ロックテイストなデザインとポップなグラフィックで、長年にわたり日本のファッションシーンを彩ってきたヒステリックグラマー。熱狂的なファンが多い一方で、ネット上では一部でダサいという声も聞かれます。
そこで本記事では、ヒステリックグラマーがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を深掘りしつつ、逆におすすめできる人やできない人についても解説していきます。
ヒステリックグラマーのアイテムが気になっているけれど、世間の評判が少し心配という方はぜひ参考にしてみてください。
ヒステリックグラマーとは?
1984年に北村信彦氏によって設立された日本のファッションブランドです。
60年代から80年代のアメリカンカルチャー、ロックミュージック、ポップアート、そしてポルノグラフィティなどの要素をミックスしたデザインが特徴です。
単なるプリントTシャツにとどまらず、素材の開発から加工技術まで徹底的にこだわる姿勢は、国内外で高く評価されています。特にデニムのクオリティは世界レベルで、多くのミュージシャンやアーティストに愛用されています。
ヒステリックグラマーがダサいと言われている理由
長年愛されているブランドにも関わらず、なぜネガティブな評価が見られるのでしょうか。SNSや口コミを徹底的にリサーチした結果、いくつかの具体的な理由が見えてきました。
昔のイメージを引きずったおじさん・おばさん世代の着こなし
最も多く見られた意見は、着用している年齢層とスタイリングのギャップに関するものです。
かつて90年代の裏原宿ブームや2000年代の木村拓哉さん着用ブームを通ってきた世代が、当時のタイトなサイズ感のまま現在も着続けているケースがあります。
体型が変わってしまったのにピチピチのTシャツを着ていたり、全身をブランドロゴで固めてしまったりすると、どうしても無理して若作りしているような痛々しい印象を与えてしまうようです。これがダサいと言われる大きな要因の一つになっています。
一時期のギャル男・ヤンキーファッションの残像
2000年代中盤、いわゆるお兄系やギャル男ファッションが流行した際に、ヒステリックグラマーのアイテムが多く取り入れられました。
派手なロゴやダメージデニムが当時のヤンキー文化と親和性が高かったためですが、その頃のイメージが強烈に残っている人たちからは、今でも少し野暮ったい、あるいは治安が悪いイメージを持たれてしまうことがあります。
今のトレンドである清潔感のあるシンプルなファッションと比較すると、当時のギラギラした感じが時代遅れに見えてしまうのかもしれません。
主張の強いアイテム同士の組み合わせによる失敗
ヒステリックグラマーの服は、ひとつひとつが主役級のデザインです。
セクシーなガールプリントのTシャツに、スタッズがついたデニム、派手なロゴのキャップなど、全身をヒステリックグラマーで固めてしまうと情報過多になります。
SNS上の辛辣な意見の中には、こうした引き算のできていないコーディネートに対して、中学生みたいで安っぽいという評価を下しているものが見られました。
ヒステリックグラマーの評判・口コミ
実際にヒステリックグラマーを購入している人や、街で見かけた人の声を整理しました。ブランド特有の熱量や、厳しい意見も包み隠さず紹介します。
良い口コミ
- デザインがロックでポップ、日本のブランドとは思えないほど個性的で大好き
- 無難でつまらない服が多い中で、ヒスの服は着ていて楽しい気分になれる
- 1984年から続く歴史があり、素材や加工へのこだわりが素晴らしい
- NewJeansなどのK-POPアイドルが着用していて、レトロで可愛い雰囲気がある
- 年齢に関係なく、自分の好きな服を着るというスタイルがかっこいい
悪い口コミ
- 若作りしているおじさんが着ているイメージが強くて手が出しにくい
- 全身ロゴだらけのコーディネートを見ると品がないと感じてしまう
- デザインが子供っぽく見えてしまい、大人が着るには勇気がいる
- 昔流行ったブランドという印象が抜けず、今着ていると時代遅れ感がある
- 価格が高い割に、プリントが派手すぎて着ていく場所を選ぶ
ヒステリックグラマーがおすすめな人
ダサいという意見がある一方で、世界的には再評価の波が来ています。どのような人にこのブランドがハマるのかを見ていきましょう。
Y2Kファッションや90年代カルチャーが好きな人
今、Z世代を中心に2000年代ファッション(Y2K)が再燃しています。NewJeansなどの世界的アイコンがヒステリックグラマーを着用したことで、若い世代からは新鮮でクールなブランドとして認知されています。
当時の雰囲気を今の感覚で取り入れたい人にとって、ヒステリックグラマーは最強の選択肢と言えます。
ロックやアート、サブカルチャーを愛する人
流行り廃りに関係なく、音楽やアートをファッションで表現したい人にはたまらないブランドです。
デザイナーの北村信彦氏が影響を受けたパンクやニューウェーブの精神は、服の細部にまで宿っています。自分の好きなカルチャーを身にまとうことに喜びを感じる人なら、周りの評価は気にならないはずです。
ヴィンテージデニムの風合いにこだわりたい人
ヒステリックグラマーのデニム加工技術は非常にレベルが高いです。
新品でありながら何年も履き込んだようなリアルな色落ちやダメージ加工は、他のブランドではなかなか真似できません。本物の古着のような質感を求めている人には自信を持っておすすめできます。
ヒステリックグラマーがおすすめできない人
逆に、購入してから後悔しないために、このブランドが合わないかもしれない人の特徴も挙げておきます。
流行のミニマル・シンプルスタイルを好む人
現在はロゴを目立たせないクワイエット・ラグジュアリーや、無地のアイテムを組み合わせるノームコア的なスタイルも人気です。
そうしたシンプルで落ち着いた服装を好む人にとって、ヒステリックグラマーの派手なグラフィックや装飾はノイズに感じられるでしょう。安っぽいと感じてしまう原因もここにあります。
TPOを重視する保守的な環境にいる人
ヒステリックグラマーのデザインには、セクシーなピンナップガールや過激なスローガンが含まれることが多いです。
職場やきちんとした場に着ていく服を探している人には不向きです。あくまでプライベートで、自分の個性を爆発させたい時の服だと割り切る必要があります。
体型の変化に合わせてサイズ選びを変えられない人
昔の感覚のまま、体のラインが出るピチピチのサイズを選んでしまうと、どうしても時代錯誤な印象になります。
今のトレンドに合わせてオーバーサイズを選んだり、あえてメンズがレディースを着たりといった柔軟なサイズ選びができないと、おしゃれに着こなすのは難しいかもしれません。
ヒステリックグラマーのおすすめポイント
ここでは、他のブランドにはないヒステリックグラマーならではの魅力を紹介します。
Supremeなど世界的ブランドとのコラボによる再評価
ストリートブランドの王様であるSupreme(シュプリーム)や、気鋭のデザイナーKiko Kostadinov(キコ・コスタディノフ)とのコラボレーションは、世界中のファッションフリークを熱狂させました。
これにより、ヒステリックグラマーは単なる過去のブランドではなく、現在進行形でクールなブランドであるという地位を確立しています。
資産価値すらある名作アーカイブの存在
過去に発売されたアイテムの中には、中古市場で定価の何倍もの価格で取引されるものが存在します。
特にスネーク柄のデニムなどは、海外のラッパーやセレブがこぞって探し求めているお宝アイテムです。着なくなっても高く売れる可能性があるというのは、購入する上で大きなメリットと言えるでしょう。
世代を超えた共通言語としてのファッション
親子二代でヒステリックグラマーを着ているというファンも少なくありません。
親世代にとっては青春の象徴であり、子世代にとっては新しいY2Kスタイルである。このように世代を超えて会話が生まれるファッションブランドは、日本では非常に稀有な存在です。
ヒステリックグラマーのおすすめアイテム
最後に、これからヒステリックグラマーを取り入れるならこれ、という鉄板アイテムを紹介します。
メッシュキャップ
現在、最も手軽に取り入れられて、かつトレンド感が出せるのがメッシュキャップです。
特にVIXEN GIRLなどのアイコニックなグラフィックが刺繍されたモデルは人気が高く、NewJeansのメンバーが着用したことでも話題になりました。シンプルな服装に一点投入するだけで、一気に雰囲気が出ます。
スネークループ柄デニム
ブランドの最高傑作とも言われる、蛇のウロコ模様がプリントされたデニムパンツです。
非常にインパクトが強いですが、これ一本あれば他のアイテムがシンプルでも十分におしゃれに見えます。復刻されるたびに即完売する人気アイテムなので、見つけたら即買いをおすすめします。
プリマロフトアウター
冬の定番アイテムとして不動の人気を誇るのが、高機能素材プリマロフトを使用したアウターです。
ダウンのように暖かいのに、ボリュームが抑えられていてスタイリッシュに着こなせます。自宅で洗えるなどのメンテナンス性の高さも魅力で、長く愛用できる一着になります。
まとめ
ヒステリックグラマーがダサいと言われる理由は、主に昔のブームを引きずった着こなしや、特定のネガティブなイメージの残像によるものでした。
しかし、実際には世界的なアーティストやZ世代から熱烈な支持を受けており、時代に合わせて進化を続けているブランドです。
大切なのは、過去のイメージにとらわれず、今の自分の感覚で自由にスタイリングを楽しむことです。周りの声に惑わされず、自分が本当にかっこいいと思う服を着る。それこそがヒステリックグラマーというブランドが持つロックな精神そのものなのです。


