黒のトレンチコートといえば、大人のファッションアイテムとして定番中の定番ですよね。 シュッとしたシルエットでかっこいいし、何にでも合わせやすそう。そう思って購入を検討している人も多いのではないでしょうか。
でも、ネットで検索してみると、黒のトレンチコートはダサいとか、時代遅れなんていうネガティブな言葉がちらほら見つかります。 せっかく安くはないお金を出して買うのに、周りから変に思われたくないですよね。
そこで本記事では、黒のトレンチコートがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を包み隠さず解説します。 SNSにあるリアルな声も集めてみました。 これを読めば、黒のトレンチコートが自分に合っているのか、それともやめておいた方がいいのかがハッキリするはずです。 買おうか迷っているけど失敗したくない、という人はぜひ参考にしてください。
黒のトレンチコートとは?
トレンチコートはもともと軍隊で使われていたアウターです。 雨風をしのぐための機能的なデザインが特徴で、それがファッションとして定着しました。
その中でも黒のトレンチコートは、ベージュと並んでよく見かける色です。 ベージュがカジュアルでクラシックな印象なのに対して、黒は都会的でクールなイメージがあります。 ビジネスシーンではスーツの上に羽織るコートとして、プライベートではモードな着こなしの主役として、幅広く使われています。 ただ、その幅広さが逆にあだとなって、着こなし次第でダサく見えてしまうこともある難しいアイテムなんです。
黒のトレンチコートがダサいと言われている理由
長年愛されているアイテムなのに、なぜ一部ではダサいと言われてしまうのでしょうか。 SNSや口コミを徹底的にリサーチしてみると、いくつかの明確な理由が見えてきました。 これは単なる好みの問題ではなく、日本特有の事情も大きく関係しているようです。
就活生に見えてしまうから
一番の理由はこれでしょう。 どうしても就職活動中の学生に見えてしまうんです。
日本の就活シーンでは、黒のリクルートスーツに黒のトレンチコートを合わせるのが半ばルールみたいになっていますよね。 特に3月から4月にかけては、街中が黒トレンチを着た若者で溢れかえります。 このイメージが私たちの頭に強く刷り込まれているので、大人が休日に黒トレンチを着ていると、仕事の延長なのか、まだ学生気分が抜けていないのか、というふうに見られがちです。
特にポリエステル素材で、装飾が少ないシンプルなデザインのものは危険です。 量販店でセット売りされている就活コートと見分けがつかないからです。 おしゃれをしてきているつもりなのに、周りからはリクルートスーツを着ている人として認識されてしまう。 これが野暮ったい、ダサいと言われる大きな原因です。
アニメや映画の影響でキメすぎに見えるから
黒のロングコートと聞いて、アニメのキャラクターや映画のマトリックスを思い浮かべる人もいるかもしれません。 黒という色は強くて重い色ですし、トレンチコート自体も威厳のあるデザインです。
それを日常で気合を入れて着てしまうと、なんだかコスプレをしているような、自分に酔っているような雰囲気が出てしまいます。 いわゆる中二病っぽい感じですね。 本人はクールに決めているつもりでも、周りから見ると少し近寄りがたい、痛い人に見えてしまうことがあるようです。 特にサングラスを合わせたり、襟を高く立てたりすると、その傾向が強まります。
安っぽい雨合羽に見えるから
素材選びを間違えると、ただの雨合羽に見えてしまうのも黒トレンチの難点です。 黒は素材の質感がごまかせません。
安価なナイロンやポリエステルで作られたテカテカした素材だと、光を反射していかにもビニールっぽい質感になります。 これがファッションアイテムとしての上質さを消してしまい、雨の日に着るカッパのようになってしまうんです。 SNSでも、黒のナイロントレンチを着ている人を見て鑑識の人かと思った、なんていう辛辣な意見もありました。 ベージュならコットンの風合いで誤魔化せる部分も、黒だとテカリが悪目立ちして安っぽく見えてしまうんですね。
ホコリや汚れが目立って不潔に見えるから
黒は汚れが目立たないと思っていませんか。 実は逆で、黒いコートは白い汚れがものすごく目立ちます。
ウールやコットン素材の黒トレンチは、静電気で空気中のホコリや糸くず、ペットの毛なんかを吸い寄せます。 黒い画用紙の上に白い粉を落としたら目立つのと同じで、少し手入れをサボるだけで全体が白っぽく薄汚れて見えてしまうんです。 肩のあたりにフケが落ちていたりすると、もう最悪です。 清潔感がない、手入れができていないという印象を与えてしまい、それが結果としてダサいという評価につながります。
黒のトレンチコートの評判・口コミ
実際に黒のトレンチコートを着ている人や、街で見かけた人の声をまとめてみました。 良い意見と悪い意見、両方を知っておくことで、自分に合っているかどうかの判断材料になりますよ。
良い口コミ
- ベージュだと顔がくすんで見えるけど、黒なら顔立ちがハッキリして見える気がする
- スーツの上に羽織るだけで仕事ができそうな雰囲気が出るからビジネスでは重宝している
- 全身黒でまとめるとモードな雰囲気になってすごくかっこいい
- 冠婚葬祭の時や急なフォーマルな場でも失礼にならないから一着あると安心
- 泥汚れとか黒っぽい汚れは気にしなくていいから満員電車でも気楽に着れる
悪い口コミ
- 買ったばかりなのに白いホコリがすぐについてコロコロが手放せないのが面倒
- 春先に着ると自分だけ真っ黒で重たい印象になってしまい季節感がないと言われた
- ネットで安いのを買ったら生地がペラペラでカッパみたいだと笑われた
- 休日にデニムと合わせていたら今日はお仕事ですかと近所の人に間違えられた
- 気合を入れて着ていると思われないようにするのが難しくて結局あまり着ていない
黒のトレンチコートがおすすめな人
いろいろな意見がありますが、黒のトレンチコートは決して悪いアイテムではありません。 むしろ、ハマる人にはとことんハマる優秀なコートです。 ここでは、特に黒トレンチをおすすめしたい人の特徴を挙げてみました。
仕事とプライベートを兼用したい合理的な人
平日はスーツでバリバリ働いて、休日もきれいめな格好をしたいという人には最高です。 ネイビーやグレーのスーツに黒トレンチは鉄板の組み合わせですし、ビジネスシーンでの信頼感も抜群です。 休日はインナーをニットに変えるだけで、そのまま街に出かけられます。 服をあまり持ちたくない、一着でいろんなシーンに対応したいというミニマリスト気質な人には、これ以上ない相棒になるでしょう。
スタイルを良く見せたい人
黒は収縮色と言って、物を小さく細く見せる効果があります。 体型をシュッと引き締めて見せたい人にはうってつけです。 ベージュなどの膨張色は太って見えることがありますが、黒なら縦のラインが強調されてスラッとした印象になります。 身長を高く見せたい、少しお腹周りが気になる、という人は黒の視覚効果を借りるのが賢い選択です。
モード系ファッションが好きな人
流行に流されず、自分だけのスタイルを持っている人にもおすすめです。 全身をモノトーンで統一したり、エッジの効いたアイテムと合わせたりするモードな着こなしは、ベージュのトレンチでは絶対に表現できません。 黒特有のクールな世界観を作りたいなら、迷わず黒を選ぶべきです。 他の人とは違う、洗練された雰囲気を出せるはずです。
黒のトレンチコートがおすすめできない人
逆に、こういう人には黒のトレンチコートは向いていないかもしれません。 買ってから後悔しないようにチェックしてみてください。
カジュアルな服装がメインの人
普段着がパーカーやスウェット、色落ちしたデニムといったラフなスタイルの人です。 トレンチコートはもともとがドレス要素の強いアイテムなので、あまりにカジュアルな服と合わせるとチグハグになります。 特に古着系のアメカジスタイルと、パリッとした黒トレンチは相性があまり良くありません。 コートだけ浮いてしまって、服に着られている感が出てしまうでしょう。 それならモッズコートやダウンジャケットの方が、自然でおしゃれに見えますよ。
こまめな手入れが苦手なズボラな人
先ほども触れましたが、黒は白いゴミが本当に目立ちます。 外出前や帰宅後にブラシをかけたり、粘着クリーナーでゴミを取ったりするのが面倒だと感じる人はやめておいた方が無難です。 ホコリだらけの黒コートほど残念なものはありません。 手入れに自信がないなら、汚れやホコリが目立ちにくいベージュやグレーを選んだ方が幸せになれると思います。
春らしい爽やかさを求めている人
春の陽気の中で軽やかに歩きたい、という人にも不向きです。 3月や4月になると周りの服の色も明るくなってきます。 そんな中で真っ黒なロングコートを着ていると、どうしても重たくて暑苦しい印象を与えてしまいます。 季節感を大事にしたいなら、春は明るい色のコート、冬は黒のコートと使い分ける必要があります。 一着で春も秋も冬も爽やかに過ごしたい、というのは黒トレンチには少し荷が重いかもしれません。
黒のトレンチコートのおすすめポイント
ここまでネガティブな面も話しましたが、それでも黒のトレンチコートが定番であり続けるのには理由があります。 このアイテムならではの魅力についても触れておきましょう。
羽織るだけで大人っぽくなれる
これが最大のメリットかもしれません。 中に着ている服が多少子供っぽくても、派手な柄シャツでも、上から黒トレンチを羽織ってしまえば全体が落ち着きます。 コーディネートを強制的に大人っぽくまとめてくれる力があるんです。 今日は何を着ようか迷った時、とりあえずこれを着ておけば様になるという安心感はすごいです。
流行に左右されない
トレンドカラーはその年によって変わりますが、黒という色は永遠の定番です。 そしてトレンチコートという形も、何十年も変わらない完成されたデザインです。 つまり、良いものを一着買っておけば、5年先も10年先も着られるということです。 流行を追いかけるのに疲れた人にとって、変わらない価値を持っている黒トレンチは頼もしい存在です。
汚れを気にせずガシガシ着られる
白い汚れは目立ちますが、泥はねや食べこぼし、ボールペンのインクといった黒っぽい汚れにはめっぽう強いです。 雨の日や、子供と遊ぶ時、満員電車での移動など、服が汚れるリスクがある場面でも神経質にならずに使えます。 実用性を第一に考えるなら、このタフさは大きな魅力です。
黒のトレンチコートのおすすめアイテム
最後に、ダサくならないための選び方のヒントと、おすすめのアイテムの特徴を紹介します。 要は、就活生っぽさと安っぽさを回避できればいいんです。
マットな質感のトレンチコート
テカテカ光る素材は避けましょう。 表面がマットで、光沢が抑えられた素材を選ぶのがポイントです。 たとえば、ピーチスキンと呼ばれる桃の皮のような微起毛素材や、厚手のコットンギャバジンなどがおすすめです。 これならカッパに見えることはありませんし、しっとりとした大人の雰囲気が簡単に出せます。
落ち感のある素材のトレンチコート
最近のトレンドを取り入れるなら、リヨセルやレーヨンが入った、とろみのある素材もいいですね。 カッチリしすぎず、生地が体に合わせてくたっと落ちるので、キメすぎな感じが出ません。 歩くたびに裾が揺れて、優雅な印象になります。 これなら普段着の上から羽織っても、リラックスしたおしゃれな雰囲気になりますよ。
ディテールにこだわった本格派トレンチ
就活生と差をつけるなら、デザインの細部にこだわったものを選びましょう。 たとえば、ボタンが水牛の角でできているものや、ベルトのバックルに革が巻かれているものなどです。 また、着丈は膝下くらいの長めのものが今の主流です。 中途半端に短いと一気に昭和っぽくなるので注意してください。 ちゃんとしたブランドのものは、シルエットやパーツの一つ一つが計算されているので、着るだけで垢抜けて見えます。
まとめ
黒のトレンチコートがダサいと言われるのは、アイテムそのものが悪いわけではありません。 就活生に見えてしまうリクルート感や、素材による安っぽさ、そしてサイズ感のミスマッチが原因です。
大事なのは、自分のライフスタイルに合っているかどうかを見極めることです。 ビジネスと兼用したいなら最強の味方になりますし、カジュアル一辺倒なら少し扱いにくいかもしれません。
これから買うなら、テカテカしていないマットな素材で、少し長めの着丈のものを選んでみてください。 そして着る前にはコロコロでホコリを取るのを忘れずに。 選び方と着こなしさえ間違えなければ、黒のトレンチコートはあなたを洗練された大人に見せてくれるはずです。 周りの声に振り回されすぎず、鏡の前で自分に似合う一着を探してみてくださいね。


