GoogleのWear OSを搭載し、スマートフォンさながらの多機能性と、他を圧倒するバッテリー性能で注目を集めるスマートウォッチ、TicWatch。
一部のガジェット好きやアウトドア愛好家からは熱い支持を受けていますが、その一方で「TicWatchはダサい」「ちょっと野暮ったいかも」という声もあるようです。
そこで本記事では、TicWatchがダサいと言われる理由をSNSやYouTubeのユーザーの声を元に深掘りし、実際の評判や口コミ、そしてどのような人におすすめできるのか、できないのかを解説します。
TicWatchの機能は魅力的だけど、ダサいと思われないか不安な人は、ぜひ参考にしてください。
TicWatchとは?
TicWatch(ティックウォッチ)は、中国のAIテクノロジー企業「Mobvoi(モブヴォイ)」が開発するスマートウォッチブランドです 。
MobvoiはGoogleの元従業員が設立した会社で、Google自身も出資していることでも知られています 。
TicWatchの大きな特徴は、Googleが開発したWear OSを多くのモデルに搭載している点です 。
これにより、GoogleマップやGoogleアシスタントといったGoogle製アプリとの連携がスムーズなだけでなく、Google PlayストアからLINEやSpotifyなど、好きなアプリを追加して機能を拡張できます 。
さらに、Proシリーズに採用されている革新的な2層ディスプレイ技術もTicWatchを象徴する機能です 。
高精細な有機ELディスプレイの上に、超低消費電力の液晶ディスプレイを重ねることで、Wear OS搭載機としては驚異的なバッテリーの持ちを実現しています 。
性能と実用性を両立させた、ユニークなスマートウォッチブランドです。
TicWatchがダサいと言われている理由
高い機能性を誇るTicWatchですが、なぜ一部でダサい、時代遅れといったネガティブな評価を受けてしまうのでしょうか。
その背景には、デザインの方向性や日本市場における機能の不足など、TicWatch特有の理由があるようです。
ゴツくて厚みのある、アウトドア志向のデザイン
TicWatchがダサいと言われる一番の理由は、そのデザインにあるようです。
特にフラッグシップモデルのProシリーズは、米軍の調達基準であるMIL規格に準拠した高い耐久性を実現するために、大きく、厚く、頑丈なデザインを採用しています 。
このゴツいデザインは、登山やキャンプといった過酷なアウトドアでの使用を想定したもので、そのタフネスさは大きな魅力です。
しかし、日常的にスーツやきれいめな服装に合わせたい人にとっては、存在感が強すぎて野暮ったい、センスがないと感じる原因になっています 。
人気のApple WatchやPixel Watchが薄くミニマルなデザインでファッション性を重視しているのに対し、TicWatchはあくまでも計器やツールとしての側面を強く打ち出しています 。
このデザイン思想の違いが、ファッションアイテムとしてスマートウォッチを求める層とのミスマッチを生み、ダサいという評価につながっているのかもしれません。
SNSなどでは「大きくて重いので、寝る時に着けるのは気になる」「手首が細い自分には似合わない」といった声も見られます 。
付属バンドが安っぽく、本体の質感と合っていない
本体は高級感があるのに、付属のバンドが安っぽいという意見も少なくありません。
TicWatch Proシリーズの本体ケースには、ステンレススチールやサファイアクリスタルガラスといった高級感のある素材が使われており、その質感の高さは多くのレビューで評価されています 。
しかし、標準で付属してくるシリコン製のバンドに対しては、安っぽい、チープな印象を受けるといった厳しい意見が見られます 。
シリコンバンドは汗や水に強く機能的ですが、ホコリが付きやすかったり、使っているうちにテカリが出てきたりするデメリットがあります 。
高級感のある時計本体と、実用一辺倒で安っぽく見えがちなバンドの組み合わせは、全体としてちぐはぐな印象を与えかねません。
この細部へのこだわりのなさが、どこか垢抜けない、センスがないという評価につながっているようです。
Suica非対応で日常生活での「時代遅れ」感は否めない
日本で使うには時代遅れ、終わったと感じる一番の理由が、Suicaに対応していないことです 。
今の日本のスマートウォッチ市場では、手首をかざすだけで改札を通ったり、コンビニで買い物をしたりできるSuica機能は、もはや当たり前の機能になっています。
Apple Watchはもちろん、Galaxy WatchやPixel Watchといった主要なライバル製品はすべてSuicaに対応しています。
そんな中、TicWatchはNFCを搭載しGoogle Payによるタッチ決済自体には対応しているものの、肝心のSuicaが使えません 。
これにより、日常の利便性でライバルに大きく差をつけられています。
どれだけバッテリーが長持ちでも、毎日の通勤・通学で使えないという事実は、多くの人にとって致命的な欠点です。
この機能的な不足が、日本のライフスタイルに合っていないと見なされ、時代遅れ、日本ではメインで使えないという厳しい評価に直結しています。
UIの不自然な日本語が「終わった」製品という印象を与える
アプリや設定画面の日本語が不自然なのも、ダサいというイメージにつながっています。
Wear OS自体の日本語は自然ですが、Mobvoiが独自に開発した健康管理アプリなどで、機械翻訳のような日本語表記が見られるという指摘が複数のユーザーから挙がっています 。
例えば「サードパーティー認可」が「第三者の拘束力」と訳されているなど、意味はなんとなく分かりますが、洗練されているとは言えません 。
こうした翻訳のミスは、単に使いにくいだけでなく、ユーザーに日本市場を軽視しているのではないか、品質管理が甘いのではないかという不信感を抱かせます。
高価な電子機器なのに細部の作り込みが甘いと、まるで安価な海外製品のような印象を与えてしまい、サポートへの不安から買うのをためらってしまう人もいるようです 。
TicWatchの評判・口コミ
SNSやECサイトで見られるTicWatchに関する実際のユーザーの声を紹介します。
良い口コミ
- 2層ディスプレイのおかげでバッテリーがとにかく持つ。3日以上充電しなくていいのは快適すぎる
- Wear OSだからGoogleマップを手元で見たり、LINEに音声で返信したり、電話に出たりとスマホみたいで便利
- 最新モデルは動作がサクサクでストレスを全く感じない
- 登山地図アプリのYAMAPやヤマレコが単体で使える。スマホを出さずにルート確認できるのはアウトドア好きにはたまらない
- 米軍MIL規格準拠でとにかく頑丈。岩にぶつけても傷一つつかず、安心して使える
- これだけ多機能なのに、他のハイエンド機と比べて価格が手頃でコスパが高い
悪い口コミ
- やっぱりSuicaが使えないのが致命的。これ一つで生活するのは難しい
- デザインがゴツくて存在感がありすぎる。スーツや普段着には合わせにくいし、重く感じる
- 付属のシリコンバンドがホコリを吸着しやすく安っぽい。本体の高級感がもったいない
- アプリの日本語訳がおかしくて海外製品感がすごい。細かいけど気になる
- iPhoneユーザーはほとんどの便利機能が使えない。実質Android専用
- GPSや心拍数センサーの精度が、時々不安定になることがある
TicWatchがおすすめな人
ここまでの情報をもとに、TicWatchがどんな人におすすめなのかを解説します。
バッテリー持ちを最優先するAndroidユーザー
毎日の充電が面倒だと感じているAndroidユーザーには、TicWatch Proシリーズがぴったりです。
独自の2層ディスプレイ技術により、常時表示させながらでも3〜4日間は余裕でバッテリーが持ちます 。
頻繁な充電を面倒に感じている人や、旅行や出張が多い人にとって、このバッテリー性能は大きなメリットになるでしょう。
登山アプリをフル活用したいアウトドア愛好家
TicWatchが最も活躍するのはアウトドアシーンです。
特に、登山地図アプリのYAMAPやヤマレコをスマートウォッチ単体で利用できる点は、他の多くのスマートウォッチにはない強みです 。
険しい道でいちいちスマートフォンを取り出すことなく、手元でルートや現在地を確認できる安全性と快適性は、本格的な登山やハイキングを楽しむ人にとって最高の相棒となります。
米軍MIL規格準拠のタフさも、過酷な環境での安心感を高めてくれます 。
多機能なWear OSを試したいコストパフォーマンス重視の人
Apple Watchのようにアプリを追加できるスマートウォッチに興味があるけど、価格が高いと感じている人には、エントリーモデルのTicWatch E3がおすすめです 。
Proシリーズのような突出したバッテリー性能や堅牢性はありませんが、Wear OSの基本的な体験(アプリの追加、Googleアシスタント、通知管理など)は一通り可能です 。
比較的手頃な価格で多機能なスマートウォッチの世界を体験してみたい、という人に最適な入門機です。
TicWatchがおすすめできない人
一方で、次のような人にはTicWatchはあまりおすすめできません。
iPhoneをメインで使っている人
TicWatchは、その機能のほとんどをAndroidスマートフォンとの連携を前提に作られています。
iPhoneとも接続はできますが、アプリの追加や通知への返信など、Wear OSの便利な機能のほとんどが利用できません 。
iPhoneユーザーであれば、素直にApple Watchを選ぶ方が満足度は高いでしょう。
Suicaでの支払いをスマートウォッチでしたい人
これまで説明した通り、TicWatchはSuicaに非対応です。
スマートウォッチを身につける主な目的が、通勤時の改札通過やキャッシュレス決済の利便性向上であるなら、TicWatchは選ぶべきではありません。
この一点だけで、日本の都市部で生活する多くの人にとってはおすすめできない、という結論になります 。
Apple Watchのような洗練されたデザインを求める人
スマートウォッチに、機能性よりもファッションアクセサリーとしての洗練されたデザインを求める人にもTicWatchは向きません。
特にProシリーズの武骨で厚みのあるデザインは、華奢なアクセサリーと合わせたり、フォーマルな服装に馴染ませたりするのは難しいでしょう 。
あくまでも機能美を追求したツールウォッチであり、Apple Watchのようなミニマルで優美なデザインを期待すると、がっかりする可能性が高いです。
TicWatchのおすすめポイント
TicWatchが持つ、他にはないユニークで優れた点を紹介します。
圧倒的なバッテリー持続時間を実現する2層ディスプレイ技術
TicWatch Proシリーズの最大の武器は、独自の2層ディスプレイ技術です 。
普段は時刻や歩数などの基本情報だけを省電力の液晶画面に常時表示し、画面をタッチしたり腕を傾けたりした時だけ、その下にある色鮮やかな有機ELディスプレイが起動します 。
この賢い使い分けにより、電力消費の大きいWear OSを搭載しながら、スマートモードで最大90時間という驚異的なバッテリーライフを実現しています 。
米軍MIL規格準拠のタフネス性能
ProシリーズやAtlasといった多くのモデルは、米国防総省が定める耐久試験「MIL-STD-810G/H」をクリアしています 。
これは、衝撃や振動、極端な温度変化、水濡れなど、過酷な環境への耐性を証明するものです。
アウトドアはもちろん、日常生活でうっかり壁にぶつけてしまうような場面でも、故障を気にせずタフに使える安心感は大きな魅力です。
Googleマップなどが使えるWear OSの高い拡張性
TicWatchの心臓部であるWear OSは、まるで腕に小さなスマートフォンを着けているかのような自由度の高さが魅力です 。
Google Playストアにアクセスすれば、ナビに便利なGoogleマップ、音楽ストリーミングのYouTube MusicやSpotify、メッセージアプリのLINEなど、自分のライフスタイルに合わせたアプリを自由に追加できます 。
決まった機能しか使えないフィットネストラッカーとは違い、自分好みに機能をカスタマイズしていく楽しみがあります。
TicWatchのおすすめアイテム
最後に、具体的なニーズに合わせたおすすめのTicWatchモデルを紹介します。
【Proシリーズ】機能・バッテリー・堅牢性を求めるなら「TicWatch Pro 5 Enduro / Atlas」
TicWatchが持つ全ての魅力を最高レベルで体験したいなら、フラッグシップモデルのPro 5 Enduroや、さらにアウトドア性能を強化したAtlasがおすすめです 。
傷に強いサファイアクリスタルガラスのディスプレイ、最新プロセッサーによるサクサクの動作、圧倒的なバッテリー性能、そしてコンパスや気圧計といった高度なセンサーを備え、本格的なアウトドアからビジネスシーンまで、あらゆる場面で最高のパフォーマンスを発揮します 。
【Eシリーズ】Wear OS入門に最適な高コスパモデル「TicWatch E3」
まずはWear OSがどんなものか試してみたい、という方には、コストパフォーマンスに優れたE3が最適です 。
Proシリーズのような2層ディスプレイやMIL規格の耐久性はありませんが、約32gという軽量なボディにWear OSの主要な機能を詰め込んでいます 。
日常の健康管理や通知の確認、Googleアシスタントの利用など、スマートウォッチの基本的な便利さを手頃な価格で体験できる、優れた入門機です。
まとめ
TicWatchがダサいと言われるのは、製品の品質が低いからではありません。
その理由は、MIL規格準拠のタフネス性能と長時間バッテリーを追求した結果生まれたゴツいデザインと、日本市場のニーズであるSuica対応や完璧な日本語対応との間に、大きなギャップがあるためです。
その本質は、ファッション性や都市部での利便性を重視する主流のスマートウォッチとは異なる、アウトドアや特定の目的のために性能を突き詰めたツールウォッチであるという点にあります。
あなたがAndroidユーザーで、何よりもバッテリーの持ちと頑丈さを重視するならば、あるいはYAMAPやヤマレコを腕元で確認しながら登山を楽しみたいのであれば、TicWatchは最高の選択肢の一つとなるでしょう。
一方で、スマートウォッチにSuicaの利便性やApple Watchのような洗練されたファッション性を求めるのであれば、その機能不足やデザインが時代遅れに感じられ、満足できない可能性が高いです。
TicWatchがあなたにとって最高の相棒になるか、それともダサいガジェットに終わるかは、あなたがスマートウォッチに何を一番求めるかによって決まります。


