カシオが展開するオシアナスは、「Elegance, Technology」をブランドコンセプトに掲げる、日本の技術と美意識が詰まった腕時計ブランドです。
最先端の電波ソーラー技術や上質な素材を使い、優雅なデザインで多くのファンがいますが、その一方でインターネットやSNS上では、オシアナスはダサい、少し時代遅れではないか、といった声も見られます。
そこでこの記事では、オシアナスがダサいと言われる理由をリサーチし、実際の評判や口コミを交えながら、どんな人におすすめできるのか、できないのかを詳しく解説します。
「オシアナスが欲しいけど、センスがないと思われないか不安」と感じている人は、ぜひ参考にしてください。
オシアナスとは?
オシアナスは、時計メーカーのカシオが2004年から展開している、フルメタルケースの電波ソーラーウォッチブランドです 。
名前はギリシャ神話の海の神「オケアノス」に由来していて、デザインの随所に海を感じさせる要素が取り入れられています 。
ブランドコンセプトはElegance, Technology。
これは、ハイテクで正確、かつ便利な機能を、優雅で美しいデザインに落とし込むという考え方です 。
このコンセプトを実現するため、オシアナスはカシオが持つ先進技術を試す場のような役割も担ってきました。
ブランドイメージを決定づけたのは、2006年に登場したOCW-M700というモデルです。
このモデルで初めてブランドカラーである青が大胆に使われ、海を思わせるデザインが市場で受け入れられ大ヒットしました 。
その後も、薄さを追求したフラッグシップラインのマンタの登場や、世界6局の電波受信、GPS衛星電波やBluetoothによるスマホ連携など、常に時代の最先端を行く技術革新を続けています 。
そして、オシアナスを語る上で欠かせないのが、ブランドカラーであるオシアナスブルーへの強いこだわりです。
特殊な技術を使い、単なる青い塗装ではなく、深みと透明感のある独創的な青い金属色を生み出し、ブランドのアイデンティティを確立しています 。
オシアナスがダサいと言われている理由
最先端の技術と美しい仕上げを誇るオシアナスですが、なぜ一部でダサいという評価を受けてしまうのでしょうか。SNSやレビューサイトの声を見ていくと、いくつかの理由が見えてきました。
鮮やかすぎる青が個性的で合わせにくい
オシアナスの最大の特徴であるオシアナスブルーですが、この鮮やかな青こそが、ダサいと言われる理由の一つになっているようです。
ビジネスシーンで着ける腕時計としては、伝統的な白や黒の文字盤に比べ、オシアナスの青は主張が強く、悪目立ちすると感じる人もいます 。
ネット上では、黒やシルバーのケースに鮮やかな青を差し色として使うデザインが、ゲーミングPCのようでガジェットっぽく見えてしまう、という意見もありました 。
高級腕時計に求められる落ち着いた雰囲気とは少し違うため、スーツスタイルに合わせると浮いてしまい、野暮ったい印象を与えてしまうのかもしれません。
YouTubeのレビュー動画でも、モデルによってはキラキラした印象に見える、洋服との合わせ方が難しいかもしれない、といったコメントが見られ、その独特の個性がコーディネートの幅を狭めてしまう可能性を示唆しています 。
多機能で文字盤がゴチャゴチャして見える
オシアナスの多くは、ワールドタイムやストップウォッチなどを備えた多機能なクロノグラフです。
これらの情報を表示するため、文字盤には小さな文字盤や都市コードが配置されています。この情報量の多さが、一部の人からはゴチャゴチャして見える、デザインが古い、という評価につながっているようです 。
最近は無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインがトレンドなので、それと比べると、オシアナスの多機能な文字盤は2000年代に流行したメカメカしいデザインを思い出させ、少しおじさんくさい、時代遅れ、という印象を持たれてしまうことがあります 。
また、機能が多すぎて直感的な操作が難しいという声もあります。説明書を読まないと操作を覚えられない、モードが多すぎて分からなくなる、といった不満も聞かれます 。
カシオの時計にしては値段が高い
オシアナスがダサいと言われるもう一つの理由は、その価格とカシオというブランドイメージとのギャップです。
カシオと聞くと、数千円で買えるチープカシオや、若者に人気のG-SHOCKを思い浮かべる人が多く、高機能で手頃な価格の時計というイメージが強いのではないでしょうか 。
一方でオシアナスは、主力モデルは10万円台から20万円台、限定モデルになると30万円を超えるものも珍しくありません 。
この価格は、多くの人がカシオに抱くイメージを大きく上回るため、カシオのクォーツ時計に10万円以上出すのは割高だと感じる人が少なくないのです 。
時計好きの間では、この価格帯になるとスイスの有名ブランドの機械式時計も視野に入ってきます 。
職人の手仕事や伝統といった物語性を持つ機械式時計と比べると、ハイテクなクォーツ時計であるオシアナスは、その価格に見合う価値を見出しにくい、という意見も存在します 。
オシアナスの評判・口コミ
SNSやECサイトなどに見られるオシアナスのリアルな声を、良い点と悪い点に分けて整理しました。
良い口コミ
- とにかく軽くて薄い、着けているのを忘れるレベルでストレスがない
- オシアナスブルーの色合いが絶妙で、光の当たり方や見る角度によって表情が変わり、見ていて飽きない
- ザラツ研磨による仕上げが本当に美しく、高級時計に引けを取らない鏡のような輝きがある
- ケースやブレスレットがチタン製で、サファイアガラスも傷がつきにくいため、長く綺麗に使える安心感がある
- 電波ソーラーやスマホ連携で時刻合わせや電池交換が一切不要なので、とにかく実用的で楽
- スーツスタイルとの相性が抜群で、ビジネスシーンで嫌味なく使える上品さがある
- 薄いのでYシャツの袖口に引っかからず、快適に使える
悪い口コミ
- 青色の主張が強すぎて、服装やTPOを選ぶ。コーディネートが難しいと感じることがある
- 機能が多すぎてモード切り替えなどの操作が直感的でなく、結局説明書を見ないと使えない機能がある
- モデルによっては、白い文字盤にシルバーの針のデザインは、パッと見たときの視認性があまり良くない
- カシオの時計というイメージからすると、10万円以上出すのはコストパフォーマンスが悪いと感じてしまう
- デザインが少しおじさんくさい、若者向けではないという印象を受ける
- ビス止めの裏蓋など、細部の作りが価格の割に安っぽく見えるモデルがある
- ブレスレットの微調整がしにくい、または調整幅が狭いことがある
オシアナスがおすすめな人
ここまでの情報をもとに、オシアナスがどんな人におすすめできるのかを解説します。
手間いらずで正確な時計が欲しい人
腕時計に、ロマンや伝統よりもまず正確さと便利さを求める人にとって、オシアナスは最高の選択肢の一つです。
電波受信やGPS、スマホ連携機能などを搭載したモデルは、ユーザーが何もしなくても、常に正確な時刻を表示し続けます 。
機械式時計のように毎日ゼンマイを巻いたり、時刻を合わせたりする必要は一切ありません。電池交換の心配も不要です。
このような手間いらずな点は、忙しい現代人にとって大きな価値があります。腕時計を時間を知るための信頼できるツールと考える人に、オシアナスはぴったりです。
軽くて快適な着け心地を重視するビジネスパーソン
日常的にスーツで長時間腕時計を着けるビジネスパーソンにとって、装着感はとても重要です。重く分厚い時計は、手首の疲れの原因にもなります。
オシアナスは、多くのモデルで軽くて肌に優しいチタン素材を採用しています 。
特にフラッグシップであるマンタシリーズは薄さにこだわっており、驚くほどスリムです 。
この薄さと軽さが、着けていることを忘れると評されるほどの快適な装着感をもたらし、Yシャツの袖口にもスムーズに収まります 。ストレスフリーな装着感は大きなメリットになるでしょう。
日本の技術や青のデザインが好きな人
オシアナスは、スイスの高級時計とは全く違う価値観を持つ、純国産の腕時計です。
その魅力は、日本の高度なものづくり技術と独特の美意識にあります。ケースに施されるザラツ研磨は、歪みのない美しい鏡面を生み出す技術で、グランドセイコーにも採用されているものです 。
また、ブランドの象徴であるオシアナスブルーは、江戸切子といった日本の伝統工芸と融合することで、さらに独創的な表現へと進化しています 。
海外ブランドにはないアプローチや、その背景にある日本の職人技に価値を感じる人にとって、オシアナスは所有する喜びを満たしてくれる特別な一本になるはずです。
オシアナスがおすすめできない人
一方で、腕時計に求める価値観によっては、オシアナスが合わない場合もあります。ここでは、オシアナスをおすすめしにくい人について解説します。
機械式時計の伝統やステータスが欲しい人
腕時計の魅力は、歯車やゼンマイが噛み合って時を刻むメカニズムにある、と考える人にとっては、オシアナスは物足りなく感じるかもしれません。
クォーツ式のオシアナスには、機械式時計が持つムーブメントの鼓動や、職人の手仕事による温かみといった要素はありません 。
また、腕時計を社会的地位を示すものとして捉える場合、カシオというブランド名は、ロレックスやオメガといったスイスの高級時計ブランドが持つ知名度には及びません 。
周囲からの評価を重視し、時計を通じて成功を表現したいと考える人には、より伝統的な高級機械式時計ブランドの方が向いているでしょう。
とにかくシンプルなデザインが好きな人
ファッションや持ち物において、無駄のないミニマルなデザインを好む人にも、オシアナスは合わない可能性があります。
オシアナスのデザインは、たとえシンプルな3針モデルであっても、ブランドロゴや差し色の青によって、独自の装飾性が加えられています 。
主力であるクロノグラフモデルは、その多機能性から文字盤の情報量が多く、ミニマリズムとは逆のデザインと言えます 。
ドイツのノモスのような、機能的でクリーンなデザインを好む人にとっては、オシアナスのデザインは少し過剰に感じられるかもしれません。
資産価値を期待する人
腕時計を高価な買い物と捉え、将来的な資産価値や売却時の価格を重視する人には、オシアナスはおすすめできません。
一般的に、クォーツ時計は機械式時計に比べて資産価値が低い傾向にあります 。
電子回路には寿命があり、数十年後には修理が難しくなる可能性があることや、機械式時計のような骨董的価値が生まれにくいことなどが理由です。
オシアナスは、その実用性やデザインを楽しむための時計であり、投資対象として購入する製品ではないと言えるでしょう 。
オシアナスのおすすめポイント
オシアナスが持つ本当の魅力は、一見するとダサいと評されかねない特徴の裏側にあります。ここでは、その価値を深く理解するためのおすすめポイントを3つ紹介します。
マンタシリーズの薄さと軽さ
オシアナスのフラッグシップラインであるマンタは、ただ薄いだけの時計ではありません。
カシオは、多機能な電波ソーラームーブメントを搭載しながら、いかに薄く、エレガントな形にできるかに挑戦し続けてきました 。
例えば、2021年モデルのOCW-S6000は、シリーズで最も薄い厚さ8.7mmを実現しています 。
この薄さへのこだわりが、チタン素材の軽さと合わさって、他の多機能ウォッチにはない究極の装着感を生み出しているのです。
ザラツ研磨による美しい仕上げ
カシオの時計という先入観を覆すのが、ケースに施されたザラツ研磨です。
これは研磨技術の中でも最高峰とされる技法で、職人が手作業で歪みのない平滑な面を作り出します 。
この技術は、日本の最高級腕時計ブランドであるグランドセイコーにも用いられており、オシアナスが単なる量産品ではないことの証です 。
ザラツ研磨によって生み出された鏡面は、光を鋭く反射し、時計に高級感と立体感を与えます。この丁寧な仕上げこそが、オシアナスの価格を納得させる大きな理由の一つです 。
こだわりのオシアナスブルー
批判の対象にもなるオシアナスブルーですが、その表現方法は非常に独創的です。
文字盤やベゼルに使われる青は、単純な塗装ではありません。金属の薄い膜を何層にも重ねて光の反射をコントロールする、蒸着やスパッタリングといった先進技術が使われています 。
さらに近年では、硬質なサファイアガラスのベゼルに、江戸切子職人が手作業で繊細な模様を刻み込んだモデルも登場しました 。
光を受けるたびにきらめくその様子は、もはや工業製品の域を超えた工芸品と言えるかもしれません。
オシアナスのおすすめアイテム
数あるオシアナスのラインナップの中から、代表的なモデルを3つのカテゴリーに分けて紹介します。
フラッグシップモデルなら「マンタ OCW-S7000」
マンタ OCW-S7000シリーズは、オシアナスの哲学を最も高いレベルで形にしたフラッグシップモデルです。
厚さ9.5mmという驚異的なスリムケースに、多面カットが施されたサファイアガラスベゼルを組み合わせ、スポーティでありながら非常にエレガントな雰囲気を醸し出しています 。
価格は高価ですが、ブランドの持つ技術と美意識のすべてを体感したい人に最適なモデルです。
定番で間違いない「クラシックライン OCW-T2600」
長年にわたり人気ランキングの上位にいる、オシアナスの定番モデルがクラシックライン OCW-T2600です 。
デュアルタイム表示が可能な実用的なデザイン、ザラツ研磨が施された上質なチタンケースといったオシアナスの基本要素を押さえつつ、マンタシリーズよりも手頃な価格で手に入ります 。
ビジネスからカジュアルまで、シーンを選ばずに使える汎用性が魅力で、初めてオシアナスを買う人にとって最も間違いない選択肢と言えるでしょう。
シンプルを極める「3針モデル OCW-S100 / T200」
クロノグラフの文字盤はゴチャゴチャして苦手、という声に応えるのが、シンプルな3針と日付表示のみに機能を絞ったモデルです。
特にOCW-S100は、2012年の発売以来、根強い人気を誇るロングセラーモデルです 。
また、OCW-T200はBluetooth連携機能を搭載し、より現代的な使い勝手になっています 。
オシアナスが誇る電波ソーラーの利便性や、チタンによる軽さ、美しい仕上げはそのままに、クリーンで視認性の高いデザインを両立しています。
まとめ
オシアナスがダサいという評価は、その革新的なコンセプトとデザインが、腕時計という伝統的な世界の価値観とぶつかることで生まれる、ある種の避けられない反応なのかもしれません。
鮮やかすぎる青、多機能ゆえの複雑な文字盤、そしてカシオというブランドイメージに対するプレミアムな価格設定。これらは、一部の人々にとって受け入れがたい要素であることは事実です。
しかし、その評価の裏側には、他のブランドにはない確かな価値が存在します。
時刻合わせも電池交換も不要という、テクノロジーがもたらす究極の利便性。チタン素材と薄型設計が生み出す、羽のように軽い装着感。そして、ザラツ研磨や江戸切子といった日本のものづくり精神が息づく、独創的で美しい仕上げ。
これらは、オシアナスが単なるカシオの高級時計ではなく、オシアナスという独自のジャンルを確立していることの証明です。
最終的に、オシアナスがあなたにとってダサいか、最高にクールかは、腕時計に何を求めるか次第です。
もしあなたが、腕時計に機械式のロマンや伝統的なステータス、資産価値を求めるのであれば、オシアナスは選ぶべきではないでしょう。
しかし、もしあなたが、日々の生活をより快適にするための最高のツールとして、先進技術と日本の美意識が融合した実用的な一本を求めるのであれば、オシアナスは最も賢く、そして満足度の高い選択肢の一つになるはずです。