スイス・アルプスで生まれたランニングシューズブランド、On(オン) 。
その高い機能性と快適さで、多くのランナーに支持されています 。しかし、人気が広がるにつれて、一部では「Onのスニーカーはダサい」という人もいるようです 。
そこで本記事では、Onのスニーカーがダサいと言われる理由と、おすすめできる人・できない人を解説します。SNSや海外の掲示板で見られるリアルな声も集めました 。
「Onが欲しいけど、もしかしてセンスがないと思われないか不安」という人は、ぜひ参考にしてください。
Onのスニーカーとは?
Onは、2010年にスイスで誕生した高機能ランニングシューズ&ウェアブランドです 。
元プロアスリートの創業者が、自身の経験から革新的なシューズを開発したのが始まりです 。
Onの最大の特徴は、特許技術であるCloudTec(クラウドテック)というソール技術です 。
ソールにある空洞のパーツが、着地時の衝撃を吸収し、それを前へ進む力に変えてくれます。
この技術によって、「雲の上を走っているかのような」と例えられる、軽くてクッション性の高い独特な履き心地が生まれます 。
最初は本格的なランナーから人気が出ましたが、その履き心地とデザインが口コミで広がり 、今では通勤や日常のファッションアイテムとしても世界中で履かれています。その新しさから「シューズ界のアップル」と呼ばれることもあります 。
Onのスニーカーがダサいと言われている理由
Onの魅力であるはずの機能性と、それがもたらした人気。この2つが、逆に「ダサい」というイメージを生んでいるようです。On特有のネガティブな評価について、SNSや海外の掲示板(Reddit)の声をもとに探っていきます。
独特すぎるソール形状がゴツくて服に合わない
Onのシンボルでもある、穴が空いたようなCloudTecソール 。クッション性という機能をそのままデザインにしたものです。
しかし、ファッションとして見ると、このデザインが「ゴツすぎる」「機能性が前に出すぎて独特だ」と敬遠されることがあります 。
SNSでは、機能的なデザインが手持ちの服と合わせにくい、ソールだけが目立って浮いてしまう、といった声が見られます 。
特にCloudmonster(クラウドモンスター)のような厚底モデルは、そのボリューム感が野暮ったく映ることもあるようです 。
多くの人は、普段履きのおしゃれなスニーカーと同じ感覚でOnを選ぼうとします。ですが、Onの靴の多くは、元々がランニングギアです。
この認識のズレが、手持ちの服と合わない、コーディネートが難しくてダサい、という評価につながっているのかもしれません 。
高機能アピールが強く、街履きにはスポーティーすぎる
Onのスニーカーは、特にメッシュ素材を使ったモデルだと、いかにも高機能なスポーツシューズといった見た目になりがちです 。
YouTubeのコメント欄では、普段の着こなしに合わせるのは難しい、テック系のスタイルが好きな人には良いと思うが自分には無理だった、という意見がありました 。
ランニングウェアやスポーツウェアを取り入れた服装には合います。
しかし、一歩間違えると「本気でランニング中の人」という印象を強く与えてしまい、街中では浮いてしまうのです 。
購入を迷う人が心配する「ダサさ」とは、このTPO(時・場所・場合)のミスマッチを指しているようです。カフェや買い物といった日常の場面で、本格的なスポーツギアを身につけているような場違い感が、野暮ったい、センスがない、といった評価になっている可能性があります。
「おじさんが履いている」イメージと流行のピークアウト感
これは、Onの「ダサい」イメージを考える上で重要なポイントです。
海外の掲示板Redditでは、Onを履いている人の具体的な目撃情報が、そのイメージを強めています。
ある投稿によると、地下鉄でOn Cloudを履いている男性をここ数ヶ月で非常に多く見かけるようになったとのこと 。
その多くは「ある程度の年齢」で、「普段着というよりオフィスっぽい格好」をしている人たちだそうです 。
その投稿者は、「もし俺が1足買ったら、もう諦めて、おっさんになったと認めることになるのかな?」と書いています 。
これは、Onが「ファッションに敏感ではない、快適さだけを求める中年オフィスワーカーの靴」という、新しい「おじさん靴」として見られ始めていることを示しています。
人気が出すぎて街中で急速に普及した結果、スイス本国では「カルト(熱狂的な集団)みたいだ」とまで言われるほど広まりました 。
その反動で、流行に敏感な層からは「もう流行りは終わった」「みんなが履いていてダサい」という、「終わった」ブランドとしての見方をされ始めているのです 。
ソールの穴に「石が詰まる」という致命的な欠点
これまでは見た目やイメージの問題でしたが、これはOn特有の「機能的な欠陥」からくる、現実的な「ダサさ」の理由です。
CloudTecソールの構造的な弱点として、ソールの隙間や穴に小石や砂利がとても挟まりやすい、という問題が多くのユーザーから報告されています 。
この欠点は、単に歩き心地が悪くなるだけではありません。
小石が詰まったまま、オフィスの床やショッピングモール、自宅のフローリングといった硬い床を歩くと、「カチカチ」「コツコツ」という音が鳴ってしまいます。
この「異音」が、ユーザーに「恥ずかしい」という体験をさせています。
1足2万円近くする高価なスニーカー なのに、靴に何か問題があるかのように音を立てて歩く姿は、周囲の視線も集めやすく、安っぽい印象を与えてしまいます。
さらに、モデルによっては(例えばTHE ROGERシリーズ)、石が詰まっていなくても、靴の内部で摩擦が起きて「キュッキュッ」というきしみ音が鳴り続ける、「うるさくて履けないレベルだ」という深刻な報告まで上がっています 。
「ダサい」という評価は、見た目だけでなく、こうした「使っている時の恥ずかしさ」や「価格に見合わない安っぽさ」によっても作られているようです。
Onのスニーカーの評判・口コミ
On特有の機能性、特にソールがもたらす良い点と悪い点について、SNSやレビューサイトで見られる具体的な声を集めました。
良い口コミ
- とにかく信じられないほど軽く、長時間履いても疲れない
- クッション性が本当に最高。「雲の上」という宣伝文句はウソじゃないと分かった
- 旅行で一日中歩き回っても全く足が疲れなかった。出張や旅行にはこれ以外考えられない
- Cloud 5(クラウド5)のゴム紐(スピードシューレース)が脱ぎ履きしやすすぎて革命的。一度体験すると他の靴に戻れない
- デザインがシンプルで、ロゴの主張が控えめなのが良い。クリーンな印象で合わせやすい
- メッシュのモデルは通気性が抜群で、夏場でも蒸れにくいのが快適
悪い口コミ
- ソールの穴に小石や砂利が詰まりすぎる。室内で歩くたびにカチカチ鳴って本当に恥ずかしい
- Cloudmonster(クラウドモンスター)はかかと部分が硬く、足首の骨に当たって痛い。靴擦れになった
- THE ROGER(ザ・ロジャー)のモデルは、歩くたびにキュッキュッと音が鳴ってうるさい。静かなオフィスでは履くのをやめた
- クッションの「へたり」が思ったより早い。最初は最高だったが、数週間でフワフワ感がなくなった(特に体重がある人からの報告)
- サイズ選びが難しい。モデルによっては「普段のサイズで選んだら大きすぎた」という声がある
- 価格が高い 。この値段で石が詰まったり、音が鳴ったり、すぐへたったりするのは「安っぽい」と感じてしまう
Onのスニーカーがおすすめな人
「ダサい」と言われる理由がある一方で、Onの特性が最大限に活かされるのは、次のような人たちです。
機能性を最優先し、長時間の快適さを求める人
Onの最大の武器は、その「快適性」です 。
旅行、出張、テーマパーク、立ち仕事など、おしゃれさよりも「とにかく足が疲れないこと」を一番に考える人には、最高の選択肢となります。
この層にとっては、デザインの多少のクセや、「おじさんっぽい」と言われるイメージ も、他では得られない圧倒的な快適さの前では、小さな問題でしょう。
パフォーマンスを追求する本気のランナー
Onは本来、パフォーマンスを上げるためのランニングシューズです 。
街履きで「スポーティーすぎる」という批判は、ランニングシーンではそのまま「機能的である」という長所になります。
CloudTec® がもたらす独特の推進力を体感したい、自分の記録を更新したいという純粋なアスリート にとって、Onは最高のパートナーです。そこに「ダサい」という評価軸は当てはまらないでしょう。
クリーンな「テック系」スタイルを好む人
SNSのコメント にもあった通り、Onの無機質で機能的なデザインは、ナイロンパンツやシンプルなジャケットなどを取り入れた「テック系」と呼ばれるファッションと相性が良いです。
こうした服装と組み合わせることで、Onの「スポーティーさ」は「都会的」「未来的」といった良い印象に変わります。
このスタイルを理解し、自分のものにしている人には、強力なアイテムとなります。
Onのスニーカーがおすすめできない人
一方で、「ダサい」と感じるリスクが高く、購入後に「恥ずかしい」「終わった」と後悔する可能性が高いのは、次のような人たちです。
砂利道や未舗装路を日常的に歩く人
これはOn特有の、最も現実的で致命的な「おすすめできない」理由です。
CloudTecソールの「石が詰まる」という問題 は、構造上避けられません。
通勤路や自宅の駐車場、最寄りの駅までの道に砂利道や舗装が荒い場所が多い人にとっては、これが日々のストレスになります。
石が詰まるたびに立ち止まって取り除く手間や、室内で「カチカチ」と音を立てる「恥ずかしさ」 を我慢できない人には、おすすめできません。
「おじさんっぽさ」や「流行遅れ」のイメージを避けたい人
「快適さ優先の中年オフィスワーカーの靴」 というイメージや、すでに流行がピークを過ぎた「終わった」感 を何よりも避けたい人。
ファッションとは「他人と違うこと」だと考える人にとって、街中で普及しすぎたOnは、今や「没個性」の象徴であり、まさに「ダサい」と感じる対象になってしまっています。
スニーカーの「耐久性」と「価格」のバランスを重視する人
Onのスニーカーは、1万円台後半から2万円台が中心 で、スニーカーとしては高価格帯です。
にもかかわらず、「クッションのへたりが早い」 、「(モデルによって)異音がする」 といった耐久性や品質に関するネガティブな報告もあります。
高い価格に見合うだけの耐久性や、所有する満足感を求める人(コストパフォーマンスを重視する人)は、現状のOnの品質に「安っぽい」とがっかりする可能性が高いです。
Onのスニーカーのおすすめポイント
「ダサい」という評価がある一方で、それを上回るほどの強力な魅力がOnにはあります。Onならではのおすすめポイントを再確認しましょう。
唯一無二の「雲の上」と称されるクッション体験
悪い口コミ もありますが、多くのユーザーが言うように、新品の時の履き心地の感動は本物です 。
他のどのブランドのクッションとも違う、CloudTec® がもたらす「柔らかく沈み込んでから、硬く反発して蹴り出す」という独特の感覚は、多くのリピーターを生んでいます。
この感覚自体を「体験」してみる価値は十分にあるでしょう。
脱ぎ履きを革新する「スピードシューレース」
ブランドの定番モデルである「Cloud 5(クラウド5)」 などに採用されている、ゴム紐(スピードレーシングシステム) 。
これによって、Onのスニーカーは実質的に「スリッポン」のように機能します 。
スニーカーを履くたびに紐を結び直す必要がなく、それでいて歩行中に緩むことのないフィット感を提供します。
この「日常の小さなストレス」を解消する機能は、一度体験すると他のスニーカーに戻れないほどの魅力です。
洗練されたカラーリングとシンプルなロゴ
デザインが「無機質すぎる」「ダサい」 と言われる一方で、そのシンプルさこそがOnの魅力でもあります。
スイスブランドらしいクリーンなカラー展開(モノトーンや落ち着いた色合い) は、他の派手なスニーカーブランドとは違った魅力があります。
ロゴの主張も控えめであり、この都会的なシンプルさを「センスが良い」と評価する層も確実に存在します 。
Onのスニーカーのおすすめアイテム
「ダサい」と言われるリスクを理解した上で、Onの世界を体験するためのおすすめモデルを、特性ごとに紹介します。
【定番】Cloud 5 / Cloud 6:ブランドのアイコンと快適さの両立
Onを象徴する、最もスタンダードなモデルです 。
前述の「スピードシューレース」を搭載し、脱ぎ履きの快適さが抜群です 。すっきりとした形で、Onの中では比較的「ゴツさ」 が抑えられており、最も服に合わせやすいモデルの一つです。
ただし、ソールは他のモデルに比べて薄めなので、圧倒的なクッション性を求める場合は、次のモデルが適しています。天候を問わず履ける防水(WP)モデル も人気です。
【厚底】Cloudmonster:ファッション性と最強のクッション
On史上最大のCloudTecを搭載し 、圧倒的なクッション性と反発性を誇るモデルです 。
2022年の登場以降、厚底ブームと相まって、ランニングだけでなくファッションシーンでも注目されました 。
ただし、注意点もあります。まさに「ゴツい」 デザインの代表であり、服装と合わせる難易度は高めです。
また、「かかとが硬く、足首に当たって痛い」 という、このモデル固有の欠点が複数のユーザーから報告されているため、購入前には必ず試着が必要です。
【コート系】THE ROGER:テニススタイルと「音」の懸念
テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーと共同開発したコートスタイルのスニーカーです。
最大の特徴は、CloudTecのクッション性を内蔵しつつ、見た目はクラシックなテニスシューズであることです。
ランニングシューズの「スポーティーすぎる」 見た目がどうしても苦手だという人には、最適な選択肢となります。
ただし、海外の掲示板で「歩くたびにキュッキュッと音が鳴る」 と厳しく評価されているのが、この「THE ROGER」シリーズです。
個体差の可能性もありますが、静かなオフィスや図書館などで履くことを考えている人は、このリスクを認識しておく必要があります。
まとめ
Onのスニーカーが「ダサい」と言われる理由は、単なるデザインの好みだけではない、はっきりとした要因があるようです。
- CloudTecソールの独特すぎる「ゴツい」デザインが、服に合わせにくい 。
- 「快適さだけを求めるおじさんの靴」というイメージがつき、「流行遅れ」と感じられている 。
- ソールに「石が詰まる」 、歩くと「音が鳴る」 といった、高価格に見合わない「安っぽい」機能的な欠点がある。
特に、ブランドの核であるCloudTecの構造 が、そのまま「石が詰まる」 という欠点を生み、それが「カチカチ」という異音による「恥ずかしさ」につながっている点は、購入前に知っておくべき最大のポイントです。
一方で、その技術がもたらす「雲の上」の快適さ は本物です。
旅行や立ち仕事といった特定の場面では、他のスニーカーでは替えが効かないほどの価値を提供します。
Onは「ダサい」のではなく、「機能性に特化しすぎた結果、TPO(場所)や着用者(スタイル)、さらには歩く道(砂利道)までを選ぶシューズ」であると言えます。
本記事で挙げた「ダサい」と言われる理由——特に「石が詰まる」ことや「おじさんっぽく見られる」こと——を我慢してでも、あの唯一無二の快適性を手に入れたいか。
それが、あなたがOnを買うべきかどうかの答えとなるでしょう。




