かつてはこなれ感を出すための絶対的なルールだったトップスの前だけイン。雑誌を開けば必ず特集されていましたし、街を歩けばみんなやっていましたよね。
でも最近、あれ、もしかしてこれって古い?と鏡の前で手が止まることはありませんか。 実際、SNSやYouTubeを見ていると、少し風向きが変わってきているのは事実です。
かつては大正解だったこのスタイルも、2025年の今となっては着こなしのアップデートが必要な時期に来ているのかもしれません。
そこで本記事では、なぜ今前だけインがダサいと言われてしまうのか、その理由を包み隠さず解説します。 もちろん、全員にNGというわけではありません。やったほうが素敵に見える人と、やめたほうがいい人の境界線についても、骨格やアイテムの特徴から具体的にお伝えします。
前だけインをするかしないかで迷っている時間は、もう終わりにしましょう。
トップスの前だけインとは?
トップスの前だけインとは、シャツやカットソーの前側の裾だけをボトムスに入れ込み、サイドから後ろにかけての裾は外に出すスタイリングのことです。
全部インしてしまうと真面目すぎる、堅苦しいといった印象になりがちなところを、あえて崩すことで抜け感を演出するために流行しました。 また、物理的にウエスト位置が見えるので、脚を長く見せる効果があり、同時にお尻周りは隠せるという、まさにいいとこ取りのテクニックとして定着しました 。
トップスの前だけインがダサいと言われている理由
あれだけ流行った前だけインですが、なぜ今ダサいとか古いと言われるようになってしまったのでしょうか。 SNSなどのリアルな声を拾い上げていくと、単なる好みの問題ではなく、明確なNG理由が見えてきました。
ひと昔前の流行を引きずっている感がある
一番辛辣かつ多かった意見がこれです。時代が止まっているように見えるというもの。 ファッションのトレンドは移ろいやすいものです。2010年代後半に爆発的に流行したスタイルだからこそ、2025年の今、何も考えずにやっているとアップデートされていない人に見えてしまうんです 。
最近はクロップド丈(短丈)や、インしなくても決まるラウンドヘムのトップスが主流です。そんな中で、長い丈の服を無理やり押し込んでいる姿は、少し違和感を持たれてしまうのかもしれません。
お腹の布がよだれかけみたいに見える
これは視覚的な失敗の例ですね。 特にハリのある硬いコットン素材のTシャツなどでやってしまうと、インした部分の布がくしゃくしゃとお腹の前で膨らんでしまいます。
この膨らみが、まるで赤ちゃんのよだれかけ(スタイ)のように見えてしまうという声があります 。 スマートに見せるはずが、逆にお腹周りに謎の布の塊を作ってしまい、安っぽく、子供っぽく見えてしまう原因になっています。
体型隠しに必死な後ろ姿が痛々しい
私たち大人世代が特に気をつけたいのがこのポイントです。お尻を隠したい気持ち、すごく分かります。 でも、前だけ入れて後ろを長く垂らしているそのシルエットは、見る人によってはここにお尻がありますと宣言しているように見えたり、隠すことに必死すぎて清潔感がないと感じられたりすることがあるようです。
辛口な意見の中には、後ろ姿がのれんやふんどしみたいに見えるなんて言葉もありました 。隠そうとするあまり、不自然なシルエットになっていないか注意が必要です。
トップスの前だけインの評判・口コミ
実際にこのスタイルについて、世の中の人はどう思っているのでしょうか。 ダサいという意見だけではありません。肯定派と否定派、それぞれのリアルな声をまとめました 。
良い口コミ
- なんだかんだ脚が長く見えるからやめられない
- 全部インするとお腹が目立つから、前だけインが一番バランスがいい
- 横にスリットが入っている服なら自然に見えるしおしゃれ
- ベルトを見せたいときに丁度いいテクニック
- 骨格的にウエストマークしないと野暮ったくなるから必須
悪い口コミ
- 前から見るとおむつをしているみたいでもたついている
- 後ろから見たときにだらしなく見えるし、清潔感がない
- トイレの後に直すのが面倒だし、すぐ崩れる
- とりあえず入れとけばいいという思考停止感がある
- 古いファッション誌を参考にしているおばさんに見える
トップスの前だけインがおすすめな人
散々ネガティブなことも言いましたが、前だけインは全員に似合わないわけではありません。 むしろ、骨格や選ぶ服によっては、今でも最強の味方になってくれます。
骨格ウェーブタイプの人
骨格診断でウェーブタイプの方は、上半身が華奢で重心が下がりやすいのが特徴です。 そのため、トップスをダボっと全部出して着ると、どうしても着られている感が出たり、脚が短く見えたりしてしまいます 。
ウェーブタイプの方にとって、ウエスト位置を高く見せることはスタイルアップの生命線です。前だけでもインして重心を上げることで、見違えるほどバランスが良くなります。 ただし、後ろを長く残しすぎず、サイドに向けてなだらかに入れるのが今っぽく見せるコツです。
とろみ素材や柔らかい服を着る人
よだれかけ現象が起きるのは、生地が硬いからです。 逆に言えば、テロっとしたブラウスや、薄手のニットなど、柔らかいとろみ素材の服を着るなら、前だけインはとてもきれいに決まります。
柔らかい生地なら、お腹周りでゴワゴワとかさばることがありません。自然なドレープ(ひだ)ができて、大人の余裕を感じさせる上品なシルエットになります 。
サイドスリットが入っている服を持つ人
服の裾の両脇にスリット(切れ込み)が入っているアイテムは、そもそも前だけインすることを想定して作られているものも多いです 。
スリットが入っていると、前身頃と後ろ身頃が自然に分かれるので、前だけ入れても横のラインが引きつることがありません。 無理やり入れている感が出ず、デザインとして成立するのでおすすめです。
トップスの前だけインがおすすめできない人
一方で、これはやめておいたほうがいいかもというケースもあります。 もしこれに当てはまるなら、潔く出してみるか、別のアイテムを選んだほうが垢抜けるかもしれません。
骨格ストレートタイプの人
骨格ストレートの方は、上半身に厚みがあり、腰の位置が高いのが特徴です。 もともとグラマラスな体型なので、変に小細工をするよりも、ジャストサイズの服をストンと着るほうが圧倒的に美しく見えます 。
前だけインをして上半身を短く見せようとすると、胸やお腹の厚みが強調されてしまい、詰まった感じや着太りの原因になります。 ストレートタイプの方は、すっきりと全部インするか、着丈の合った服をアウトで着るほうが断然スタイル良く見えます。
ハリのある硬いTシャツを着る人
最近流行りの、肉厚でしっかりしたヘビーウェイトTシャツ。これを前だけインするのは至難の業です 。 生地が硬いので、インした部分が体に馴染まず、ボコッと前に飛び出してしまいます。
特にオーバーサイズで身幅が広い服を無理やり入れると、余った布の処理ができず、お腹周りがぐちゃぐちゃになります。 カジュアルを通り越して雑な人に見えかねないので、この手のTシャツはそのまま着るか、ゴムなどで裾を絞るアレンジがおすすめです。
お腹周りが気になる40代50代の人
お腹を隠したいからインしてふんわりさせるというそのテクニック、実は逆効果になっているかもしれません 。
加齢とともにお腹にお肉がついてくると、インしたトップスの裾がそのお肉の上に乗っかってしまい、余計にぽっこりお腹を強調してしまうことがあります。 さらに、インすることで視線が自然とウエスト周りに集まってしまいます。 大人の女性は、隠そうとして不自然になるよりも、インしなくてもきれいに見える丈の服を選んだほうが、上品で賢い選択です。
トップスの前だけインのおすすめポイント
ここまで厳しいこともお伝えしましたが、それでもこのテクニックがなくならないのには理由があります。 上手に使えば得られるメリットも確実にあるんです。
誰でも簡単にできる脚長効果
一番のメリットはやっぱりこれ。トップスの前裾を少し入れるだけで、腰の位置が数センチ、いや十数センチ高く見えます 。 日本人はどうしても胴が長めに見えがちなので、視覚的にごまかせるこのテクニックは強力です。スニーカーやぺたんこ靴の日など、身長を盛れない日には頼りになります。
同じ服でも雰囲気をガラッと変えられる
手持ちの服の着回し力が上がるのもいいところです。 全部出してリラックスした雰囲気で着る日と、前だけ入れて少し活動的できちんとした雰囲気に見せる日。 新しい服を買わなくても、着方ひとつで印象を変えられるのは、ファッションを楽しむ上で大きなポイントですよね。
コーディネートののっぺり感を解消できる
無地のワンピースや、上下同系色のワントーンコーデなど、なんか今日、締まりがないなと感じるときってありませんか。 そんな時、裾を少し入れるだけでウエストに動きが出て、リズムが生まれます。ベルトをするのは苦しいけどメリハリは欲しい、という時にちょうどいい解決策になります。
トップスの前だけインのおすすめアイテム
インするのが難しい、ダサくならないか心配という方は、アイテムの力に頼りましょう。 2025年の今は、面倒なスタイリングをしなくても、着るだけで今っぽく、スタイル良く見える服がたくさん出ています。
最初から短いクロップド丈トップス
今もっともトレンドでおすすめなのが、着丈が短いクロップド丈のトップスです 。 へそ上や腰骨あたりの長さで作られているので、そもそもインするという概念がありません。
着るだけで勝手にウエスト位置が高く見えて、脚長効果は抜群。 お腹が出るのはちょっとという方も、ハイウエストのパンツやスカートと合わせれば安心です。物理的にインできない長さなので、お腹周りがゴワつく心配もゼロです。
出して着る前提のラウンドヘムカットソー
裾が一直線ではなく、丸くカーブを描いているラウンドヘム(カーブヘム)のトップスも優秀です 。 このデザインは、裾を出して着ることを前提に作られています。
前後の長さが違うことも多く、お尻や太もも周りを自然にカバーしてくれます。 裾が丸くなっているだけで、全部出しても野暮ったく見えず、あえて出しているおしゃれ感が出ます。インするのが面倒な人には救世主のようなアイテムです。
お腹を自然にカバーするペプラムトップス
とにかくお腹を隠したいという方には、ペプラムトップスが最強です 。 ウエスト部分で切り替えがあり、裾に向かってふわりと広がるデザインのことです。
切り替え位置が高いので脚長に見えますし、広がった裾がぽっこりお腹を完全に隠してくれます。 フェミニンで女性らしい印象になるので、カジュアルになりすぎるのを防ぎたい大人の女性に特におすすめ。これなら、インする手間もなく、ストレスフリーでおしゃれが楽しめます。
まとめ
トップスの前だけインは、完全に終わった文化ではありませんが、以前のように何も考えずにやっておけばOKという万能テクニックではなくなりました。
素材が硬かったり、体型に合っていなかったりすると、古い、ダサいと思われてしまうリスクがあるのも事実です。 特に、骨格ストレートの方や、ハリのあるTシャツを着る時は、潔く出してみる勇気も必要かもしれません。
今はクロップド丈やラウンドヘムなど、インしなくても素敵に見えるアイテムがたくさんあります。 無理に過去の流行にしがみつくのではなく、今の自分の体型や気分に合った、新しいバランスを見つけてみてくださいね。


