ミリタリーファッションの定番として長く愛されているN-2Bですが、ネット上や一部の人の間ではダサいという評価があるようです。機能的で男らしいアイテムなのになぜでしょうか。本記事ではN-2Bがダサいと言われる理由とおすすめできる人、できない人を解説します。N-2Bが欲しいけど、もしかしてダサい?と不安な人はぜひ参考にしてください。
N-2Bとは?
N-2Bはアメリカ空軍が開発した寒冷地用のフライトジャケットです。マイナス10度から30度の極寒域で活動するパイロットのために作られました。
同じような見た目のN-3Bとよく間違えられますが、大きな違いは丈の長さです。N-3Bはお尻が隠れるくらいのコート丈なのに対し、N-2Bは腰骨あたりのショート丈になっています。これは狭いコックピットに座ったときに邪魔にならないようにするためです。
またフードの真ん中にジッパーがついていて、パカッと二つに割れるのも大きな特徴です。これも座ったときにフードが背中で邪魔にならないための工夫でした。つまり徹底的に機能性を求めて生まれた服なんです。
N-2Bがダサいと言われている理由
そんな機能美あふれるN-2Bですが、なぜダサいと言われてしまうのでしょうか。SNSや口コミを調べてみると、現代のファッション事情や特有のシルエットに理由があるようです。
丸っこいシルエットで太って見えるから
一番多い理由はシルエットの問題です。N-2Bは防寒のために中綿がたっぷりと入っています。さらに丈が短いので、着るとどうしても上半身が丸く膨らんだボールのような形になります。
今の流行りはオーバーサイズでも縦にストンと落ちる形や、シュッとしたきれいなラインが好まれます。そんな中で上半身だけにボリュームが集まるN-2Bを着ると、まるでダルマのように見えてしまうことがあるようです。特に合わせるパンツを間違えると、脚が短く見えたり全身がずんぐりして見えたりするため、スタイルが悪く見えるのがダサいと言われる大きな原因のようです。
昔のヤンキーや作業着っぽいから
30代以上の人の中には、N-2Bというと昔のヤンキーやギャル男を思い出す人が多いようです。2000年代の初め頃に、ファーがついたショート丈のブルゾンが若者の間で流行りました。その時の派手なイメージが残っているので、今着ていると時代遅れだと感じてしまうのかもしれません。
また、その暖かさと動きやすさから、ホームセンターなどで安く売られている作業着のデザインとして定着しています。そのため街中で着ていると、仕事帰りですか?と見間違えられそうという声もありました。
フードのファーが安っぽく見えることがあるから
N-2Bの特徴であるフードのファーですが、これが逆効果になることもあります。しっかりしたブランドのものなら良いのですが、安価なモデルだとファーがゴワゴワしていたり、毛束が固まっていたりすることがあります。
清潔感を大事にする今のファッションにおいて、手入れされていないボサボサのファーは不潔に見えてしまうようです。ドン・キホーテのジャージみたいに見えるという厳しい意見もありました。顔まわりのボリュームがありすぎると暑苦しい印象を与えてしまうのも、ダサいと言われる一因のようです。
N-2Bの評判・口コミ
実際にN-2Bを着ている人はどう感じているのでしょうか。ネット上の声を良い口コミと悪い口コミにわけて整理しました。
良い口コミ
- とにかく暖かいです。真冬でも中はTシャツ1枚で過ごせるくらい防寒性が高いです。
- バイクに乗るときに最高です。丈が短いのでタンクに干渉しないし、座っても邪魔になりません。
- 流行りのMA-1と違って着ている人が少ないので、人とかぶらないのが良いです。
- フードが割れるデザインが男らしくてかっこいいです。後ろ姿にインパクトがあります。
- 生地が頑丈なので多少雑に扱っても破れません。長く着られるのでコスパが良いです。
悪い口コミ
- 本格的なものは重たいです。長時間着ていると肩が凝ります。
- フードが重くて後ろに引っ張られるので、首が苦しくなることがあります。
- 電車やお店の中だと暑すぎます。脱ぐと荷物になって邪魔になります。
- コーディネートが難しいです。インナーの丈がはみ出しすぎるとだらしなく見えます。
- 彼女に不評でした。ゴツすぎて隣を歩くのが恥ずかしいと言われました。
N-2Bがおすすめな人
ダサいと言われることもありますが、ハマる人にはとことんハマるのがN-2Bです。次のような人には自信を持っておすすめできます。
バイクに乗る人や外での作業が多い人
これは間違いありません。ショート丈で足が動かしやすく、最強クラスの暖かさを持つN-2Bは、冬のライダーや外で働く人にとって最高の相棒になります。実用性がファッションを超えてかっこよく見えるパターンです。
アメカジや無骨なスタイルが好きな人
流行を追うよりも自分の好きなスタイルを貫きたい人には最適です。ヴィンテージのデニムやブーツと合わせた王道のアメカジスタイルは、時代に関係なく男の定番として認められています。N-2Bの持つ重厚感や土臭さをあえて楽しむことができる人なら問題ありません。
人とかぶりたくない人
街中はダウンジャケットやMA-1を着ている人で溢れています。そんな中でN-2Bを選ぶことはそれだけで個性になります。特にスプリットフードを開いて肩にかけた後ろ姿はN-2Bにしか出せない独特の雰囲気です。あえて着こなしの難しいアイテムに挑戦したい人にもおすすめです。
N-2Bがおすすめできない人
逆に次のような人はN-2Bを買って後悔する可能性が高いかもしれません。
スタイルを良く見せたい人
N-2Bは上半身にボリュームが出るため、着痩せ効果は期待できません。背が低い人や体型が気になる人が着ると、横幅が強調されてさらに丸く見えてしまうリスクがあります。脚を長く見せたいという願望があるなら、ロングコートなどを選んだほうが無難です。
清潔感やシンプルさを最優先する人
今のトレンドである韓国風のきれいめスタイルや、シンプルなファッションが好きな人には合いません。N-2Bはポケットやジッパー、ファーなど情報量が多い服です。シンプルな服の中にひとつだけ混ぜると、そこだけ浮いてしまって違和感が出ることがあります。
重い服が苦手な人
最近のアウターは軽くて暖かいのが当たり前になっています。ユニクロのダウンなどに慣れていると、N-2Bのズッシリとした重さはストレスになるでしょう。肩こりがひどい人や、服は楽なのが一番という人にはおすすめできません。
N-2Bのおすすめポイント
ここまで読むと難しい服に感じるかもしれませんが、N-2Bにはそれを補う魅力があります。
唯一無二のスプリットフード
N-2B最大の特徴であり、他のアウターにはない魅力です。フードのジッパーを開いて左右に垂らした時の後ろ姿はインパクト抜群です。ただの防寒着ではなく、道具としてのメカニカルなかっこよさがあります。フードをかぶれば顔まわりが完全に覆われるのでマフラーいらずです。
本気の防寒性能
ファッションブランドが作ったN-2B風のものではなく、しっかりとしたミリタリーブランドのものなら、日本の冬では暑いくらいの暖かさです。インナーを着込まなくても暖かいので、室内に入ってアウターを脱げば身軽になれるというメリットもあります。
長く着られるタフさ
ナイロン製のフライトジャケットは、着込むほどに生地が馴染んで独特の味が出てきます。流行り廃りで毎年買い替えるのではなく、ひとつのアイテムを長く愛用したい人にとっては非常にコストパフォーマンスの高いアイテムです。
N-2Bのおすすめアイテム
ダサいと言われないためにはブランド選びとサイズ感が重要です。ここでは間違いのない3つのブランドを紹介します。
ALPHA INDUSTRIES アルファ インダストリーズ
米軍への納入実績を持つ王道ブランドです。おすすめは日本人の体型に合わせて作られたジャパンフィットモデルです。オリジナルの野暮ったいシルエットが修正されていて、身幅や腕まわりがスッキリとしています。これなら街着としてスマートに着こなせます。
AVIREX アヴィレックス
こちらもミリタリーの老舗ですが、よりファッション性に振ったアイテム展開が魅力です。タウンユース向けにアレンジされたモデルや、デザイン性の高いリメイクモデルなどが豊富です。作業着っぽさを消したい人におすすめです。
WAIPER.inc ワイパーインク
本物が欲しいけどヴィンテージはサイズや状態が不安という人には、ミリタリーショップWAIPERの復刻モデルがおすすめです。過去の名作を現代の技術で忠実に再現していて、質感や重厚感は本物そのものです。それでいて日本人の体型に合うサイズ展開がされています。
まとめ
N-2Bがダサいと言われる理由は、その独特な丸いシルエットや過去の流行によるイメージ、そしてコーディネートの難しさにあります。何も考えずに着ると着太りしたり、野暮ったく見えたりする可能性があるのは事実です。
しかしその圧倒的な暖かさや、機能美からくるデザインは他のアウターにはない魅力です。バイクに乗る人や無骨なスタイルを愛する人にとっては、これ以上ない頼れる相棒になるはずです。
大切なのは自分のスタイルや用途に合っているかどうかです。流行っているからではなく、この機能とデザインが好きだからという理由で選ぶなら、N-2Bは決してダサいアイテムではありません。ぜひ自分に合った一着を見つけて冬のファッションを楽しんでください。

