品としてだけでなく、資産として考える人もいます。
ロレックスに代表されるスイスの有名ブランドの機械式時計は、中古市場でも価値が落ちにくい傾向があります。
一方で、アストロンを含むクオーツ式の腕時計は、技術の移り変わりが早く、機械式ほどの資産価値は期待できません 。
購入後のリセールバリューを気にするのであれば、同価格帯の他の選択肢を検討するのも良いでしょう。
アストロンのおすすめポイント
ここで、アストロンの魅力をあらためて確認しておきましょう。おすすめポイントは3つです。
手間いらずで究極に実用的なGPSソーラー
アストロン最大の魅力は、やはりGPSソーラー機能です 。
一度腕に着ければ、時刻合わせや電池交換といった、腕時計にまつわるあらゆる煩わしさから解放されます。
光で充電し、GPS衛星の電波で常に正確な時刻を刻み続ける。
この究極のストレスフリーな体験は、他のどんな時計も提供できない、アストロンだけの価値です。
高級素材が生む軽さと快適な着け心地
アストロンの多くのモデルには、素材としてチタンが使われています 。
チタンはステンレススチールより約40%も軽く、金属アレルギーも起こしにくい素材です。
そのため、大ぶりなモデルでも驚くほど軽く、一日中着けていても疲れを感じさせません。
また、風防には光の反射を99%以上抑えるコーティングが施されたサファイアガラスが使われており、まるでガラスがないかのような高い視認性を確保しています 。
ビジネスから休日まで使える洗練されたデザイン
ダサい、おじさんっぽいというイメージは、もはや過去のものです。
特に2022年に登場したネクスターシリーズは、現代のデザイントレンドをうまく取り入れています。
エッジの効いたケースや、高級時計で人気の多角形ベゼルを採用したモデルは、シャープで力強い印象です 。
これらのデザインは、スーツスタイルだけでなく休日のカジュアルな服装にも馴染み、幅広いシーンで活躍します 。
アストロンのおすすめアイテム
数あるアストロンのラインナップの中から、特におすすめのモデルを3つ紹介します。
現代のラグジュアリースポーツを体現する Nexter SBXY061
現在の高級時計市場で人気のラグジュアリースポーツのテイストを取り入れたモデルです 。
シャープな八角形のベゼルと、ケースからブレスレットへの一体感のあるデザインが特徴で、スポーティーさと上品さを両立しています。
鮮やかなブルーの文字盤は、ビジネスシーンにもカジュアルシーンにも映えるでしょう。
ケース径39.6mmという絶妙なサイズ感も魅力で、多くの日本人の腕に馴染みやすい一本です 。
アストロンのDNAを継承するコンパクトモデル Origin SBXD009
GPSソーラーは欲しいけれど、大きい時計は苦手という人におすすめのモデルです。
GPSソーラーウォッチとしては世界最小クラスのケース径39mmを実現しており、腕が細い人でもバランス良く着けこなせます 。
1969年の初代クオーツアストロンを思わせるケースデザインを継承しつつ、全体をマットブラックで統一することで、モダンで精悍な印象に仕上げています。
機能はシンプルに絞られており、アストロンの核心技術をミニマルなスタイルで楽しみたい人にぴったりです 。
多機能と力強さを両立したフラッグシップ Nexter SBXC151
アストロンが持つ全ての魅力を凝縮した、フラッグシップモデルのひとつです。
最新のGPSソーラームーブメントを搭載し、クロノグラフ機能やデュアルタイム表示など、多彩な機能を備えています 。
ケース径43.3mmという堂々としたサイズ感と、セラミックベゼルが力強い存在感を放ちます。
最高の性能と大胆なデザインを求める、真のテクノロジー好きにふさわしい一本と言えるでしょう 。
まとめ
セイコー アストロンがダサいと言われる背景には、初期モデルのサイズ感のイメージや、機能性を優先した複雑な文字盤、特定のビジネス層に向けたマーケティングといった要因がありました。
しかし、これらの評価は一面的な見方であり、ブランドの本質を捉えきれていない部分も大きいようです。
アストロンは、流行を追うファッションウォッチではなく、究極の実用性を追求した高性能な時計です。
その価値は、絶対的な時刻精度、時刻合わせや電池交換から解放される利便性、そして快適な装着感にあります。
もしあなたが、腕時計に機械式の伝統やミニマルなデザインを求めるなら、アストロンは最適ではないかもしれません。
しかし、最先端技術がもたらす圧倒的な安心感とストレスフリーな体験を重視するなら、アストロンは他のどんな時計にも代えがたい、最高の満足感を提供してくれるはずです。
最終的にアストロンがダサいかどうかは、あなたが腕時計に何を求めるかによって決まるのです。