流線型のボディと近未来的なデザインで、スニーカー界に革命を起こしたエアマックス97。街中で見かけることも多い人気モデルですが、ネットで検索しようとすると「ダサい」なんて言葉が出てきて不安になったことはありませんか。
憧れのモデルだけど、買ってから後悔したくない。周りからセンスがないと思われたくない。そんなふうに悩んでいる人も多いはずです。
そこで本記事では、エアマックス97がなぜ一部でダサいと言われてしまうのか、そのリアルな理由と、逆におすすめできる人・できない人を解説します。「エアマックス97が欲しいけど、もしかして時代遅れ?」と迷っている人はぜひ参考にしてください。
エアマックス97とは?
エアマックス97は、1997年にナイキから発売されたランニングシューズです。
最大の特徴は、靴底全体に搭載されたフルレングス・ビジブルエアでしょう。それまでのモデルでは部分的だったエア(空気のクッション)が、つま先からかかとまで繋がったデザインは、当時の人々に衝撃を与えました。
デザインのモチーフは、池に落ちた水滴が広げる波紋です。よく新幹線がモチーフだと言われますが、それは実は後付けの話だったりします。何層にも重なった流線型のラインと、メタリックなシルバーの色使いは、まるでSF映画から飛び出してきたような未来感を持っています。
発売から25年以上経った今でも、復刻モデルや新作カラーが登場し続けている、まさにナイキの顔とも言える一足です。
エアマックス97がダサいと言われている理由
歴史的名作であるはずのエアマックス97が、なぜダサいと言われてしまうのでしょうか。SNSや口コミを徹底的にリサーチしてみると、単なる悪口ではなく、このモデル特有のクセの強さが原因であることが見えてきました。
デザインが生物的で虫っぽい
もっとも多かった意見の一つが、独特な波模様に対する生理的な違和感です。
アッパー(靴の上の部分)を取り囲む何重ものラインは、エアマックス97の象徴ですが、見る人によってはこれが虫の腹部や、ダンゴムシ、あるいは王蟲(オーム)のように見えてしまうようです。
特に光沢のある素材感と相まって、有機的すぎて気持ち悪いと感じる人が一定数います。スタイリッシュな流線型と捉えるか、グロテスクな生物と捉えるか。見る人の感性によって評価が真っ二つに分かれるデザインなんですね。
オタクっぽさや中学生感が抜けない
エアマックス97はハイテクスニーカーの代表格ですが、それが裏目に出ることがあります。
90年代後半のハイテクスニーカーブームを知る世代にとっては懐かしいアイテムですが、その時代を知らない世代や、ファッションに詳しくない層から見ると、単に子供っぽい靴に見えることがあるのです。
特に、量販店で売られている安価な運動靴が、エアマックスのデザインを模倣していることが多々あります。そのせいで、本家のエアマックス97を履いていても、スーパーで親に買ってもらった運動靴を履いている中学生のような雰囲気が出てしまう。これがダサいと言われる大きな要因です。
現代の服に合わせるのが難しい
実はこれが一番切実な理由かもしれません。エアマックス97は、靴単体の主張がものすごく強いんです。
今のファッショントレンドは、シンプルでミニマルなものが主流です。そんな中で、ギラギラしたシルバーの近未来的な靴を履くと、どうしても足元だけが浮いてしまいます。
細身のスキニーパンツに合わせると足が巨大に見えてミッキーマウス状態になったり、逆に太すぎるパンツだと野暮ったいおじさんに見えたり。おしゃれに履きこなすためのハードルが他のスニーカーに比べて高く、コーディネートに失敗している人が多いのも、ダサいというイメージを加速させています。
エアマックス97の評判・口コミ
では、実際に購入して履いている人たちはどう感じているのでしょうか。良い意見も悪い意見も、忖度なしの生の声をまとめてみました。
良い口コミ
まずは買ってよかった、気に入っているという人の声です。やはりデザインの唯一無二さと、機能面に惹かれている人が多いようです。
- 近未来的なデザインがやっぱりかっこいい。履いているだけで足元が決まるし、他の人と被っても気にならないくらいの存在感がある
- 身長がかなり盛れる。ソールが分厚いので、履くだけで視界が高くなるしスタイルが良く見えるのが嬉しい
- リフレクター(反射板)が光るのが夜道で映える。フラッシュを使って写真を撮るとすごく綺麗に写るのでSNS映えする
- ホールド感がしっかりしていて、足が包み込まれるような安心感がある。意外と長時間歩いても疲れない
- どんなに流行が変わっても定番としての良さがある。何年も履き続けているけれど飽きがこないデザイン
悪い口コミ
一方で、買って後悔した、あるいは試着してやめたという厳しい声も無視できません。
- とにかく靴自体が重い。最近の軽量スニーカーに慣れていると、鉄下駄を履いているように感じるレベル
- ソールが硬い。フワフワしたクッションを期待していたけれど、思ったよりもコツコツとした硬い履き心地で長時間は辛い
- くるぶしが当たって痛い。履き口の作りがしっかりしすぎているせいで、靴擦れを起こしやすいのが難点
- 歩くたびにキュッキュッと音が鳴ることがある。静かな場所だと結構気になって恥ずかしい
- 実物を見ると思っていたよりもテカテカしていて安っぽく見えた。プラスチック感が強くて大人の服には合わせづらい
エアマックス97がおすすめな人
賛否両論あるエアマックス97ですが、ハマる人にはとことんハマる靴です。具体的にどんな人なら満足できるのか、特徴を踏まえて整理しました。
身長を物理的に盛りたい人
これに尽きます。エアマックス97は、数あるナイキのスニーカーの中でもトップクラスにソールが厚いモデルです。
履くだけで約3.5cmから4cmほど身長が高くなります。これはシークレットインソールを入れるのと同じくらいの効果です。今日のコーデはスタイルを良く見せたい、あと数センチ背が欲しい。そんな切実な願いを、デザイン性を損なわずに叶えてくれます。物理的に目線を上げたい人にとっては、これ以上ない相棒になるはずです。
古着やストリートファッションが好きな人
90年代のリバイバルファッションや、古着MIXのスタイルが好きな人にはドンピシャです。
エアマックス97が持つレトロフューチャーな雰囲気は、色落ちしたデニムや、オーバーサイズのパーカー、ナイロンジャケットとの相性が抜群です。新品のピカピカした服よりも、少し着古した味のある服と合わせることで、靴のハイテク感がいいアクセントになります。コムデギャルソンなどのモードブランドとコラボしていることもあり、個性的な服を着こなす人にもおすすめです。
人と同じ量産型ファッションを避けたい人
エアマックス97は、良くも悪くも目立ちます。
街中で溢れているシンプルな白スニーカーや、キャンバス地のスニーカーに飽きてしまった人には最適です。足元にインパクトを持ってくることで、脱・無難なファッションを目指せます。みんなと同じはつまらない、自分の個性を主張したいという気持ちがあるなら、この独特な波紋デザインは強力な武器になります。
エアマックス97がおすすめできない人
逆に、こういう人は買わないほうがいい、あるいは買うと後悔する可能性が高いというパターンもあります。
柔らかい履き心地を求めている人
最新のランニングシューズのような、雲の上を歩くようなフワフワの履き心地を期待してはいけません。
エアマックス97のエアは、反発性を重視した硬めのセッティングです。また、アッパーの素材も耐久性を重視して硬めに作られています。足を優しく包み込んでほしい、とにかく軽い靴がいいという人が履くと、重くて硬くて疲れるという感想になりがちです。快適さ最優先なら、もっと新しい技術を使ったモデルを選んだほうが幸せになれます。
きれいめコーデがメインの人
普段、スラックスにジャケット、あるいはコンサバティブなワンピースなどを着ることが多い人にはおすすめしません。
外しアイテムとして使う高度なテクニックもありますが、基本的には靴の主張が強すぎて服と喧嘩します。特にテカテカした素材感は、上品なウールやコットンの素材とは馴染みにくい傾向があります。きれいめな服に合わせると、靴だけが悪目立ちして、頑張って若作りしているような痛々しい印象になりかねません。
足の幅が広い人
エアマックス97は、デザインの構造上、横幅がかなり狭い作りになっています。
日本人の足は幅広甲高が多いと言われますが、いつものサイズで買うと小指が痛くなる可能性が高いです。サイズを上げて買うという手もありますが、そうすると今度は靴自体が巨大化して、足だけデカいバランスの悪い見た目になってしまいます。幅広の足を持つ人にとっては、サイズ選びと見た目のバランスを取るのが非常に難しいモデルと言えます。
エアマックス97のおすすめポイント
ここまでメリットもデメリットも見てきましたが、それでもエアマックス97が長年愛され続けているのには理由があります。このモデルならではの魅力を紹介します。
唯一無二の流線型シルエット
スニーカーの歴史を見渡しても、ここまで美しい流線型を描くモデルは他にはありません。
静止していてもスピード感を感じさせるデザインは、工業製品としての美しさがあります。特に360度どこから見てもエアが見える構造は、発売当時の未来への憧れが詰まっています。この造形美は、単なるファッションアイテムを超えて、プロダクトデザインとして所有する喜びを与えてくれます。
夜道で光るリフレクターのギミック
デザインの一部であるボーダーのラインには、光を反射するリフレクター素材が使われています。
昼間はグレーのラインに見えますが、夜に車のライトや街灯が当たるとピカッと光ります。これがたまらなくカッコいいんです。クラブや夜の街で存在感を放つのはもちろん、夜間のウォーキングやランニングでの安全性という実用的なメリットもあります。光った瞬間の表情の変化は、エアマックス97だけの特権です。
汚れが目立ちにくく手入れが楽
意外と知られていないメリットですが、エアマックス97は汚れに強いです。
アッパーの多くが合成皮革や樹脂素材で覆われているため、泥やホコリがついてもサッと拭き取ればきれいになります。キャンバス生地やスエード素材のように、汚れが染み込んで取れなくなるという心配が少ないのです。雨の日でも比較的気にせず履けるタフさは、日常使いする上でとても助かるポイントです。
エアマックス97のおすすめアイテム
最後に、これからエアマックス97に挑戦するなら、まずはこれを押さえておけば間違いないという鉄板モデルを紹介します。
シルバーバレット(Silver Bullet)
エアマックス97といえばこれ、という代名詞的なカラーです。
メタリックシルバーのボディに、小さな赤のスウッシュ(ナイキのロゴ)が入った配色は、オリジナルモデルの復刻版です。もっとも97らしさを感じられるカラーであり、スニーカー好きからのリスペクトも集められます。派手に見えますが、グレーの延長として捉えれば意外とどんな色にも馴染みます。まずはこの一足から入るのが王道です。
トリプルホワイト
シルバーのギラギラ感が苦手な人には、全身が真っ白なトリプルホワイトがおすすめです。
特徴的なデザインの凹凸は残しつつ、色が白一色になることで、クリーンで洗練された印象に変わります。これなら「虫っぽい」とか「安っぽい」というネガティブな要素が消え、爽やかな足元を演出できます。春夏のスタイルにも合わせやすく、大人が履いても恥ずかしくない上品さがあります。
トリプルブラック
汚れを気にしたくない、あるいはモードな雰囲気で履きたい人には黒一色が最適です。
足元が引き締まって見えるので、エアマックス97特有のボリューミーなシルエットが悪目立ちしません。黒のワイドパンツと合わせて足長効果を狙ったり、全身黒コーデの異素材アクセントとして使ったりと、使い勝手は抜群です。もっとも失敗が少なく、ダサいと言われるリスクを最小限に抑えられるカラーと言えるでしょう。
まとめ
エアマックス97がダサいと言われる理由は、その個性的すぎるデザインと、スタイリングの難しさにありました。
しかし、それは裏を返せば、履きこなせれば圧倒的な個性を発揮できるということでもあります。身長が盛れるスタイルアップ効果や、唯一無二の未来的なデザインは、他のスニーカーでは得られない価値です。
- 虫っぽく見えるデザインが生理的に無理
- とにかく軽くて柔らかい靴がいい
- 手持ちの服がきれいめばかり
これらに当てはまるなら、無理して買う必要はありません。でも、もしあなたが「周りと違う靴を履きたい」「身長を高く見せたい」「90年代の雰囲気が好き」と思うなら、エアマックス97は最高の一足になるはずです。
ネットの評判なんて気にする必要はありません。大切なのは、あなたがその靴を履いて鏡を見たときに、気分が上がるかどうかです。ぜひ一度お店で試着して、その独特な世界観を肌で感じてみてください。


