かつては学生の部活動や、地元の若者たちの定番ファッションとして親しまれてきたプーマのジャージ、通称プージャー。最近ではレトロブームの影響でおしゃれに着こなす人も増えています。
しかし、一部ではプージャーはダサいという声もチラホラ聞こえてくるのが現実です。
そこで本記事では、プージャーがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を深掘りしつつ、逆におしゃれに着こなせる人やおすすめのアイテムについて解説します。
プージャーが気になっているけど、周りから変に思われないか心配という人は、ぜひ参考にしてください。
プージャーとは?
プージャーとは、スポーツブランドのPUMA(プーマ)が販売しているジャージの通称です。特に90年代から2000年代にかけて、太いラインが入ったモデルやキャットロゴが大きく入ったモデルが爆発的に流行しました。
当時は中高生の体操服や部活着としてだけでなく、放課後の遊び着や部屋着としても絶大な人気を誇っていました。その使い勝手の良さと丈夫さから、世代を超えて愛されているアイテムです。現在は、当時のデザインを復刻したモデルや、より現代的にシルエットを改良したモデルなどが販売されています。
プージャーがダサいと言われている理由
長年愛されているプージャーですが、なぜ一部の人からはダサいと思われてしまうのでしょうか。ネット上の声や実際の評判を調べてみると、ブランドそのものが悪いというよりも、着こなしや過去のイメージが強く影響していることがわかってきました。
昔のヤンキーやドンキホーテにいる人のイメージが強い
30代や40代の人にとって、プージャーは青春時代の象徴であると同時に、特定の層が着ていた服という記憶が強く残っています。
特に、地方のドンキホーテやコンビニにたむろしているヤンキーっぽい若者がこぞって着ていた時期がありました。金髪にサンダル、そしてダボダボのプージャーというスタイルがあまりに定着してしまったため、その当時の印象を引きずっている人からは、どうしても時代遅れで安っぽい、怖いといったネガティブな評価を受けてしまうようです。
「プージャー=ヤンキーの制服」という図式が頭にある人には、ファッションとして受け入れられにくい側面があります。
部屋着やパジャマの延長に見えてしまう
プージャーは元々スポーツウェアであり、動きやすくて楽なのが最大のメリットです。しかし、その「楽さ」があだとなり、着方によってはただの部屋着やパジャマに見えてしまうことがあります。
特に、サイズ感が合っていないダボッとしたものを上下セットアップで着て、足元がクロックスやサンダルだったりすると、一気に「近所のコンビニに来ただけの人」という雰囲気が出てしまいます。おしゃれをして出かけているつもりでも、周りからは「だらしない」「野暮ったい」と思われてしまう原因は、この生活感の強さにあります。
地域によっては色の選び方で誤解を生む
これは少し特殊な理由ですが、着る地域と色の組み合わせによっては、予期せぬ評価を受けることがあります。
例えば関西地方において、オレンジ色のプーマジャージを着ていると、読売ジャイアンツ(巨人)のファンだと勘違いされ、阪神タイガースファンの多いコミュニティで冷ややかな目で見られることがあるようです。
ファッションとしての色選びだったとしても、地域特有の文化や対立構造の中で「空気が読めない」「センスがない」と判断されてしまうリスクがあるのです。これはプーマ特有の、鮮やかなカラー展開が裏目に出るケースと言えるでしょう。
プージャーの評判・口コミ
では、実際に現在プージャーを購入している人たちはどのように感じているのでしょうか。良い意見と悪い意見の両方を、生の声を元に整理しました。
良い口コミ
- 生地に高級感があり、昔のペラペラなジャージとは違ってしっかりしているから街着として使える。
- 170cm以上あってもSやXSサイズを選べば、細身ですっきりとしたシルエットで着こなせて満足度が高い。
- レトロなデザインが今のY2Kファッション(2000年代リバイバル)にハマっていてかっこいい。
- 動きやすさはさすがスポーツブランドで、普段使いから軽い運動まで幅広く対応できる。
- 他のブランドに比べて、トラックジャケットとしてのコストパフォーマンスが良い。
悪い口コミ
- 昔のモデルのような足首のゆとりを期待して買ったら、最近のは裾が絞られていて脱ぐのが大変だった。
- デザインにもよるが、オレンジなどの派手な色は着る場所を選ぶし、周りから浮いてしまうことがある。
- 上下セットで着ると、どうしても部活帰りやヤンキーのような雰囲気が出てしまい、コーディネートが難しい。
- メルカリなどで安く売られている中古品は使用感がありすぎて、清潔感を出すのが難しい。
- 着方や合わせる靴を間違えると、一気に田舎っぽさが出てしまうのが悩み。
プージャーがおすすめな人
プージャーは誰にでも似合う万能アイテムというわけではありませんが、ハマる人にはとことんハマるアイテムです。次のような人には特におすすめできます。
トレンドのレトロファッションを楽しみたい人
今、ファッション業界では2000年代前後のスタイルを取り入れた「Y2Kファッション」がブームになっています。当時の雰囲気を色濃く残すプージャーは、まさにこのトレンドのど真ん中にあるアイテムです。
古着っぽいスタイルや、あえて少し野暮ったい「ダサかっこいい」雰囲気を楽しみたい人には、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。特にトラックジャケット(ジャージの上)をデニムやスラックスと合わせるスタイルは、今っぽさを演出できます。
自分の体型に合ったサイズ選びができる人
今のプージャーをおしゃれに着こなす最大のコツはサイズ感です。特に海外規格のモデル(T7など)は作りが大きいため、いつものサイズよりワンサイズ、あるいはツーサイズ下を選ぶ勇気が必要です。
「大は小を兼ねる」で適当に大きめを買うのではなく、試着をしたりサイズ表をしっかり確認したりして、自分の体にフィットするジャージを選べる人であれば、スタイリッシュに着こなすことができます。
他の人とかぶらない個性的なアイテムを探している人
ナイキやアディダスのジャージは街中でよく見かけますが、プーマをあえてファッションとして着ている人はそこまで多くありません。
「みんなと同じは嫌だ」「少しひねりの効いたブランドを選びたい」という人にとって、プージャーは良い意味で個性を出せるアイテムです。最近ではBEAMSなどのセレクトショップとのコラボモデルや、アニマル柄などの攻めたデザインも出ており、ファッション感度の高い人におすすめです。
プージャーがおすすめできない人
一方で、次のような考えを持っている人には、プージャーはあまりおすすめできません。買ってから後悔しないためにもチェックしておきましょう。
とにかく楽な部屋着としての機能を最優先する人
昔のジャージのように「ドカッと座っても楽」「足首も締め付けがない」という完全なリラックスウェアを求めている場合、現行のおしゃれなモデルは窮屈に感じるかもしれません。
最近のモデルはシルエットをきれいに見せるために足首のリブがしっかりしていたり、全体的にタイトな作りになっていたりします。「脱ぎ着のしやすさ」だけを求めると、期待外れになる可能性があります。
周囲の目やステレオタイプを極度に気にする人
冒頭でも触れたように、プージャーにはどうしても「ヤンキー」「田舎の若者」というイメージを持つ人が一定数います。
自分がどれだけおしゃれに着こなしていても、見る人によっては「まだあんなの着てるの?」と思われてしまうリスクはゼロではありません。そういった周囲の評価が気になってしまう人や、誰からも好感を持たれる無難な服を求めている人には、ハードルが高いアイテムかもしれません。
コーディネートを考えるのが面倒な人
プージャーは「ただ着ればおしゃれになる」という魔法のアイテムではありません。上下セットで何も考えずに着ると、どうしても体操服感が出てしまいます。
ジャージの上にはジーンズやスラックスを合わせる、足元は革靴やきれいめなスニーカーにするなど、スポーツ感を中和する工夫が必要です。そういった組み合わせを考えるのが面倒で、パッと着て出かけたい人には不向きです。
プージャーのおすすめポイント
ネガティブな意見もありますが、それを補って余りある魅力がプージャーにはあります。他のブランドにはない、プーマならではのおすすめポイントを紹介します。
歴史ある「T7」ラインのデザイン性
プーマのジャージには「T7」と呼ばれる象徴的なデザインがあります。これは袖のラインが7cmの幅で徐々に細くなっていることから名付けられました。
このラインのデザインは50年以上の歴史があり、単なるスポーツウェアの枠を超えたファッションアイコンとして世界中で認知されています。この伝統的なデザインは、流行り廃りに関係なく「定番のかっこよさ」を持っています。これを知っているだけで、着こなしに自信が持てるはずです。
コラボモデルによるブランド価値の向上
最近のプーマは、ファッションブランドとのコラボレーションに非常に力を入れています。例えば、洗練されたパターンで知られる「Scye(サイ)」や、人気セレクトショップ「BEAMS(ビームス)」とのコラボアイテムなどがリリースされています。
これらは単なるスポーツジャージではなく、完全にファッションアイテムとして再構築されています。「プージャー=安っぽい」というイメージを覆す、高品質でおしゃれなアイテムが手に入るのが今のプーマの魅力です。
コストパフォーマンスと質のバランス
ハイブランドのジャージは数万円することも珍しくありませんが、プーマは比較的手の届きやすい価格帯でありながら、生地の質感や耐久性がしっかりしています。
特に「Core Heritage」シリーズなどは、リッチな風合いの素材を使っており、大人が着ても恥ずかしくないクオリティに仕上がっています。安っぽく見えないしっかりとした服を、現実的な価格で手に入れられるのは大きなメリットです。
プージャーのおすすめアイテム
最後に、今プージャーを買うならこれを選べば間違いない、というおすすめのアイテムを3つ紹介します。
Iconic T7 トラックジャケット
プーマと言えばこれ、という王道モデルです。袖のラインが特徴的で、シンプルながらも存在感があります。
選ぶ際のポイントは、やはりサイズ感です。日本人の体型だと少し大きめに感じることが多いので、普段よりワンサイズ下を選んでタイトに着るのが今っぽくておすすめです。色はブラックやネイビーなどの定番色が使いやすく、どんなパンツにも合わせやすいでしょう。
Core Heritage トラックジャケット
「ジャージ特有のテカテカした感じが苦手」という人におすすめなのがこのシリーズです。
アクリルとウールを混ぜたような上質な風合いがあり、スポーツウェアというよりはニットやカーディガンのような感覚で羽織れます。デザインもレトロで落ち着いているので、30代以上の大人の男性でも違和感なく着こなせます。部屋着感を出さずに街へ出かけられる一着です。
BEAMS別注などのコラボモデル
人とは違うおしゃれを楽しみたいなら、セレクトショップの別注モデルを探してみましょう。
例えばBEAMS別注のモデルでは、シルエットが今の流行に合わせてルーズに調整されていたり、素材がベロアになっていたりと、ファッション性が格段に高まっています。これなら「ドンキのジャージ」と言われる心配もなく、堂々と街中を歩けます。メルカリなどで過去のレアなコラボ品を探すのも楽しいですよ。
まとめ
プージャーがダサいと言われる主な理由は、かつての「ヤンキー」や「だらしない部屋着」というイメージが強烈に残っているためでした。
しかし、現在はそのレトロな雰囲気が逆におしゃれだと再評価されており、選び方と着こなし次第で十分にかっこよく見せることができます。
大切なのは、自分の体に合ったサイズを選ぶこと、そして上下ジャージで適当に済ませるのではなく、ファッションアイテムとしてコーディネートに取り入れることです。
周りの声に流されすぎず、進化した今のプーマの魅力をぜひ体感してみてください。
