長年にわたり冬の定番アウターとして親しまれてきたネイビーのコートですが、最近では一部でダサい、時代遅れといった声も聞かれるようです。王道であるはずのアイテムが、なぜそのように評価されてしまうのでしょうか。
本記事では、ネイビーのコートがダサいと言われる具体的な理由と、逆におすすめできる人、できない人について解説します。
ずっと着ているけど、もしかして周りから浮いている?と不安に感じている人はぜひ参考にしてください。
ネイビーコートとは?
ネイビーコートとは、その名の通り濃紺色のコート全般を指します。チェスターコートやステンカラーコート、Pコート、トレンチコートなど、形はさまざまです。
黒ほど重たくならず、グレーほどぼやけない。知的で清潔感があり、ビジネスからカジュアルまで幅広く使える万能アイテムとして、多くの人のワードローブに入っています。特に日本では、制服やリクルートスーツの色としても馴染み深く、真面目でしっかりした印象を与える色として定着しています。
ネイビーコートがダサいと言われている理由
誰にでも似合うはずのネイビーコートですが、着こなしや選び方によってはマイナスの印象を与えてしまうことがあります。ここでは、なぜダサいと言われてしまうのか、その理由を深掘りしてみましょう。
就活生や学生服に見えてしまうから
これが最も多い理由かもしれません。 日本ではリクルートスーツや学生の制服といえばネイビーが主流です。そのため、大人がネイビーのステンカラーコートやPコートを着ていると、どうしても就職活動中の学生や、学校帰りの高校生に見えてしまうことがあります。
特に、ビジネス用に買った少し余裕のないサイズ感のコートを休日に着回していると、仕事着をそのまま着てきたような野暮ったさが出てしまいます。洗練された大人のファッションというよりは、義務で着ている制服のように見えてしまうのが、ダサいと言われる大きな要因です。
ホコリや汚れが目立って不潔に見えるから
濃い色特有の悩みですが、ネイビーは白いホコリや糸くず、ペットの毛などが非常に目立ちます。 冬場はニットやマフラーなど、毛羽立ちやすいアイテムを一緒に着ることが多いため、気づかないうちにコートがホコリまみれになっていることも珍しくありません。
電車の中や明るい屋外で、肩や背中に白いゴミがたくさんついているネイビーコートを見ると、手入れが行き届いていない、清潔感がないといったネガティブな印象を持たれてしまいます。アイテム自体のデザイン云々よりも、このメンテナンス不足が安っぽさやダサさに直結しているケースも多いようです。
黒パンツと合わせて全体が重たく沈んでいるから
無難だからといって、ネイビーのコートに黒のパンツを合わせている人をよく見かけます。 ファッション上級者が素材感を変えて組み合わせるなら素敵ですが、一般的にネイビーと黒は色が近すぎて、メリハリがなくなりがちです。
特に夜や室内の照明の下では、全身が暗い塊のように見えてしまい、華やかさや洒落っ気が感じられません。SNSなどでも、なんとなく合わせた黒と紺の組み合わせは、地味でパッとしない、おじさんっぽいといった辛辣な意見が見受けられます。
過去の流行を引きずったシルエットだから
10年ほど前には、体にフィットした短めのPコートや、ウエストがシェイプされた細身のコートが流行しました。 しかし、現在はゆったりとしたオーバーサイズやロング丈が主流です。
今でも昔のようなピチピチのサイズ感や、お尻が出るくらいの短い丈のネイビーコートを着ていると、どうしても時代遅れ感が出てしまいます。アップデートされていない古いファッションは、見る人に違和感を与え、結果としてダサいという評価につながってしまいます。
ネイビーコートの評判・口コミ
実際にネイビーコートを着ている人や、街で見かける人の声を集めてみました。 良い意見もあれば、やはり扱いの難しさを嘆く声もあるようです。
良い口コミ
- 黒よりも顔色が明るく見えて、上品な印象になるのが嬉しい
- どんな色のインナーとも合わせやすく、朝のコーディネートが楽になる
- きちんとした場所に着ていっても恥ずかしくない安心感がある
- 金ボタンのジャケットやコートは高級感があって気分が上がる
- 知的な雰囲気が出るので、仕事ができる人に見られやすい
悪い口コミ
- 毎朝コロコロでホコリを取るのが本当に面倒で、着るのが億劫になる
- 玄関で綺麗にしても、出先で気づくとまた白いゴミがついていて恥ずかしい
- 黒いパンツを履くことが多いので、合わせると全身真っ暗になってしまう
- 大学生の頃に着ていたPコートのイメージが抜けず、幼く見られないか不安
- 普通のデザインだと、どうしてもサラリーマンの通勤着に見えてしまう
ネイビーコートがおすすめな人
ネイビーコートは決して悪いアイテムではありません。 特徴を理解してうまく取り入れられる人には、強力な武器になります。ここでは、ネイビーコートをおすすめできる人の特徴を挙げてみます。
きれいめで清潔感のあるスタイルが好きな人
カジュアルすぎる服装よりも、シャツやスラックス、ニットといったきれいめなアイテムを好む人には最適です。 ネイビーは品格を表す色なので、トラッドなスタイルやコンサバティブなファッションとの相性は抜群。相手に信頼感を与えたいシーンや、少し背伸びをして大人っぽく見せたいときには、これ以上ない味方になってくれるでしょう。
こまめなメンテナンスが苦にならない人
先ほど触れたように、ネイビーはホコリが目立ちやすい色です。 着用前後にブラッシングをしたり、粘着クリーナーでゴミを取ったりといった手入れを日常的に行える人であれば、常に美しい状態で着こなすことができます。手間をかけて手入れされたウールのコートは、独特の艶を放ち、着る人の誠実さを際立たせてくれます。
白やベージュなど明るい色の服をよく着る人
インナーやボトムスに白、ベージュ、ライトグレーなどの明るい色を取り入れるのが好きな人にもおすすめです。 ネイビーは明るい色と合わせることで、そのコントラストが美しく映えます。重たくなりがちな冬の装いも、ネイビーと白の組み合わせなら爽やかで洗練された印象を作ることができます。メリハリのある配色は、脱・地味の第一歩です。
ネイビーコートがおすすめできない人
一方で、ライフスタイルや性格によっては、ネイビーコートを選ばないほうが幸せになれるかもしれません。
ズボラで服の手入れが面倒な人
帰宅したらコートを脱ぎっぱなし、出かける前に鏡で後ろ姿をチェックしない、といったタイプの人にはおすすめできません。 どんなに高いブランドのコートでも、ホコリがついているだけで一気に安っぽく見えてしまいます。メンテナンスに時間をかけたくない、気を使わずにガシガシ着たいという人は、汚れやホコリが目立ちにくいグレーやベージュ、あるいは表面がつるっとしたナイロン素材のアウターを選んだほうが無難です。
黒いパンツや暗い色の服ばかり着ている人
手持ちの服が黒ばかりという人は、ネイビーコートを羽織ると全身がダークトーンになりすぎてしまいます。 もちろん、異素材をミックスさせるなどのテクニックがあれば別ですが、何も考えずに合わせると、ただ暗いだけの人になりがちです。黒い服が多いなら、アウターはキャメルやカーキなど、色の差がはっきり出るものを選んだほうが、簡単におしゃれに見えます。
とにかく無難に済ませたいと思っている人
とりあえずネイビーを買っておけば間違いないだろう、という消極的な理由で選ぶのも危険です。 ネイビーは実は、サイズ感や素材の良し悪し、スタイリングのセンスが如実に表れる色でもあります。無難さを求めた結果、就活生のような没個性なスタイルに陥ってしまうリスクが高いのです。ファッションにあまり興味がなく、楽におしゃれに見せたいのであれば、一枚でサマになるデザイン性の高いコートや、トレンドカラーのアイテムを選んだほうが近道かもしれません。
ネイビーコートのおすすめポイント
ここまで厳しいことも書きましたが、ネイビーコートにはそれを補って余りある魅力があります。 正しく選べば、長く愛用できる素晴らしいアイテムです。
日本人の肌をきれいに見せる色補正効果
ネイビー、特に深みのある濃紺は、日本人の黄色みがかった肌を白く透明感のあるように見せてくれる効果があります。 ベージュやカーキだと顔色がくすんで見えてしまう人でも、ネイビーなら顔周りが引き締まり、若々しく健康的な印象を与えられます。パーソナルカラーを問わず、多くの人に似合いやすいのも大きなメリットです。
トレンドに左右されない普遍的な品の良さ
流行り廃りはありますが、ネイビーという色自体の価値が下がることはありません。 上質なウールのネイビーコートは、時代を超えて愛されるクラシックなアイテムです。特に最近はトラッド回帰の流れもあり、金ボタンのブレザーやPコートなど、正統派なネイビーアイテムが見直されています。きちんとした場からカジュアルなデートまで、一着あればあらゆるシーンに対応できる汎用性の高さは、他の色にはない強みです。
どんな色とも喧嘩しない協調性
黒とは合わせにくいと書きましたが、それ以外の色とは驚くほどよく合います。 白やグレーはもちろん、ブラウン、カーキ、赤、黄色、ピンクなど、どんな色とも喧嘩せずに受け止めてくれる懐の深さがあります。派手な色のニットやマフラーを使いたいとき、全体を落ち着かせてまとめてくれるのがネイビーの役割です。色合わせの実験を楽しむ土台として、これほど優秀な色はありません。
ネイビーコートのおすすめアイテム
最後に、今ネイビーコートを取り入れるなら、どんなアイテムを選ぶべきかを紹介します。 古臭く見えない、今の時代の空気をまとったアイテムを厳選しました。
リバー仕立てのロングコート
裏地がなく、2枚の生地を貼り合わせて作られたリバーコートは、驚くほど軽くて柔らかいのが特徴です。 カッチリとした重たいコートとは違い、カーディガンのようにさらりと羽織れるドレープ感が魅力。肩の力が抜けたリラックスしたシルエットは、今のトレンドにぴったりです。歩くたびに裾が揺れる優雅さは、大人の余裕を感じさせます。
ゆったりサイズのモダンなPコート
学生っぽさを払拭した、進化したPコートも注目されています。 昔のものより着丈が長く、身幅もたっぷりと取られたオーバーサイズのものがおすすめです。大きな襟は小顔効果もあり、中に厚手のニットを着込んでも着膨れしません。ボタンを開けてバサッと羽織れば、マリンテイストの爽やかさと、モードな雰囲気を両立できます。
金ボタン付きのダブルブレストコート
トラッドな雰囲気を強調したいなら、金ボタンがあしらわれたデザインが良いでしょう。 ネイビーとゴールドの組み合わせは、華やかでリッチな印象を与えます。アクセサリーをつけなくてもコート一枚で存在感が出るので、シンプルな服に羽織るだけでコーディネートが完成します。デニムと合わせてカジュアルダウンするのも、こなれた着こなしです。
まとめ
ネイビーコートは決してダサいアイテムではありません。 ダサいと言われてしまうのは、就活生のように見えてしまう着こなしや、ホコリなどの手入れ不足、そしてアップデートされていない古いサイズ感に原因があります。
逆に言えば、少しゆとりのある今っぽいシルエットを選び、日々のメンテナンスを心がけ、明るい色と組み合わせて着こなせば、これほど知的で頼りになるアウターはありません。
周りの声に惑わされず、自分のライフスタイルに合っているか、鏡の前でワクワクできるかどうで判断してみてください。 正しく付き合えば、ネイビーコートはあなたの魅力を最大限に引き出してくれるはずです。


