オニツカタイガーは、日本生まれの老舗シューズブランドです。レトロで洗練されたデザインが世界中で人気を集めています 。特にMEXICO 66はブランドの顔とも言えるモデルです 。
しかし、その人気とは裏腹に、一部ではダサい、時代遅れだという声も聞かれます。
この記事では、オニツカタイガーがダサいと言われる理由や、どんな人におすすめで、どんな人には合わないのかを、SNSなどの評判を交えて解説します。
オニツカタイガーの靴が欲しいけれど、もしかしてダサい?と不安に思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
オニツカタイガーとは?
オニツカタイガーのルーツは、1949年に鬼塚喜八郎氏が設立した鬼塚商会にあります 。日本生まれのスポーツシューズブランドとして、最初はバスケットボールシューズから始まりました 。その後、マラソンシューズなども手掛け、多くのスポーツ選手に愛用されてきました 。
一度はアシックス(ASICS)に統合されましたが、2002年にファッションブランドとして復活します 。これはヨーロッパでのレトロファッションブームがきっかけでした 。
アシックスがスポーツの機能性を追求するブランドであるのに対し、オニツカタイガーは過去のモデルを現代風にアレンジする、歴史を活かしたブランドという立ち位置です 。
今では、定番のMEXICO 66やSERRANOといったモデルが、日本だけでなく海外の有名人にも履かれています 。
さらに、NIPPON MADEシリーズのような、日本の職人技術を活かした高級ラインも展開しています 。環境に配慮したものづくりも評価されており 、ただのスニーカーブランドではない地位を築いています。
オニツカタイガーがダサいと言われている理由
世界的に人気がある一方で、なぜオニツカタイガーはダサいと言われてしまうことがあるのでしょうか。その理由は、このブランド特有の背景にありました。
特定の世代にとって体育館シューズ(上履き)のイメージが強すぎる
オニツカタイガーがダサいと感じられる一番の理由は、日本人、特に特定の世代にとって学校で履いた体育館シューズや上履きに見えてしまうことでしょう。
MEXICO 66の白・青・赤のカラーリングや、薄いソール、レトロな形が、学生時代に履いていた運動靴のデザインとそっくりだという意見です 。
SNSなどでも、いくらオシャレと言われても体育館の靴にしか見えない、とか、親世代からすると懐かしい運動靴という認識、といった声があります。
この学校の靴というイメージはかなり強く、ファッションアイテムとしてお金を出すことに抵抗を感じる人もいます。それが安っぽい、野暮ったいという印象につながっているようです。
たとえ海外の有名人が履いていたとしても、このイメージが抜けない人にとっては、ダサいアイテムに見えてしまうのかもしれません。
流行の厚底・ぽってり系スニーカーと真逆の薄いソール
今のスニーカーの流行は、HOKA(ホカ)やNew Balance(ニューバランス)の990番台のような、ソールが厚くてボリュームのある、ぽってりした形が主流です。
こうした靴はクッション性が高く、足元に存在感を出すのが特徴です。
それに対して、オニツカタイガーのSERRANOやMEXICO 66は、昔の陸上スパイクがベースになっているため、ソールがとても薄く、細身の形をしています 。
このデザインは、今の流行とはまったく逆です。
流行に敏感な人から見ると、この薄いソールがボリューム不足で貧相に見えたり、時代遅れだと感じたりするようです。センスがない、一昔前に流行った靴、という印象を持つ人もいます。
訪日観光客の爆買いによるイメージの消費
オニツカタイガーは海外でとても人気があります。特にシルバーのMEXICO 66や、映画キル・ビルで使われた黄色のTAI-CHIモデルが有名です 。
そのため、日本の店舗には海外からの観光客が押し寄せ、人気モデルがすぐに売り切れる「爆買い」が起きています 。
YouTubeなどを見ると、開店前から行列ができ、シルバーのモデルやキル・ビルモデルを探して店をはしごする観光客の様子がわかります 。
この状況が、逆に日本人にとってはダサいと感じる理由になっているようです。
あまりに多くの観光客がお土産や制服のように同じ靴を履いていると、ファッションとしての特別感が薄れてしまいます。
観光客が履く靴というイメージがついてしまい、おしゃれに敏感な人からは、今さら履くのは恥ずかしい、終わったブランドだ、と見なされることもあるようです。
オニツカタイガーの評判・口コミ
実際に履いている人はどう感じているのでしょうか。SNSなどの声をまとめました。
良い口コミ
- とにかく軽い。セラーノは履いてないみたいで、歩きやすい 。
- ソールは薄いけど、なぜか疲れない。クッションが効いていて、旅行で一日中歩いても大丈夫だった 。
- 新品でも靴擦れせず、すぐに足に馴染んで快適 。
- 足の幅が狭くて甲が薄い自分の足には、これしか合わない 。
- デザインが細身ですっきりしているので、スラックスみたいなきれいめな服にも合わせやすい 。
悪い口コミ
- とにかく靴の幅が狭すぎる。いつものサイズじゃ履けなくて、0.5cmか1.0cmアップしないと無理 。
- 幅広で甲高の足だと、サイズを上げても甲の部分がきつい。紐を全部ゆるめないとダメだった 。
- 自分は足幅が狭い方だと思ってたけど、それでもきつく感じた 。
- 無理して履いたら爪が食い込んで膿んでしまった。幅広の人は絶対に合わないと思う 。
- ぴったりしすぎる分、夏はちょっと蒸れそうな気がする 。
オニツカタイガーがおすすめな人
ダサいという評価がある一方で、その特徴がぴったりハマる人もいます。
足の幅が狭い、または甲が薄い人
オニツカタイガーの一番の不満点として幅の狭さがありますが 、これは足幅が狭い人や、甲が低い薄い足の人にとっては大きな利点になります。
New Balanceなどのスニーカーは、標準か幅広のサイズが多く、足が狭い人だと靴の中で足が動いてしまいがちです。見た目もアンバランスになることがあります。
オニツカタイガーは、陸上スパイクが元になっているモデルが多く 、靴紐を締めると足と靴が一体になるような、ぴったリとしたフィット感を目指して作られています。
他のスニーカーはいつも大きすぎると感じていた人にとって、このフィット感はとても魅力的に映るはずです 。
スニーカーを革靴のようにきれいに履きたい人
ソールが薄くて時代遅れ、という見方もありますが、服装と合わせる上では強みにもなります。オニツカタイガーは、スニーカーというより革靴に近い感覚で履けるブランドです。
ボリュームのあるスニーカーだと、スラックスや細いパンツを履いたときに裾が靴の上で余ってしまい、全体の形が崩れがちです。
その点、オニツカタイガーの薄くてすっきりした形は、スラックスの折り目を邪魔せず、足元をきれいに見せてくれます 。
きれいめなカジュアルスタイルにぴったりで、スニーカー特有の野暮ったさを出したくない大人におすすめです 。
ブランドの歴史や背景を重視する人
観光客の靴だとか、体育館シューズだとか、そういった表面的なイメージを気にしない人にもオニツカタイガーはおすすめです。このブランドには、深い歴史があります。
有名な話ですが、ナイキ(NIKE)の創業者が、ナイキを作る前にオニツカタイガーの靴をアメリカで売ることからビジネスを始めたという歴史があります 。
ナイキのコルテッツというモデルは、オニツカタイガーのタイガーコルセアが原型になっています 。スニーカーの歴史を語る上では欠かせません。
映画キル・ビルで主人公が履いていたことでも、世界的に有名になりました 。
こうした物語のある靴は、ただの流行とは違います。他人がどう思うかより、その靴が持つ背景や価値を大切にしたい人にとって、魅力的な一足になるでしょう。
オニツカタイガーがおすすめできない人
逆に、オニツカタイガーの特徴が合わない人もいます。購入してから後悔しないよう、確認しておきましょう。
足幅が広い、または甲が高い人
これはとても大事な点です。もし自分の足が幅広だ、甲高だと感じているなら、オニツカタイガーを買うのは慎重になったほうが良いかもしれません。
悪い口コミにもある通り、このブランドの靴はとても細身です 。1cmサイズを上げても甲がきついとか、無理に履いて爪を痛めたという声もあります 。
幅広の足が細い靴に押し込まれて、靴の横が膨らんでしまうと、見た目もあまり良くありません。
靴本来のすっきりした形が崩れてしまい、それが一番安っぽく、恥ずかしい見た目につながってしまいます。これはセンスというより、単純に足の形が合っていないということです。
流行のボリューム感やクッション性をスニーカーに求める人
スニーカーに流行のボリューム感や、フカフカしたクッション性を求めているなら、オニツカタイガーは選ばない方が良いでしょう。
オニツカタイガーのソールは薄く 、地面の感覚が伝わってくるような履き心地です。
薄いのに不思議と疲れない、という人もいますが 、HOKAのような厚底のクッション性とはまったく違います。
流行のボリューム感を期待してこの靴を買うと、足元の物足りなさにがっかりし、すぐに時代遅れだと感じて履かなくなるかもしれません。
ダサいと思われるのが少しでも嫌な人
最後に、あなたがどう感じるか、という点です。オニツカタイガーには、良くも悪くも体育館シューズのイメージがあります 。
これが世界的なファッションアイテムで、雑誌でおしゃれに紹介されていても、ダサいと感じる人がいるのは事実です。
もしあなたが他人の目をとても気にするタイプで、体育館シューズだと思われているかも、と不安になりそうなら、買うのはおすすめできません。
どんなにおしゃれに履きこなしても、あのイメージを持つ人からダサいと思われる可能性はなくならないからです。
オニツカタイガーのおすすめポイント
ダサいと言われる理由もありますが、それを上回る魅力もたくさんあります。
デザインの完成度と歴史的な価値
オニツカタイガー、特にMEXICO 66は、一時的な流行で終わるスニーカーではありません。生まれてから50年以上たっても愛され続ける、歴史的なモデルです 。
ラインの配置や薄いソールとのバランスが絶妙で、デザインの完成度がとても高いです。
流行の靴は数年で時代遅れになりがちですが、このデザインはそういう次元にはありません。
先ほども触れましたが、ナイキが生まれるきっかけになった歴史 や、映画キル・ビルで使われた背景など 、語れる物語があるスニーカーはなかなかないでしょう。
NIPPON MADEシリーズの高品質なものづくり
安っぽい体育館シューズというイメージをなくしたいなら、最高級ラインのNIPPON MADE(ニッポンメイド)シリーズがあります 。
このシリーズは、素材選びから仕上げまで、すべて日本の職人が国内で行っています 。
たとえば、柔らかい山羊革のスエードを使い、洗いをかけることで、最初から履き込んだような独特の風合いを出しています 。
その質感は、普通のスニーカーとは明らかに違う高級感があり、安っぽいというイメージとは無縁です。
高級ブランドも認めるファッション性の高さ
もしオニツカタイガーが本当にダサいだけなら、世界の高級ブランドがコラボ相手に選ぶはずがありません。
最近では、ヴァレンティノ(Valentino)やヴェルサーチェ(Versace)といったブランドともコラボしています 。
特に注目されたのが、フランスのブランドPATOU(パトゥ)とのコラボです 。
PATOUは、MEXICO 66にリボンを付けたり、バレエシューズと組み合わせた新しいモデルを発表しました 。
これは、オニツカタイガーの薄くて繊細な形が、体育館シューズとは正反対の、かわいらしいアイテムとして世界のファッション界で認められている証拠です 。
オニツカタイガーのおすすめアイテム
最後に、オニツカタイガーの代表的な3モデルを紹介します。
MEXICO 66 (メキシコ 66)
オニツカタイガーといえば、多くの人がこのMEXICO 66を思い浮かべるでしょう。まさにブランドの象徴的なモデルです 。
映画キル・ビルで使われたり 、海外の観光客が探しているのも、主にこのモデルです 。
ブランドの顔だからこそ、体育館シューズとか観光客の靴だとか、ダサいと言われる可能性が一番高いモデルでもあります。
とはいえ、そのデザインは流行り廃りのない、完成されたものです。
こうした背景を理解した上で、周りの目を気にせず定番として履きこなせる人におすすめです。
SERRANO (セラーノ)
MEXICO 66と並んで人気があるのが、このSERRANO(セラーノ)です。1970年代の陸上スパイクがベースになっています 。
ナイロンとスエードを使ったデザインで、とても軽いのが特徴です 。
MEXICO 66よりもさらにソールが薄く、つま先が少し上がった、すっきりした形をしています 。
とにかく軽い靴が良い人や、シンプルなスタイルが好きな人に向いています。
MEXICO 66はちょっと野暮ったく感じる人や、人とかぶるのが嫌な人は、こちらのセラーノの方がすっきり履けるでしょう。
NIPPON MADE シリーズ
ダサい、あるいは安っぽいというイメージがどうしても気になる人には、このNIPPON MADEシリーズがおすすめです。
MEXICO 66 DELUXEなど、定番の形をベースに、最高級の素材と日本の職人技術で作られています 。
たとえば山羊革のスエードを使い、洗い加工で独特の風合いを出しています 。細かいところまで丁寧に作られていて、一目で良い靴だとわかります。
値段は高くなりますが、体育館シューズのイメージを避けたい人や、本物の日本製にこだわりたい大人にぴったりのシリーズです。
まとめ
オニツカタイガーがダサいと言われるのは、日本では体育館シューズのイメージがあること 、そして今の厚底ブームとは逆の薄いソールであること が主な理由です。
しかし、その裏にはナイキの原型になったという歴史 や、PATOUのような高級ブランドも認めるファッション性 があります。
オニツカタイガーがあなたに合うかどうかは、結局のところ、次の3点にかかっています。
まず、足が幅広・甲高ではないこと 。次に、流行のボリューム感を求めていないこと。最後に、体育館シューズというイメージを気にせず、そのデザインや歴史を好きになれることです。
もしこの条件に当てはまり、自分の細身の足に合う、きれいめな服に合わせるスニーカーを探しているなら、オニツカタイガーは最高の選択肢になるはずです。

