鮮やかなカラーリングと極端なビッグシルエットで、ここ数年で一気に街中で見かけるようになったメゾンスペシャル。その一方で、ネット上や一部のファッション好きの間ではダサいという声も聞かれます。人気ブランドであるはずなのになぜそのように言われてしまうのでしょうか。
本記事では、メゾンスペシャルがダサいと言われる理由と、おすすめできる人・できない人を解説します。気になっているけれど失敗したくない、という人はぜひ参考にしてください。
メゾンスペシャルとは?
メゾンスペシャルは、2019年にサザビーリーグの子会社としてスタートした日本のブランドです。SPECIAL IS YOUR STANDARD(スペシャルを、スタンダードに)をコンセプトに掲げています。
特徴的なのは、その強烈なデザインとカラー展開です。一般的なブランドが黒やベージュなどの無難な色を好むのに対し、メゾンスペシャルはネオンカラーやビビッドなグリーンなどを多用します。また、プライムオーバーと呼ばれる極端に大きなシルエットも特徴です。当初は30代から40代の大人が着る遊び心のある服として想定されていましたが、実際には20代の若者を中心に爆発的な人気を得ています。
メゾンスペシャルがダサいと言われている理由
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長したメゾンスペシャルですが、急速に広まったがゆえの弊害もあるようです。なぜダサい、恥ずかしいと言われてしまうのか、SNSや口コミでよく見られる理由を調べてみました。
若者が無理して着ている感があるから
もともとブランド側は、ファッションを一通り楽しんだ大人の男女をターゲットにしていました。大人が着ることで余裕や遊び心が生まれるデザインなのですが、実際には20代前半の大学生などがメイン層になっています。
若い人が全身をメゾンスペシャルで固めると、服の個性が強すぎて着られている感が出てしまいます。その様子が、背伸びをして頑張っているように見えてしまい、痛々しい、ダサいといった評価につながっているようです。
街中で量産型になってしまったから
一時期、メゾンスペシャルの穴あきニット(ダメージニット)や緑色のカーディガンが爆発的に流行しました。表参道や渋谷に行けば、同じアイテムを着ている人とすれ違うという現象が起きています。
個性的であることが売りのブランドなのに、みんなが着ていることで没個性な制服のように見えてしまう。この矛盾が量産型と揶揄され、恥ずかしいと感じる人が増えているようです。
値段のわりに安っぽく見えるから
メゾンスペシャルは、ポリエステルなどの化学繊維(合繊)を積極的に使用しています。発色が良くケアが楽というメリットはあるのですが、天然素材を好む人からするとプラスチックのように見えてしまうことがあります。
コートやジャケットで3万円以上するのにポリエステル100%ということも珍しくありません。素材に詳しい人が見ると、価格と質感が釣り合っておらず安っぽいと感じてしまうようです。
トレンドを詰め込みすぎて時代遅れになりやすい
デザインのサイクルが非常に早く、その時々の流行を過剰なほど取り入れます。その瞬間は最先端でおしゃれなのですが、1年〜2年経ったときに強烈な時代遅れ感が出てしまいます。
長く着ることを前提としていない使い捨てのような消費スタイルに対し、野暮ったいと感じる人もいるようです。
シルエットが極端すぎてスタイルが悪く見える
プライムオーバーという独自のサイズ感は、体が泳ぐほど大きいです。高身長でスタイルの良い人が着れば雰囲気が出ますが、平均的な体型の人が着ると、単にサイズを間違えただらしない人に見えてしまうことがあります。
特に低身長の人が着ると、布に着られているような印象になり、結果としてスタイルが悪く見えてしまうこともダサいと言われる要因です。
メゾンスペシャルの評判・口コミ
ここでは、実際に購入した人や試着した人のリアルな声を整理しました。良い面も悪い面も知っておくことが大切です。
良い口コミ
- 一枚着るだけでおしゃれに見えるので、コーディネートを考えるのが楽
- 色がとにかく綺麗で、着ていると気分が上がる
- 体型をすっぽり隠せるので、体型に自信がない人でも安心できる
- 男女兼用のデザインが多く、カップルで服をシェアできるのが楽しい
- 周りと違う服が着たいときに、手っ取り早く差別化できる
悪い口コミ
- ニットやコートがとにかく重くて、長時間着ていると肩が凝る
- デザインは可愛いけれど、肌触りがチクチクして不快なものがある
- ネットで買ったらサイズが大きすぎて、布団を着ているみたいになった
- 数回着ただけですぐに毛玉ができてしまい、ワンシーズンで着られなくなった
- 静電気がすごくて冬場はストレスを感じる
メゾンスペシャルがおすすめな人
ダサいという意見もありますが、ハマる人にはとことんハマるブランドです。以下のような人には特におすすめできます。
普通の服に飽きてしまった人
ユニクロや無印良品のようなシンプルな服(ノームコア)に退屈さを感じている人には最適です。着るだけでインパクトが出るので、マンネリ化したファッションを一気に変えることができます。
写真映えを重視する人
InstagramやTikTokなど、SNSでの見え方を気にする人におすすめです。メゾンスペシャルの服は画面越しでも伝わる強い個性と発色があります。お出かけやイベントの際に、主役級の服として活躍してくれるでしょう。
レイヤードを楽しみたい人
重ね着を前提としたデザインが多いため、服の組み合わせを考えるのが好きな人に向いています。インナーを見せたり、ボタンの開け方でシルエットを変えたりと、自分なりの着こなしを実験的に楽しむことができます。
メゾンスペシャルがおすすめできない人
逆に、以下のような価値観を持っている人は購入して後悔する可能性が高いです。
素材の質感を重視する人
ウールやコットン、レザーなど、天然素材の風合いや経年変化が好きな人にはおすすめできません。メゾンスペシャルの多くは化学繊維で作られており、長く着込んで味が出るというよりは、劣化として現れることが多いからです。
TPOを気にする場に行く人
個性が強すぎるため、オフィスや少し堅いレストランなどには不向きです。場所によっては場違いな印象を与えてしまい、常識がないと思われてしまうリスクがあります。オンオフ兼用で着たいと考えている人には使い勝手が悪いかもしれません。
自分の体型に合うサイズ選びが苦手な人
Sサイズでも一般的なLサイズ以上の大きさがあることがザラです。自分の体格と服のバランスを客観的に見ることができないと、服に着られてしまいます。試着をせずにネットで購入するのは避けたほうが良いでしょう。
メゾンスペシャルのおすすめポイント
批判的な意見もありますが、それでも多くの人を惹きつける魅力があります。おすすめのポイントを3つにまとめました。
色彩の解放感がすごい
日本のメンズファッションは黒やネイビーばかりになりがちですが、メゾンスペシャルはその常識を壊してくれます。鮮やかなオレンジやグリーンなど、着ているだけで元気が出るような色は、他のブランドにはない強みです。
デザイナーズブランドのような服が安く買える
奇抜なデザインの服は、本来であればハイブランドや一部のデザイナーズブランドでしか買えず、価格も非常に高いものでした。それを1万円〜3万円台という、頑張れば手の届く価格で提供しているのは企業努力と言えます。
高機能な素材を使っている
安っぽいと言われることもありますが、実は機能面では優秀な素材も多いです。洗ってもシワにならないパンツや、本革のように見えて水に強いヴィーガンレザーなど、忙しい現代人に合わせたケアの楽さは大きなメリットです。
メゾンスペシャルのおすすめアイテム
これから挑戦するなら、個性が強すぎず使いやすい以下のアイテムから入るのがおすすめです。
プライムオーバーメッシュニット
網目状になっているニットです。オーバーサイズですが透け感があるため重たく見えません。インナーを変えることで季節を問わず長く着られます。一着持っているとコーディネートの幅が広がります。
ヴィーガンレザーパンツ
本革のような見た目ですが、軽くてストレッチが効いている合成皮革のパンツです。雨の日でも気にせず履けるのが魅力です。ワイドなシルエットを選ぶと今っぽい雰囲気が出ます。
ワイドパンツ
センタープレスが入ったポリエステル素材のスラックスです。洗濯してもセンタープレスが取れず、シワになりにくいのが特徴です。シルエットが綺麗なので、派手なトップスともバランスが取りやすい名作です。
まとめ
メゾンスペシャルがダサいと言われる理由は、若者が無理して着ている背伸び感や、流行りすぎて量産型になってしまったことにあります。また、素材感や極端なシルエットが好みを分ける要因となっています。
しかし、普通の服では物足りない人や、ファッションで自己表現をしたい人にとっては、これ以上ないほど楽しいブランドであることも事実です。全身をメゾンスペシャルで固めるのではなく、一点だけ取り入れてみるなど、自分のスタイルに合わせてうまく付き合っていくのが良いでしょう。