秋冬のファッションアイテムとして定着しつつあるドライバーズニットですが、ネット上やSNSではダサいという声もちらほら聞こえてきます。シンプルで使いやすいはずのアイテムが、なぜそのように言われてしまうのでしょうか。
本記事では、ドライバーズニットがダサい、時代遅れと言われてしまう本当の理由や、実際に購入した人のリアルな口コミ、そしておすすめできる人とできない人の特徴を解説します。
これから買おうか迷っている人や、持っているけれど着こなしに不安がある人はぜひ参考にしてみてください。
ドライバーズニットとは？
ドライバーズニットとは、その名の通りトラックの運転手が着用するために作られたニットのことです。
運転中に邪魔にならないようにポケットをなくしたり、座ったままでも動きやすいようにダブルジップを採用したりと、機能性を重視したデザインが特徴です。もともとは作業着としてのルーツを持っていますが、ファッションブランドのマルジェラなどがアイテムとして昇華させたことで、今ではおしゃれなアイテムとして広く認知されています。
首元まである高い襟と、フロントのジップアップデザインが象徴的で、アウターとしてもコートのインナーとしても使える便利な服です。
ドライバーズニットがダサいと言われている理由
便利でおしゃれなはずのドライバーズニットですが、なぜ一部ではダサい、終わったと言われてしまうのでしょうか。リサーチしてみると、アイテムそのものというよりは、着こなしや選び方に大きな原因があることがわかってきました。
その具体的な理由をいくつか見ていきましょう。
ジップを全部閉めた時のシルエットが不自然だから
ドライバーズニットを着る時、防寒のためにジップを一番上まで上げて、さらに裾までぴったり閉めてしまう人がいます。実はこれがダサいと言われる大きな原因の一つです。
上下を完全に閉め切ってしまうと、体のラインが強調されすぎてしまい、まるで土管やソーセージのような寸胴なシルエットになってしまいます。SNSなどでは、この状態を指して恥ずかしい、野暮ったいという声が見られました。
特にお腹周りが気になる人がこれをやってしまうと、体型が丸わかりになってしまいます。ファッションとして着こなすなら、ダブルジップの下を少し開けてAラインを作ったり、少し襟を開けたりして動きを出すのが正解のようです。
安っぽい素材による毛玉と劣化
最近ではファストファッションブランドからも手頃な価格で販売されていますが、これが安っぽいという評価に繋がっているようです。
化学繊維が多く含まれる安価なニットは、数回着ただけですぐに毛玉ができてしまったり、生地がヨレてしまったりします。街中で毛玉だらけのドライバーズニットを着ている人を見かけると、どうしてもだらしない、清潔感がないという印象を持ってしまいますよね。
特に黒やネイビーなどの濃い色は、白い毛玉ができると非常に目立ちます。こうした劣化した状態が、ドライバーズニット全体のイメージを下げてしまっているのかもしれません。
サイズ選びを間違えると一気に作業着感が出る
ドライバーズニットはもともとが作業着由来のデザインなので、サイズ感を間違えると本当におじさんの作業着のように見えてしまいます。
昔流行ったようなピチピチのジャストサイズで着てしまうと、今のトレンドからは外れてしまい時代遅れな印象を与えます。逆に大きすぎても、生地に厚みがある分、着膨れして見えてしまいます。
ほどよくゆとりのあるサイズを選ばないと、おしゃれで着ているのか、単に防寒着として着ているのかわからなくなってしまうのが難しいところです。
骨格との相性が悪く事故りやすい
実はドライバーズニットは、着る人の骨格を選ぶアイテムでもあります。
例えば、首が短めの人や骨格ウェーブタイプの人が、襟の高い肉厚なドライバーズニットを着ると、首が埋もれてしまい上半身が詰まったような窮屈な印象になります。これがいわゆる着太りや野暮ったさの原因です。
自分に似合わない形を無理に着ている姿が、周りから見ると違和感を感じさせ、結果としてダサいと思われてしまうことがあるようです。
ドライバーズニットの評判・口コミ
では、実際にドライバーズニットを愛用している人たちはどのように感じているのでしょうか。SNSやレビューサイトなどから、リアルな声を良い面と悪い面に分けて整理してみました。
良い口コミ
購入してよかったと感じている人からは、使い勝手の良さを評価する声が多く挙がっています。
- アウターとしてもインナーとしても使えるので着回し力が抜群に高い
- 首元まで暖かいのでマフラーがいらないのが楽
- ダブルジップ仕様のものはシルエットを変えられるので座った時も窮屈じゃない
- シンプルなデザインなのでどんなパンツにも合わせやすい
- しっかりした生地のものを選べば高級感があって大人っぽく見える
特に、秋冬の気温調整が難しい時期に、羽織りとしてもミドルレイヤーとしても使える汎用性の高さが支持されています。
悪い口コミ
一方で、買って後悔した、あるいは使いにくいと感じている人の声もあります。
- 生地が分厚くて重たいので長時間着ていると肩が凝る
- ジップが顎に当たって冷たいし痛いことがある
- 安物を買ったらすぐに毛玉ができて部屋着にするしかなかった
- 体にフィットしすぎてお腹のラインが目立つのが恥ずかしい
- 全部閉めると首が苦しくてリラックスできない
特に重量感に関する不満や、安価な製品の耐久性に対する厳しい意見が目立ちました。
ドライバーズニットがおすすめな人
ここまでの理由や口コミを踏まえて、ドライバーズニットはどんな人におすすめできるのかをまとめました。
きれいめカジュアルな服装が好きな人
ドライバーズニットは、襟が立っているためジャケットのような上品さがあります。そのため、普段からスラックスやデニムを合わせたきれいめなカジュアルスタイルを好む人には最適です。パーカーだとカジュアルすぎるけれど、ジャケットだと堅苦しいという時にちょうど良い選択肢になります。
重ね着を楽しみたい人
コートの中に着るインナーを探している人にもおすすめです。タートルネックのように首元のアクセントになりつつ、室内に入ってコートを脱いだ時も様になります。ダブルジップを活かして、中のTシャツやシャツをチラ見せするレイヤードスタイルを楽しみたい人にはぴったりのアイテムです。
長く使える定番アイテムが欲しい人
流行り廃りの激しいデザインものではなく、数年は着られるベーシックなアイテムを求めている人にも向いています。しっかりとした素材のものを選べば、トレンドに左右されずに長く愛用できる相棒になります。
ドライバーズニットがおすすめできない人
逆に、以下のようなタイプの人には、ドライバーズニットはあまりおすすめできません。購入前に一度考えてみてください。
服の重さが気になる人
ドライバーズニットの魅力はその重厚感ですが、裏を返せば物理的に重い服が多いです。特にウール100%の本格的なものはずっしりとした重みがあります。肩こりがひどい人や、最近の軽量ダウンのような軽い服に慣れている人は、着ているだけで疲れてしまうかもしれません。
首元の締め付けが苦手な人
タートルネックやハイネックが苦手な人は避けた方が無難です。ジップを上まで上げると首全体が覆われるため、圧迫感を感じることがあります。常にジップを開けて着るなら問題ありませんが、防寒性を期待して買うと後悔する可能性があります。
こまめな手入れが面倒な人
ニット製品の宿命ですが、毛玉のケアは避けて通れません。特にリュックを背負う人や、アウターとの摩擦が多い環境で着る人はすぐに毛玉ができます。ブラッシングや毛玉取り器でのケアを面倒だと感じるなら、すぐにボロボロに見えてしまうでしょう。
ドライバーズニットのおすすめポイント
いろいろな意見はありますが、それでもドライバーズニットには代えがたい魅力があります。改めてその良さを確認しておきましょう。
縦のラインが強調されてスタイルが良く見える
ジップを開けても閉めても、フロントに一本のラインが入るため、視覚効果で縦のラインが強調されます。これにより、上半身がすっきりとして見え、スタイルアップ効果が期待できます。特に襟が立つことで顔まわりに視線がいき、小顔効果があるのも嬉しいポイントです。
温度調節がしやすい
普通のセーターやタートルネックは一度着ると脱ぐのが大変ですが、ドライバーズニットはジップを開閉するだけで簡単に体温調節ができます。電車の中や暖房の効いた室内で暑くなった時に、サッと前を開けたり脱いだりできるのは非常に便利です。
誰が着てもそれなりに大人っぽく見える
パーカーやスウェットはどうしても子供っぽく見えがちですが、ドライバーズニットは素材感と襟のおかげで、羽織るだけで大人っぽい落ち着いた雰囲気が出せます。休日の服装に悩みたくない大人の男性にとっては、これ一枚あればなんとかなるという安心感があります。
ドライバーズニットのおすすめアイテム
最後に、数ある中から特におすすめできるドライバーズニットをいくつか紹介します。予算や用途に合わせて選んでみてください。
Maison Margiela（メゾンマルジェラ）
ドライバーズニットの元祖であり、最高峰です。価格は非常に高いですが、その重厚感と美しいシルエットは他とは一線を画します。一生モノとして投資する価値がある一着です。ずっしりとした重みがありますが、それが高級感の証でもあります。
BATONER（バトナー）
日本のニットブランドが作る高品質なドライバーズニットです。日本人の体型に合うように設計されており、ウールのチクチク感が少なく肌触りが良いのが特徴です。マルジェラほど高くはありませんが、本格的なニットが欲しい人におすすめです。
PUBLIC TOKYO（パブリックトウキョウ）
機能性を重視する人におすすめなのがこちらのブランドです。独自開発の素材を使っており、毛玉になりにくく、なんと自宅で洗えるものもあります。シルエットも今っぽく程よいゆとりがあり、日常使いに最適です。
UNIQLO（ユニクロ）
まずは手頃な価格で試してみたいという人にはユニクロが最適です。数千円で購入できるコスパの良さが魅力ですが、化学繊維が含まれているため毛玉ができやすいという声もあります。ワンシーズンで着倒すつもりで買うか、インナー用として割り切って使うのが賢い選び方です。
まとめ
ドライバーズニットがダサいと言われる理由は、主に着こなし方やサイズ選び、そして毛玉などの劣化による清潔感の欠如にありました。
決してアイテム自体が終わっているわけではありません。自分の体型に合ったサイズを選び、ダブルジップを活用してシルエットを調整し、こまめにケアをすれば、これほど便利で大人っぽいアイテムは他にありません。
周りの評価に惑わされず、ポイントを押さえた選び方で、ぜひ秋冬のコーディネートに取り入れてみてください。
