アメカジの定番アイテムとして古着屋さんやセレクトショップでよく見かけるヒッコリーパンツ。爽やかなストライプ柄が魅力的で、コーディネートの主役になってくれる頼もしい存在です。
しかし、ネットで検索しようとすると「ヒッコリーパンツ ダサい」なんて言葉が出てきて、不安になったことはありませんか？
「欲しいけど、周りから変に思われたくない」 「作業着っぽくなりそうで着こなしが難しそう」
そんな風に悩んでいる人も多いはずです。
そこで本記事では、ヒッコリーパンツがなぜダサいと言われてしまうのか、その理由を包み隠さず解説します。また、実際の利用者の声をもとに、おすすめできる人とできない人の特徴もまとめました。
これを読めば、自分がヒッコリーパンツを買うべきかどうかがはっきりと分かりますよ。
ヒッコリーパンツとは？
まずは、ヒッコリーパンツがどういうものなのか、簡単に振り返っておきましょう。
ヒッコリーパンツに使われている生地は、正式にはヒッコリーストライプドデニムと呼ばれています。実はこれ、1930年代のアメリカで生まれた歴史あるワークウェアなんです。
当時、鉄道作業員の人たちは蒸気機関車の煤（すす）や機械油で服が汚れることに悩んでいました。そこで、汚れを目立たなくするために開発されたのが、この細かいストライプ柄です。
インディゴの糸と白の糸を織り交ぜることで、汚れをカモフラージュする視覚効果を狙ったんですね。
また、普通の真っ青なデニムに比べて白い糸が多く使われているので、見た目が涼しげで、実際に通気性が良いのも特徴です。夏場でも履けるデニムとして、長年愛されてきた背景があります。
ヒッコリーパンツがダサいと言われている理由
歴史もあって機能的なヒッコリーパンツですが、なぜ一部の人からダサいと言われてしまうのでしょうか。
SNSや口コミを徹底的に調べてみると、単なる好みの問題ではなく、ヒッコリーパンツ特有の「落とし穴」があることが分かりました。
独特の柄が「パジャマ」や「道化師」に見えるから
ヒッコリーパンツ最大の特徴であるストライプ柄ですが、これが裏目に出ることがあります。
ファッションに関心がない人や見慣れていない人からすると、その派手な縦縞が「パジャマ」や「ピエロ（道化師）の衣装」に見えてしまうことがあるようです。
特に、上下ともダボッとしたサイズで着てしまうと、リラックス感が強すぎて部屋着のように見えてしまいます。街着として着ているつもりなのに、周りからは「寝巻き？」と思われてしまう。これがダサいと言われる大きな理由の一つです。
作業着感が強すぎて「仕事中の人」に見える
もともとがワークウェアなので当然といえば当然なのですが、着こなしを間違えると「これから現場仕事ですか？」という見た目になってしまいます。
特に、泥や油で汚れたような加工がされすぎているものや、サイズが大きすぎて裾を引きずっているような状態だと、おしゃれな「あえてのワークスタイル」ではなく、リアルな「作業服」として認識されてしまいます。
清潔感がない着こなしをしてしまうと、途端に評価が下がってしまうアイテムなんです。
コーディネートの足し算・引き算ができていない
ヒッコリーパンツは、それ単体で非常に主張が強いアイテムです。
それなのに、トップスにもチェックシャツやボーダー柄を合わせたり、派手なロゴが入ったパーカーを合わせたりすると、視覚的にうるさくなってしまいます。
おしゃれ初心者の人が、アメカジ＝チェックシャツというイメージだけでヒッコリーパンツと合わせてしまい、結果として「ガチャガチャして野暮ったい」という印象を与えてしまうケースが多いようです。
この「柄×柄」の組み合わせの失敗が、ダサいという評価につながっています。
ヒッコリーパンツの評判・口コミ
では、実際にヒッコリーパンツを購入して履いている人たちはどう感じているのでしょうか。
日本国内の主要なショッピングサイトやSNSから、リアルな声を拾い上げてみました。これから買おうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
良い口コミ
購入して満足している人たちは、その機能性と存在感を高く評価しています。
- 履き心地が楽で、生地が少し薄めなので年中履けるのが嬉しい
- シンプルなTシャツに合わせるだけでコーデが決まるので重宝している
- 汚れが目立たないので、キャンプやガーデニングなどの趣味にもガシガシ使える
- ウォッシュ加工の風合いが絶妙で、古着のような雰囲気がかっこいい
- 女性がオーバーサイズで履いても、ボーイッシュで可愛いと褒められた
悪い口コミ
一方で、購入して後悔した人や、難しさを感じた人の声もあります。特にサイズ選びには注意が必要です。
- ネットで買ったらサイズが合わなかった。普段のジーンズと同じ感覚で選ぶと失敗する
- 裾が長すぎて、ロールアップしないと靴で踏んでしまい汚らしくなる
- 思ったよりも生地がペラペラで、冬場はタイツを履かないと寒い
- 合わせる服が限られるので、結局いつも同じような格好になってしまう
- 家族に「囚人服みたい」と言われて着る気が失せた
ヒッコリーパンツがおすすめな人
ここまでの理由や口コミを踏まえて、ヒッコリーパンツはどんな人におすすめなのかを整理しました。
無地のトップスを多く持っている人
ヒッコリーパンツは主役級のアイテムです。そのため、トップスは無地の白Tシャツや、シンプルなグレーのスウェットなどが一番よく似合います。
クローゼットにシンプルな服が多い人は、ヒッコリーパンツを一本買い足すだけで、毎日のコーディネートの幅がぐっと広がりますよ。
「いつも無地ばかりで地味だな」と悩んでいる人には、特におすすめです。
経年変化（エイジング）を楽しめる人
ヒッコリーパンツはデニムの一種なので、履き込んで洗濯を繰り返すことで色落ちしていきます。
新品のパリッとした状態も良いですが、長年履いてクタクタになり、色が少しあせた状態こそがカッコいいという文化があります。
一つのものを長く大切に使いたい、自分だけの一本に育てたいという価値観を持っている人には、最高に相性が良いアイテムです。
体型をカバーしたい人
ヒッコリーパンツの多くは「ペインターパンツ」という型で、太ももから裾にかけてゆったりとしたシルエットになっています。
足のラインが出ないので、太ももが太い人や、O脚を気にしている人でもストレスなく履くことができます。また、縦のストライプ柄には視覚的に足を長く見せる効果も期待できるので、スタイルを良く見せたい人にもおすすめです。
ヒッコリーパンツがおすすめできない人
逆に、こういう人にはヒッコリーパンツはあまりおすすめできません。買ってから「やっぱり履かないな」とならないようにチェックしておきましょう。
柄物の服が好きな人
普段からチェックシャツ、ボーダーのカットソー、派手なプリントTシャツなどを好んで着ている人は注意が必要です。
ヒッコリーパンツと合わせるとどうしても喧嘩してしまい、コーディネートが難しくなります。手持ちの服との相性を考えたときに、合わせるものがないとなってしまう可能性が高いです。
キレイめモードな服装が好きな人
細身のスキニーパンツや、光沢のあるスラックスなどを好む「キレイめ」なスタイルが好きな人にも不向きです。
ヒッコリーパンツはどうしても「土臭い」「男臭い」雰囲気が出るアイテムです。ジャケットスタイルなどに合わせる上級テクニックもありますが、基本的にはカジュアルでラフな服装になりがちです。
シュッとした都会的なファッションを目指しているなら、他のパンツを選んだほうが無難でしょう。
ネットでのサイズ選びが面倒な人
ヒッコリーパンツ、特に日本の本格的なデニムブランドのものは、サイズ選びが非常にシビアです。
例えば「児島ジーンズ」の口コミでは、普段30インチを履いている人が30インチを買ったら入らず、結局34インチでちょうど良かったという声もあります。
試着せずにネットで適当にポチると失敗する確率が高いアイテムです。サイズ表をじっくり見比べたり、レビューを読み込んだりするのが面倒だと感じる人にはおすすめできません。
ヒッコリーパンツのおすすめポイント
ダサいと言われるリスクはあるものの、それを上回る魅力がヒッコリーパンツにはあります。
とにかく汚れを気にせずガシガシ使える
もともとが汚れを目立たせないための作業着です。少しくらい泥がついても、それがまた「味」になります。
BBQやキャンプ、DIY、犬の散歩など、服の汚れを気にしたくないシーンでは最強のパートナーになってくれます。気を使わずに洗えるタフさは、現代の生活でも大きなメリットです。
夏でも履ける「涼しいデニム」
夏場に普通のジーンズを履くと、熱がこもって暑くてたまらないですよね。
でもヒッコリーパンツなら、白糸の比率が高いので日光を反射しやすく、見た目も涼やかです。夏でも長ズボンを履きたい派の人にとっては、快適に過ごせる貴重な選択肢になります。サンダルとの相性も抜群ですよ。
ロールアップで雰囲気が変わる
ヒッコリーパンツは、裾をロールアップして履くのが定番のスタイルです。
くるぶしを見せて軽やかに履いたり、靴下をチラ見せしたりと、足元の工夫でおしゃれを楽しめます。裏地の色が見えることでアクセントにもなるので、一本でいろんな表情を楽しめるのもポイントです。
ヒッコリーパンツのおすすめアイテム
最後に、これからヒッコリーパンツに挑戦する人におすすめのブランドとアイテムを紹介します。
Lee（リー） ペインターパンツ
ヒッコリーパンツといえばLee、というくらいの王道ブランドです。
特徴はなんといっても完成されたシルエット。太すぎず細すぎず、誰が履いてもサマになる絶妙な形をしています。ウォッシュ加工も自然で、買ったその日からこなれた雰囲気を出せます。
初めて買うなら、まずはLeeを選んでおけば間違いありません。
児島ジーンズ（Kojima Genes）
日本のデニムの聖地、岡山県児島発のブランドです。
作りが非常にしっかりしていて、プロの職人さんが作った本格的な品質を楽しめます。生地の質感が良く、長く履き込みたい人におすすめです。
ただし、先ほども触れましたがサイズ選びには要注意。普段より1～2サイズ上を選ぶ必要がある場合が多いので、購入時はレビューをしっかり確認してください。
Smith’s American（スミスアメリカン）
1906年にニューヨークで創業した老舗のワークウェアブランドです。
アメリカの労働者が着ていた本物の雰囲気を味わえるアイテムですが、価格は比較的リーズナブルなものが多く、手が出しやすいのが魅力です。
シンプルなデザインで、余計な装飾がない「実直なワークパンツ」を探している人にぴったりです。
まとめ
ヒッコリーパンツは、決してダサいアイテムではありません。
ダサいと言われてしまうのは、サイズ感が合っていなかったり、柄物と合わせてガチャガチャしてしまったりする場合がほとんどです。
- トップスは無地でシンプルにまとめる
- 自分の体型に合ったサイズを選ぶ（ネット購入時は慎重に！）
- 裾を引きずらないようにロールアップする
この3つのポイントさえ押さえれば、大人の余裕を感じさせるおしゃれな着こなしができます。
汚れを気にせずガシガシ履けて、履くほどに愛着が湧くヒッコリーパンツ。食わず嫌いせずに、ぜひ一度足を通してみてください。きっと、その便利さとカッコよさにハマるはずです。
